ミャンマー HTML 版

ミャンマー連邦共和国 (Republic of the Union of

通 信

Ⅰ 監督機関等 運輸・通 信 省 (MOTC) Ministry of Transport and Communications Tel. +95 67 407225

URL https://www.motc.gov.mm/

Building No.2, Special Development Zone, Nay Pyi Taw, MY- 所在地 ANMAR 幹 部 U Thant Sin Maung(大臣/ Minister) 所掌事務 2012 年 11 月に旧通信郵便電信省( MCPT)か ら通 信・情 報 技術 省( MCIT)へ と名称変 更 さ れた が 、2016 年 3 月に行われた省庁再編に伴い運輸省、鉄道運輸省 と合併し 、 運 輸・ 通 信 省( MOTC)として発足。同省は、電気通信分野に関する 規制を所 管 す る Post and Telecommunications Department( PTD)を 含 む 18 の 部門から 構 成 され て い る。 郵便、電気通信、放送分野(電波管理行政のみで、政策立案は情報省が所管) を所掌している。主な所掌事務は、以下のとおりである。 ・政策立 案 及 び電 気 通 信サ ー ビ スの 管 理 監督 ・各種免 許 の 付与 と 免 許料 の 徴 収 ・通信機 器 と 通信 シ ス テム に 関 する 標 準 化 ・国際交 渉 及 び電 気 通 信関 連 の 調査 研 究

Ⅱ 法令 2013 年電気 通 信法 ( Telecommunications Law of 2013) 廃止され た「 電 信法( Telegraph Act, 1885)」及 び「 無 線 電 信法( Wireless Te- legraphy Act, 1934)」を代替するもので、2013 年 10 月 8 日に 施 行 され た 。 規 制 体制や免許制度、周波数管理、相互接続、消費者保護等の内容が定められている。

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Ⅲ 政策動向 1 競争促進 政策 MCIT(当時 ) は 2013 年 6 月 27 日、外国企業の移動体通信事業への参入につ いて、ノ ル ウ ェー に 本 拠を 置 く Telenor と、カタールに本拠を置く Oored o o (旧 カタール ・ テ レコ ム :Qtel)の 2 社に対して事業免許を交付した。 2 社は入札 要件 に 基 づき 、免 許発 行 か ら 5 年 以内 に 国 土の 75% の カ バ レ ッ ジ 達 成、及び音声通話の実施が義務付けられている。また、国営のミャンマー郵電公 社(Myanmar Posts and Telecommunications : MPT)においても、同様のカバ レッジ義 務 が 求め ら れ てい る 。 2017 年 1 月 にベ ト ナ ム Viettel グループの出資するミャンマー・ナショナル・ テレコム・ホール デ ィ ング( Myanmar National Tele & Communications:MNTC 。 後に Telecom International Myanmar に 社 名 変更 ) が 同国 4 件 目 の通 信 事 業 免 許を取得 し た 。免 許 の 有効 期 限 は 15 年 間 。持 株 比 率 は、 Viettel: 49%、国軍系 の Star High 株式会 社:28% 、国内 民 間企 業 11 社 の 連 合体:23% と なっ て い る 。 同社は 2018 年 6 月より Mytel の ブラ ン ド 名で LTE 商用サービスを正式に提供 開始した 。 2 情報通信 基盤 整 備 政策 2013 年 5 月に日本政府の無償資金協力(供与額 17 億 1,000 万 円 )に よ る ヤ ン ゴン、マンダレー及びネーピードー間を結ぶ光通信網が敷設さ れ た のに 加 え 、 各 都市内に お い ては 、 LTE や 固 定 電話 、 10Gbps に達するネット通信網も構築され た。2014 年 1 月には世界銀行からの資金提供によるルーラル地域における通信 基盤整備 の ほ か、2015 年 3 月に韓国輸出入銀行からの融資によるタウンジー、マ ンダレー 、 ミ ーチ ー ナ 等 7 都市間のバックボーン構築も行われた。 2018 年 1 月に MOTC は、遠隔地でのサービス拡充に充てる方針を示し、ユニ バーサル・サービス・ファンドの設立に関する一般意見募集を実施した。移動体 通信事業 者 か ら収 益 の 2%に相当するユニバーサル・サービス料の 徴収 に よ り 、 移動体通 信 網 の人 口 カ バレ ッ ジ を 5 年 以 内に 99%まで向上させる目標が掲げら れている 。 MOTC は 2020 年 2 月、新しいブロードバンド普及目標及び目標の達成に向け た取組みに関するホワイトペーパーを発表した。都市部とそれ以外のエリアにお ける 2020 年と 2024 年までのそれぞれの目標は次のとおりである。 都市部の 場 合 : ・2020 年ま で に 20Mbps の固定ブロードバンドの普及率を 5%に ・2020 年ま で に 20Mbps の固定無線ブロードバンドの普及率を 15%に ・2024 年ま で に 100Mbps 固 定 ブ ロー ド バ ンド の 普 及率 を 50%に ・2024 年ま で に 100Mbps の固定無線ブロードバンドの普及率を 50%に

