日本地理言語学会第2回大会予稿集 Proceedings of the Second Annual
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日本地理言語学会第2回大会予稿集 Proceedings of the Second Annual Meeting of the Geolinguistic Society of Japan 2020 年 9 月 27 日 27th September, 2020 オンライン Online 日本地理言語学会第二回大会プログラム 日時:2020年9月27日(日) オンラインによる一日開催 参加費:無料 〇本会は会員制度をとっておりませんので、どなたでも参加できます。 〇Zoomを利用して開催します。発表者・司会者と聴講を希望される方は以下のURLで、参加申し込みを お願いします。折り返し、ZoomのURLをお知らせします。 https://forms.gle/AA5uopHegL5Jeptr8 〇研究発表スケジュール: 9月27日(日) 以下、日本時間 900-1030 司会: 福嶋秩子(新潟県立大学) 1.語境界線(isogloss)から観察するアラビア語諸方言の様相 長渡陽一(東京外国語大学特別研究員) 2. 東南アジア大陸部諸語における発声類型の地理分布 倉部慶太(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所) 3. 横浜ドイツ人学校におけるドイツ語の方言接触-綴り<s>におけるスピーチ・アコモデーション- 金田懐子(東京大学)・松本和子(東京大学) 1045-1145 司会: 岸江信介(奈良大学) 4. サハリンの朝鮮語話者コミュニティーにおける方言・言語接触 ‐ 音節核のヴァリエーションに関 する事例研究 ‐ 吉田さち (跡見学園女子大学)・松本和子 (東京大学) 5. 計量的分析における統語関係を反映させた変数及び行列設定の試み –ロマンシュ語の否定を例に– 清宮貴雅(東京外国語大学博士後期課程) 1145-1300 昼休憩 1300-1430 Chair: Ray Iwata (Komatsu University) 6. Disappearing overcounting numeral systems in the Luzon–Taiwan area Izumi Ochiai (Hokkaido University) 7. Mapping the Case Systems among Kuki-Chin-Naga Languages in Northeast India MURAKAMI Takenori (Kyoto University) 8. Geolinguistic significance of the Phongpa dialect in the history of Yunnan Tibetan Hiroyuki SUZUKI (Fudan University) 1445-1545 Chair: Mitsuaki Endo (Aoyama Gakuin University) 9. A Geolinguistic Survey of Jianyin and Tuanyin in Rizhao dialect of Chinese Qi Haifeng (Shanghai International Studies University) 10. 最近隣法による文字変異の地図化と語彙拡散の計量化 古スペイン語重子音文字 ss の歴史・地理的解釈 上田博人(東京大学)・Leyre Martín Aizpuru (Universidad de Sevilla) © each contributor 1 語境界線(isogloss)から観察するアラビア語諸方言の様相 長渡陽一(東京外国語大学特別研究員) 本発表の目的は、アラビア語の主な方言の基礎語彙の語境界線(isogloss)を地図化し、使 用語彙の異同の様相を考察することである。方言間の語境界線は、Swadesh(1955)の基礎語 彙 100 語のうち、同一語彙について隣接している方言が同源語でないものを使うときに境界線 を引く。アラビア語の主要な方言である、モロッコ方言、エジプト方言、シリア方言、イラク方言 と、周縁方言とされるマルタ語とチャド方言の 6 つを扱う。マルタ語は、モロッコ方言とともに西 方言をなす。チャド方言は東方言がスーダンからアフリカ中央部へ移動したものである。 