ISSN 1347-5665

CONTENTS

Foreword Future of Natural Resources lnventory Rescarch Shori Yamamoto 1 インベントリー インベントリー Articies Research Results and my Impression of Research Project for Agro-Environmental Information and Classification of Environmental Resources during recent ten years Shin-ichi Yoshimatsu 3 Screening procedure for soil disease based on descriptive epidemiology with data base Takeshi Osawa, Haruka Nagase and Seiya Tsushima 7

第 Research Topics in 2013/2015 13号 Challenge towards impact assessment considering different farming methods in agricultural LCA No. 13 2013/2014 Longlong Tang, Kazunori Kohyama and Ai Leon 15 Inventories 2014/2015

Open data catalog site NIAES VIC (Virtual Inventory Complex) 巻頭言 Takeshi Osawa 18 Citizen Science with ICT devices Takehiko Yamanaka, Takeshi Osawa and Yukinobu Nakatani 23

Research Museums 報 文 研究トピックス Soil monoliths; collected in recent years 20 Toshiaki Ohkura, Hiroshi Obara, Yusuke Takata and Kazunori Kohyama 30 16 Present Collection and Activities of Museum 年3月 Yukinobu Nakatani, Shin-ichi Yoshimatsu and Hiraku Yoshitake 33 Additional specimens to Microorganism Museum in 2012 to 2015. インベントリー 研究標本館 Motoo Koitabashi, Shigenobu Yoshida and Seiya Tsushima 36 The use of Natural Resources Inventory Museum for Public relations Yuko Hayashi, Tatsuya Onodera and Toshihiro Kadosawa 39 付 録 NRIC Appendix in 2013/2015(April 2013 to March 2015) Available Web Information List of NRIC 42 Abstracts of the NRIC Seminar 44

Training: Soil Survey 50 農業環境インベントリーセンター Publications and Presentations 54 Research Cooperation and Exchange 79 Staff List 86 国立研究開発法人 農業環境技術研究所

Natural Resources Inventory Center 農業環境インベントリーセンター

National Institute for Agro-Environmental Sciences NRIC/NIAES NRIC/NIAES インベントリー 第13号 平成28年度

Inventory No.13 2013-2015 目 次

巻頭言 農業環境インベントリー研究のこれから 山本勝利 ································································ 1

報文 農業環境情報・資源分類 RP の 10 年 吉松慎一 ································································ 3

データベースと記述疫学に基づいた土壌病害発生要因のスクリーニング 大澤剛士・長瀬陽香・對馬誠也 ············································ 7

研究トピックス 農業の LCA における農法別インパクト評価へのチャレンジ 湯龍龍・神山和則・レオン愛 ············································· 15

インベントリー 農業環境情報カタログサイト NIAES VIC (Virtual Inventory Complex) 大澤剛士 ······························································· 18

ICT を活用した市民参加型生物調査の模索 山中武彦・大澤剛士・中谷至伸 ··········································· 23

研究標本館 最近の土壌モノリスの収集状況 大倉利明・小原 洋・高田裕介・神山和則 ···························· 30

昆虫標本館の現状と取り組み 中谷至伸・吉松慎一・吉武 啓 ··········································· 33

微生物標本館への 2012-2015 年度分の標本追加 小板橋基夫・吉田重信・對馬誠也 ········································· 36

農業環境インベントリー展示館の広報活動への利用 林 裕子・小野寺達也・廉沢敏弘 ··········································· 39

付 録(平成 25 年度~平成 27 年度農業環境インベントリーセンター(NRIC)の取り組み)

Web 公開情報 ·································································· 42 NRIC セミナー講演要旨 ·························································· 44 研修会:土壌炭素調査法検討会 ·················································· 50 研究成果の発表 ································································ 54 研究協力・交流 ································································ 79 在職者とその動き ······························································ 86

インベントリー:記入不要

巻頭言

農業環境インベントリー研究のこれから Future of Natural Resources lnventory Rescarch

山本勝利

Shori Yamamoto*

本年(平成 28 年/2016 年)4月、国立研究開発法人農業環境技術研究所(以下、農環研)は、国 立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、国立研究開発法人農業生物資源研 究所、独立行政法人種苗管理センターと統合し、新たな農研機構の1研究実施組織である農業環境 変動研究センターとして再出発します。それにともない、研究所内部の組織も再編され、農業環境 インベントリーセンターは、発展的に解消し、生態系計測研究領域その他の研究分野と融合した環 境情報基盤研究領域を農業環境変動研究センターの下に新たに設置することとなりました。そこで ここでは、これまでの農業環境インベントリー研究の成果を今後どのように発展させていけば良い のかについて、少し考えて見たいと思います。 農業環境インベントリーセンターは、平成 13 年(2001 年)4月に農林水産省農業環境技術研究所 が独立行政法人化すると同時に、その内部組織として設置されました。それから 15 年、独立行政法 人の中期計画(5ヶ年)を3期続ける中で、当センターが中心となって、農業環境インベントリー 研究の構築を目指してきました。センターの設立当初から「インベントリー(直訳すれば『在庫目 録』)という耳慣れないものをいかに多くの方に理解してもらうか」が最大の課題であると認識し (對島,2014)、農業環境インベントリーの整備、発信、活用に取り組んできました。具体的には、 インベントリーセンターの中核をなす土壌、昆虫、微生物に関する情報だけでなく、大気、気象、 水、生物等々農業環境をとりまく様々な情報を収集するとともに、多くの人が利用できるシステム を作ることを目的とした研究開発を進めてきたところです。 農業環境技術研究所では、農業環境を構成する土壌、水、大気等の環境資源、昆虫、微生物、動 物、植物等の環境生物、肥料、農薬等の農業資材に関する調査・観測・分析・モニタリング等のデ ータや手法、分類・特性・機能・動態予測等の知見、保全・管理等の技術に関する情報と標本を多 く蓄積していますが、これらは先輩諸氏が多年にわたり多大の労力と資金をつぎ込んで蓄積されて きたものです(浜崎,2002)。インベントリーセンターが設置されてからの 15 年間で、これらの情 報や標本について、多くの人が利用出来るようにデータベース化を進め、システムを構築して発信 してきました。その代表例が 2010 年に公開した「土壌情報閲覧システム」で、農業環境技術研究所 だけで無く、農林水産省、都道府県の多くの方が取得し、蓄積してきた情報をインターネットで公 開することにより、公開翌年に発生した東日本大震災からの復興という目的もあり、多方面の数多 くの方に利用していただいています。 インベントリー研究では、上記のような農業環境の構成要素に関するデータベースの整備・発信

*農業環境インベントリーセンター長 Director, Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p1-2 (2016)

― 1 ― - 1 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

と平行して、「農業環境を全体として概観するための統合化手法(上沢,2004)」を目指した研究 開発に取り組んできました。その一つが各種データベースをインターネット上で統合的に利用する ために 2011 年に公開した『gamsDB』と、それを発展させて本年構築した『NIAES-VIC』です。ま た、それらの情報を総合化して農業環境を全体として評価するための『エコバランス評価』にも取 り組み、ほ場スケールでエコバランス評価を行うためのマニュアルを作成しました。 このように、農業環境インベントリーセンター設置からの 15 年間で一定の研究成果をあげ、「イ ンベントリー」という言葉も定着しつつあるものと自負しているところです。ですが、残された問 題や、新たに取り組むべき課題も多いと認識しています。 その一つは「継続」に関わる問題です。これまでは、先輩諸氏が蓄積してきた知見や情報をデー タベース化し、発信することに重きを置き、その成果を、最新の情報通信技術やデータ解析手法を 活用することによって研究成果を生み出してきました。その一方で、フィールドでの地道な観測に よる新たな知見の蓄積については、予算的な制約もあり継続が困難になりつつあります。しかし、 はからずも東日本大震災により長期的な環境放射能測定データの重要性が認識さたように、今日の めまぐるしい農業環境の変動を的確に評価して対策に活かしていくためには、新たな情報や知見の 蓄積を継続し、将来の付託に応えることが重要です。また、わが国における農業環境に関する情報 センターとして今後もその役割を果たしていくためには、情報の発信を安定的に継続することが求 められます。厳しさを増す今日の情報セキュリティ環境への対応や、100 年後の利用にも応えうる情 報の維持等、今後は、安定的かつ継続的なデータの蓄積と発信を可能とするための効果的で効率的 な手法に関する研究開発を進める必要があると考えています。 他の一つは「ユーザー」に関する課題です。これまでの農業環境インベントリーは、農業関係者 の利用に応えるだけで無く、農業分野を代表して、他の分野や国民一般の利用に付すべく、情報の 整備と発信を続けてきましたが、農研機構との統合により、わが国農業の競争力強化への直接的貢 献が強く求められるようになると予想されます。平成 19 年の3法人統合案(農環研と生物研、種苗 管理センターの統合)の際には「知的基盤整備を進め、資源・情報の統合または一体的運用(谷山, 2009)」が求められましたが、農研機構との統合により知的基盤の農業分野での活用を今まで以上 に進める必要があります。特に今日、気候変動への対応を図る上での的確な予測や判断や、政府方 針である「攻めの農林水産業」に向けた ICT の活用。スマート農業構築が求められており、農業環 境に関する「情報」はますます重要性を増すと思われます。そこでの情報は、これまでのような農 業環境を構成する要素に関する情報だけでなく、農業生産技術や、農業経営、さらには農産物・食 品の流通や消費に関わる情報との連携(リンク)が求められることになると思います。それと同時 に、そのような農業生産や消費に関わる情報を含めた形で、農業以外の環境分野や、その他多くの ユーザーに向けた発信を続けていく必要があると思います。 今回の統合を良い機会として、農業環境インベントリーを農業、環境、さらには国民生活や地球 環境に重要な情報インフラと発展させていくため、さらなるご協力、ご支援ご鞭撻をお願いします。

引用文献 1)浜崎忠雄(2002):年刊誌「インベントリー」の発刊にあたって.インベントリー, 1, 1-2. 2)上沢正志(2004):インベントリーセンター3 年間の成果と今後の発展方向.インベントリー, 3, 1-2. 3)谷山一郎(2009):三法人統合後の農業環境インベントリー研究.インベントリー, 7, 1. 4)對島誠也(2014):農業環境インベントリーがますます重要になる.インベントリー, 12, 1-2.

― 2 ― - 2 -

報 文

農業環境情報・資源分類 RP の 10 年 Research Results and my Impression of Research Project for Agro-Environmental Information and Classification of Environmental Resources during recent ten years

吉松慎一

Shin-ichi Yoshimatsu *

1.はじめに 農業環境技術研究所(以下、農環研)は平成 13 年(2001 年)4 月に独立行政法人化すると同時 に第 I 期中期計画期間である 5 年が始まり、その後、平成 18 年(2006 年)4 月の第 II 期中期計画 期間の開始とともにリサーチプロジェクト(RP)制度が初めて取り入れられた。RP は当初 15 個 あったが、その後の変遷を経て現在の第 III 期中期計画期間(平成 23 年〜27 年度)には 10 個にな った。第 II 期の環境資源分類・情報 RP(途中から環境資源分類 RP)と農業環境リスク指標 RP(途 中から農業環境情報・指標 RP)の 2 つの RP がほぼ合体する形で第 III 期には農業環境情報・資源 分類 RP ができた。さらに第 II 期途中の平成 19 年 4 月に新設された化学分析・モニタリング RP が実施していた研究の内、放射能のモニタリングについても第 III 期の農業環境情報・資源分類 RP で取り扱うこととなった(図 1)。農環研の組織の変遷については「農業環境技術研究所 30 年史」 (平成 26 年 4 月発行)に詳しいので参照して欲しい。私は第 II 期後半の 2 年間(環境資源分類 RP)と 第 III 期の 5 年間(農業環境情報・資源分類 RP)の合計 7 年間、RP リーダーを勤めたので、 ここではこれまでの我々の RP の研究について私自身の感想も含めて、簡潔に振り返ってみたい。 本文に入るに先立ち第 II 期の研究内容や第 II 期から第 III 期への RP の変遷などに関してご教示 いただいた農環研の神山和則・元農業環境リスク指標 RP リーダー、木方展治・元化学分析・モニ タリング RP リーダーに感謝したい。

図1:農業環境情報・資源分類 RP の成り立ち

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p3-6 (2016)

- 3 - ― 3 ― インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

2.RP について 先ず、RP とは何なのかである。上述した「農業環境技術研究所 30 年史」では“第 II 期中期計 画に基づく研究課題を推進するために、研究課題ごとにリサーチプロジェクト(RP)を設け、領 域・センターといった研究組織を横軸に、研究課題をプロジェクトとして推進する RP を縦軸にし た、マトリックス構造の組織運営とした。”とある。第 I 期はユニット・チーム・研究室、そして それらが所属するグループ、部やセンターが研究を担う単位であったが、第 II 期からは RP が研究 を直接担う単位となった。現在、農環研には 7 個の領域と 1 個のセンターがあり、研究員は基本 的にいずれかの領域・センターに所属している。我々の RP には現在全ての領域とセンターからの 研究員が研究に参画している。エフォートが 100%の方もいれば、10%程度の少ない方もいる。現 在 10 個ある RP の内、我々の RP はエフォート的にはトップツーの一つであり、30 名以上の研究 員が所属しており、これに加えて 3 名のポスドクも所属している。他の RP が例えば温暖化や生物 多様性などに特化しているのに対し、我々の RP は研究内容が多岐にわたっている。私は昆虫分類 学が専門なので、検索表で属や種を振り分けるが、我々の RP は他の RP が検索表で落ちた後に残 った雑多なグループ(いわゆる wastebasket)である。ちょっと横道にそれるが、土壌の分類学で も検索表を使って土壌大群、統群などを分けている。ここ 7 年間、私自身が RP リーダーとして土 壌の分類学にも深く(?)関わったことから、学んだことである。

3.我々の RP の研究と私の感想 我々の RP は第 III 期の 5 年間は 7 つのグループで研究を推進してきた。設計検討会や成績検討 会の前後あるいは 1 年を通してずっとこれらのグループと RP リーダーである私が打ち合わせを実 施してきた。特に年度の後半には毎年頻繁に打ち合わせや検討会の実施、あるいは報告書の作成 に関して各グループの研究員と相談することが多かったので、私自身の研究は年度の前半になる べく済ませる様に工夫してきた。私自身も研究職であるので、当然研究業績評価の対象となって おり、論文作成や学会発表も重要で、RP リーダーであり、一方で研究員であるという二足のわら じで本当に葛藤の 7 年間であった。 我々の RP は雑多なグループであると上段で述べたが、我々の RP の研究の中核をなすインベン トリー研究そのものが雑多な農業環境に関わる基盤情報を収集することから当然のことかもしれ ない。農業環境インベントリーセンターができたのが RP 発足のさらに 5 年前の平成 13 年 4 月の 第 I 期の始まりの年である。当時は「インベントリー」という言葉が未だ目新しいものであったが 15 年という年月を経て、農業環境研究にかなり馴染んできたのではないかと思う。 私が RP リーダーとして 7 年間務めた中で、包括土壌分類とエコバランス研究の研究マネージメ ントが最も印象深く脳裏に残っている。包括土壌分類では第 II 期の後半の 2 年間で、幾度となく 内部検討会を開催し、また、外部の方も参加してもらう検討会も何度か開催し、議論いただいた。 私もほぼ全ての検討会に参加し、勉強させてもらうとともに 2 年後に試案が完成することを目指 して日程を逆算しながら検討会を進めた。外部の方を招聘しての検討会では野外での現地検討会 で実際に土壌断面などを観察しながら議論したこともあり、私もそれに参加した。その結果、な んとか第 II 期の最終年である平成 23 年 3 月に「包括的土壌分類第 1 次試案」が完成し、農業環境 技術研究所報告第 29 号で公表することができた(図 2)。これにより日本全土を農地や林地の区 別無く統一的に分類する基準が完成した訳である。また、国際土壌分類への対応も可能になった。 このタイミングで包括的土壌分類第 1 次試案ができたことによって、次期である第 III 期の 5 年間

- 4 - ― 4 ― 報文:農業環境情報・資源分類 RP の 10 年

での包括的土壌分類第 1 次試案を反映させた日本全国の各都道府県別の 20 万分の 1 スケールの包 括土壌図の完成に繋がった。また、包括土壌図を補完する資料として、包括土壌分類準拠の「土 壌の写真集」をインベントリー別冊として平成 27 年度に発行できたので、一般の方にも“ある土 壌名の土壌”例えば褐色黒ボク土などが実際どのような土壌であるのかのイメージが簡易に分か る様になった(図 3)。

