Title 琉球列島産陸水性魚類相および文献目録 Author(s) 吉郷, 英範 Citation Fauna Ryukyuana, 9: 1-153 Issue Date 2014-01-24 URL http://hdl.handle.net/20.500.12000/38625 Rights Fauna Ryukyuana ISSN 2187-6657 http://w3.u-ryukyu.ac.jp/naruse/lab/Fauna_Ryukyuana.html 琉球列島産陸水性魚類相および文献目録 吉郷英範 中外テクノス株式会社 〒733-0013 広島県広島市西区横川新町9-12 (
[email protected]) 目次 琉球列島産陸水性魚類相および文献目録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 付録 I . 琉球列島の陸水性魚類について記録された文献目録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 付録 II. 琉球列島の陸水域から記録されている魚類目録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 図版 1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・152 要旨. 1839 年から 2013 年の間に公表された 644 2009) 際に生物標本を収集しており, 琉球列島 文献に基づいて琉球列島および大東諸島, 尖閣 における魚類に関する学術的報告 (Lay & 諸島の陸水域における魚類の分布記録を渉猟 Bennett 1839; Brevoort 1856) がそれぞれの調査 した. 二回の世界大戦中に報告のない年もあっ 記録に含められたが, 収集地域と環境が不明瞭 たが, 沖縄県の本土復帰 (1972 年) 以後に顕著 であった. その後, 琉球列島において明確な陸 に増加した. 記録の得られた島嶼は琉球列島の 水性魚類を報告したのは 1897 年の帝国博物館 33 島および魚釣島と南大東島であり, このうち の標本目録である. 1901 年からは, アメリカの 西表島と沖縄島における報告が特に多かった. Jordan を中心とした研究者らによって日本産魚 これらの文献により 27 目 110 科 678 種の魚類 類が多数報告され, これらの幾つかには琉球列 が記録されていた. このうち 334 種 (49 %) は 島の陸水性 魚類が記録された. このなかで 偶発的に陸水域に侵入した海産魚類であった Jordan & Tanaka (1927) は主に黒岩恒博士の収 が, 汽水性魚類 (143 種) と 周縁性魚類 (86 集した標本に基づいて琉球列島の淡水性魚類 種) も合わせて 34 % 含まれていた. 淡水域を を報告し, 黒岩 (1927) もその採集記録を公表 主な生息域とする純淡水魚 (59種) と通し回遊 した. Schmidt (1930, 1931) は多数の標本に基づ 魚 (56 種) は上記の種数よりもはるかに少な いて琉球列島の魚類相を報告しており, この中 かった. 琉球列島より確認された純淡水魚のほ にも数種の陸水性魚類も含まれていた. 島嶼単 とんどが外来種であり, その多くは人口が多い 位における魚類相の報告として, 岡田・木場 沖縄島を中心に記録され, その定着には人間活 (1928) や内田 (1928) による奄美大島産魚類の 動, および環境の人為的な攪乱が大きな影響を