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・2024 年ま で に 15Mbps のモバイル・ブロードバンドの普及率を 95%に 非都市部 の 場 合: ・2020 年ま で に 10Mbps 固定ブロードバンドの普及率を 3%に ・2020 年ま で に 5Mbps の固定無線ブロードバンドの普及率を 20%に ・2024 年ま で に 30Mbps 固定ブロードバンドの普及率を 20%に ・2024 年ま で に 30Mbps の固定無線ブロードバンドの普及率を 60%に ・2024 年ま で に 2Mbps のモバイル・ブロードバンドの普及率を 90%に 目標の達成に向け、インフラの整備を容易にするための規制緩和を行うと示さ れた。具体的には、普及の障害とされる道路使用権( rights of way)の 課 題 に 取 り組む一 方 、 イン フ ラ 共用 の 推 奨や 5G を含む新しい技術の導入等を進めること となって い る 。 3 SIM 登録 2016 年 6 月、隣国タイの規制当局である国家放送通信委員会( National Broad- casting and Telecommunications Commission :NBTC) は、 詐 欺 や麻 薬 取引の 防止を目 的 と し、ミ ャ ン マー 、タ イ 、カ ンボ ジ ア 、ラオ ス に また が る SIM カード の登録に関する計画を明らかにした。ミャンマーは 2017 年 3 月 末 まで の 登 録 が 義務付け ら れ 、未 登 録 の SIM カー ド の 抹消 が 2017 年 10 月 に 行 われ た 。 2019 年 4 月、 ミ ャ ンマ ー 政 府は SIM カードを購入するすべての人に、国民登 録証(National Registration Card:NRC)もしくはパスポート等その他の身分 証明を提示して登録するよう要請し、1人当たりの SIM カ ー ド購 入 に つ い て 、 2 枚までの 制 限 を設 け て いる 。 登 録さ れ て いない SIM カード 655 万 枚の 利 用 を 停 止するとともに、規則を順守していなかったとして移動電話サービス事業者4社 に 10 万 USD ず つ 罰 金を 科 し た。 2020 年 1 月に MOTC は、セキュリティを強化する目的で、すべての移動電話 利用者に 対 し 、6 月 30 日末 ま で の SIM カードの再登録を新たに求めた。6か月 以内に通 話 ・SMS・プリペイド入金がなかった場合はサービスが停止される。 4 MVNO 2015 年 3 月、MCIT(当時)はミャンマー経済公社( Myanmar Economic Cor- poration:MEC)に 対 して 、MVNO サービスの提供に関する許可等を含んだ免許 (2030 年 3 月まで有効)を割り当てている。同社は MPT の CDMA 方式ネット ワークを 利 用 し、新規参 入 事 業者 Mytel からの出資も受けているが、2020 年 6 月 現在の加 入 者 数は 約 62 万 程 度と な っ てい る 。

Ⅳ 関連技術の動向 基準認証 制 度 「2013 年電気通信法」により、製造・販売されるネットワーク設備又は電気通

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信施設(Network Facilities or Telecommunications Equipment ) に つ い て 、 MOTC の型式認証を受けなければならない 。

