<<

DAVID SYLVIAN: Died In The Wool - Manafon Variations デイヴィッド・シルヴィアン/ダイド・イン・ザ・ウール~マナフォン・ヴァリエーションズ PCD-26034/5 [2CD] ¥2,730 [tax incl.] Release Date: 11.06.02 ●米 Samadhisound 原盤 ●解説/歌詞・対訳付

Disc One 1. Small Metal Gods 2. Died In The Wool 3. I Should Not Dare 4. Random Acts Of Senseless Violence 5. A Certain Slant Of Light 6. Anomaly At Taw Head 7. Snow White In Appalachia 8. Emily Dickinson 9. The Greatest Living Englishman (Coda) 10. Anomaly At Taw Head (A Haunting) 11. Manafon 12. The Last Days of December

Disc Two 1. When We Return You Won’t Recognise Us

DISC ONE MUSIC: SYLVIAN/TILBURY. LYRICS: SYLVIAN : vocal, electronics, acoustic guitar, sampling 1. SMALL METAL GODS : guitar. : piano MUSIC: DAFELDECKER//MOSER/STANGL/SYLVIAN. : no-input mixing board. Sachiko M: sine wave sampler LYRICS: SYLVIAN : saxophone. Marcio Mattos: cello David Sylvian: vocal, Jennifer Curtis: violin Jennifer Curtis: violin. Erik Carlson: violin Erik Carlson: violin, Margaret Dyer: viola Margaret Dyer: viola. Chris Gross: cello Chris Gross: cello Strings arranged and conducted by Dai Fujikura Strings composed and conducted by Dai Fujikura Mixed by David Sylvian Mixed by David Sylvian and Dai Fujikura Strings recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC Strings recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC 7. SNOW WHITE IN APPALACHIA 2. DIED IN THE WOOL MUSIC: DAFELDECKER/FENNESZ/MOSER/ROWE/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN MUSIC: FUJIKURA/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN David Sylvian: vocals, keyboards, Keith Rowe: guitar. John Tilbury: piano David Sylvian: vocals. sampling, electronics Werner Dafeldecker: acoustic bass. Michael Moser: cello Dai Fujikura: Clarinet samples as performed by Kate Romano Christian Fennesz: laptop, guitar. Jennifer Curtis: violin Eddie Prévost: percussion. : cymbals Erik Carlson: violin. Margaret Dyer: viola. Chris Gross: cello Toshimaru Nakamura: no-input mixing board. Keith Rowe: guitar : saxophone. : additional samples Strings composed and conducted by Dai Fujikura Erik Honoré: additional samples, cello treatments Samples: Hildur Gudnadottir: cello Mixed by David Sylvian and Dai Fujikura Taken from the Skúli Sverrisson live performance at Punkt 2010 Strings recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC Used by kind permission 8. EMILY DICKINSON Mixed by David Sylvian MUSIC: FENNESZ/PARKER/SYLVIAN/TILBURY. LYRICS: SYLVIAN David Sylvian: vocal. Jan Bang: samples 3. I SHOULD NOT DARE (for N.O.) Samples: Christian Wallumrød: piano. Used by kind permission. MUSIC: SYLVIAN/FENNESZ/BANG. WORDS: EMILY DICKINSON David Sylvian: vocal, guitar. Christian Fennesz: guitar, laptop Arranged by Jan Bang Evan Parker: saxophone. Jan Bang: string arrangement, samples Mixed by Jan Bang and David Sylvian Samples: Ståle Storløkken: synthesizer 9. THE GREATEST LIVING ENGLISHMAN (coda) Mixed by David Sylvian MUSIC: AKIYAMA/SACHIKO M/NAKAMURA/YOSHIHIDE/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN 4. RANDOM ACTS OF SENSELESS VIOLENCE David Sylvian: vocals. : electric and acoustic guitar MUSIC: DAFELDECKER/FENNESZ/MOSER/ROWE/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN : turntables. Jennifer Curtis: violin David Sylvian: vocals, keyboards, acoustic guitar. Keith Rowe: guitar Erik Carlson: violin. Margaret Dyer: viola. Chris Gross: cello John Tilbury: piano. Werner Dafeldecker: acoustic bass Michael Moser: cello. Christian Fennesz: laptop, guitar Strings composed and conducted by Dai Fujikura Franz Hautzinger: trumpet. Jennifer Curtis: violin Michi Wiancho: violin. Wendy Richman: viola. Katinka Kleijn: cello Mixed by David Sylvian and Dai Fujikura Strings recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC Strings arranged by Dai Fujikura Mixed by Dai Fujikura 10. ANOMALY AT TAW HEAD (a haunting) MUSIC: SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN 5. A CERTAIN SLANT OF LIGHT (for M.K.) David Sylvian: vocal, sampling. Evan Parker: saxophone MUSIC: SYLVIAN/BANG/HONORÉ. WORDS: EMILY DICKINSON Claire Chase: bass flute. Jennifer Curtis: violin David Sylvian: vocal. Jan Bang: samples Erik Carlson: violin. Margaret Dyer: viola. Chris Gross: cello Erik Honoré: synthesizer, samples Samples: : trumpet. Used by kind permission Strings and flute arranged and conducted by Dai Fujikura Helge Sten: Guitar. Used by kind permission Mixed by David Sylvian and Dai Fujikura Arranged by Jan Bang and Erik Honoré Strings and flute recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC. Mixed by Jan Bang, Erik Honoré, David Sylvian 11. MANAFON 6. ANOMALY AT TAW HEAD MUSIC: DAFELDECKER/FENNESZ/MOSER/ROWE/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN David Sylvian: vocal. Jan Bang: samples. Erik Honoré: samples, Franz Hautzinger: trumpet. Keith Rowe: guitar DISC TWO Samples: taken from an original string arrangement by Dai Fujikura 1. WHEN WE RETURN YOU WON’T RECOGNISE US Arranged by Jan Bang and Erik Honoré BUTCHER/FUJIKURA/HENRIKSEN/MÜLLER/NAKAMURA/PRÉVOST/SYLVIAN Mixed by Jan Bang, Erik Honoré, David Sylvian John Butcher: saxophone. Arve Henriksen: trumpet. Günter Müller: ipods Toshimaru Nakamura: no-input mixing board. Eddie Prévost: percussion 12. THE LAST DAYS OF DECEMBER Elysian Quartet under direction from Dai Fujikura MUSIC: FUJIKURA/SYLVIAN. LYRICS: SYLVIAN Emma Smith: violin. Jennymay Logan: violin. Vincent Sipprell: viola David Sylvian: vocals. Jennifer Curtis: violin. Erik Carlson: violin Laura Moody: cello, with Ros Stephen: violin. Charlie Cross: viola Margaret Dyer: viola. Chris Gross: cello. Claire Chase: bass flute Mixed by David Sylvian. Recorded at Air Studios, London by Rupert Coulson Strings and flute composed and conducted by Dai Fujikura Produced by David Sylvian @ samadhisound Mixed by David Sylvian and Dai Fujikura Commissioned by the second architecture, art and landscape Strings recorded by Ted Young at Magic Shop Studios NYC Biennial of Canaries 2008-2009