アラビア語諸方言の地理的研究は、語彙などの地図の集大成(Behnstedt & Woidich 2011) や、語彙や文法項目によって周圏的分布などを確認した研究(Ratcliffe forthcoming)な どがある。基礎語彙による統計法では通常、方言(言語)間の同源語の共有数に注目するが、 その地理的分布はあまり可視化されない。また方言語彙地図では、通常は複数の語彙の分布 を 1 枚に示すことには限界がある。しかし、地図上に複数の語彙の分布境界線(語境界線)を 引くことにより、方言域全体の複数の語彙の異同がある程度可視化することができる。 各語彙の境界線を引いた結果、西方言(モロッコ方言、マルタ語)と東方言の境界となるとこ ろでは 20 前後の語境界があって、東方言どうしの語境界より多いが、東西を分ける境界のうち 6 方言中マルタ語のみの 8 語などを除くと、東西の境界をなす語境界線は 5 語(茶色)であるこ と、また西方言どうしのマルタ語とモロッコ方言との境界も 22 語あって、マルタ語と東方言との 境界をなす語境界と同数であることが明らかとなった。さらに、東方言内の境界をなす境界線 は、全域でさまざまに異なる語彙(赤色)であることも分かった。なぜこれらの語彙(赤色)が多 くの方言で異なっているかについて今後の考察が必要である。 複数の語彙の語境界線を 1 枚の地図に可視化することで、方言全域の以上のような分布様 相が見えた。 Swadesh 基礎語彙 100 語によるアラビア語方言の語境界線 2 東南アジア大陸部諸語における発声類型の地理分布 倉部慶太(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所) 発声類型(phonation type)は母音の喉頭特徴であり、通常の modal voice に加えて、 creaky voice や breathy voice などが知られる(Ladefoged 1971)。発声類型は東南アジア 大陸部の様々な言語に報告されている。これらには、ピッチや分節音と相関するものと 独立したもの、音声的なものと音韻的対立をなすものなど様々なタイプがある。その重 要性にもかかわらず、東南アジア大陸部における発声類型の地理的分布はいまだ充分に 知られていない。たとえば、WALS では発声類型は扱われていない。また、UPSID、 PHOIBLE 2.0、The database of Eurasian phonological inventories などの音韻論の大規模デ ータベースでも東南アジア大陸部諸語の発声類型については、数地点に限られている。 本発表では、同地域の発声類型の地理言語学的研究の第一歩として、この地域で各発 声類型がどのような地理的分布を示すかを、主に二次資料に基づきながら報告する。ま た、これらの分布についてどのような解釈が与えられるか考察を行う。以下の地図は東 南アジア大陸部を中心に、音声的であれ音韻的であれ、各言語を creaky (creaky voice が 顕著)、breathy (breathy voice が顕著)、mixed (creaky と breathy がともに顕著) 、no(発声 類型が顕著でない)に分類して示したものである。 参考文献 Ladefoged, Peter (1971) Preliminaries to linguistic phonetics. Chicago: University of Chicago. 3 横浜ドイツ人学校におけるドイツ語の方言接触 -綴り<s>におけるスピーチ・アコモデーション- 金田懐子(東京大学)・松本和子(東京大学) 1. はじめに 本発表は日本におけるドイツ語の方言接触とスピーチ・アコモデーションに関する予備調査 の結果を報告するものである.2018 年現在,約 15,000 人のドイツ語話者が日本に滞在してお り(法務省, 2018),ドイツ語話者を配偶者に持つ家庭と共に在日ドイツ語話者人口を構成して いると考えられる.横浜ドイツ人学校には 2019 年現在小学生から高校生まで約 500 人の児 童・生徒が在籍し,ドイツ語話者コミュニティを形成している.当該コミュニティに関する先行研 究は乏しく,生徒 2 名の日独コードスイッチングに関する研究(今村, 2013)はあるものの,ドイツ 語の方言には言及していない.