図2:農業環境技術研究所報告第 29 号 図3:インベントリー別冊「土壌の写真集」

総合的環境評価手法の開発、すなわち我々がエコバランス評価手法の開発とも呼んでいた研究 については、第 III 期より初めて立ち上げた研究分野であり、手探り状態から始めた。当初は大学 の先生に農環研の特任研究員になっていただき協力を仰いだり、私を含む研究員が専門分野の近 い大学の先生を直接訪問し、いろいろ相談させてもらったりもした。自分の専門分野の学会なら まだしも LCA 関連の国際ワークショップに私も参加し、講演を聞いたが、この分野の専門用語を 日本語で学び始めたばかりの私には英語での講演を理解することはなかなか厳しいものがあっ た。それでもこの分野の世界的な研究の現状をなんとなくぼんやりとは理解できた様に思った。 また、研究の対象とした茨城県龍ケ崎市の圃場を私も含めた数名の研究員で何度か訪問し、栽培 管理方法などについて農家の方から直接お話を伺ったりもした。 「はじめに」でもその経緯を述べたが、我々の RP では、放射能研究の一端も担った。地道にこ つこつとデータを蓄積していく放射性物質のモニタリングはまさにインベントリー研究そのもの であって、本研究が実際非常に役立った例を次ぎに紹介したい。平成 23 年 3 月 11 日に東日本大 震災が起こり、この後、間もなく福島第一原発事故が発生した。大震災当日の第一回目の振動の 際には、私は所内で自家用車に乗っており、すぐに車を止め駐車した。その後の振動も凄まじい もので、全員が運動場に避難した。つくば市は震度 6 弱であったが、我々が日頃その上で暮らし

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ているプレートが強く横に引っ張られることが身を以て体験できた。 農環研が 1959 年以降連続して実施してきた放射性物質長期モニタリングに基づいて、福島第一 原発事故後の平成 23 年 4 月 8 日には「稲の作付けに関する考え方」において、作物への移行の指 標として玄米移行係数 0.1 の算定に速やかに利用され、放射性セシウム濃度が食品衛生法の暫定規 制値を超える可能性の高い地域について稲の作付け制限を行うとの考えが示された。我々が実施 してきた長期モニタリングによる年度毎の分析結果は「主要穀類および農耕地土壌の 90Sr と137Cs 分析データ一般公開システム」で 1959〜2013 年度まで公開されている。これによると放射能濃度 が高かったのは大気圏核爆発実験が盛んに行われていた 1960 年代であった。私は 1986 年に農環 研に採用になり、初年度の研修の一環として、ちょうどこの年に発生した旧ソ連のチェルノブイ リ原子力発電所事故後に放射能測定を実施したのを思い出す。我々が実施してきた長期モニタリ ングにより、1986 年にはこの事故の影響で玄麦中の 137Cs 濃度が一時的に増大したことが分かっ た。また、福島第一原発事故後、平成 23 年 11〜12 月に福島県など 15 都県の 3,420 地点の農地土 壌を採取して公表した放射性セシウム濃度分布図は除染計画の策定などに幅広く利用され、注目 された。この濃度分布図作成は当初の第 III 期中期計画期間の研究計画には無く、我々の RP とし ては 5 年間を通して非常に過重な研究内容を背負うことになったが、担当研究者らの大きな努力 によってその後も濃度分布図を毎年更新することができた。 他の分野をみると、微生物インベントリー情報は「microForce」などにより、昆虫インベントリ ー情報は主に「昆虫データベース統合インベントリーシステム」より公開してきた。また、系統 情報学分野では生物多様性に関わる系統情報学の構築を目指して研究を進めてきた。所内で作成 したこれら全てのデータベースなどを横断的に利用するために、「農業環境統合データベース」 として、CKAN によるデータカタログサイトを開発した。第 II 期を引き継ぐ形で実施してきたこ れらの第 III 期の 5 年間における我々の RP の研究成果が高く評価されたことは私としても非常に 嬉しかった。それぞれの分野の担当研究員の頑張りに対して、この場を借りて、感謝したい。

4.おわりに 以上、研究内容については「業務実績報告書」に近い形になったかもしれないが、それに感想 も交えながら私が RP リーダーを担った 7 年間を中心にして我々の RP の研究の 10 年間を振り返 ってみた。自分の専門分野とは異なる様々な分野の研究の現場に私自らも参加し、本当に間近で それぞれの分野における研究の実態を見聞きすることができた。他方で、自分の研究があまりで きなかったというジレンマはあったが、RP リーダーとして多くの研究分野の研究マネージメント に関わる事ができ、私としては大変有意義で貴重な経験となった。今後は新たな組織となっての 再出発となるが、インベントリー研究がますます発展することを祈念して、この辺りで筆を擱き たい。

問い合わせ先(ゴシック 10.5 ポイント) 農業環境インベントリーセンター 吉松 慎一 電話:029-838-8348 e-mail:[email protected]

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報 文

データベースと記述疫学に基づいた土壌病害発生要因のスクリーニング Screening procedure for soil disease based on descriptive epidemiology with data base

大澤剛士*・長瀬陽香・對馬誠也 Takeshi Osawa*, Haruka Nagase, Seiya Tsushima

1.はじめに 土壌病害は、気象、土壌、地形といった自然要因と、作付体系、農薬等の栽培要因、さらには 社会、経済要因といった様々な要因に影響を受けて発生するため(駒田 1990)、一般にその予察 は極めて困難である。しかし、ひとたび土壌病害が発生すると、その被害は極めて甚大であり、 この予察は農業現場における希求の課題の一つである。土壌病害をもたらす要因のうち、土壌の 性質は、病原菌の活性を通して病害の発生に強く影響すると考えられており(駒田 1990;對馬 2010)、病害の予察に対して対象とする圃場の土壌診断を行うことは、一つの有効なアプローチ であると期待されている(小山 2009)。 土壌病害に関する土壌の性質として、古くから経験的に土壌病害がほとんど問題にならない土 壌、すなわち抑止的土壌の存在が知られている(小林・Ko 1983; 駒田 1990; 小林・駒田 1995)。 例えば Fusarium 病であるキュウリつる割病ならびにインゲン根腐病について、関東から東海地方 にかけて広域から土壌を収集し、特に pH に注目して抑止的土壌の探索および抑止機構の検討を行 った研究例がある(小林・駒田 1995)。その結果、キュウリつる割病については、pH8.0 で発病 が抑止され、インゲン根腐病は pH4.0 で発病が抑止されるという示唆が得られた(小林・駒田 1995)。pH 値によって Fusarium 病の発病が抑止されるという研究は他にも複数存在し(Kobayashi and Ko 1985a, b)、抑止的土壌は pH 管理という人為的な管理によっても構築できる可能性が示唆 されている(小林・駒田 1995)。とはいえ、特定の土壌がなぜ病害を抑止しているのかについて、 多くの場合詳細なメカニズムは不明なままである。 近年、IT、特にストレージ容量の増加と観測技術の発展に伴い、かつては想像することすらで きなかった巨大データ、いわゆる「ビッグデータ」を様々な研究において利用することが注目さ れている(大澤・神保 2013)。巨大データを利用した研究には、データベース(本稿では統一し た記述フォーマットで記述されたデータを一元化し、データ管理システム内に格納し、さらには データの追加が継続的に行えるものと定義する)が不可欠である。例えば生物多様性の分野にお いては、国際機関である Global Biodiversity Information Facility (GBIF)のプロトコルを利用したデー タベース構築が推奨され(三橋 2010; 大澤ら 2011)、利用例も徐々に増えつつある(大澤ら 2011; 大澤・神保 2013; Osawa 2013)。土壌病害の分野においても、土壌の生物性に関する情報を格納 した農耕地 eDNA データベース(對馬 2010; http://www.niaes.affrc.go.jp/project/edna/edna_jp/: 2014 年 4 月 24 日時点で公開中止中)や微生物情報を集約した Web データベース microForce

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p7-14 (2016)

― 7 ― - 7 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

(http://www.niaes.affrc.go.jp/inventory/microorg/ 2015 年 12 月 26 日確認)が構築され、それらの活 用例も発表されている(桐谷 2009; 2010)。 土壌病害のように、多くの要因が絡み合って発生する事象を引き起こす要因を検討する際には、 その第一歩として、対象とする事象および関連しそうな項目の情報を収集し、それを解析するこ とによって仮説を立てるという記述疫学的アプローチが有効である。具体的には、結果の頻度や 分布を調べる事により、原因究明のための仮説を立てるというものである。記述疫学は、主に医 学の分野において、研究の第一歩として症例等を集約する際に古くから用いられている手法であ る(例えば児玉・大野 1989; 矢ケ崎・豊田 1989)。この手法で得られる結果の信頼性や精度は、 基本的に検討対象とする事象の件数および質に依存する。土壌病害においても、対象とする事象、 つまり病害発生程度と周辺情報、例えば土壌 pH を集積(データベース化)し、それを解析すると いう記述疫学的アプローチによって、多くが謎のままである抑止的土壌を明らかにするヒントが 得られる可能性がある。 そこで本研究は、一般に発生予測が困難である土壌病害を対象に、データベースを活用し、膨 大なデータに基づいた記述疫学的アプローチを利用することで、抑止的土壌となる条件を推測し、 ある程度の事前発生予察を実現する手法の確立を試みた。病害の事例を多数収集し、それを解析 することで発病条件等を見出す記述疫学的アプローチには前例があるが(雨宮 2007)、我々はそ こにデータベース利用という考え方を追加する(詳細は後述)。ケーススタディとして、トマト およびナス青枯病の発生土壌について疫学的解析を実施し、病害発生要因のスクリーニングを行 う。その一連の流れについての解説を通して、データベース構築からデータ集積、解析に至る手 法の病理学分野への適用可能性について議論する。

2.材料および方法 1)データベース活用の基本構造 これまで実施されてきた疫学的解析は、多くの場合、実施者(研究者)が多数のデータを集めて 解析を実施し、報告を行ったら、そこで終了していた。こういった手法は、それまでの知見を集約し、 新たな知見を得るという点で極めて有効である。しかし、そこで得られた知見は、研究を実施した時 点では最新であっても、その後の研究の発展によって、すぐに陳腐化してしまう可能性が高いという 問題点がある。ここにデータベース利用という考え方を追加することによって、最新の情報に基づい て結果を随時更新できるようにする。データベースを利用すれば、データ管理システムによって複数 の人間が同時に同じデータセットを扱うことが可能となり、過去のデータが維持されていくことはも ちろん、複数の人間によって多数のデータを随時追加していくことができる。これにより、解析に利 用できるデータをリアルタイムに増やすことが可能であり、それを利用することで、解析結果も更新 することができる。しかし、少なくとも植物病理学分野において、病害の発生および関連情報を格納 できるデータベースはほとんど存在していない。よって、この一連の流れを確立するために、データ 基盤となるデータベースシステムが必要となる。次項より本研究で開発したデータベースシステムの 解説を行う。なお、本研究で提示するアプローチにおいて重要なのは、関係者が共有できる基盤デー タシステムを持つこと自体であり、同じ機能を持つ Web システムを開発しなければならないという ことではない。

― 8 ― - 8 - 報文:データベースと記述疫学に基づいた土壌病害発生要因のスクリーニング

2)データ格納システム「土壌カルテ」 発病に関連する土壌情報を 格納するデータベースシステ ムとして、Web 上で項目を入 力し、データをリレーショナル データベース(RDB)に格納し てくれる Web システムを開発 した。病害に関するすべての土 壌情報は本システムに一元化 され、解析は本システムに格納 されたデータを利用して実施 する。 システムはインターネット からアクセス可能で、Internet Explore や Fire Fox といった 一般的なブラウザがあれば利 図1:Web システム「土壌カルテ」のログイン画面および入力画面 用できる。本研究ではシステム 自体の一般公開は実施せず、ア クセス用の URL は関係者のみに公開とし、さらに IP アドレス指定によるアクセス制限も実施した。 さらにシステム利用にはユーザ ID およびパスワードの入力が求められるようにして、データの保全 性およびセキュリティ対策を高めた(図 1a)。初期画面においてパスワードを入力し、システムにロ グインすると、データ入力画面に遷移する(図 1b)。ここで必須項目を入力すると、表示画面に遷移 する。入力項目は、人間の病院で使われるカルテをイメージして、1. 調査年月日、2. 調査場所、3. 作 物名、病名を基本項目として記入できるようにした(図 1b 上部)。

3)診断項目の選定 診断項目として、土壌の物理性、化学性、生物性それぞれから測定が比較的簡便で、経験的に土壌 病害に強く関連していると考えられている項目を 1~3 項目決定した(表 1, 図 1b 下部)。これらの うち最低 1 項目が入力されていれば、システムに新しいデータを登録することができる。項目を多く すれば、解析結果の予測精度は高まる可能性があるが、その分データの収集が困難になり、データを

表 1. カルテへの入力項目

必須項目のうち、いずれか 1 項目が入力されていればデータとしてシステムに登録できる。

― 9 ― - 9 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

提供してくれる協力者に敬遠されることが予想される。そこで本研究では、最低 1 項目を記入すれば システムにデータ登録可能とした。この登録必須項目は、対象とする病害や過去の経験等から調整す ることが可能である。

4)カルテの作成 上述した基本情報 1-3 および、1 項目以上の診断項目を入力すると、その情報はカルテとしてデー タベース化される。データベース化された情報は Web 上での閲覧(図 2a)および、カルテ画面はマ イクロソフト社のエクセルおよび互換ソフトで開けるフォーマット形式(xls ファイル)で出力する ことができる(図 2b)。出力されるエクセル形式のファイルは、特に設定することなく、カルテ様の レイアウトで印刷出力することができる。

図2:Web システム「土壌カルテ」のカルテ表示

5)解析のケーススタディ 岡山県におけるトマトおよび三重県におけるナス青枯病(Ralstonia solanacearum)の病害発生デ ータについての情報をデータベースに格納し、そのデータについて試験的な疫学的解析を実施した。 各病害発生データのリソースとして、トマトについては主に近中試単年度試験研究成績 9(近畿中国 四国農業研究センターの 1989 年における調査研究成果資料を請求して入手)を、ナスについては主 に山崎(2004)を利用した。 青枯病の抑止的土壌となる要因候補として、pH と対象病害の関係を検討した。pH を候補とした理 由は、既往研究において pH 値が抑止的土壌の指標としての活用できる可能性が示されていること (Kobayashi and Ko 1985a, b 小林・駒田 1995)、計測が容易であり、データ自体が比較的入手し やすことによる。具体的には、pH 値を任意にクラスに分け、その値において青枯病が発生する確率 を推定し、発生頻度を比較した。 まず上述「土壌カルテ」を利用して収集した症例から、岡山県におけるナスおよび三重県における トマト青枯病についてのレコードのうち、pH が記入されているものを抽出した。システムには他県 のレコードも格納されているが、本解析はケーススタディであるため、対象をそれぞれレコード数が 最も多い 1 県に絞った。抽出されたレコードについて、pH の分布をヒストグラムに描いた。ヒスト グラムのクラス分けはスタージェスの公式に従った。

― 10 ― - 10 - 報文:データベースと記述疫学に基づいた土壌病害発生要因のスクリーニング

範囲 C =(サンプル最大値-サンプル最小値)/(1+log2(サンプル数)) (式1) 階級 K = 1 + log2(サンプル数) (式2)

同様に、「発病あり」についてのみのヒストグラム、「発病なし」についてのみのヒストグラムも 作成した。 得られたヒストグラムをカーネル密度推定(植木・笛田 2003)によって確率密度関数化した。得 られた密度関数を利用し、スタージェスの公式によるクラス分けに従い、pH0.5 きざみで病害の発生 確率を算出した。なお、ケーススタディで実施した発生確率の算出という統計解析はあくまで例であ り、実際は現場の要望や使い方に応じて手法を決定すればよい。

3.結果 岡山県のナス青枯病について、対象病害が発生し、pH が記録されているレコードは 50 件、対象病 害が発生せず、pH が記録されているレコードは 11 件となった(表 2)。同様に三重県のトマトにつ いては、発病ありレコードが 62 件、発病なしレコードが 5 件得られた(表 2)。このレコード数は 解析を実施した 2013 年 7 月時点での件数であるため、今後さらに増えていくことが期待される。そ れぞれの pH 値について作成したヒストグラムを図 3a,4a に示す。発病ありのヒストグラムを見ると、 岡山県ナス、三重県トマトともに 表 2. ケーススタディに利用したデータ pH5.5-6.0 をピークに持つ正規分布に近い 形を示した(図 3a, 4a)。発病なしについ ては、岡山県のナスは発生ありとほぼ逆の 傾向を示した(図 3a)。それぞれのヒスト グラムを重ねてみると、その傾向がよく見 える(図 3a)。三重県のトマトについては、 得られた 5 件のレコードが全て同じ pH 値 であったため、発病なしのヒストグラムを 全てのデータは土壌カルテシステムに格納されている。 描くことができなかった。

図3:岡山県におけるナス青枯病の発生頻度分布および発生確率と土壌 pH の関係

― 11 ― - 11 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

図4:三重県におけるトマト青枯病の発生頻度分布および発生確率と土壌 pH の関係

表3.確率密度関数から推定した各 pH レンジにおける発病確率。

値は、手元の全発生データを 1 とした場合の

割合を意味する。

確率密度関数の形を図 3b, 4b に示す。岡山県ナス、三重県トマトともに pH の低いレンジ、高いレ ンジで形が波打っていたが、おおむね正規分布に近い結果となった(図 3b,4b)。これらを 0.5 きざ みに pH4.5 から 7.5 までの値について積分を行った確率値を表 3 に示す。すなわち、全発生レコード を 1 とした場合の、該当レンジにおける割合を意味するものである。結果、ともに pH5.5-6.0 で最も 発生確率が圧倒的に高く、それ以外では低い値となった。