Produced by David Sylvian @ samadhisound Mastered by Fred Kevorkian NYC

デイヴィッド・シルヴィアン、2009 年の衝撃作『マナフォン』の再解釈/追 ヴァリエーション 補版、サブ・タイトル通り、“マナフォン変 奏 曲 ”となるニュー・アルバム!

デイヴィッド・シルヴィアンのニュー・アルバム『ダイド・イン・ザ・ウール~マナフォン・ヴァリエ ーションズ』。本作は当初、英国在住の現代音楽家・藤倉大が『マナフォン』からの6曲の素材をもと に、ストリングスのアレンジ、コンポーズを行うという、ある意味、リミックス的なプロジェクトとし てスタートした。しかし、最終的に、藤倉とのコラボレーションに加え、ノルウェーの電子音響アーテ ィスト、ヤン・バングとエリック・オノレとのコラボレーションを含む新曲6曲が加えられ、じつに興 味深いアルバムとなった。シルヴィアンとコラボレーターたちのパイオニア精神あふれる、この上なく 美しく、おそろしく完成度の高い作品である。

インスタレーション作品「When We Return You Won’t Recognise Us 」をディスク2に収録。

FROM THE SAMADHISOUND PRESS RELEASE

『ダイド・イン・ザ・ウール』について

“Died in the Wool”

ヴァリエーション デイヴィッド・シルヴィアンが 2009 年にリリースした『マナフォン』の変奏曲 である本作は、現代音 楽界とインプロヴィゼーション界の一流の音楽家たちを迎えて、気鋭のコンポーザー“藤倉大”、ノル ウェーのプロデューサー、“ヤン・バング”と“エリック・オノレ”とのコラボレーションによって制 作されたアルバムである。