Ⅴ 事業の現状 1 固定電話 新規参入 事 業 者の Telenor、Ooredoo 及び Mytel が取得した免許では、固定電 話サービスの提供も可能となっているが、現状では、MPT のみ の 提 供と な っ て い る。 サービス 改 善 の取 組 み とし て 、MPT は これ ま で 、既存 の TDM 交換 機 を マ ル チ・ サービス・ア ク セス・ノ ー ド( MSAN)交換機にアップグレードし、5 桁 及 び 6 桁 の電話番 号 を すべ て 7 桁にアップグレードした。 2 移動体通 信 通信市場 の 自 由化 に よ り、MPT に加え、Ooredoo(2014 年 8 月サ ー ビ ス開 始 )、 Telenor(2014 年 9 月サ ー ビ ス開 始 )及 び Mytel(2018 年 3 月 サー ビ ス 開 始 ) の 4 社によって移動体通信サービスが提供されている。 Ooredoo は 2014 年 8 月に W-CDMA 方 式の 3G サービスを開始したのに続い て、2016 年 3 月には、ミャンマーで初となる LTE サ ー ビ スも 開 始 した 。20 2 0 年 6 月現在の同社ネットワークの人口カバレッジが約 96%に 達 し てい る 。 Telenor は 2014 年 9 月に GSM と W-CDMA 方式によるサービスを開始したの に続いて 、2017 年 6 月には LTE サービスを開始した。サービスには音声、デー タ通信のほか、付加価値サービス及び海外通話も含まれている。2019 年 6 月には 全国向け に 商 用 VoLTE サービスの提供も開始し、2020 年 6 月 末現 在 、7, 39 5 基 の LTE 基 地局 を 構 築し 、307 に及ぶタウンシップにおける人口カバレッジは 92% を超えた 。 他方、MPT は CDMA、GSM 、W-CDMA 等、多 方 式に よ る サー ビ ス を 提 供 し て いる。また 、新 規 参入 事 業 者に 対 抗 する た め に、KDDI と の 提携 や SIM カード及 び通話料 金 の 引下 げ も 行っ て い る。 2016 年 10 月に LTE サー ビ ス を開 始 し た の に続いて 、2018 年 9 月 よ り一 部 の 地域 に お い て、CA( キャ リ ア・ア グリ ゲ ー シ ョ ン)技術 を 用 いた LTE-A サ ー ビス も 開 始し た 。 5G につい て 、 Mytel は 2019 年 7 月に中国通信機器ベンダ大手の華為技術 (HUAWEI) か ら の協 力 で 、5G のテストを行った。最大で 1.6Gbps に達する下 り通信速 度 を 実現 し 、2020 年には商用サービスの開始を目指すとしている。一方、 Ooredoo は 同年 9 月 、中 国 の 中興 通 訊 (ZTE)と協力し、同国初となる 5G 技術 の実体験デモを実施した。ヤンゴンで行われた通信速度テストでは、2.6G H z 帯 及び 3.5GHz 帯 の 周 波数 利 用 で、下り通信速度は最大で 1.75Gbps に 達 した 。 3 インター ネッ ト