4.考察 土壌病害の生起情報と、発生地土壌の性質を登録できるデータベースシステムを開発し、それに格 納したデータを利用して記述疫学的な解析を行うことで、着目した性質と病害発生の関係を推定する という一連の流れを確立した。その手法を利用し、ナスおよびトマト青枯病について土壌 pH と発病 の関係を推定するというケーススタディを実施した。実データに基づいた記述疫学的解析は、病害対 策の現場における経験則や現場感覚を定量化するものであり、さらにその結果が容易に更新できると いう仕組みは、病害発生に関する詳細研究における第一歩として有効であると考えられた。 本解析で得られる結果は、あくまでデータベースに格納されたデータから得られた共通”傾向”で あり、必ずしもそのまま直接的に病害対策に利用できるというものではない。実用方法としては、圃 場試験等を行う前段階で実施し、研究計画を立てる際の事前診断項目の一つとして利用するのが良い と考えられる。例えばケーススタディで得られた結果を利用すると、pH が 6 前後のレンジから外れ た圃場は、ナス、トマト青枯病の発生確率は低いと判断できる。農業指導者らは、pH の値がレンジ

― 12 ― - 12 - 報文:データベースと記述疫学に基づいた土壌病害発生要因のスクリーニング

から外れている圃場での営農を推奨する等の指導を行うことができるだろう。農業現場においては、 pH 値が発生レンジ内の圃場であればナス、トマトの栽培を行わない、あるいは耕作前に pH を調整 するといった考え等が可能である。得られた結果は実データに基づいた結果であるため、少なくとも 対象地域である岡山県、三重県においては、明確な根拠を持って意思決定支援に利用することが可能 である。とは言え、土壌病害は多くの要因によって発生するため、一つの項目だけで診断し、それに 関する対策のみで完全に防除を達成することは極めて困難である。そのため、効果と経済的な負担等 を勘案し、複数の手法を適用して被害を経済水準以下に抑えるという IPM 的な考え方が必要となる (對馬 2005)。本研究で示した疫学的解析の結果は、IPM における一つのオプション、すなわち項 目を選抜する手法としては十分に実用可能であろう。 今回ケーススタディを行った青枯病は、様々な農作物、様々な地域で問題になっており、多くの既 往研究がある。しかし、これまで得られてきた知見は、必ずしも関係者で共有されてこなかったと筆 者らは考えている。例えば公表済みの論文、本研究のケーススタディで利用した地方試験場における 実験報告等にも、病害に関する様々な情報が記録されている。しかし、これらの情報の多くは農業現 場や専門家の目に触れることなく、どこかにしまいこまれている。本研究で提案したように、データ ベースを作成し、過去の知見を集積すること、さらにそれを解析し、得られた新たな知見も含めて全 ての知見を関係者で共有することで、効率的で低コストの営農指導や病害対策が実現できる可能性も ある。 植物病理学分野では歴史的に多くの知見が得られているが、それらの情報が全て有効活用されてい るとは言い難い。IT が目覚ましく発展し、容易に様々なデータにアクセスすることが可能である現代 では、本稿で提案したように、歴史的に積み重ねされた知見をまとめて活用し、新たな知見を得るこ とが可能となった。今回示したケーススタディでは、経験的には、pH の影響が漠然とあることが分 かっていたことを明示的に、確率的に示せたことに意義があると考える。しかし、本成果は、あくま でデータベースを土壌病害に利用するための事例と方法を紹介したものである。今後は、今回示した 方法に基づき、より多くの病害および作物を対象に、病害データの蓄積および活用が広がっていくこ とを期待したい。それらが実現すれば、実用的で有用な技術の確立につながっていくだろう。

引用文献 1) 雨宮良幹(2007):堆肥等有機物を利用した土壌病害の防除.土と微生物, 61, 123-128. 2) 池上八郎 (1992):アブラナ科野菜根こぶ病菌の生態と防除(野菜・花きの土壌病害をめぐって).土と 微生物, 39, 1-10. 3) 桐谷圭治 編(2009):田んぼの生き物全種リスト.大同印刷株式会社, 佐賀. 4) 桐谷圭治 編(2010):改訂版 田んぼの生き物全種リスト.大同印刷株式会社, 佐賀. 5) 児玉博和・大野良之(1989):尿路結石症の記述疫学的考察.泌尿紀要, 35, 923-934. 6) 小川晃一郎・森 太郎・松崎弘美・松添直隆(2011):非病原性 Ralstonia solanacearum によるナス青 枯病発病抑制効果.園学研 10, 581-587. 7) 小林紀彦. Ko Wen-hsiung (1983):ハワイ諸島における~に対する発病抑止土壌の探索とその抑止機構 の解明.土と微生物, 25, 1-8. 8) 小林紀彦(1985):土壌病害に対する発病抑止土壌の存在と抑止機構, 植物防疫, 39, 271-279. 9) Kobayashi, N. and Ko, W. H. (1985): Pythium splendens-suppressive soils from different islands of Hawaii. Soil Biol. Biochem., 17, 889-891.

― 13 ― - 13 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

10) Kobayashi, N. and Ko, W. H. (1985): Nature of suppression of Rhizoctonia solani in Hawaii soil. Trans. Br. mycol. Soc., 84, 691-694. 11) 小林紀彦・駒田 旦(1995):関東,東山,東海地域における Fusarium 病の発病抑土壌の探索とその抑止性. 土と微生物.45, 21-32. 12) 駒田 旦(1990):土壌病害の発生と土壌.土壌の物理性 61, 43-47. 13) 三橋弘宗(2010):生物多様性情報の整備法.鷲谷いづみ,宮下直,西広淳,角谷拓編「保全生態学の技 法」.p.103-128, 東京大学出版会, 東京. 14) Murakami, H., Tsushima, S. and Shishido, Y. (2001): Factors Affecting the Pattern of the Dose Response Curve of Clubroot Disease Caused by Plasmodiophora brassicae. Soil science and plant nutrition,48, 421-427. 15) 大澤剛士・栗原 隆・中谷至伸・吉松慎一(2011):生物多様性情報の整備と活用方法-Web 技術を用い た昆虫標本情報閲覧システムの開発を例に-.保全生態学研究, 16, 231-241. 16) 大澤剛士・神保宇嗣(2013):ビッグデータ時代の環境科学-生物多様性分野におけるデータベース統合、 横断利用の現状と課題-.統計数理, 61, 217-231. 17) Osawa, T. (2013): Monitoring records of plant species in the Hakone region of Fuji-Hakone-Izu National Park, Japan, 2001-2010. Ecological Research 28, 541. 18) 小山 修(2009):土壌診断と拮抗微生物によるジャガイモそうか病防除技術.土と微生物,63, 84-88. 19) 對馬誠也(2010):eDNA による農耕地土壌の生物性解析・評価手法の開発.土と微生物,64, 64-69. 20) 對馬誠也(2005):病害防除におけるIPMの展望と課題-アブラナ科野菜根こぶ病防除を事例として -.関東東山病害虫研究会報,52, 1-8. 21) 植木優夫・笛田 薫(2003):カーネル密度推定におけるカーネル関数の比較.日本計算機統計学会大 会論文集, 17, 147-150. 22) 矢ケ崎信子・豊川裕介(1989):日本人の皮下脂肪厚の記述疫学的研究.民族衛生, 55, 100-112. 23) 山崎浩道(2004):カルシウム吸収によるトマト青枯病抵抗性の向上に関する研究.野菜茶業研究所研 究報告, 3, 1-56

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 大澤 剛士 電話:029-838-8272, e-mail: [email protected]

― 14 ― - 14 - 研究トピックス

農業の LCA における農法別インパクト評価へのチャレンジ Challenge towards impact assessment considering different farming methods in agricultural LCA

湯龍龍・神山和則・レオン愛

Longlong Tang*, Kazunori Kohyama, Ai Leon

1.はじめに 農業活動による環境影響は、農地管理方法によって変わることが知られている。例えば、水田

から排出される CH4 ガスは湛水と落水期間の違いで異なり、稲わらの処理方法によっては土の炭 素貯留量が変わるなどがあげられる。より環境影響の小さい農地管理方法の導入が求められる。 しかし、ある環境影響を削減するために導入された農地管理方法は、別の環境影響を増加させて しまう場合がしばしば見られる。異なる環境影響を総合的に見ることも農法の選択において重要 と言える。 LCA は ISO により国際規格化されてから、工業製品だけではなく、様々な分野における評価事 例が見られるようになってきた。近年は、世界範囲での LCA 用データベースの構築とインパクト 評価手法の開発が盛んに行われている。LCA のインパクト評価は、主に環境問題ごとに評価する 特性化と、異なる環境影響を単一指標化する統合化に分けられる。特性化は、評価対象の環境影 響を詳細に示す点に特徴があり、かつ、主な環境問題の特性化方法(例:温暖化は GWP)の合意 性が高い。それに対して、統合化は評価手法がまだ開発途上であり、結果の不確実性も大きい。 現在活用されている統合化手法として、問題比較型と被害算定型がある。典型的な問題比較型手 法である DtT (Distance to Target)法は、環境政策目標に対する達成度に基づいて各影響項目の重要 度(重み)を決定し、複数の影響項目を直接単一指標化する方法である。政策目標が経済的状況によ って変わりうる、かつ、目標までの距離は必ずしも影響の大きさを示すものではない点に留意す る必要がある。被害算定型統合化は、各影響項目が共通のエンドポイント(例:健康、生態系、 資源)への被害量を算定したうえで、数少ないエンドポイント間でアンケート調査により得られ る支払意思額あるいは無次元の重みづけ係数で単一指標化する方法である。被害算定型手法は透 明性が比較的高く、金銭評価が可能であるため、インパクト評価手法開発の主流になりつつある。 なお、土台である被害評価の手法開発が遅れている(例:地球温暖化の健康影響と生態系影響) ことを留意する必要がある。 近年、環境影響の少ない農業システムへの移行が求められる中、有機農法と慣行農法を対象と した LCA 研究が数多く蓄積されてきた。本稿は LCA を農業に適用する場合、農法による環境影 響の違いを表現する観点で、インパクト評価手法の課題を整理したうえで、農法別土地利用の影 響評価に向けた文献調査研究と地球温暖化の健康被害評価研究を紹介する。

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p15-17 (2016)

― 15 ― - 15 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

2.農法別評価におけるインパクト評価の課題整理 特性化について、特性化係数が欠落している影響項目として、水利用と生態毒性があげられる。農 業の取水量が大きく、水資源の少ない地域では影響が大きいものと考えられるため、取水源や灌漑方 法によって影響が変わりうる。現状は、水の種類(雨水、河川水、地下水など)や地域性を持った特 性化係数はまだ開発中である。また、生態毒性の場合は、化学農薬の特性化係数が存在するが、有機 農薬の係数はまだない。一方、農法別評価に向けて特性化係数の改善が求められる影響項目として土 地利用があげられる。これまでは、土地面積を指標とする特性化係数が使われているが、同じ面積で も農法によって生じる生態系影響が異なることが考えられるため、農法別の特性化係数の開発が求め られる。 統合化については、環境影響項目間にトレードオフが生じる場合の農法間比較に貢献するが、結果 の不確実性の低減、被害評価の網羅性と精度の向上が求められる。特に、地球温暖化の場合は、生態 系影響の評価手法の欠落と、健康影響評価の不確実性が大きい点が課題である。

3.農法別に土地利用の影響係数を開発するための文献調査研究 ここでは、手法開発に必要な現状整理のための文献調査を行った結果を紹介する。文献調査の対象 について、Scopus より、peer reviewed article、2000~2015 年を限定し、Life cycle assessment + organic + conventional + land use をキーワードで検索した結果、15 件がヒットした。また、農法間 の比較はしなくても、農業の土地利用の影響評価を行う最近の文献 4 件を加えて、合計 19 件の文献 を調査した。その結果、土地利用の特性化で面積を指標とする農法間比較研究が 12 件であり、いず れも有機農法の特性化結果が大きかった(表 1)。しかし、生態系影響を考慮する土地利用の影響係 数を使用する研究は 4 件あり、いずれも農法別に評価していないが、うち 3 件は農法別評価の重要性 を言及している。一方、農法別、かつ、生物多様性まで評価化した土地利用の影響係数を提案した文 献は 2 件である。その結果は、有機農法の土地利用面積が大きいが、影響が逆に小さかった。生物多 様性影響に限られるものの、農法別の生態系影響を考慮する土地利用の係数を使用した場合は農法間 で土地利用の結果が大きく変わる可能性があることが示唆された。

4.将来社会像を考慮する CO2 の健康被害係数の開発研究

CO2 排出による健康影響は将来にわたって生じるため、将来の経済発展や人口成長に影響される。

これは CO2 健康被害係数の不確実性が大きい要因の一つである。本研究は CO2 の健康被害係数を将 来社会像に応じて推計する枠組みを開発し、SRES(special report on emission scenarios)シナリオ 別の被害係数を算定した。図 1 に被害係数の算定フローを示す。将来の気温上昇量と将来のベース死

亡率(温暖化影響を受けない場合の死亡率)を、それぞれ SRES の CO2 排出シナリオと一人あたり GDP シナリオに応じて推計することによって、SRES シナリオ別の被害係数の算定が可能となった。

その結果、単位量 CO2 の排出による健康被害は、SRES シナリオ間で約三倍まで広がることが明らか になった(図2)。将来の一人あたり GDP が高く推計される A1B と B1 シナリオは、ベース死亡率 が低く抑えられるため、被害係数が最も小さかった。唯一欧州の既存研究ではシナリオ別に評価して おらず、本研究と同様に 100 年間評価期間を考慮した場合の値は約 2.7E-7 DALY/kg となり、SRES シナリオ別の結果の間に入る。なお、本評価方法は将来の気温上昇に応じて 1℃あたりの相対リスク を一定にしていることと、SRES シナリオごとの不確実性を示していないことに留意する必要がある。 本研究成果の算定によって、温暖化由来の健康被害を他の環境影響要因による健康被害と比較する際

― 16 ― - 16 - 研究トピックス:農業の LCA における農法別インパクト評価へのチャレンジ

に、異なるシナリオを考慮した感度分析が LCA 解釈で実施されることが強く推奨される。

表1:LCA 事例評価における土地利用の評価

インベントリー インパクト 文献 評価方法 分析結果 指標・単位* 評価結果 指標・単位* 備考 文献 数 (有機/慣行) (有機/慣行) ・そのうち4件は土地利用の影響評価 ・農法比較あり に言及している。例えば、土地利用の Tuomisto et al. (2012)など 12件 1.1-4.5倍 m2/FU - - ・影響評価なし 影響が未評価、土壌劣化の影響が未 (全リストはSIに掲載) 評価など。 ・EI99を使用。 Ecosystem quality ・影響係数は農法の違いを分けない。 1件 未表示 m2/FU 1.2倍 Mohamad et al. (2014) (Point/FU) ・Organicは土壌質への影響が未評価 ・農法比較あり を課題と言及。 ・影響評価あり ・管理方法の違いを分けた影響係数を Guerci et al. (2013), 2件 1.5-3.0倍 m2/FU 0.2-0.5倍 Biodiversity (PDF/FU) 使用。 Mueller et al. (2014) ・Organicの影響係数が小さい。 ・UNEP-SETAC Guidelineの提案指標 Milà Canals et al. (2013), ・農法比較なし ・生態系サービス影響指標 を使用。 Helin et al. (2014), 4件 - - - ・影響評価あり ・生物多様性影響指標 ・そのうち1件は農法の違いを示し、2件 Antón et al. (2014), は農法の相違を今後の課題と言及。 Piastrellini et al. (2015)

図1:SRES シナリオ別の CO2 健康被害係数の算定プロセス(RR:相対リスク)

8.E‐07

6.E‐07 マラリア )

2 内陸洪水

CO ‐ 海岸洪水 4.E‐07 栄養失調 DALY/kg

( 下痢 2.E‐07 心血管疾患 排出単位量あたりの健康被害量 2

CO 0.E+00 A1B A2 B1 B2

図2:SRES シナリオ別の CO2 健康被害係数

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 湯 龍龍 電話:029-838-8353 e-mail:[email protected]

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インベントリー

農業環境情報カタログサイト NIAES VIC (Virtual Inventory Complex) Open data catalog site NIAES VIC (Virtual Inventory Complex)

大澤 剛士

Takeshi Osawa*

1.はじめに 情報技術の発展に伴い、様々な分野においてデータベースが構築されるようになった。特に環 境情報データベースは、自然環境、防災、社会科学等、様々な分野において近年ニーズが急激に 高まり、その数、量ともに著しく増加した。環境情報データベースの構築は、現在では国際的な 取り組みとなっており(例えば GEOSS; Global Earth Observation System of Systems< http://www. earth observations.org/geoss.php >、 2015 年 12 月 21 日参照)、日本も積極的に参画している(例えば DIAS; Data Integration & Analysis System , 2015 年 12 月 21 日参照)。 これまで農業環境技術研究所(以下、農環研)では、農業環境に関わる様々なデータセットの 整備、データベース化を進めてきた。これらを受け、平成 23 年度より始まった第三期中(長)期 計画において、「全国的な土壌、気象、生物、土地利用、衛星画像、農業統計などの農業環境情報 を一元的に提供できる農業環境情報統合データベースを構築する。」という内容が提示され、筆者 が中心となって統合データベースの構築という研究課題が開始された。本稿は、2015 年に農環研 が公開する農業環境統合データベース NIAES VIC (Virtual Inventory Complex)および、その構築に 至るまでの研究内容を概説する。なお、本稿においてデータベースとは、同じ性質のデータセッ トをデータベースマネジメントシステムにおいて一元化したものと定義し、電子化した巨大ファ イル等はデータセットと呼ぶ。