ドイツ語圏は独・墺・スイス各国の標準ドイツ語および多種多 様な地域方言が存在することで知られているため,ドイツ語圏各地からもたらされた様々な変 種が日本で接触した結果どのようなドイツ語が日本のドイツ人学校で使用されているか,という 観点からの言語学的調査を行うことは方言接触の分野に新たな事例を提供するものと考える. 本発表では,まずドイツ語の諸方言およびドイツ語圏各国における標準語について概説し, コミュニティの方言背景を整理する.次にドイツ語圏の方言地図を参照しながら,日本のドイツ 人学校で観察された発音の変異とアコモデーションの諸要因を考察していく. 2. 分析の枠組み 以下を分析の理論的枠組みとして採用する.まず Giles et al. (1987) の提唱する「スピーチ・ アコモデーション理論 (speech accommodation theory)」である.これは話者が相手によって話 し方を無意識的に,あるいは意識的に調整する習性を類型化したものであり,相手に受け入 れられるために相手の話し方へ近づけようと適応する行為を「収斂 (convergence)」,逆に相手 との距離を示すために相手の話し方との違いを大きくする行為を「拡散(divergence)」と呼ぶ. こうしたアコモデーション行為が継続する期間によって異なる結果をもたらすことが指摘されて い る . 相手の話し方に近づけようとする 「 短 期 間 の ア コ モ デ ー シ ョ ン 行 為 (short-term accommodation) 」 は 一 時 的 な 適応・調整で あ る が , そ れ が 長 期 間 に 渡 る と (long-term accommodation)話者自身の話し方が永続的に変化・定着する可能性がある(Britain, 2018). 一方 Chambers (1992)は,英国に移住したカナダ人児童が長期間のアコモデーション行為 を行った結果として児童の話し方にもたらされた変化の特徴を 8 つの法則で説明し,第二方 言習得の過程を解いた.そのひとつが,綴りと矛盾したイギリス英語の「R-lessness の習得(car の r を発音しないこと)」と比べ,綴り字に則った「T-Voicing の減少(better の t の有声化を無声 化にすること)」が早い,つまり「第二方言習得において綴り字に則した発音の変異形ほど習得 されやすい」という法則である. また,第二方言習得には話者の社会的ネットワークの特性が関係していることが明らかにな っている.Kerswill & Williams (2000)は,英国のニュータウンでみられた子どもの言語使用の 研究から,年齢が上がるほど,また社交的で友達どうしのグループによく溶け込んでいる子ど もほど親と異なる言語使用を身につける,つまり子どもの話し方は成長とともに友達からの影 4 響を強く受けるようになるということを示している. 3. ドイツ語の諸方言・各国の標準語 ドイツ語圏の諸方言は国境を超えて連続しており,図 1 のようにドイツ北部の「低地ドイツ語諸方言(Low German dialects)」,ドイツ中部の「中部ドイツ語諸方言 (Middle German dialects)」とドイツ南部・墺・スイスの「上 部ドイツ語諸方言(Upper German dialects)」に細分化さ れる(Knöbl, 2011).一方,独・墺・スイス各国において 各々の「標準語」とされるドイツ語変種が確立しているこ とが指摘されている(高橋, 2009; Ehrlich, 2009, Soukop & Moosmüller, 2011; Scherrer & Rambow, 2010). 4. 予備調査の概要 予備調査ではドイツ人学校において 10~17 歳の生徒 20 名(男性 12 名,女性 8 名)より① 出身地や家族・交友関係などの話者情報,②単語の読み上げ(50 語),③ピクチャータスク (17 語),④談話データを収集した.調査は校内で標準ドイツ語を用いて生徒と一対一でのイ ンタビュー形式で実施した.本発表では話者情報と母音に先行する綴り<s>を含む 20 個の単 語(表 4,5 を参照)の読み上げ結果(計 396 トークン)を定量的・定性的に分析していく. 5. 分析 5.1. 在日ドイツ人コミュニティの方言背景 まず,どのようなドイツ語の方言が日本のドイツ 人学校へもたらされたかを探る.図 2 は調査対象 の生徒およびその両親の出身地を 3 節で示した 方言区分(図 1)に基づいて整理したものである. ここから,①日本生まれの生徒(8 名)と日本人を 母親として持つ生徒(11 名)が半数前後を占める こと,②ドイツ南部・墺・スイスなどの上部ドイツ語 諸方言地域出身者である生徒(8 名)と父親(12 名)がおおよそ半数を占めることが示された. 