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MPT と Yadanaporn Teleport(YT)によって提供されていたインターネット市場 には、2017 年以降、Telenor 及び Ooredoo、 更に 2018 年 6 月 以降 Myte l も市場 参入を果 た し た。 事 業 者の う ち 、Mytel は 3 万 km に及ぶ光網を構築し、下り通 信速度が 15Mbps に達 す る FTTH サービスを提供している。 Telenor は 2 01 8 年 7 月より、下 り 通 信速 度 が 最大 で 5Mbps に 達す る LTE 規格のモバイル・ブロー ドバンド・ サー ビ スを開始した。サービス方式は FTTH を含む FTTx や 、 無 線 ブ ロードバ ン ド 、ADSL、 ダイ ヤ ル ア ップ 、 WiMAX 等 とな っ て いる 。 MOTC は 2016 年 5 月、米インテルサット( Intelsat) の 通信 衛 星 2 基 ( イ ン テルサッ ト 902 の C バンドとインテルサット 906 の Ku バ ン ド )を利 用 し 、ミ ャ ンマー国内の無線通信基盤を強化し、ブロードバンド無線通信サービスを拡大さ せるとし た 。2018 年 6 月に は 、 MOTC が米インテルサットと新たに契約を交わ し、2019 年よ り 、イ ン テル サ ッ ト 902 の代わりにインテルサット 39 を利用する とした。これにより、ミャンマー政府の既存ネットワークだけでなく、移動体通 信事業者及びメディア事業者のネットワークも大幅に拡充することが可能となり、 2022 年まで に 全人 口 の 95%をブロードバンドへ接続可能にするという MOTC の 目標の実 現 を 後押 し し た。

Ⅵ 運営体 ミャンマ ー 国 営郵 便 ・ 電気 通 信 事業 体 ( MPT) Myanmar Posts and Telecommunications Tel. +95 1 515034

URL https://www.mpt.com.mm/mm/

所在地 No.361 Pyay Road Sanchaung Township, , MYANMAR

幹 部 U Soe Thein(次 官 / Permanent Secretaryが兼 務 ) 概要 1972 年の電気通信監督機関と運営体の分離後、「 1989 年 国 有 企 業 法 (Sta t e owned Economic Enterprises Law)」に 基 づき 、1989 年に国有事業体となった。 電気通信市場における事業者として、固定電話、移動体通信、国際通信等、 11 の 部署を設けており、電気通信サービスの提供をはじめ、電気通信分野における研 究開発、通信設備の製造、輸出も行っている。 同社は資金不足により、基盤整備が遅れており、そのうえで新規参入した外資 2 社に対抗 する た め もあ っ て 、2014 年 7 月に KDDI と 提携 す る と発 表 。KDDI は 住友商事 と そ れぞ れ 50.1%と 49.9%の割合で合弁企業を設立し、向こう 10 年間 で 2,000 億 円 を投 じ 、MPT と共同で移動電話事業を進めることにしている。2 0 17 年 10 月現在、同社ネットワークの人口カバレッジは 98%に達した。今後、国内

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すべての州・管区でサービスを提供するという計画の実現に向け、全国の通信網 の改善を 進 め てい る 。 また、市場志向型システムに則った電気通信事業の運営や電気通信事業以外の 他事業への投資を可能とすること等を目的とした MPT の 公 社化 法 が 201 9 年 8 月 5 日に公 布さ れ た 。

放 送

Ⅰ 監督機関等 1 情報省 Ministry of Information Tel. +95 67 412323

URL https://www.moi.gov.mm/

所在地 Building No.7, Nay Pyi Taw, MYANMAR

幹 部 Dr Pe Myint( 大臣/ Minister) 所掌事務 政策立案のほか、情報、教育行政を所掌している。 2 運輸・通 信省 ( MOTC) (通信/ Ⅰ の 項参 照 ) 所掌事務 放送分野に関しては、主に電波管理行政を所掌。

Ⅱ 法令 1 SPDC テレ ビ・ビ デオ 法(The State Law and Order Restration Council The Television and Video Law, 1996) 1996 年に施行された法律で、放送全体を包括するものではないが、テレビ受信 機やビデオ・テープレコーダの所有に関する許可申請や、ビデオ事業の運営等に 関する規 制 等 を規 定 し てい る 。 2 放送法 2015 年 8 月制定。ラジオとテレビ放送の免許について、前者は 7 年 、 後 者 は 10 年と 15 年の 2 種類と規定。現在の国営放送は公共放送へと変更され、免許は、