2.NIAES VIC の概要 第三期中(長)期計画の成果物として公開する NIAES VIC は、データカタログサイト、つまり、 これまで農環研で整備、公開してきた各種データセット、データベースを検索し、アクセス可能 にするシステムである。検索結果として表示されるメタデータ(データベースの内容を説明する もの)は全てオープンデータとし,可能な範囲でデータ本体もオープンデータとしている。オー プンデータとは、データを公開するだけでなく、再利用、再配布も保証した自由な利用を促進す るという考え方で(大澤ほか 2014)、オープンデータに適合するライセンスとして、しばしば Creative Commons CC-BY(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン http:// creativecommons.jp/ 2015 年 12 月 21 日参照)が利用される。NIAES VIC においても、標準ライセンスとして CC-BY 国際 4.0 を採用している。カタログサイトのシステムは、日本政府のデータカタログサイト DATA.GO.JP (http://www.data.go.jp/ 2015 年 12 月 21 日参照)と同じ CKAN というオープンソースプラットフォ

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p18-22 (2016)

― 18 ― - 18 - インベントリー:農業環境情報カタログサイト NIAES VIC (Virtual Inventory Complex)

ーム(http://ckan.org/ 2015 年 12 月 21 日参照)によって構築され、既存の行政オープンデータとの 親和性を最大源高める工夫をしている。同時に、公開するデータベースの一部には API (Application Program Interface)が付与されており、その利用方法がメタデータに記述されている。API を使うこ とで、インターネットを経由して直接データベースにアクセスできるため、データをローカル環 境にダウンロードすることなく利用することが可能になる(大澤ほか 2011, 2012)。これにより、 インターネット上で複数のデータを組み合わせたり(大澤ほか 2012 : http://agrienv.dc.affrc.go.jp/農 業環境情報データセンターgamsDB)、他のリソース、例えば地図と組み合わせたり(大澤ほか, 2011: http://habucollection.dc.affrc.go.jp/オサムシ科標本情報閲覧システム)、モデル計算等の解析を行う こと(http://soilco2.dc.affrc.go.jp/ 土壌の CO2 吸収「見える化」サイト 2015 年 12 月 21 日参照)が 可能になる。引用した各種システムは、この API を利用して各種サービスを提供しているもので ある。NIAES VIC によって、データにアクセスできる API を発見し、それらを自由に組み合わせ て新しい価値を生み出すといった「マッシュアップサイト」が農業環境の分野においても促進さ れると期待できる。この API を一元化し、公開することが、新しいデータベースの統合と筆者は 考えている。次項では、データベース統合の考え方について述べる。

図1:マッシュアップの概念図。インターネットの雲の中にある各種データベースに API を

取りつけることで、雲の中で自由にデータベースを組み合わせ、新しい価値を作り出せる。

3.仮想的な統合 データの『統合』と言うと、多くの方は、データ記述フォーマットを同一にし、同じシステム に様々なデータを一元化することを想像するのではないだろうか。これは、分野を同じくする研 究グループが似た形式のデータを共有する場合や、レコード数が数千程度までの、人間が見て認 識できる程度のデータサイズを扱う場合は有効な手段である。しかし、多くの専門分野が異なる 人々が集まった研究グループにおいて、まるで性質が異なるデータを一元化し、扱うレコード数 も数万、数十万という膨大な分量になってくると、必ずしも有効な手段ではなくなってくる。理 由は単純で、人間の認識能力を超えてしまうからである。つまり、利用者がデータベースに格納 されている内容を把握しきれなくなってしまうのである。特に研究者は、自分の研究分野どころ か、自分が扱っている形式以外のデータには極めて疎い場合が多く、これもデータ統合を困難に

― 19 ― - 19 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

している。人間の認識能力を超えた巨大「統合データベース」は何をもたらすのだろうか?本来 データベースは、人間が楽をするために構築されたものである。データベースがあることで、必 要なデータを改めて収集する必要がなくなり、大量なデータセットから必要なデータのみを抽出 する、利用しやすい形に加工するといった効率化を実現してくれる。しかし、認識能力を超えた データベースを前にした場合、人はどうするかというと、答えは単純で、利用しなくなるのであ る。無理に使おうとしても、その中身を知るだけで疲弊してしまう。とはいえ、こういった型の データベースが無意味ということはない。データベース管理担当者(Information Manager)のよう な専門知識を持つ技術員がデータベースの管理を担い、研究者の要望に対して的確にこたえてく れるような体制であれば、巨大データベースは研究遂行に大いに貢献してくれるだろう。だが、 現実的に、少なくとも環境科学の分野において、こういったデータベース管理担当者は皆無に近 い(大澤ほか 2013; 2014; 大澤・岩崎 印刷中)。管理者不在のままデータベース構築プロジェク トが乱立した結果、不良債権化してしまったデータベースが多々眠っているという事実は、目を そらしてはならない問題である。 こういった背景を勘案した結果、筆者はデータを物理的に統合することは、少なくともデータ ベース管理担当者を持たない農環研にメリットをもたらすことはないという結論に達し、別の統 合方法を検討した。その結論が、API を利用した仮想的な統合である(大澤ほか 2011; 2012; 大澤 ・神保 2013)。つまり、分野や性質の異なる個別データベースは独立させたまま、データをイン ターネット上へ配信する API を実装し,由来の異なるデータをインターネット上で仮想的に統合 するという考えに至った。詳細は大澤ほか(2011; 2012)や大澤・神保(2013)に詳しいが、デー タベースに API を付与することで、データベースの独自性、例えば研究分野やファイル形式、記 述フォーマット等に縛られることなく、全てとインターネット上で横断利用することが可能にな る。この考え方は、ありとあらゆるデータセット、データベースをインターネットという雲の中 に置いてしまい、必要に応じて必要なものだけにアクセスするという、クラウドコンピューティ ングの考えに基づいている(図 1)。 この技術をデータベースに応用すること、つまりデータベースに API を付与することで、先述 のマッシュアップサイトが容易に構築できるようになる。なぜなら、既に全てのデータリソース はインターネット上に存在しているので、システムを構築する際に改めてデータベースを設置す る必要がなくなるのである。これまでのデータベースシステムの多くは、システム専用のデータ ベースを設計し、データを格納し、システムを廃止知る際には基本的にデータベースそのものも 廃止してきた(大澤ほか 2011)。しかし、API を使うことで、システムが廃止になってもデータ は常に再利用可能になり、さらには同じデータベースを使って複数のシステムを同時に構築する ことも実現できる(大澤ほか 2011; 2012)。筆者らは実際にこの技術を利用して先述の各種データ ベースを横断的に組み合わせたシステムの構築を実現し、その有効性を確信することができた。 これらの検討およびシステム開発を通し、農環研における農業環境情報統合データベースは、一 つの巨大なシステムを構築するのではなく、個別データセット、データベースは独立していても 問題ないが、それらを横断利用するため、インターネット上で「仮想的に」統合することが最適 解という結論に達した。その成果が、データベースに API を付与し、それをメタデータに記述す ること、それらの一元化および検索を実現するカタログサイト NIAES VIC である。

― 20 ― - 20 - インベントリー:農業環境情報カタログサイト NIAES VIC (Virtual Inventory Complex)

4.ライセンス問題 データセットおよびデータベースに関するライセンスとは,基本的に利用条件を記したもので ある。具体的には,利用に所有者の許可を必要とする,商用利用は不可能といった利用の条件や 許諾方法等を明記し,該当データセットやデータベースに付与するものである。だが、データセ ットやデータベースを公開する際に、ライセンスをどうするかは、知的財産権に関する知識を持 たない管理者にとって悩ましい問題である。一般にライセンスをはじめとした知的財産の問題に ついて研究者は軽視しがちであるが、多くの研究はアイディアと共にデータに基づいていること を考えると、研究活動における最も重要な一部を占めると言っても過言ではあるまい。近年、デ ータのねつ造や剽窃が明るみになり、論文の取り下げや学位の取り消しが頻発したことは記憶に 新しい。国内の競争的資金に応募する際、倫理教育を受講していることが必須要件となった。一 部の心無い研究者によって引き起こされた問題という一面はあるものの、知的財産の問題は、研 究者側が知らなかったでは済まされない問題になっていることは認識しておかなければならない。 繰り返しになるが、データセットやデータベースのライセンスは本来データ所有者が策定する ものである。しかし、必ずしも専門家ではないデータ管理者が必要な条件を過不足なく策定する ことは容易でないこと、データセットやデータベースごとに独自のライセンスが設定されること はデータの利用性を損なう可能性があること等から、外部団体が作成した標準ライセンスを利用 するという考え方が広がってきた。この標準ライセンスの代表が Creative Commons ライセンス(以 下 CC ライセンス)である(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン http://creativecommons.jp/licenses/ 参照)。 ライセンスについて本稿では 2015.12.21 CC 表1:クリエイティブ・コモンズで利用され 詳しく解説しないが,現在データおよびデータベー る基本的なマーク スに付与されるライセンスとして最も一般的なもの の一つと言ってよいだろう(大澤ほか 2014)。CC ライセンスは表1にある条件マークを組み合わせて 設定するもので、一般的に図 2 で示した 6 種類がよ く知られている。その中にはオープンデータライセ ンスと呼ぶべきものもある。具体的には CC BY、CC BY-SA はオープンデータライセンスと呼べるもので あり,出典を明らかにする限り,自由な利用と再配 布を許可している(大澤ほか 2014)。

図2:クリエイティブ・コモンズでは、表で示したマークを組み合わせ、主に6つのライセンス表示がされる。

NIAES VIC では、先述の通り検索結果として表示されるメタデータは全て CC-BY 4.0 国際が付 与されたオープンデータであり、出典を明記する限り再利用、再配布が可能となっている。これ はすなわち、農環研がどんな情報資源を保有しているかについてオープンにすることを意味する。 この姿勢は、主に税金を原資として研究に取り組んでいる国立研究開発法人として当然と言える だろう。ただし、実際のデータセットやデータベースのライセンスについては、個人情報の問題

― 21 ― - 21 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

等を勘案し、データを整備した研究者に委ねることにした。とはいえ、可能な限りオープンデー タ化し、多くの方々に利用してもらえる形で公開できるよう努力していきたい。

5.今後の展望 データベースシステムの構築は比較的容易だが、それを維持管理し、持続的に運用していくこ とは簡単ではない。この維持管理をどうするかを考えていくことは重要な課題ではある。しかし その反面、そればかりに囚われていては、データベースの本質を見失う。最も重要なのはコンテ ンツ、データベースにおいてはデータであり、システムは、それを利用しやすくするだけのもの にすぎない。最後にこのことを強調したい。システムのライフサイクルは IT の急速な発展もあっ て非常に短く、10 年後も同じ仕組みが通用することは考えにくい。しかし、データそのものは 50 年後、100 年後も利用可能である。実際、インベントリーセンターがこれまで整備してきたインベ ントリーの中には、100 年以上前のものも含まれている。残念なことに、いわゆる「箱もの」とし てシステムのみ作成し、コンテンツが充実することなく亡霊のように存在するシステムも少なか らず存在している。NIAES VIC も数年のうちに陳腐化してしまうかもしれない。しかし、それが 格納する各種データセット、データベースは 50 年後、100 年後も利用可能な形で維持していくこ とこそが、基盤情報を担う研究者として最も重要視すべきことと筆者は考えている。2016 年 4 月 をもって組織が統合され、インベントリーセンターはなくなるが、「農業環境インベントリー」 自体は 50 年後、100 年後も維持するように、今後も研究に取り組んでいきたい。

引用文献 1) 大澤剛士・岩崎亘典(2016):環境科学分野における研究データのオープンデータ化の現状と課題. 環 境情報科学 44-4:35-40. 2) Osawa, T., Kadoya, T., Kohyama, K.(2015): Agricultural land use 5- and 10-km mesh datasets based on governmental statistics for 1970 - 2005. Ecological Research 30(5):757. 3) 大澤剛士・神保宇嗣・岩崎亘典(2014):「オープンデータ」という考え方と、生物多様性分野への適 用に向けた課題. 日本生態学会誌 64(2): 153-162. 4) 大澤剛士・神保宇嗣(2013): ビッグデータ時代の環境科学-生物多様性分野におけるデータベース統 合、横断利用の現状と課題-. 統計数理 61:217-231. 5) 大澤剛士・鎌内宏光・細矢剛・伊藤元巳(2013): LTER、GBIF における国際的な生物多様性データベ ースの動向と日本国内の課題 -国際ワークショップ参加報告-. 日本生態学会誌 63(2):269-273. 6) Osawa, T.(2013): Monitoring records of plant species in the Hakone region of Fuji-Hakone-Izu National Park, Japan, 2001-2010. Ecological Research 28(4):541. 7) 大澤剛士・神山和則・桑形恒男・須藤重人(2012):Web API を活用した個別データベースシステムの 横断利用. 農業情報研究 21(1):1-10. 8) 大澤剛士・栗原隆・中谷至伸・吉松慎一(2011):生物多様性情報の整備と活用方法-Web 技術を用いた 昆虫標本情報閲覧システムの開発を例に-. 保全生態学研究 16(2):231-241.

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 大澤 剛士 電話:029-838-8272, e-mail: [email protected]

― 22 ― - 22 - インベントリー

ICT を活用した市民参加型生物調査の模索 Citizen Science with ICT devices

山中武彦・大澤剛士・中谷至伸

Takehiko Yamanaka *, Takeshi Osawa, Yukinobu Nakatani

1.はじめに 生物多様性の劣化が世界的に急速に進みつつある今日、日本全国あるいはアジア全域での多様 性劣化の検証と、要因の特定が危急のものとなっている。これには、高密度で広範囲な生物の生 息地の情報(=生物地理情報)の蓄積が必須であるが、今後、専門職に就く科学者だけで、多地 点でのデータ収集を継続的に行なっていくことができるのだろうか?市民参加型生物調査は、広 域での継続的な生物地理情報収集を実現する決定的な解決策となりうる。科学者が多くの市民と 協力して生物情報を収集することで、これまでとは桁違いの量の生物地理情報の確保が可能にな るだけでなく、一般の市民に生物多様性劣化の現状を知ってもらい、より自然に親しみを持って もらう環境教育の効果も期待できる(Dickinson & Bonney, 2012)。実際、世界各国で生物多様性 に関連した 500 を超える市民参加型生物調査が進行中である(Kobori et al, 2012)。本稿では、農 業環境インベントリーセンターで取り組んでいる、携帯電話を活用した市民参加型生物調査につ いて紹介し、その可能性と問題点を議論する。

2.汎用の携帯電話を市民調査に活用する 近年、きわめて身近になったインターネット技術は、市民参加型生物調査の垣根を劇的に低くして きた。例えばコーネル大学がホストする米国の eBird(http://ebird.org,2016 年2月確認)では、市 民からの情報提供をウェブサイトで受け付けており、500 万件/月のペースで投稿が行われている。 まだ英国オープン大学を中心に取り組んでいる iSpod(www.ispotnature.org,2016 年2月確認)で は、一般市民から写真の投稿を受け付けると同時に、撮影された生物種の同定も一般から受け付ける 画期的なウェブシステムを活用している。わが国でも、NPO 法人バードリサーチ (www.bird-research.jp,2016 年 2 月確認)が、インターネットを活用した「ベランダバードウォ ッチ」など初心者でも手軽に参加できる市民鳥調査を多数実施している。また環境省が推進するモニ タリングサイト 1000 の里山調査(www.nacsj.or.jp/project/moni1000,2016 年 2 月確認)では、調 査手順や調査フォームの配布をインターネット上で行い、調査結果の情報配信を行っている。このよ うにインターネット技術の活用は、市民参加型自然調査と切っても切れない関係となりつつある。 これまで、パソコンがこうした市民調査の連携ツールとしての主役になってきたが、携帯電話は、 さらに調査精度を飛躍的に向上し、市民とのつながりをより密接にする画期的なツールとなりうる。 現在、日本国民一人に一台以上といわれる携帯電話は、GPS(Global Positioning System, 全地球測

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p23-29 (2016)

― 23 ― - 23 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

位網)サービスを標準装備する高度な ICT(Information and Communication Technology)ツール である。今までにも GPS を活用した生物調査は、様々な場面で実施されてきたが、専用の GPS 機器 は高価で取り扱いが難しく、気軽に市民調査に利用するには敷居が高かった(Otuka & Yamanaka, 2003; Yamanaka et al, 2011)。一方、携帯電話は、日本在住の成人の99%以上が所持しているた め、新しい機材の購入を依頼する必要がない。加えて、ほぼすべての携帯電話には、高性能なカメラ 機能が付いている。一般市民の大多数は、生物調査の初心者であり、生物種の同定に関する技量は、 熟練のアマチュア愛好家や分類の専門家に遥かに及ばない。携帯電話から撮影した写真を生物調査に 提供することによって、写真の精度や撮影状況によって同定が難しく判定が難しい場合もあるとして も、少なくともどの生物を観察したかの手がかりを残すことが可能になるのだ。 株式会社富士通 FIP は、携帯電話を活用した生物調査ツール「携帯フォトシステム® (http://jp.fujitsu.com/group/fip/services/environment/management/biodiversity,2016 年 2 月確 認)」のパッケージ販売を 2010 年から開始した。この携帯フォトシステムでは、参加者に、GPS 機 能付き携帯電話から生物の写真をメールに添付して送信してもらう調査を想定している。参加者から 受信された添付写真は、システムによって自動解析され、撮影された日時、場所がデータベースに格 納される。格納されたデータは、ウェブアプリケーションシステムによって、一般的なブラウザから 記録を閲覧できる(鵜川, 2007; 山中・近藤, 2014)。

3.農業環境インベントリーセンターの携帯電話生物調査プロジェクト 現在、我々、農業環境インベントリーセンターでは、富士通 FIP の携帯フォトシステムを基に、そ れぞれの生物調査にあわせて改変を加えたウェブアプリケーションシステムを試験運用している。今 までのところ、国公立大学、私立大学、公立中学校、国立のビジターセンター、県立博物館、市立自 然公園、NPO 法人などと協力して、13 件の携帯電話生物調査プロジェクトを継続している。その目 的は、一般市民の参加者に自然に親しんでもらう教育的なものから、外来種の蔓延状況の確認に至る まで様々で、対象はトンボや昆虫一般、外来雑草、タンポポ、カエルにいたるまで多岐にわたる(図 1)。

図1:携帯トンボ調査の実際の様子. A 県博物館では博物館ボランティアを中心にイベントを行った(左).定期的に昆虫観察イベントを共同開催 している B センターでは、生物地理情報の持つ意味についてレクチャーを行った(右).