図 3, 4 は上記 3 国を含むドイツ語圏全域における母音に先行する綴り<s>の発音の変異形 の地理分布を語頭・語中別に示している.現代ドイツ語の標準発音を定めた辞典 Duden Aussprachwörterbuch (2000)によれば,母音に先行する綴り<s>はほぼ常に有声音[z]で発音さ れるが,Kleiner & Knöbl (2011ff.) による研究では低地ドイツ語諸方言地域では[z],中部・上 部ドイツ語方言地域では[s]で発音され,また語頭の方がより[s]で発音されやすいという傾向が あることがわかる1.先ほどの生徒およびその両親の主な出身地(赤丸で囲んだ地域)では 3 つ の変異形が使用されているため,ドイツ人学校でこうした変異形が接触していると考えられる. 本予備調査の一環として行った語末の<ig>に関する考察では,短期間のスピーチ・アコモ デーションが日々営まれた結果,出身者の比率の高い上部ドイツ語諸方言に生徒の発音が 近づいていっている可能性が示されたが(金田・松本, 2019),インタビューではほとんどの生徒 1 今回の分析では,図中の無声軟音[z̥ ]は無声歯茎摩擦音[s]の項目にまとめて取り扱う. 5 が「学校では標準ドイツ 語を使用している」と回 答した.日本のドイツ人 学校へ通う生徒は,ドイ ツ語学習者である母親 が話すと推測される標 準形[z]の影響が見られ るのか,それとも上部ド イツ語方言地域の出身 者である生徒や父親の 方言形[s]が好まれるの か,それともそもそも校 内という公の場で調査を 行ったことから標準形[z] 以外が使用される余地はないの か,ここから考察していく. 5.2. 言語環境の比較 表 1 は単語の読み上げ結果を示している. 標準形[z]の発音が大多数を占めていることか ら(86.9%),[s]使用地域出身の生徒や[s]使用 地域出身の父親をもつ生徒であっても標準形 [z]を採用していることがわかる. 言語環境に着目し,語頭と語中のデータを 分けて示したのが表 2, 3 である.語頭と語中 での比率を比べると,中部・上部ドイツ語方言 の変異形[s]の使用率が語中(9.6%)に比べ語 頭で高く(18.5%),先行研究の傾向と一致して いることがわかる. 5.3. 単語間のゆれ 表 4, 5 は単語ごとの各変異形の使用率を示 したものである.方言形の使用率が比較的高 い「満腹の」「息子」「だから」「お菓子」といった 語彙は家庭で使用される生活語彙であること から方言形が出やすい可能性が考えられる. 一方,「効果的な」の方言形使用率の高さに ついては前の子音の影響など今後より詳細な 分析が必要である. また,英語と綴りが一致する単語(表 4, 5 中で黄色い背景で表示)のうち「信号」「すごい」で 方言形[s]の使用率が高いことについては,英語の発音規則に沿う変異形が選択されているこ 6 とが考えられる.単語リストを渡した際に,リスト中の単語を英語だと勘違いして英語風に発音 した生徒もおり,また両親が会話に英語を使用/友人と英語で話す機会がある/英語圏に在住 した経験があるといった生徒が半数を占めていたことから,英語が堪能な生徒は英語の発音 規則がドイツ語の発音に影響するのではないかと推察される.これが,Chambers (1992)の提 唱した法則のように綴りが発音に与えた影響なのか,それとも自然発話においても英語と綴り・ 意味が共通する単語は発音が英語に寄っていくのかは,今回の分析からは定かでない. 5.4. 話者間・話者内・兄妹間のゆれ 表 6 は話者一人一人の実現形を示している2.話者間で発音にゆれがみられることがわかる. 表 6 中で水色の背景で示した話者 O と話者 H はそれぞれ方言形[s]で発音する比率が 90%, 65%と他の話者と比べて突出して高い.二人はスイス出身であり,インタビューでも特に顕著な スイス方言が見られたため,出身地の方言が影響していると考えられる.他のスイス出身話者 にはそのような傾向はみられなかった. また,全ての単語を標準形で発音したのは話者 C, D, E, L, N, Q, S, T の 8 名 (表 6 中の*) のみであり,半数以上の生徒は少なくとも一単語以上を方言形で発音している,つまり話者内 で発音にゆれがみられることがわかる.