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テレビ放送評議会が発給する等の内容が盛り込まれている。 2018 年 3 月 に下 院 議 会は 、同 法の改正案を可決した。改正により、民間の放送 会社と新聞社の同一の放送区域における株式の持合いについて、単独出資だけで なく、単一 の 出 資者 が 50%以上の放送会社や新聞社が、同一の放送区域内にある もう一方 に 出 資す る 場 合の 上 限 が 30%に 規 制 され る 。 3 メディア 法 同法は 2014 年 3 月に成立し、主に放送、新聞、出版、印刷に関するもので、 独立したニュース委員会、放送委員会の設置、ニューメディアに関する枠組作り も含まれ て い る。

Ⅲ 政策動向 1 公共放送 関連 政 策 ラジオ・テレビの受信料制度やテレビ受信機、ビデオ・テープ レ コ ー ダ の 所 有 許可証制 度 が ある 。1993 年 10 月に衛星放送にも受信料制度が導入された。 2016 年 5 月 より 、日 本政 府 に よる ODA の一 環 と して 、「ミ ャン マ ー・ラ ジ オ ・ テレビ局( MRTV)能 力 強 化プ ロ ジ ェク ト 」(技 術協 力 プ ロジ ェ ク ト)が 実 施 さ れ ている。同プロジェクトでは、民主化支援の一環として、MRTV 職 員に 対 す る 番 組制作能力や正確・公正な報道に関する意識の向上等の人材育成プログラムを実 施してい る 。 また、2017 年 3 月 、 日本 政 府 によ る ODA の 一 環と し て 、「 MRTV 放 送 機 材 拡 充計画」(無 償 資金 協 力 )を対 象 と して 22 億 6,300 万円を限度とする無償資金協 力の贈与契約が締結された。同事業は、ヤンゴン及びネーピードーにおいて、 MRTV の放送機材を拡充することにより、MRTV の放送能力及び放送番組制作能 力の向上を図り、もって民主化の推進を含む経済社会を支える人材の能力向上に 寄与する も の であ り 、2019 年 8 月 に 完 了 した 。 2 地上デジ タル 放 送 MRTV によ る DVB-T2 方 式 の デ ジタ ル 放 送が 2013 年 10 月 よ り 、 ネ ー ピ ー ドー、ヤ ン ゴ ン、マ ン ダレ ー の 3 都市で開始された。中継局の増設により、2 0 17 年現在、カバ レ ッ ジが 国 土 の 92%に 達 し てお り 、2020 年 まで に 100%の カ バ レ ッ ジを実現し、アナログ放送の終了が計画されているが、実行が遅れているようで ある。

Ⅳ 事業の現状 1 ラジオ 政府機関 の ヤ ン ゴ ン 市 開 発 委 員 会 ( Yangon City Development Committ e e : YCDC)が「City FM」の呼称で国内初の娯楽 FM ラジオ放送を行っている。国営