― 24 ― - 24 - インベントリー:ICT を活用した市民参加型生物調査の模索

これらのプロジェクトの中で昆虫をターゲットにした代表的な5件について、経時的な報告件数の 推移を図3に示した。この5件の調査では、参加者には散策しながら身近な生物に親しんでもらい、 撮影した写真がウェブサイトで閲覧できる面白さを知ってもらうことを目的とした。担当者が多忙で あったり、地理的な制約から頻繁に我々が訪問することができなかったりした調査では、最初にイベ ントを行った期間でほぼ投稿が終了しており、その後自主的な投稿が見られなかった(図2c, e)。 また定期的にイベントを共同開催している機関では、継続的にデータの更新が行われているものの、 イベント以外での投稿はあまり期待できなかった(図2a, b)。一方で、部活動に関連して生物調査 を行っている D 中学では、毎年昆虫の発生の多い夏季に、膨大な報告がなされている(図2d)。こ の中学では、カウンターパートとなっている教員に生態学的な知識があり、「上流と下流の水生昆虫 相の違いを検証する」などの問題設定を独自に行っていることが特徴であった。 まだ事例数が少ないため、統計的な要因の推定を行う段階に至っていないが、これらの報告トレン ドから、イベント継続のヒントとして、定期的に我々研究者が実際に調査を担当する市民と頻繁にコ ミュニケーションをとること、相手機関の担当者の方で独自に活用してもらうことなどがあげられる だろう。

a). A県博物館 b). Bセンター

報告件数 報告件数

0 5 10 15 20 0 20 40 60 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 2015/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 2015/01 年月/ 年月/ c). C市自然公園 d). D中学校

100 200 報告件数 報告件数

0 5 10 15 20 25 0 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 2015/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 2015/01 年月/ 年月/ e). E県博物館

図2:農業環境インベントリーセンターが各 地の公共機関、教育機関と共同で行った携帯 報告件数 トンボ調査の履歴。代表的な 5 機関から時系

0 20 40 60 80 100 120 列の報告件数を抽出した。 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 2015/01 年月/

4.調査にゲーム性を導入する Silvertown(2009)は、市民参加型生物調査の成功の要件は、①簡便なツールの開発、②専門家と の協力・連携体制の確立、③参加者への利益還元の明示の3つであるとしている。我々の携帯電話生 物調査プロジェクトでは、①はクリアされていると考えている。②に関しては、割ける労力との兼ね

― 25 ― - 25 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

合いであるが、我々が専門とする昆虫分類群であれば可能であると考える。しかしながら③について、 明示的な参加者への利益還元は、まったく考慮されていなかったと危惧している。D 中学校のように、 そもそもの調査意欲の高い機関では、携帯電話調査ツール自体が報酬となり、継続的な活動に繋がっ たと思われるが、その他の機関の参加者に対して、何か次の調査に繋がるモチベーションの維持への 努力が我々に欠けていたといわざるを得ない。 一つのヒントが、前出の英国での iSpot(www.ispotnature.org)での取り組みにある。iSpot では、 参加登録をした参加者が生物の写真を投稿すると、参加者ならびにイギリス自然史博物館の学芸員が 種を同定してくれる。この際、種の珍しさ等に応じてポイントが付与される。参加者は、逆に他者が 投稿した写真を同定することでもポイントを取得できる。そして年度ごとに、得られたポイントに応 じて賞品が贈られる。iSpot では、このようなエンターテイメント性を提供することで多数の参加者 を確保し、さらに学芸員が協力して同定を行うことで、生物の知識をもたない市民も気軽に参加でき、 データとしての質も担保している。参加者への利益還元というと、調査への報酬や記念品めいたもの を想定しがちだが、モノである必要は無い。エンターテイメント性を提供することで、参加者の確保 とモチベーションの維持が実現できるのではないだろうか。

図3:トンボの写真を投稿することで全国のトンボ愛好家とスコアを競い合 う画期的なゲームシステム「トンボウォッチ」。

― 26 ― - 26 - インベントリー:ICT を活用した市民参加型生物調査の模索

我々の研究チームでは、エンターテイメント性を前面に出した生物調査プロジェクト「トンボウォ ッチ」を開発中である(図3)。トンボウォッチは、日本の水田生態系を代表するトンボ約 200 種を 対象に、日本全国でトンボの写真投稿によるスコアを競い合うウェブベースのゲームである。これま で実施してきた携帯電話生物調査プロジェクト同様富士通 FIP が開発した携帯フォトシステムを基 盤にしており、参加者からの写真を添付したメールによる報告を処理する。さらに、トンボウォッチ では、投稿と閲覧が同時に行えるように、スマートフォンやタブレット端末を意識したレイアウトで 構成している。参加者は、簡単な参加登録を行うとマイページが提供される(図3中央)。マイペー ジからは、自分の投稿をカレンダー表示(図3a)、あるいは地図表示(図3b)、することができる。 このため、手軽なトンボ調査の備忘録、野帳代わりに使える。 参加者は投稿時あるいは投稿後に、自分の撮影したトンボの種類を同定することができ、この自己 申告に基づいて参加者のスコアが自動計算される。スコアは、参加者が住んでいる県のレッドデータ に基づいて、トンボ種ごとに異なる重み付けを加えて総計される。結果はトンボウォッチのシステム によってリアルタイムでインターネット配信されるため、参加者は、全国ランキング、所属する県内 のランキング、そして観察したトンボ種数を確認しながら調査を行うことができる(図3c)。また 初心者が、フィールドでトンボ種を同定する手助けとなるように、簡易図鑑機能を開発中である(図 3d)。この簡易図鑑機能を使えば、ざっくりと色や大きさなどで絞込みを行うことができる。検索 結果は参加者在住の県での出現頻度に応じて表示されるなど、初心者が撮影しがちな普通種をより素 早く発見できる工夫がされている。また、各種の詳細情報では、分布情報や分類の区別点など形態・ 生態情報が入手できるため、同定の手助けとなることが期待される。第三者の専門家による同定検証 をシステムに組み込まなかったのは、専門の常駐スタッフを置く事ができなかった労力的な問題も関 連しているが、参加者自身でトンボを同定し、その生態情報を調べるという自己学習効果を期待した 面もある。トンボウォッチは、2016 年、これまで協力関係にある諸機関を中心に、イベント等で限 定運用する予定で、参加者のモチベーションの向上に期待を寄せている。

5.今後の展望 海外ではすでに、市民参加型生物調査が数多く実施され、多くの学術的な成果と経済効果をもたら している(Kobori et al, 2016)。日本でも、桜の開花日の記録や、海ガメ産卵数調査など、海外に引 けをとらないほど多くの市民調査が、非常に古くから盛んに行われてきている一方で、未だに科学的 な土俵に乗り損ねている感がある。ようやくここ数年、鉄道マニアのソーシャルネットワークを通じ て駅周辺のツバメ調査を行い、これを科学的な環境影響評価使用する(Osawa, 2015)など、草の根 的な活動が見られるようになっているものの、eBird や iSpot に匹敵する全国レベルの解析はまだま だこれからである。これは、市民調査データの信頼性が低い、多大な労力を必要とする複雑な調査を 依頼することが難しい、など技術的な問題が絡んでいると思われる。また、多くの市民に参加しても らい、継続して調査してもらうためには、参加者への利益還元が不可欠である。今回紹介したトンボ ウォッチを含めて、ゲーム性やエンターテイメント性を持たせた携帯電話市民生物調査は、これらの 問題を解決し、永続的に日本の生物多様性のモニタリングを可能にするポテンシャルを秘めている。 携帯電話で証拠となる写真を送るだけで、面倒な手間無く正確な位置と日時を登録できるため、調査 精度は格段に向上するだろう。また調査にゲーム性を付け加えるシカケ、例えば撮影したトンボの希 少性や投稿数に応じたポイントを競わせる、自己学習的な図鑑機能を併設する、などを用意すること で、参加者のモチベーション維持が期待できる。

― 27 ― - 27 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

簡便で楽しい携帯電話を利用したツールが、今後、様々な市民参加型生物調査に広く利用されるこ とが望まれるが、その前にセキュリティ確保の大問題が立ちはだかっている。携帯電話からの投稿を 処理し、投稿されたデータを加工してインターネット配信するためには、データベースと連携したウ ェブアプリケーションシステムの構築が必須になる。現在、警察庁からの報告によると日本国内の様 々なウェブサイトに対して、1IP アドレスあたり 685 件/日もの不審アクセスが記録されており (www.npa.go.jp/kanbou/cybersecurity/H27_kami_jousei.pdf,2016 年2月確認)、いつサイトの 改ざん、情報の搾取が行われるか気を許せない状況である。特に生物調査のように公共性の高いウェ ブサイトは攻撃対象になりやすい。さらに、システムのセキュリティが万全であっても、不特定多数 の投稿を受け付ける場合には、不適切な画像や悪意ある誹謗中傷の投稿などが混在する危険がある。 こうした投稿に対しては常に監視を行い、投稿の削除、警告、ブラックリストによる投稿の阻止、な どの対策を日常的に行っていく必要がある。 本稿で紹介した携帯電話生物調査プロジェクトやトンボウォッチは現在、不特定多数の一般市民に は開放しておらず、信頼できる機関と連携して運営・限定公開している。また我々の研究チームの労 力にも限界があるため、プロジェクト実施期間中だけの試験運用である。 Web アプリケーションのセキュリティをさらに強化し、サイトの管理を日常的に行う常駐の人員を 配置するためには、限定試験運用している現在の規模に比べて倍以上~数十倍もの膨大な予算が必要 になる。一方、市民生物調査を主催する多くの日本の機関では、常に予算の欠乏と人員不足に悩まさ れている。実行部隊となっている各公共・教育機関、個々での対応は不可能で、これらの取り組みを 総括し、まとめていく大きな組織や枠組みが必要となるだろう。今後、市民生物調査の必要性が広く 認識され、楽しく、自然観察の重要性を認識できる、その結果、多地点の生物地理情報が継続的に収 集されるプラットフォームが実現することを切に願っている。

引用文献 1) Dickinson, J.L., Bonney, R. (2012): Citizen science: Public participation in environmental research. Ithaca: Cornell University Press. 2) Kobori, H., Dickinson, J.L., Washitani, I., Sakurai, R., Amano, T., Komatsu, N., Kitamura, W., Takagawa, S., Koyama, K., Ogawara, T., Miller-Rushing, A.J. (2016): Citizen science: a new approach to advance ecology, education, and conservation. Ecological Research 31: 1-19. 3) 大澤剛士・山中武彦・中谷至伸 (2013): 携帯電話を利用した市民参加型生物調査の手法確立. 保全生態 学研究誌 18: 157-165. 4) Osawa, T. (2015): Importance of farmland in urbanized areas as a landscape component for barn swallows (Hirundo rustica) nesting on concrete buildings. Environmental Management 55: 1160-1167. 5) Otuka, A., Yamanaka, T. (2003): An application for insect field survey using a handheld computer. Agricultural Information Research 12: 113-124. 6) Silvertown, J. (2009): A new dawn for citizen science. Trends in Ecology & Evolution 24: 467-471. 7) 鵜川義弘 (2007): デジタルカメラと GPS 付携帯電話を使う環境教育用マップ. 宮城教育大学環境教育 研究紀要 10: 9-15. 8) 山中武彦・近藤洋史(2014): 最新 ICT を活用したナラ枯れリアルタイム被害発生予測システムの開発. 森林防疫 63(6): 36-39.

― 28 ― - 28 - インベントリー:ICT を活用した市民参加型生物調査の模索

9) Yamanaka, T., Teshiba, M., Tuda, M., Tsutsumi, T. (2011): Possible use of synthetic aggregation pheromones to control Plautia stali (Hemiptera: Pentatomidae) in kaki persimmon orchards. Agricultural and Forest Entomology 13: 321-331.

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 山中武彦 電話:029-838-8173, e-mail: [email protected]

― 29 ― - 29 - インベントリー 第 13 号 (2016)

研究標本館

最近の土壌モノリスの収集状況 Soil monoliths; collected in recent years

大倉利明・小原 洋・高田裕介・神山和則

Toshiaki Ohkura*, Hiroshi Obara, Yusuke Takata and Kazunori Kohyama

1.はじめに 野外で試掘作成した土壌断面や道路工事や建設工事により出現した露頭から、土壌の累積構造 そのままの姿で採取し、樹脂で裏打ちして固定した標本を土壌モノリスと呼ぶ。旧農業技術研究 所の土壌第3科で現在の形式の土壌モノリスの収集が始められ、その後農業環境技術研究所に引 き継がれ 35 年以上経過した。当初は、日本の代表的な土壌断面を収集することから始められてき たが、現在までに日本国内で収集されたモノリスは 200 点を越え、他機関からの寄贈や、海外か ら収集されたものを加えると 300 点以上になっている。これらの土壌断面標本は、国内外の土壌 分類名の比較、土壌分類基準の検討等にあたって、代表的土壌をほぼ網羅する基礎試料・データ になる。今回は、2008 年以降収集してきた土壌標本について紹介する。

2.2008 年以降収集した土壌モノリス 2008 年度から 2015 年度に掛けて、のべ 44 地点で土壌モノリスを採取した。都道府県別の内訳は、 茨城県が 6 地点、東京都、群馬県 5 地点、鳥取県、新潟県が 4 地点、愛知県、千葉県、高知県が各 3 地点、北海道、秋田県、山形県、栃木県が各 2 地点、神奈川県、岐阜県、岡山県が各 1 地点であった。

表:2008 年以降に収集した土壌モノリス モノリス番号 採取地 調査日 土壌名 断面調査者 メモ 細粒質普通風化変質赤 163 岐阜県多治見市東町1丁目 22-May-08 大倉 黄色土 腐植質普通アロフェン質 164 東京都八王子 FM多摩丘陵 1 11-Jul-08 大倉 黒ボク土 腐植質普通アロフェン質 165 東京都八王子 FM多摩丘陵 2 11-Jul-08 大倉 黒ボク土 細粒質腐植質褐色低地 166 東京都八王子 FM多摩丘陵 3 12-Jul-08 大倉 土 多腐植質厚層アロフェン 167 茨城県つくば市観音台 09-Oct-08 質黒ボク土 典型花崗岩型陸成未熟 168 岡山県農業試験場 モモ園 31-Oct-08 大倉 土 細粒質赤色風化変質赤 169 愛知県田原市東神戸 19-Nov-08 大倉、高田 黄色土 170 愛知県知多郡南知多町 長ヶ峰 20-Nov-08 典型軟岩型陸成未熟土 大倉、高田 自信なし(高田)

171 愛知県常滑市 21-Nov-08 細粒質湿性褐色低地土 大倉、高田 自信なし(高田)

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p30-32 (2016)

― 30 ― - 30 - 研究標本館:最近の土壌モノリスの収集状況

モノリス番号 採取地 調査日 土壌名 断面調査者 メモ 細粒質グライ化灰色低 172 群馬県館林市板倉 18-Mar-09 小原 地土 173 群馬県板倉町 19-Mar-09 細粒質普通灰色低地土 小原、レオン愛

174 群馬県館林市明和 19-Mar-09 中粒質普通灰色低地土 小原、高田 新潟県新潟市 アグリセンター予定 細粒質泥炭質グライ低 175 20-May-09 大倉 地 地土