兄妹間では,話者 F と T の兄妹(表 6 中の黄色の背 景)では話者 T は全ての単語を標準形[z],話者 F は二つの単語を方言形[s]で発音した一方, 話者 I と G の双子(表 6 中のピンク色の背景)は五つの単語の語頭,二つの単語の語中で発 音が異なり,傾向はバラバラであった.これらの結果は親の影響よりも身近な友人の影響によ って生徒の発音が変容し得ることを示唆しており,子どもの話し方は成長とともに友達からの影 響を強く受けるようになるという Kerswill & Williams (2000)の指摘を裏付けると考えられる. 2 紙幅の制限のため,ここでは生徒と両親の国籍や出生地,生徒の性別等の情報は含めなかったが,そうした生 徒の背景による一定の傾向は見られなかった. 7 6. 結論 本発表では,日本在住のドイツ語話者がもたらしたドイツ語諸方言がドイツ人学校で接触し 方言混交が生じる中で,生徒のあいだで身近な友人たちの話し方に近づけるアコモデーショ ン行為が生じている事例を提示した.生徒の母音に先行する綴り<s>の発音は標準形が多数 派であり,先行研究と同様に方言形[s]は語中よりも語頭で生じやすい傾向がみられた.同一 話者内や兄妹間での発音のゆれは,生徒の話し方が友人の影響によって変容していることを 示唆すると考えられる.一方,英語の綴りの影響については更なる精査が必要とされる.今後 は談話データと読み上げデータのスタイル差の比較を行うとともに,在校生全体の出身地別 人口内訳や教師に関する追加調査,matched-guise test を用いた話者の意識(perception)に関 する実験などを行い,より詳細に分析していきたい.また,同一話者から再度データを収集し, 実時間(real-time)における変化が観察されるかどうか継続して調査考察していきたい. 参考文献 (Selected references): Britain, David (2018). Dialect contact and new dialect formation. In C. Boberg et al. (Eds.), Handbook of dialectology, 143-158. Oxford: Blackwell. Chambers, J. K. (1992). Dialect Acquisition. Language, 68(4), 673-705. Ehrlich, Mag. Karoline (2009). Die Aussprache des österreichischen Standarddeutsch– umfassende Sprech- und Sprachstandserhebung der österreichischen Orthoepie. MA thesis, Universität Wien. Giles, Howard, Mulac, Anthony, Bradac, James J., Johnson, Patricia (1987). Speech accommodation theory: The first decade and beyond. Communication Yearbook, 10, 13–48. Kerswill, Paul, & Ann Williams (2000). Creating a new town koine: Children and language change in Milton Keynes. Language in Society, 29(1), 65-115. Kleiner, Stefan & Knöbl, Ralf (2011ff.). Atlas zur Aussprache des deutschen Gebrauchsstandards. URL: http://prowiki.ids-mannheim.de/bin/view/AADG/ (2019 年 12 月 27 日閲覧) Knöbl, Ralf (2011). Aspects of pluricentric German. In Soares da Silva, Augusto, Torres, Amadeu, Gonçalves, Miguel (Eds.), Línguas Pluricêntricas: Variação Linguística e Dimensões Sociocognitivas / Pluricentric Languages: Linguistic Variation and Sociognitive Dimensions,