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FM ラジオ 局と し て 、Nay Pyi Taw Radio が 2007 年 10 月に、Padaukmyae Radio が 2008 年 3 月に 放 送 を開 始 し た。 このほか に 、Padamya FM 等、六つ の 民 間の FM 放 送 局 が存 在 し 、主 に ヤ ン ゴ ン等、都市 部 向け に 放 送を 行 っ てい る 。2018 年 2 月にミャンマー国内初のコミュ ニティー・ラ ジオ 局 と して 、「カ ヤ エ FM タンタビン」がヤンゴン管区タンタビン 郡区で放 送 開 始し た 。 2 テレビ MRTV と国軍出資のミャワディ・テレビ( Myawaddy TV)、フォ ー エバ ー ・ グ ループの 運 営 する MRTV-4、及びシュエ・タン・ルイン・メディア社(3の項参 照)の運 営 す る MNTV による地上放送が行われている。 このうち 、 MRTV に つい て は 、VHF 帯 30-300MHz と UHF 帯 470-585 MH z で、14 のチャンネルを運用している。一方のミャワディ・テレビは VHF 帯( 198- 204MHz 帯) を運 用 し てい る 。 2017 年 3 月に情報省は五つの事業者(Mizzima Media、Young Investmen t Group、Kaung Myanmar Aung、Fortune、DVB Multi Media Group) に 対 し て デジタル 放 送 権を 与 え た。この うち 、Mizzima Media は 2018 年 3 月、DVB Multi Media Group は同 年 4 月、また Fortune、Young Investment Group 及び K au ng Myanmar Aung は 2019 年 2 月よりそれぞれ放送を開始した。 2018 年 2 月 、株式 会 社海 外 通 信・放 送・郵 便 事業 支 援 機構(JICT)、クー ル ジ ャ パン機構( CJF)、株 式会 社 日 本国 際 放 送( JIB)、シュ エ・タ ン・ル イ ン ・ メ デ ィ ア社及び Myanmar Business Central Corporation Co., Ltd.の共 同 出資 に よ り 、 Dream Vision Co., Ltd.が設立された。同社は日本コンテンツや日本 の番 組 フ ォ ー マットを利用した共同制作番組等を行っており、 MNTV で 放 送を 行 っ て いる 。 3 衛星放送 MRTV が Thaicom 3 衛星を使 用 し 、国際 放 送 とし て「 MRTV-3」を 展 開 し て い たが 2010 年 3 月に民営化され、新たに Myanmar International( MITV 、運営 はシュエ・タン・ルイン・メディア社)として国内及び日本、オーストラリアを 含む 120 を 超 え る国 に 向 けて 24 時間の英語による放送を実施し、インターネッ トでも配信を行っている。地上放送でも、毎日午前 9 時 か ら午 前 11 時 、午 後 4 時 から午後 6 時まで国内ニュース、教育、娯楽番組を中心に英語で放送を行ってい る。 また、MRTV は、PSA10 衛星を利用し、毎日のラジオのニュース番組を、午前 と午後 1 時間ずつ放送している。ミャワディ・テレビの国内各地の送信施設への 伝送には 、 Palapa C2 衛星が 使 用さ れ て いる 。 全国をカバーする衛星有料多チャンネル放送が SKY NET のサ ー ビ ス 名 で 、 シュエ・タン・ルイン・メディア社によって提供されている。チャンネル数は、

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中国 CCTV-4(中国語国際チャンネル)や CCTV-news(英語ニュース・チャンネ ル)、CCTV-9(ドキュメンタリー・チャンネル)のほか、日本の NHK ワールド TV、NHK ワールド・プレミアム等も含め、 120 以 上に 達 す る。 2018 年 3 月より、フランス有料民間テレビ局 CANAL+子会社の CANAL+ Over- seas Myanmar は、大手衛星放送事業者の Thaicom 6 衛星の四 つ の トラ ン ス ポ ン ダと Ku バンドの放送プラットフォームをリースして、80 チャ ン ネ ルを 配 信 し て いる。

Ⅴ 運営体 ミャンマ ー ・ ラジ オ ・ テレ ビ 局 (MRTV) Myanmar Radio and Television Tel. +95 1 535553

URL https://www.mrtv.gov.mm/en/

幹 部 U Ye Naing(総裁/Director General) 概要 1946 年に設立された。情報省が管理・運営してきた国営放送局であるミャン マー・テレ ビ・ラ ジ オ局( Myanmar Television and Radio Department:MTRD ) が、情報 省 の 一部 局 と して 、 2001 年に MRTV に名称を変更した。ラジオ、テレ ビ、技術 、管 理 、財 務 、国 際 部、及び 音 楽 部門 の 7 部門 構 成 で、AM、FM 、短 波 、 Thaicom 3 等の手段を通じてサービスを提供している。また、ニュースの制作に は、CCTV、CNN、NHK との素材協力覚書を交わして協力を得ており、インター ネットによる番組の配信も行っている。番組の制作比率では、自主制作が 7 割で、 残りは輸 入 番 組と な る 。 2013 年 10 月に 、TBS テレビとニュース報道に関する協力協定を締結し、両局 はニュース映像を相互に提供するとともに、取材や放送設備の利用で協力するこ とで合意 し て いる 。 2015 年にお け る MRTV の制作番組数(番組/週)は 1,543 時 間 で 、 放 送 時 間 数(時間 / 週 )は 791 時 間で あ る 。 2019 年 10 月に、日本からの無償援助を受けた放送設備の設置が完了した( Ⅲ -1の項 参 照 )。こ れ によ り 、 MRTV は 新 たに 1 週 間に 110 時間 に 及 ぶ 11 0 の番 組の制作 ・ 放 送が で き るよ う に なっ た 。