新潟県新潟市 ほたるの里 射撃 岩盤質腐植質褐色森林 176 21-May-09 大倉 場近傍路頭 土 細粒質下層赤黄色褐色 177 新潟県砂採取地 22-May-09 大倉 森林土 178 新潟県新潟市 13-Jun-09 典型砂質未熟土 大倉 腐植質下層低地アロフェ 179 北海道 十勝農試柏林 02-Sep-09 大倉 ン質黒ボク土

北海道 十勝農試 研究棟近くの休 腐植質下層低地アロフェ 180 02-Sep-09 大倉 閑地 ン質黒ボク土 大倉、前島勇 181 茨城県つくばみらい市 25-Jan-10 細粒質湿性褐色低地土 治、角野貴信、 高田 小原、和穎朗 182 茨城県つくばみらい市 26-Jan-10 細粒質普通灰色低地土 太、角野貴信、 高田 典型普通火山放出物未 大倉、鹿沼、齋 183 群馬県赤城山南西麓 26-Apr-10 熟土 藤、染谷、阿部 小原、高田、太 秋田県大潟村 秋田県 県立大学 184 18-Oct-11 グライ化灰色低地土 田、渕山、秋田 放任地 未利用地 県立大 小原、高田、太 秋田県大潟村 秋田県 県立大学 185 18-Oct-11 グライ化灰色低地土 田、渕山、秋田 不耕起水田 県立大 細粒質普通疑似グライ 小原、仁科、山 (または、湿性褐色森林土 186 山形県山形市 14-Nov-11 土、盛土造成相 形県農試 盛土造成相) 典型粘土集積酸性暗赤 前島勇治・小崎 187 東京都小笠原 2011/12/25 色土 隆・平舘 礫質普通塩基性暗赤色 188 東京都小笠原 26-Dec-11 前島勇治・平舘 土 腐植質普通アロフェン質 189 茨城県坂東市大口 1336 26-May-13 平山良治、大倉 黒ボク土 腐植質厚層アロフェン質 190 茨城県坂東市法人プロ圃場 08-Jul-13 大倉 黒ボク土 腐植質普通アロフェン質 191 千葉県成田市鹿取氏 圃場 17-Jul-13 大倉 黒ボク土 多腐植質厚層アロフェン 192 千葉県成田市 平野氏圃場 17-Jul-13 大倉 質黒ボク土 山形県鶴岡市 山形大学農学部附 小原、佐々木由 193 属やまがたフィールド科学センター 29-Oct-13 中粗粒普通灰色低地土 香、前島勇治 エコ農業部門(高坂農場) 小原、神山、大 栃木県 那須塩原市 畜産草地研 194 13-Nov-13 中粒質湿性褐色低地土 倉、高田、久保 究所那須研究拠点A-2圃場 寺、渕山 小原、神山、大 栃木県那須塩原市 畜産草地研究 195 13-Nov-13 多腐植質厚層黒ボク土 倉、高田、久保 所那須研究拠点F-1圃場 寺、渕山 表層無機質腐朽質泥炭 大倉、高田、神 196 千葉県東金市家徳 02-Dec-13 土 田、千葉県農試

多腐植質厚層アロフェン 197 群馬県松井田町 2-Aug-14 質黒ボク土(盛土造成 大倉 相)

― 31 ― - 31 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

モノリス番号 採取地 調査日 土壌名 断面調査者 メモ 198 鳥取県鳥取市福部町 7-Oct-14 細粒質湿性褐色森林土 土壌調査研修会

礫質湿性未熟低地土 199 鳥取県岩美郡岩美町 7-Oct-14 土壌調査研修会 (盛土造成相) 200 鳥取県鳥取市福部町 7-Jul-15 典型普通砂質未熟土 大倉 201 鳥取大学FSC 8-Jul-15 低地盛土造成土 大倉 細粒質水田化褐色低地 202 高知県香南市野市下井 29-Sep-15 土壌調査研修会 土 細粒質灰色化低地水田 203 高知県南国市(農技センター) 30-Sep-15 土壌調査研修会 土

礫質表層灰色グライ低 204 高知県南国市(農技センター) 30-Sep-15 土壌調査研修会 地土 盤層型普通アロフェン質 205 宮崎県高原町 22-Oct-15 大倉 黒ボク土 細粒質腐植質褐色低地 206 茨城県つくば市上郷 20-Nov-15 大倉 土

腐植質厚層グライ黒ボク 207 神奈川県平塚市大神 17-Dec-15 神山、大倉 土

3.土壌モノリスの利活用について 2015 年は国連国際土壌年であった。我が国の主に農地土壌の典型的な断面形態を保存する当セン ターの土壌モノリスは、アウトリーチ活動の一環として定期の研究所一般公開のみならず、外部での 展示イベントに利用されている。下層の土壌の顔つきを見る機会のほとんど無い一般の方々への土壌 への関心を喚起するための実物標本として、また、環境評価などの研究場面において、対象とする土 壌の多様性を理解し、より現実に即した成果を得るための素材として、土壌モノリスの有用性は今後 とも高まっていくものと考えている。

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 小原 洋 電話:029-838-8353 e-mail:[email protected]

― 32 ― - 32 - 研究標本館

昆虫標本館の現状と取り組み Present Collection and Activities of Insect Museum

中谷至伸・吉松慎一・吉武 啓

Yukinobu Nakatani*, Shin-ichi Yoshimatsu and Hiraku Yoshitake

1.はじめに 農業環境技術研究所昆虫標本館(図 1)については安田(2002)が詳細に報告しているが、その 後多くの標本コレクションの寄贈があり、所蔵標本が大きく拡充されたこと、標本のデータベー ス化(以下 DB 化)を開始したなど、内容の更新があったこと、また、標本のデータベース化を進 めている事から改めて昆虫標本館の現状および現在の取り組みについて紹介したい。

2.昆虫標本館の現状 昆虫標本館の来歴については安田(2002)の報告を参考にされたい。当時標本点数は概算で 120 万点と見積もっていたが、その後多くの寄贈標本があり、また、スタッフにより新規に採集されたも のを合わせると、現在では概算で 135 万点前後と想定している。現状で昆虫標本館の収容能力のおお よそ 8 割程度が埋まった状態にあり、大口の寄贈の申し出を断らなければならない事態も発生してお り、今後寄贈を受ける場合は慎重にならざるを得ない。日本学術会議(2014)による提言「昆虫分類・ 多様性研究の飛躍的な拡充と基盤整備の必要性」においても、国内の博物館の収容能力不足による個 人所有の標本コレクションの廃棄や海外への流出について危惧されており、国内有数の標本収蔵機関 として、さらなる収蔵能力の増強を切に願うところである。

3.所蔵標本の内容 前述の通り、現在の昆虫標本の所蔵数は約 135 万点で、下記のコレクションの寄贈を受けたことに より安田(2002)で示した約 120 万点より増加している(表 1)。また、寺山守博士の膜翅目タイプ標本 コレクション(図 2)を始め、多くのタイプ標本が移管され、また、寄贈標本コレクションに少なから ずタイプ標本が含まれていたことから現在では 1,000 点を超えるタイプ標本を保管している(表 2)。 これらのタイプ標本のラベルデータおよび画像はインターネット上で公開しており、今後も随時更新 していく予定である(http://www.niaes.affrc.go.jp/inventory/insect/inssys/typelst.htm)。また、近 年の分子生物学的手法の発達に伴い、生物の DNA をバーコードに見立てて、同定に利用しようとす る DNA バーコーディング(Hebert et al. 2003)の手法が注目されているが、本標本館においても DNA 抽出用の液浸標本を収集しているところである。これらの標本は 100%エタノールに昆虫の一 部または全体を浸し、冷凍庫で保管しており、これまでに鞘翅類、鱗翅類、半翅類を中心に約 7500 点収集し、順次解析・登録を行っている。

*農業環境インベントリーセンター Natural Resources Inventory Center インベントリー,第 13 号,p33-35 (2016)

― 33 ― - 33 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

図1:昆虫標本館 図2:膜翅目タイプ標本

表1:安田(2002)以降に寄贈された主な標本コレクション 氏名(敬称略) 主な内容 藤村 俊彦 カミキリムシ科など鞘翅目約33,000点 岩崎 史郎 宮城県を中心とした鱗翅目など約14,000点 堀川 正美 カミキリムシ科など鞘翅目約3,300点 中島 秀雄* シャクガ科を中心とした鱗翅目約28,000点 宗林 正人 アブラムシ類プレパラート標本4,300点 杉 繁郎* ヤガ科など鱗翅類約45,000点 田中 和夫 ゴミムシ類など鞘翅目約21,000点 柳田 慶浩 鱗翅目約57,000点 若村 定夫 昆虫類全般約3,000点 *: 安田(2002)以前の標本を含む

表2 所蔵するタイプ標本(2015年9月現在) 目 標本点数 総翅目(アザミウマ目) 24 半翅目(カメムシ目) 98 鞘翅目(コウチュウ目) 286 脈翅目(アミメカゲロウ目) 10 膜翅目(ハチ目) 260 総翅目(ハエ目) 111 毛翅目(トビケラ目) 4 鱗翅目(チョウ目) 274 長翅目(バッタ目) 3 合計 1070

4.昆虫標本の DB 化および標本目録の作成 所蔵する昆虫標本について、ラベルデータおよび可能な限り標本画像を DB 化する作業を進めてい る。DB 化が完了したものについては、データの検証の後、「昆虫データベース統合インベントリー システム」(http://insect.niaes.affrc.go.jp/)状において順次公開をしている(図 3)。これまでに 9,761

― 34 ― - 34 - 研究標本館:昆虫標本館の現状と取り組み

件の分類群情報と 43,386 件の標本情報を公開している(2015 年 9 月現在)。今後も引き続き、標本 データの蓄積を進めつつ、標本画像の充実をめざす。DB 化が完了した標本のうち、分類群ごとにま とまりのあるものについて、目録として紙媒体での出版を行っている(図 4)。これまでに目録とし て出版したコレクションを表 3 に示す。

図3:昆虫データベース統合インベントリー 図4:農環研報告表紙

システムトップページ

表3 目録化した標本コレクション(作成順) コレクション名 内容 1 土生コレクション オサムシ科 22,914 点 2 日本産タマムシ科 1,045 点 3 堀川コレクション カミキリムシ類 3,302 点 4 サシガメ科 約 1,600 点 5 日本産ミツギリゾウムシ科 約 370 点 6 井上コレクション メイガ類 463 点 7 宗林コレクション アブラムシ類約 4,300 点 8 井上コレクション シャクガ類 660 点

引用文献 1) Hebert HDN, Cywinska A, Ball SL, deWaard JR (2003): Biological identification through DNA barcodes. Proceedings of the Royal Society B-Biological Sciences 270: 313–321. 2) 日本学術会議 (2014):提言「昆虫分類・多様性研究の飛躍的な拡充と基盤整備の必要性」.日本学術会 議農学委員会横応用昆虫学分科会編 31pp. 3) 安田耕司 (2002):昆虫標本館.インベントリー (1): 52-56.

問い合わせ先 農業環境インベントリーセンター 中谷至伸 電話: 029-838-8348 e-mail:[email protected]

― 35 ― - 35 - インベントリー 第 13 号 (2016)

研究標本館

微生物標本館への 2012-2015 年度分の標本追加 Additional specimens to Microorganism Museum in 2012 to 2015

小板橋基夫・吉田重信・對馬誠也

Motoo Koitabashi*, Shigenobu Yoshida, Seiya Tsushima

1.微生物標本館とは 農業環境技術研究所・農業環境インベントリーセンターで管理している微生物標本館には微生 物分野に関連する多数の標本や試料を保存している。その中には、多くの研究者から寄贈された 微生物タイプ標本などの貴重なものもあり、NIAESH 番号を付けて厳重に保管されている。さら に、1880 年代から現在に至るまで約 130 年間以上にわたり寄贈・採集された微生物乾燥標本、微 生物の感染した乾燥さく葉標本等約 8,600 点を、標本室内で安定的に保管している。また、農林水 産省微生物ジーンバンク事業の一環として、細菌および糸状菌の凍結乾燥アンプル、凍結チュー ブ、継代培養試験管など合わせて約 4,000 点を低温室において保存している。その収集は現在も続 いており、2012 年から 2015 年度に新たに収蔵した標本等について紹介する。

2.標本館情報への標本追加 2012 年度に横浜植物防疫所に長年保存されていたさく葉標本 457 点の寄託を受けた。これらの中 で最も古い標本は 1924 年に採集されたもので、作製から 90 年以上も経過した貴重な標本が数多く含 まれている。それらの中には、植物病理学会や日本農学会の発足に貢献した卜藏梅之亟(ぼくらうめ のじょう)氏の作製したイネいもち病のさく葉標本や著名な植物病理学者である明日山秀文氏の作成 したコムギ赤さび病のさく葉標本等が含まれている(横浜植防コレクション)(図 1)。 また、2015 年度には、長年にわたって真菌学と植物病理学の研究を行い、多数の新病害と病原菌 再同定の報告を行ってきた佐藤豊三氏から 260 点のさく葉標本の寄託を受けた。これらの中には、佐

図1:標本館に寄託された標本の保存状況

( 左:横浜植防コレクション 右:佐藤豊三コレクション)

*生物生態機能研究領域 Environmental Biofunction Division インベントリー,第 13 号,p36-38 (2016)

― 36 ― - 36 - 研究標本館:微生物標本館への 2012-2015 年度分の標本追加

藤氏らによって再同定された炭疽病菌の標本などの貴重なものが含まれている(Sato et al., 1996)(佐 藤豊三コレクション)(図 1)。以上二点は多数の標本が同時に寄託されたものであるが、それ以外 にも麦類赤かび病菌の菌体標本 10 点の寄託等を受けるなど標本の追加を行っている。 これまでに微生物標本館に所蔵されている微生物標本情報をデータベース化し、Web 公開中の微生 物インベントリー「microForce」にデータ追加等を行ってきたが、今回寄託された標本のデータの一 部を約 1500 点追加した。

3.さく葉標本等の貸し出し 微生物標本館では、現在発生している病害の病原菌の同定のために参考として保存されている罹病 植物の乾燥さく葉標本の貸し出し依頼等にも対応している。2014 年度には、三重大学大学院生物資 源学研究科中島千晴准教授の依頼で、1965 年に鹿児島県指宿市で採収されたカンノンチク斑点病菌 などに関連した Cercospora 属菌の標本 19 点を貸出し、それらの標本の比較検討による種の記載な どの成果が原著論文で発表された(Braun et al. 2015)。 また、神戸植物防疫所業務部病害虫同定診断担当(唯 伸二氏)から「クロボキンの同定識別研修」 のための試料として、コムギ裸黒穂病菌 Ustilago nuda などの罹病サンプル 6 点の貸し出し依頼があ り、2013 年 6 月に貸し出しを行った。これらの標本は研修用資料の作成に利用されると共に実物観 察に利用された(図2)。 さらに、標本館に保存している農業環境技術研究所所蔵植物標本目録(江塚,1994)で引用されて いるイヌカキネガラシの乾燥標本を、広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所坪田博美准 教授に 2013 年 9 月に貸出した。これらは、「広島県産イヌカキネガラシの証拠標本の確認および DNA バーコーディングによる同定の確認」に使用され、原著論文で報告された(坪田ら,2013)。

図2:農業環境技術研究所さく葉標本に保存されている黒穂病菌の黒穂胞子

の走査型電子顕微鏡画像(研修用資料の一部抜粋:神戸植物防疫所 提供)

4.1950 年代の病害標本スライドの発掘 微生物標本館に未整理で保管されていたから段ボールの中から、1950 年代に撮影された病害標本 のスライドが 2015 年に多数見つかった。その中には、撮影者は不明であるが九州地域でイネに発生 した原因不明のもみ枯症が撮影されたスライドが含まれていた(図 3)。この写真は、九州農業試験 場があった福岡県筑後市(羽犬塚)において撮影されたもので、ラベルには「細菌による籾枯病」と

― 37 ― - 37 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

の記載があった。保存資料には、この写真と一緒に「Phoma による籾枯病」の写真もあることから、 この写真は糸状菌以外の「もみ枯性細菌病」が初めて報告された時期の貴重な記録と考えられる(對 馬 2016)。このスライド以外にも、イネ白葉枯病菌に対するイネ三品種(黄金丸、農林 18 号およ び農林 12 号)の抵抗性の強弱を検定した写真などがあり、当時の植物病理学研究の概況を知るため の価値ある資料といえる。

図3:細菌による籾枯病の記載のあるスライド(1956.10.3 撮影者不明)

引用文献 1) Sato, T., Ueda, S., Iijima, A. and Tezuka, N. (1996): Re-identification of pathogens of anemone and prune anthracnose. Journal of General Plant Pathology. 62: 170-174. 2) Braun, U., Crous, P.W., and Nakashima C. (2015): Cercosporoid fungi (Mycosphaerellaceae) 4.