これまでのキャリアを通じて、デイヴィッド・シルヴィアンは、本来のポップな音楽から、よりリスク の多い種類の音楽へと挑戦を続けてきた。『ブレミッシュ』と『マナフォン』の現代電子即興音楽の冒 険に続き、シルヴィアンは著名な現代音楽コンポーザー、藤倉大との特筆すべき新しい作品を届けてく れた。『ダイド・イン・ザ・ウール』は、『マナフォン』のセッションから生まれ、触発されたものを題 材としたそのコラボレーションの成果である。旧知の友人たちと新しい友人たち、バラードとアンビエ ントなインプロヴィゼーション、そして独創的かつ過激な作品が一同に会した注目すべき新作だ。

ピエール・ブーレーズの弟子でもある気鋭の若手コンポーザー、藤倉大は『シークレット・オブ・ビー ハイヴ』でシルヴィアンの作品に出会った。「彼の作品に魅せられた大きな理由は、もちろん、彼の声 です。世界でいちばん美しい声だ」と藤倉は言う。彼はロンドンでシルヴィアンを探し出し、その時か ら、“伝統的な音楽教育を受け、ポップの分野では作品を書いたことがない作曲家と、単なる伴奏以上 のものを求めているシンガーのパートナーシップ”という、一見ありそうもない関係が始まった。藤倉 コリージョン はこう説明する。「僕たちは音楽の世界の、いわば両極に住んでいます。だから、これは衝 突 ではなく、 まさにあらゆる意味でのコラボレーションです」。

例えば、“The Last Days of December ”を聴いてみよう。ストリング・カルテットが巧みな技で、ひ マ ルチ フ ォ ニク ス とつひとつの楽器からさまざまな響きを魔法のように引き出し、そこに重音奏法 の不穏なバス・フルー トが重なる。アンサンブルは単にシンガーのバックを務めるのではなく、厳粛でメロディックなヴォー カル・ラインと、鬩ぎあうようなコントラストを為すことで、シンガーに執拗に絡み、憑依する。コン トラストを為す要素の間には緊張があり、同時に力強くひとつになって歌詞の中の悲劇を呼び覚ます。

リ ワ ー ク 藤倉はまた、“Random Acts of Senseless Violence ”にはじまる『マナフォン』の曲も編曲 している。 “Random Acts of Senseless Violence ”には、歌詞の中の恐怖感を浮かび上がらせるストリング・ カルテットを導入した。彼のミックスはジョン・ティルバリーが挿入する静かなピアノをより幽玄にし、 静謐さを足すことでヴォーカルをより露わにしている。また、初めて日の目を浴びた『マナフォン』の アウトテイク、“Anomaly at Taw Head ”、さらに、ストリングスが緊迫したピチカートと、緩やかに 消え入るような音で物語を追いかける“Snow White in Appalachia ”の衝撃的なニュー・ヴァージョ ンにも貢献している。

プロデューサー/エレクトロニクス・アーティストのヤン・バングとエリック・オノレもコラボレータ ーとして招かれ、『マナフォン』からの2曲“Emily Dickinson ”とタイトル・トラックのリミックス に協力している。バングとオノレは過去にもシルヴィアンの作品をリミックスしているが、今回は、シ ルヴィアンが初めて詩を作品に導入した、エミリー・ディキンソンの詩をもとにしたふたつの新曲、“I Should Not Dare ”と“A Certain Slant of Light ”に参加している。アルバムの中で、最も従来のシ ルヴィアンらしい美しさをたたえたこれらの曲は、豊かな源泉の連鎖反応によって生み出されている。 “I Should Not Dare ”では、不協和音の上に重ねられたクリスチャン・フェネスのギターが、スーパ ーサイレントのキーボーディスト、ストーレ・ストーレッケンのライヴ・レコーディングとブレンドさ れている。これらの材料のすべてがひとつとなって、シルヴィアンの曲目の中で最もロマンティックな バラードになった。

タイトル・トラックの“Died in the Wool ”も同じように作られた。そもそもは、藤倉が何気なくシル マ ルチ フ ォ ニク ス ヴィアンに送った重音奏法 のクラリネットから始まった。シルヴィアンは『マナフォン』のアウトテイ クでそれを肉付けし、バングとオノレがプンクト・フェスティヴァル(訳注1)でのスクーリ・スヴェ リソンのコンサートのサンプルで低音部を加えた。スタジオ・ワークとコンサートの素材が混ざりあっ て、滑らかに一体となった作品に仕上がっている。「出来上がったアルバムには、プロデュースの過程 を思うと特に、特別な一貫性があるように思える。この一貫性はおそらく、デイヴィッドの人選に由来 オ ー ガ ニ ッ ク している。ミュージシャンとアレンジャーはみんなとてもうまく調和して、お互いのアイデアを有機的 に拡張しているように思える。関わった人たちみなが、音楽的にも地理的にもとても異なるバックグラ ウンドを持っているにも関わらず、まるで血縁関係のような一体感があった」とオノレは述べている。