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電 波

Ⅰ 監督機関等 1 監督機関 運輸・通 信 省 (MOTC) (通信/ Ⅰ の 項参 照 ) 所掌事務 電波監理に関連する政策立案、周波数分配・割当、及び免許付与と免許料の徴 収を主に 所 掌 する 。 2 標準化機 関 MOTC が通信機器と通信システムに関する標準化を所掌している。

Ⅱ 電波監理政策の動向 1 電波監理 政策 の 概 要 電波政策 と し て、 以 下 を実 施 し てい る 。 ・ITU、 APT 等 の国 際 機 関 との 連 携 ・無線局 免 許 の付 与 と 電波 利 用 料の 徴 収 ・国際無 線 局運 用 者 証明 書( international radio operator certificates )の 発 行 ・周波数 分 配 と周 波 数 利用 の 監 視 ・その他 の 周 波数 関 連 政策 の 立 案と 規 制 制定 2 周波数免 許制 度 周波数免許は、公衆陸上移動周波数免許、海上無線局免許、航空無線局免許、 衛星周波数免許、私設網周波数免許、固定周波数免許、放送周波数免許、アマチュ ア周波数免許、政府周波数利用免許、特定臨時免許、その他の無線通信サービス 免許に分 類 さ れて い る 。 周波数免許は、オークション、入札、固定価格のいずれかの手続により交付さ れる。 3 周波数割 当 通信自由化に伴い、従来独占的に通信サービスを提供してきた MPT の ほ か 、 2013 年に新規参入を認められた外国資本系の Ooredoo( カ ター ル )及 び Telen o r (ノルウ ェ ー )が 900MHz 帯及び 2100MHz 帯の割当てを受けている。 その後も新規事業者が市場参入しており、これら事業者へ周波数が割り当てら れている 。2016 年 10 月、2600MHz 帯の地域割当のためのオークションが実施

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され、Fortune International 及び Global Technology が Region1( Nay Pyi Taw、 Magway、Bago、Mon、Kayin、Taninthryi)の割 当 て を、Amara Communicatio ns 及び Yatanarpon Teleport が Region2(Yangon、 Ayeyarwady、 Rakhin e )及 び Region3( Mandalay、 Sagaing、 Chin、 Shan、 Kachin、 Kayah)の 割 当 てを受け た 。また 、2017 年 1 月 には MNTC(現 Telecom International Myanma r ) に、免許を正式に交付した。同社は、国内外の資本により構成される合弁会社で あり、Mytel のブランド名でサービスを提供している。周波数は 900MH z 帯及び 2100MHz 帯が割り当てられている。 このほか 、2016 年 11 月、MOTC は 2017 年 5 月に固定価格による割当てで 1800MHz 帯周波数を移動体通信事業者に割り当てた。MPT、 Teleno r 及び Ooredoo が 20MHz 幅 ×2、 Mytel が 15MHz 幅×2 の割当てを受けている。 2020 年 2 月に MOTC によって公表されたホワイトペーパーによれば、 5G の 導入に向 け 、2020 年 中に 2.3GHz、2.6GHz、3.5GHz 帯がオークションにかけら れ、その 後 2021 年には 700MHz 帯、2022 年 には 850MHz と 900MHz 帯の利用 が可能に な る と計 画 さ れて い る が、実行が遅れているようである。 4 電波利用 料制 度 免許人は、免許料のほかに、周波数管理料を毎年支払う。料額は、周波数免許 の種類ご と に 定め ら れ る。 5 電波の安 全性 に 関 する 基 準 電磁界へのばく露に関する人体への制限値は、国際非電離放射線防護委員会 (ICNIRP)の「時間変化する電界、磁界及び電磁界によるばく露を制限するため のガイド ラ イ ン( 300GHz ま で)」( 1998 年) に 準 拠し て い る。

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