Species on dicots (Acanthaceae to Amaranthaceae). IMA Fungus 6: 373–469. 3) 江塚昭典(1994):農業環境技術研究所所蔵植物標本目録 -1993 年現在- 農業環境技術研究所資料 第 15 号.1-156. 4) 坪田博美・久保晴盛・大野彰洋・井上侑哉・中原・坪由美保・武内一恵・松井健一・内田慎治・向井誠 二(2013):広島の帰化植物 4. イヌカキネガラシおよびその近縁種.Hikobia 16: 321-334. 5) 對馬誠也(2016):写真発掘,イネもみ枯細菌病の過去と現在 植物防疫 70:2 56

問い合わせ先 生物生態機能研究領域 小板橋基夫 電話: 029-838-8355 e-mail:[email protected]

― 38 ― - 38 - 研究標本館

農業環境インベントリー展示館の広報活動への利用 The use of Natural Resources Inventory Museum for public relations

林 裕子・小野寺達也・廉沢敏弘

Yuko Hayashi*, Tatsuya Onodera and Toshihiro Kadosawa

1.はじめに 農業環境インベントリー展示館は、農業環境インベントリーの目的や内容を紹介するために、 2005 年 4 月、それまで別々に設置されていた「土壌モノリス館」、「昆虫標本館」、「微生物標 本館」の展示を一か所に集めて作られた。その後、2006 年に「肥料・煙害展示室」、2012 年には 「企画展示室」を加え、現在では、農事試験場当時の歴史的な煙害資料から最新の温暖化適応策 研究や放射能モニタリング研究までを幅広く展示している。2014 年には秋篠宮殿下と佳子内親王 殿下が視察されたほか、農林水産大臣や政務官、農林水産省の担当官、国内外の研究者、研修生 など多くの視察・見学を受けているが、ここでは、それら以外の一般の人を対象にした広報関係 の利用について紹介する。

2.研究所公開 展示館オープン後 11 年間における広報関係の来訪者数を表 1 にまとめた。来訪者数は、東日本大 震災があった 2011 年および一般公開が悪天候だった 2008 年には大きく落ち込んでいるものの、着 実に増加している。特に、春に開催する一般公開と 2013 年より始めた夏休み公開では、展示館を開 放して研究者が解説するため、多くの人に来館いただき好評を得ている。

表1:農業環境インベントリー展示館の来訪者数(広報活動関係)

*広報情報室 Public Relations and Information Office インベントリー,第 13 号,p39-41 (2016)

― 39 ― - 39 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

図1:一般公開のようす

左:土壌情報閲覧システムの体験(2012 年 一般公開)、中央:低カドミウム米「コシヒカリ環 1 号」を解説

(2014 年 一般公開)、右:身近な昆虫の標本を見る小学生(2014 年 夏休み公開)

3.研究所見学 2009 年にセミナー室を新設し、見学者は本館の会議室に移動することなく、研究所紹介ビデオを 視聴したり、研究者の講義を受けたりできるようになった。このころから、スーパーサイエンスハイ スクール(SSH:文科省の指定を受けて理数科教育に力を入れる高校)の見学が増え、年間の見学者 数が増加した。このような見学は、「研究者による研究紹介」と「展示館見学」の組み合わせを基本 とし、展示館見学の多くを広報情報室が担当している。2014 年 8 月から翌年 7 月までの見学アンケ ート結果を図 3 に示すが、おおむね好評であった。また、自由記入でも、「さまざまな標本を見て知 らないことを知ることができた」、「我々の生活を豊かにしてくれる“科学”を身近に感じられた」 などの意見が多数寄せられた。

図2:見学のようす

左:セミナー室で研究者が高校生に講義(2014 年)、右:茨城大学が招聘したインドネシアとタイ

の学生(2015 年)

図3:アンケート結果 2014 年 8 月~2015 年 7 月に団体見学に実施。 設問は「見学した感想を選択してください」。

― 40 ― - 40 - 研究標本館:農業環境インベントリー展示館の広報活動への利用

4.その他のイベント つくばちびっ子博士(つくば市などが主催、市内の研究所などを見学する小中学生対象のスタンプ ラリー)、サイエンスキャンプ(JST 主催、高校生対象の科学技術体験合宿プログラム)でも展示館 見学を実施した。また、2015 年の国際土壌年には、農環研サイエンスカフェ「『土壌』は足もとに 広がる宇宙」を開催して、多くの参加者に土壌について学んでもらった(2014 年度)。

図4:その他のイベント

左:つくばちびっ子博士(2012 年)、右:サイエンスカフェ(2015 年)

問い合わせ先 広報情報室 電話: 029-838-8191 e-mail:[email protected]

― 41 ― - 41 - インベントリー 第 13 号 (2016)

付 録

Web 公開情報(2016 年 3 月 31 日現在)

名 称 URL 備 考 データカタログサイトN http://dc.niaesvic.affrc.go.jp 一般公開 IAES VIC

土壌のCO2吸収「見える http://soilco2.dc.affrc.go.jp/ 一般公開 化」サイト

農業環境情報データセン http://agrienv.dc.affrc.go.jp/ 一般公開 ターgamsDB

農業統計情報メッシュデ http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/ 一般公開 ータ閲覧システム

土壌情報閲覧システム http://agrimesh.dc.affrc.go.jp/soil_db/ 一般公開

昆虫データベース統合 http://insect.niaes.affrc.go.jp/ 一般公開 インベントリーシステ ム 同(英語版) http://insect.niaes.affrc.go.jp/index_en.html 一般公開

オサムシ科標本情報閲 http://habucollection.dc.affrc.go.jp/ 一般公開 覧システム

農環研標本館所蔵タイプ http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/insect/inssys/typelst.ht 一部公開 標本データベース m

三橋ノート画像データベ http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/insect/inssys/ 一部公開 ース m_note01.html

日本産オオアブラムシ属 http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/insect/key_cinara/main. 一般公開 のチェックリスト及び種 htm の検索表

日本産ヒョウタンカスミ http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/insect/illust_keys/ 一般公開 カメ族の図説検索 pilophorini/key_pilophorini01.html

微生物インベントリー http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/index.html 一般公開 (microForce)

農業環境技術研究所所蔵 http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/specimen/ 一般公開 微生物さく葉標本目録 index.html

日本野生植物寄生・共生 http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/mokuroku/ 一般公開 菌類目録(日本語版) mokuroku.html

― -42-42 ― 付録:Web 公開情報(2016 年 3 月 31 日現在)

同(英語版) http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/eng/ 一般公開 mokuroku-e.html

日本産糸状菌類図鑑(日 http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/mokuroku/ 一般公開 本語版) zukan.html

同(英語版) http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/microorg/eng/zukan-e.h 一般公開 tml

植物の金属元素含量に関 http://www.niaes.affrc.go.jp/inventry/center/hvymetal/ 一般公開 するデータ集録 index.html

土壌線虫画像データベー http://www.niaes.affrc.go.jp/inventory/nemapics/ 一般公開 ス;属レベル簡易同定の ための形質一覧表

エコシステムデータベー http://ecomdb.niaes.affrc.go.jp/ 一般公開 ス(英語版)

アジア・太平洋外来生物 http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/apasd/ 一般公開 データベース (APASD) (英語版)

外来植物図鑑(国が特定 http://www.niaes.affrc.go.jp/project/plant_alien/book.html 一般公開 外来生物、要注意外来生 物に指定した植物)

自然植生の純一次生産力 http://www.niaes.affrc.go.jp/topics/g7/clmres.html 一般公開 と農業気候資源の分布

(マニュアル) 農業環境モニタリングマ http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/monitoring/index.html 一般公開 ニュアル

PCR-DGGEによる土壌細 http://www.niaes.affrc.go.jp/project/edna/edna_jp/manual_b 一般公開 菌・糸状菌相解析法(ve acterium.pdf r3.3)

PCR-DGGEによる土壌線 http://www.niaes.affrc.go.jp/project/edna/edna_jp/manual_n 一般公開 虫相解析法(ver2.0) ematode.pdf

土壌消毒剤低減のための http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/hesodim2/ 一般公開 ヘソディムマニュアル

―-43- 43 ― インベントリー 第 13 号 (2016)

付 録 NRIC セミナー講演要旨

<平成25年度> 第1回 6月27日 1)長期害虫データと齢構成モデル 山中武彦 モデルは、自然界の現象を人間の理解できるレベルまで簡略化し、様々なテスト(シ ミュレーション)を繰り返すことで、より深い理解につなげる演繹的な手法である。生 態学で用いられるモデルは一般に、自然現象を再現できる範囲内で最も単純なものが好 まれる。しかし、時には個体のプロセスが個体群全体の挙動を決める鍵となる事例もあ り、個体のキャラクターを無視してモデルを構築すると自然界の挙動と全く違う予測結 果となってしまう。齢(ステージ)構成を考慮したシミュレーションモデルは、室内実 験などの詳細な個体データと野外で観察される複雑な個体数変動パターンをつなぐ、理 論的な武器である。モデルの単純さを保持したまま、個体の成長段階の詳細を組み込む ことが出来るからである。これまで保全生態学や進化生態学など、様々な分野で活発に 利用されてきた。 本セミナーでは、昭和 16 年から続く病害虫発生予察事業の中で、半世紀以上も継続 して記録されてきた茶害虫の記録を取り上げる。茶害虫の中でも特にチャノコカクモン ハマキは、西南日本で特に発生が多い鱗翅目重要害虫で年5回の発生がある。まず、こ のチャノコカクモンハマキが 60 年以上もの間、年5回の世代が一つずつはっきりしたピ ークを形成して持続する世代分割という性質を持つことを示す。次に、齢構成モデルを 駆使してこの世代分割を評価し、齢構成に起因する種内競争強度の違いと、繁殖期間の 短さが引き起こしていることを解説する。冬に害虫の成長が止まることによって生育ス テージが斉一化することや、薬剤散布や茶葉の摘葉等の人為的影響では説明できなかっ た。 セミナーでは、イントロとして山中がこれまで行ってきた簡単な研究紹介も行う。

<平成26年度> インベントリー特別セミナー 4月17日 1)土壌保全のルネッサンス -国際土壌年 2015 に向けて- Ronald Vargas 氏(FAO-GSP 事務局) Vince Neall 氏(ニュージーランド Massey 大学名誉教授) 2013 年 12 月に開催された第 68 回国連総会において、毎年 12 月 5 日を世界土壌デー (World Soil Day)、2015 年を国際土壌年(International Year of Soils)として世界 中で土壌への社会的関心を高めてゆくことが決議されました。この決議では、1992 年に ブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国連会合(地球サミット)、 2002 年に南アフリカで開催された持続可能な開発に関する世界サミットでの宣言を受 けて、土壌を含む土地の良好な管理が、経済成長、生物多様性、持続可能な農業と食糧

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― 44 ― 付録:NRIC セミナー講演要旨

安全保障、貧困撲滅、女性の地位向上に重要であり、気候変動への取り組みや水の確保、 砂漠化や土地の劣化、干ばつへの対処に大きな影響を与えることを認めています。また、 国連食糧農業機関(FAO)が主導する地球土壌パートナーシップ(GSP)に世界土壌デ ーと国際土壌年関連の活動を促進するよう求めています。GSP の地域構成体の一つにア ジア土壌パートナーシップ(ASP)があり、日本はそのメンバーとして活動に参加して います。 本セミナーでは、FAO-GSP 事務局の Ronald Vargas 氏を迎え、世界土壌デーや国 際土壌年 2015 の創設に至る国際的な背景や、2015 年に向けた活動計画をご紹介いただ くとともに、我が国への活動参加への期待についてお話しいただきます。さらに、ニュ ージーランド Massey 大学名誉教授の Vince Neall 氏に、ニュージーランドの土壌保全 制度をご紹介いただき、今後の我が国における土壌保全研究の方向性について議論しま す。なお、両氏のプレゼンテーションに引き続き、インベントリー展示館の土壌モノリ スコレクション見学を予定していますので、両氏とともに皆さんの参加をお待ちしてお ります。

第1回 9月29日 1)食物網の構築・崩壊機構に対する理論的研究 高橋大輔 群集動態を理解するうえで、その中の生物間相互作用を無視することはできない。こ の生物間相互作用は、進化的時間スケールにおいて動的に変化しうる。この相互作用の 動態を含めて解析することで、進化動態が群集動態に与える影響を考えることができる。 本研究では食う食われる関係に注目し、理論モデルを用いることで、生物間相互作用の 進化によって食物網構造が構築・崩壊するプロセスを解析した。解析から、最も低い栄 養段階の種とそれを直接消費する種の動態が、群集全体の構築及び崩壊に関して大きな 影響を持っていることが明らかになった。

2)葉の上下面における環境異質性がダニの捕食-被食関係に及ぼす影響 須藤正彬 農業害虫であるハダニ類や、その天敵であるカブリダニの多くの種は植物葉の下面の みに生息し、太陽光紫外線(UVB)や風雨、(ギルド内)捕食者を回避するための適応 と考えられてきた。しかしチャノヒメハダニやミカンハダニといった一部の植食性ダニ は、葉の上下両面に分布し産卵する。カブリダニでは餌資源の分布、ギルド内捕食者お よび環境ストレスからの回避の全てにおいて、葉の上面利用はデメリットのみを有する。 このとき植食者は、もしも葉表の餌の質が葉裏に対して劣っておらず、各季節に応じた UVB 等の環境ストレスに対する十分な耐性を有していたならば、カブリダニの少ない上 面に留まることで捕食回避上の利益を享受するだろう。本発表ではこのギルド間差異に 着目し、チャノヒメハダニの捕食回避および季節的個体群消長に、葉における上下面と いう異質なハビタットの存在が果たす役割を検討する。

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― 45 ― インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

第2回 10月27日 1)クイーンズ大学(カナダ)での在外研究 山中武彦 昨年11月から半年滞在したカナダ、クイーンズ大学での在外研究「長期病害虫予察 データから、害虫大発生メカニズムを解明する」の内容とクイーンズ大学での研究生活 について発表します。詳細は、下記 web サイトの記事をご覧ください。 「農業と環境:クイーンズ大学(カナダ)での在外研究」

2)カナダ自然博物館(オタワ/ガティノー)での在外研究 吉武啓 昨年11月から約7ヶ月間滞在したカナダ自然博物館での在外研究「カナダ自然博物 館における植食性ゾウムシ類の調査・研究およびコレクション管理システム、他機関と の連携やアウトリーチプログラムに関する研修」の内容とカナダの首都圏での生活につ いて発表します。詳細は、下記 web サイトの記事をご覧ください。 「農業と環境:カナダ自然博物館(オタワ/ガティノー)に滞在して(在外研究報告)」

第3回 2月17日 物質循環研究領域&インベントリーセンター合同セミナー 「農耕地の温室効果ガスをマネジメントする~データベースと Web ツールの話~」 このセミナーは,農林水産省農林水産技術会議事務局の平成 26 年度国際共同研究推進 事業「農業生産の環境影響総合評価システムの構築に係る海外との共同研究に向けた 調査」により外国人招へい旅費の支援を受けて開催するものです. プログラム: 13:30-13:40 Opening address (Dr. Ayaka W. Kishimoto-Mo) 13:40-14:20 1. “Coordinated agricultural research through GRACEnet to address our changing climate - lessons from GRACEnet and future vision for MAGGnet” Dr. Mark A. Liebig (USDA-ARS Northern Great Plains Research laboratory) 14:20-15:10 2. What is the “data base integration“ ? Dr. Takeshi Osawa (NIAES, Natural Resources Inventory Center) 15:30-16:10 3. “Croplands Research Group of the Global Research Alliance on Agricultural Greenhouse Gases” Dr. Alan J. Franzulebbers (USDA-ARS Soil Southeast Area) 15:30-15:50 3. “Croplands Research Group of the Global Research Alliance on Agricultural Greenhouse Gases”

15:50-16:10 4. “Flush of CO2 following rewetting of dried soil as a biological indicator of soil health” 16:10-16:30 General discussion

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― 46 ― 付録:NRIC セミナー講演要旨

<平成27年度> 第1回 5月20日 1)ライフサイクル影響評価(LCIA)手法の開発 湯龍龍(Longlong TANG) 演者は今年度より農業環境技術研究所に入所し、農業環境インベントリーセンターに おいて、農業の環境影響と便益を網羅的に評価するエコバランス評価手法の開発に参画 する。これまで演者は LCIA (Life cycle impact assessment)手法の開発に係る研究開発に従 事してきた。そこで本セミナーでは、博士研究を含むこれまでの研究、LCIA による環境 影響間のトレードオフ解析の課題とその応用問題について話題を提供し、今後のエコバ ランス評価手法開発の一助としたい。

第2回 6月17日 1)持続的な食料生産のために:今後の研究でやりたいこと 白戸康人

2)農薬に係る環境行政の現状と今後の研究に求められるもの 稲生圭哉

第3回 8月19日 1)土壌要因による作物の放射性セシウム濃度の推定 神山和則

2)統計情報から作成した土地利用データおよびその活用 大澤剛士

第4回 10月28日 1)土壌-ヒト関係の再認識を促す土壌保全制度論 大倉利明

2)世界 20 地域の外来・在来昆虫リストを比較 山中武彦

第5回 10月29日 物質循環研究領域&インベントリーセンター合同セミナー 1. Opening address– Explain "Cool Veg" and the connection between FEAST and NIAES 須藤重人(物質循環研究領域) 2. FEAST: Lifeworlds of sustainable consumption and production: Agrifood systems in transition Dr. Steven McGreevy (RIHN, Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto) 3. Life cycle assessment and full cost assessment of environmental impacts of rice cultivation -A