「この8年の間に、これほどまでに濃密にエモーショナルな作品は生み出してはいないと思う」とシル インテレクチュアル ヴィアンは言う。「純粋に 知 的 な立場で、作品を作ったことは一度もない。僕を導くのは直感と感情、 だから曲の中で聞こえるすべての要素は、その作品のほんとうの情緒を担うものだ。伝統的な音楽要素 によく見られる、苦い錠剤を甘くするという方法を使わず、他の方法でその絵を肉付けしていく」。

Disc Two: “when we return you won't recognise us”

今回はじめて、デイヴィッド・シルヴィアンのオーディオ・インスタレーション“when we return you won't recognise us ”のステレオ・ミックスが CD として入手可能となった。もともと、バイエニアル・ オブ・カナリーズ 2008-2009 (訳注2)のために依頼されたこの作品は、2003 年の遺伝子調査の記 事にインスパイアされたものだった。カナリア諸島に焦点をあてたその調査では、スペインによる植民 地化と奴隷貿易にも関わらず、島民の2分の1から4分の3が遺伝子的に先住民の血統を保持している ことが明らかになった。シルヴィアンはこう記している。「僕が興味を持つのは、我々の生物学的構成 についての物理的あるいは科学的な本質や血統(遺伝子上な系譜)、ロケーション、科学の領域を超え た直感的な良識、コミュニティやひとびとの内なる生活に向かうこと等の関連性だ。そして、それに伴 う文化的遺産」。

作品は、著名なインプロヴァイザーたち――ジョン・ブッチャー、アルヴェ・ヘンリクセン、ギュンタ ー・ミュラー、中村としまる、エディ・プレヴォスト――と藤倉の指揮によるストリング・セクステッ トというふたつのグループをひとつにした。「作品を生み出すプロセスは『マナフォン』のセッション そのものから示唆されていたけれど、インスタレーションのコンテクストに関してと、特有のサウンド について言及した背後にあるコンセプトの両方を文章で記したこと、さらに、大にストリング・セクス テットを“インプロヴァイズ”してもらうことで、進んで行った。“インプロヴァイズ”は、セッショ ンに先駆けて、あらかじめ一連のコードを取り決めておいた上で、大の手の動きによって、どの瞬間に、 どの組み合わせで音を出すかを指示することで調整した。全部で5テイクを録音したと思う。どれも、 毎回、全然違うテイクになった」。

インスタレーションは今年、ノルウェー、クリスチャンサンのプンクト・フェスティヴァルで再び展示 される予定だ。今年の展示では、ヴィジュアル・アーティスト、福井篤の作品を新たにフィーチャーし、 ライヴ・パフォーマンスのサウンドを用いて、個々のミュージシャンや詩人、作家がインタラクティヴ に参加できるセットになる予定である。

訳注 1)Punkt Festival :ヤン・バングとエリック・オノレがキュレーターを務める、ノルウェー南部の都市クリスチャンサ ンで行われるインプロヴィゼーションを中心とした音楽のフェスティヴァル。ヤン・バングとエリック・オノレがアルフ ァ・ルームというステージ・スタジオで進行中のライヴ/コンサートをリミックスする。公式サイト (http://www.punktfestival.no/ )によると、2011 年は9月1日から3日の開催予定、またデイヴィッド・シルヴィ アンは、ライナー中にあるオーディオ・ヴィジュアル・インスタレーション“Uncommon Deities ”(直訳は「稀有な神々」) を展示する他、オープニング・コンサートのキュレーターをつとめる予定とある。 2)Biennial of Canaries 2008-2009 :スペイン領カナリア諸島自治州で開催される芸術・建築・ランドスケープのビ エンナーレ。多様な文化の交差点だったこの地の地理的・歴史的な特性に焦点をあて、2008 年 12 月に始まった第二回 イマーション は「silence (沈黙)」をメイン・テーマに、「液浸 ネットワークのランドスケープ」「シーンとシナリオ」をサブテーマに、 スペインをはじめ各国の建築家やランドスケープ・デザイナー、アーティスト、キュレーター等が参加している。

翻訳:喜多村 純

www.davidsylvian.com www.samadhisound.com

P-VINE RECORDS (株)P ヴァイン A&R: ph 03-5766-1018 / fx 03-5766-1038 Promotion: ph 03-5766-1019 / fx 03-5766-1038 http://p-vine.jp