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― 47 ― インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

case study of an agricultural production corporation in Ibaraki prefecture- レオン愛 4. The challenges of assessing dynamic agricultural heritage systems Dr. Daniel Niles (RIHN, Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto)

第6回 11月16日 1)The dynamics of spatially-extended populations: Spatial synchrony and spatial correlation functions (空間的に広がりを持つ個体群の動態:空間同調性と自己相関関数による解析) Dr. Ottar N. Bjornstad 博士(ペンシルベニア州立大学、米国) 空間的に広がりを持つ個体群の動態:空間同調性と自己相関関数による解析(The dynamics of spatially-extended populations: Spatial synchrony and spatial correlation functions) 空間的に広がりを持って生活する生物の集団:メタ個体群は、近い集団ほど似た動態= 同調性を示し、距離が離れるほど同調性は低くなる。Bjornstad 博士から、どのようなメ カニズムで空間同調性が生まれるのか、生態学的なメカニズムを考察すると同時に、空 間同調性の程度を定量化する統計手法について講義していただく。

2)Creating virtual life histories in real experimental populations to understand ecological dynamics (実験室個体群に仮想的な生活史イベントを組み込むことで個体群動態のメカニズム を解明する) Dr. William A. Nelson(クィーンズ大学、カナダ) 生物個体数の変化を観察すると、安定、周期的変動、カオス的挙動と、豊かな変動パ ターンを示す。こうした個体群動態は、種内競争(対称・非対称)、種間競争(捕食ー非 食、競争等)、といった密度制御メカニズムによって生み出されていることが数理モデル やシミュレーションなどによって示されている。しかし、モデルの挙動と実際の生物の 個体群動態を比較する手法は、あくまで傍証を提供するに過ぎない。Nelson 博士は、実 際の実験室個体群に人為的な生活史イベントを組み込むことによって、どのような個体 群動態が生み出されるか観察している。最近のミジンコ実験室個体群を例に講義してい ただく。

第7回 11月19日 1)食用きのこを食害する蛾類の分類学的研究、鱗翅類 DB の作成と今後の展望 吉松慎一

2)サツマイモの害虫ゾウムシの個体群レベルでの簡易識別技術の確立に向けて 吉武 啓

第8回 2月18日 1)包括的土壌分類による日本土壌図の作成 高田裕介

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― 48 ― 付録:NRIC セミナー講演要旨

わが国では、これまで農地と林野で異なる調査分類法により土壌図が作成され、それ らを継ぎ当てて全国土の土壌図として用いてきた。そのため、 わが国の土壌の種類ごと の分布面積や土壌炭素賦存量などの土壌資源インベントリーを包括的に評価することは 困難な状況であった。そこで本研究 では、土地利用に左右されず土壌分類可能な包括的 土壌分類を用いて、既存の文献データおよび現地土壌調査の結果などを統一的にデータ ベース化 して、新たな日本土壌図を作成した。

2)土壌分類関係研究の現在まで 小原 洋 農環研でやってきた土壌分類関係の研究の流れを概観する予定

3)近年新種記載したカメムシ類について 中谷至伸 カメムシ目のマダラナガカメムシ科およびカスミカメムシ科について分類学的研究を 行ってきたところ、近年日本および東南アジアから何種かの未記載種を発見し、これら を新種として記載した。具体的には日本産のヒメナガカメムシ属分類学的再検討を行い 1 新種を含む 5 種の確認をした。また、マレーシア及びインドネシアから記載したヒョ ウタンカスミカメムシ属についても紹介する。

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― 49 ― インベントリー 第 13 号 (2016)

付 録

研修会:土壌炭素調査法検討会

開催趣旨:農林水産省生産局「農地土壌炭素貯留等基礎調査事業」の受託者である公設・地方独 法等の農業試験研究機関に在籍し、本調査事業を実施している土壌肥料研究者等を対象に、本調 査事業に必要な知識や調査分析手法等を確認し、作物生産及び環境保全等の広い視野に立った土 壌調査のための検討会、講習会を開催する。

1.平成25年度土壌炭素調査法検討会 開催日時:平成 25 年 11 月 14 日(木)~15 日(金) 開催場所:(独)農研機構畜草研那須研究拠点 共 催:(独)農業環境技術研究所、(独)農研機構・中央農業総合研究センター 参加者 : 91 名 内 容: 1)土壌調査法現地検討会 平成 25 年 11 月 14 日(木) 9:00~16:00 農研機構畜草研那須研究拠点 黒ボク土および褐色低地土 講師:神山和則・小原 洋・大倉利明・高田裕介(農環研)久保寺秀夫・渕山律子(中央 農研)、寶示戸雅之(北里大)、松浦庄司(畜草研) 2)室内検討会 平成 25 年 11 月 15 日(金) 9:00~12:00 畜草研那須研究拠点 GG ホール ・土壌断面調査結果のとりまとめ 大倉利明(農環研) ・土壌分類法・土壌調査マニュアルについて 小原 洋(農環研) ・草地土壌・炭素に関する話題 寳示戸雅之(北里大学) ・2010~2012 年度の草地調査結果について 松浦庄司(畜草研) 現地研修は、那須研究拠点の概要の中尾誠司上席研究員による紹介から始まり、その後 4 班 に分かれ、黒ボク土および褐色低地土を対象として断面調査を行った。各班について 2 名の講 師を配置し、順番に黒ボク土(放牧地)、褐色低地土(採草地)それぞれについて 2 断面、計 4 断面を調査する方式を採った。なお、黒ボク土、褐色低地土ともに、微妙な地形的位置の違 いにより土壌断面形態が異なり、地形との対応を観察できた。 室内研修では、前日の土壌調査で収集した断面形態情報の整理・総括、炭素調査事業で使用 する土壌分類法・土壌調査マニュアルについての説明、草地土壌の特徴と土壌炭素の動態に関 する研究知見の紹介、過去の事業で得られた調査結果の概要報告が行われた。

2.平成26年度土壌炭素調査法検討会 開催日時:平成 26 年 10 月 9 日(木)~10 日(金) 開催場所:鳥取県鳥取市

― 50 ― - 50 - 付録:研修会:土壌炭素調査法検討会

共 催:(独)農業環境技術研究所、(独)農研機構・中央農業総合研究センター、 土壌保全調査事業全国協議会 協 力:鳥取県農業試験場 参加者 :91 名 内 容: 1)土壌炭素調査法検討会 平成 26 年 10 月 9 日(木) 8:40~17:00 ①鳥取県岩美郡岩美町大谷地区 水田 土壌名「礫質湿性未熟低地土」 ②鳥取市湯山地区 果樹園跡 土壌名「細粒質湿性褐色森林土」 講師:神山和則・小原 洋・大倉利明(農環研)、久保寺秀夫・渕山律子(中央農研) 2)室内検討会 平成 26 年 10 月 10 日(金) 9:00~12:00 とりぎん文化会館第一研修室 ・温室効果ガス関係の最近の情勢等について 八木一行(農環研) ・土壌調査現地検討のまとめ等 大倉利明(農環研) ・鳥取県の農耕地土壌の現状 坂東 悟 (鳥取農試) ・土を見る目の普遍性と特殊性~日本と乾燥地域の土壌を比較して~ 山本定博(鳥取大学) 現地圃場は鳥取県農業試験場に設定していただいた。参加者は 91 名となったため、2 班に別 れ大型バス 2 台にそれぞれ分乗し、午前・午後別々に 2 圃場において土壌断面調査法、土壌分 類法及び土壌試料採取法について現地検討を行った。今回の 2 圃場は、それぞれ人為的な改変 を受けた土壌で、近年の現地調査検討会とは異なるケースで土壌調査法の検討を実施すること が出来た。また、昼食後、鳥取県の特徴的な農業である、砂丘ラッキョウ畑の視察も行った。 2 日目の室内検討会では、農環研から最近情勢と現地検討のまとめ、鳥取県農業試験場から鳥 取県の農耕地の現状、また鳥取大学の山本教授からは土壌の断面形態・土壌調査でわかる性質 が海外の塩類集積問題を理解する上の重要性について話題提供があった。

3.平成27年度土壌炭素調査法検討会 開催日時:平成 27 年 10 月 1 日(木)~2 日(金) 開催場所:高知県高知市、南国市、香南市 共 催:(研)農業環境技術研究所、(研)農研機構・中央農業総合研究センター、 土壌保全調査事業全国協議会 協 力:高知県農業技術センター 参加者 :70 名 内 容: 1)現地調査法講習会 平成 27 年 10 月 1 日(木)8:50~17:00 ①高知県農業技術センター 水田 ②高知県香南市野市町 転換畑 講師:神山和則・小原 洋・大倉利明・高田裕介(農環研)、 久保寺秀夫・渕山律子(中央農研)

― 51 ― - 51 - インベントリー 第 13 号(2016) インベントリー 第 13 号 (2016)

2)室内検討会 平成 27 年 10 月 2 日(金) 9:00~12:00 三翠園会議室 ・土壌の有機物管理と炭素貯留 白戸康人(農環研) ・土壌調査現地検討のまとめ等 神山和則(農環研) ・高知県の農耕地土壌の現状 松岡俊二(高知県) ・これまでに調査してきた日本の土壌 ~赤い土から、黒い土まで~ 櫻井 克年(高知大学) 現地圃場は高知県農業技術センターに設定していただいた。参加者は 70 名となったため、2 班に別れ大型バス 2 台にそれぞれ分乗し、午前・午後別々に 2 地点 3 圃場において土壌断面調 査法、土壌分類法及び土壌試料採取法について現地検討を行った。今回の 2 地点のうち高知県 農業技術センター内の 2 圃場は人為的な改変を受けた低地土壌で、もう一カ所の野市圃場は作 土下に有機物の多い黒ボク質の土層が現れる土壌で、複雑な断面で土壌調査法の検討を実施す ることが出来た。 2 日目の室内検討会では、農環研から最近情勢と現地検討のまとめ、高知県から鳥取県の農 耕地の現状、また高知大学の櫻井副学長からは様々な日本の土壌の断面形態について話題提供 があった。

図1:草地試験場内(黒ボク土)での研修の様子と褐色低地土の土壌断面 (平成 25 年度)

― 52 ― - 52 - 付録:研修会:土壌炭素調査法検討会

図2:鳥取県岩美町大谷地区の水田(大豆)における

研修の様子と礫質湿性未熟低地土の土壌断面

(平成 26 年度)

細粒質水田化褐色低地土、粘質 細粒灰色低地水田土、強粘質造成区 礫質表層灰色グライ低地土、粘礫質造成土

図3:高知県香南市野市町における研修の 様子と様々な土壌断面(平成 27 年度)

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付録

研究成果の発表 (1)査読論文 巻 発行 表 題 著 者 雑誌名(出版元) 頁 (号) 年月 Taxonomic Review of the Genus Rhinoncomimus (Coleoptera: Junhao Huang, Hiraku 143- : ) with Yoshitake, Runzhi China. Zootaxa (2) 2013 166 description of a new species from Zhang & Motomi Ito, Yunnan Monitoring records of plant species in the Hakone region of Fuji-Hakone-Izu Takeshi Osawa Ecological Research 28 541 2013 National Park, Japan 2011-2010 Y. SHIRATO, M. Deviations between observed and EUROPEAN JOMURA, R.WAGAI, 576- RothC-simulated Δ14C values despite JOURNAL OF SOIL 64(5) 2013 M. KONDO, K. 585 improved IOM initialization SCIENCE TANABE, M. UCHIDA A biological note on Bagous Hiraku Yoshitake & Japanese Journal of 217- bipunctatus (K?no) (Coleoptera, 19(2) 2013 Atsuto Yoshida, Systematic Entomology 220 Curculionidae, Bagoinae) Ai LEON, Kazunori JARQ-JAPAN Long-term change in the application KOHYAMA, Toshiaki AGRICULTURAL 377- rate of on-farm organic amendments in OHKURA, Yusuke 47(4) 2013 RESEARCH 387 Japanese upland fields TAKATA, Hiroshi QUARTERLY OBARA Distinguishing the externally similar imagines of Tiracola plagiata and T. Watabiki, D. and 123- aureata whose forewing lengths were Lepidoptera Science 64(3) 2013 Yoshimatsu, S. 127 shown to overlap (Lepidoptera, Noctuidae) Areas of increasing agricultural Takeshi Osawa, DOI: abandonment overlap the distribution Kazunori Kohyama, PLoSONE 10.13 2013 of previously common, currently 8(11) Hiromune Mitsuhashi 71 threatened plant species Shin-Ichiro MISHIMA, Changes in soil available-nutrient Sonoko Dorothea SOIL SCIENCE AND 371- stores and relationships with nutrient KIMURA, Sadao 59(3) 2013 PLANT NUTRITION 379 balance and crop productivity in Japan EGUCHI, Yasuhito SHIRATO National-scale estimation of methane Michiko HAYANO, emission from paddy fields in Japan: Tamon FUMOTO, SOIL SCIENCE AND 812- Database construction and upscaling 59(5) 2013 Kazuyuki YAGI, PLANT NUTRITION 823 using a process-based biogeochemistry Yasuhito SHIRATO model New Pilophorus species associated Y. Nakatani, T. with myrmecophilous Macaranga trees Komatsu, T. Itino, U. Tijdschrift voor 113- 156 2013 from the Malay Peninsula and Borneo Shimizu-kaya, T. Itioka, Entomologie 126 (Heteroptera: Miridae: Phylinae) R. Hashim, S. Ueda ニホンアマガエル(Hylajaponica)幼 大津和久 稲生圭哉 生 オタマジャクシ の水稲用農薬数 , , 環境毒性学会誌 ( ) 大谷卓 16(2) 69-78 2013 種に対する感受性

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- 54 - 付録:研究成果の発表

ビッグデータ時代の環境科学 生物多 - 217- 様性分野におけるデータベース統合・ 大澤剛士・神保宇嗣 統計数理 61 2013 横断利用の現状と課題 231 携帯電話を利用した市民参加型生物 大澤剛士, 山中武彦, 157- 保全生態学研究 18(2) 2013 調査の手法確立 中谷至伸 165 Assessment on the rates and potentials of soil organic carbon sequestration in agricultural lands in Japan using a 4429- process-based model and spatially Y.Yagasaki, Y. Shirato BIOGEOSCIENCES 11 2014 4442 explicit land-use change inventories – Part 1: Historical trend and validation based on nation-wide soil monitoring Assessment on the rates and potentials of soil organic carbon sequestration in agricultural lands in Japan using a 4443- Y. Yagasaki, Y. Shirato BIOGEOSCIENCES 11 2014 process-based model and spatially 4457 explicit land-use change inventories ? Part 2: Future potentials Quantifying effects of legal and non- Takafumi Ohsawa, BIOLOGICAL 16 2669- legal designations of alien plant species 2014 Takeshi Osawa INVASIONS (12) 2680 on their control and profile New approach for evaluating habitat stability using scarce records for both Takeshi Osawa, Kyohei 425- historical and contemporary specimens: Watanabe, Hiroaki Entomological Science 17(4) 2014 431 A case study using Carabidae specimen Ikeda, Shori Yamamoto records Noriko Yamaguchi, Arsenic distribution and speciation Toshiaki Ohkura, ENVIRONMENTAL 1549 near rice roots influenced by iron Yoshio Takahashi, Yuji SCIENCE AND 48(3) – 2014 plaques and redox conditions of the Maejima, Tomohito TECHNOLOGY 1556 soil matrix Arao Guiying Jiang, Minggang Xu, Xinhua He, Wenju Zhang, Soil organic carbon sequestration in Shaomin Huang, GLOBAL upland soils of northern China under 319- Xueyun Yang, Hua Liu, BIOGEOCHEMICAL 28(3) 2014 variable fertilizer management and 333 Chang Peng, Yasuhito CYCLES climate change scenarios Shirato, Toshichika Iizumi, Jinzhou Wang and Daniel V. Murphy

Shoji Matsuura, Akira Miyata, Masayoshi Seasonal carbon dynamics and the Mano, Masayuki Hojito, effects of manure application on carbon GRASSLAND Akinori Mori, Shunpei 60(2) 76-91 2014 budget of a managed grassland in a SCIENCE Kano, Hiroyuki Sakai, temperate, humid region in Japan Kazunori Kohyama, Ryusuke Hatano Herbivore pressure by weevils Takashi Tsuchimatsu, associated with flower color Journal of Plant 127 265- Hiraku Yoshitake & 2014 polymorphism in Geranium thunbergii Research (2) 273 Motomi Ito (Geraniaceae)

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- 55 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

A difference in the genetic distribution Naoki Ohnishi, Takeshi pattern between the sexes in the Asian MAMMAL STUDY 39(1) 11-16 2014 Osawa black bear Plant species’ coexistence relationships Takeshi Osawa, 215 597- may shift according to life history traits Hiromune Mitsuhashi, PLANT ECOLOGY 2014 (6) 612 and seasons Atsushi Ushimaru Yusuke TAKATA, Kazunori KOHYAMA, Spatial prediction of radioactive Cs Hiroshi OBARA, Yuji SOIL SCIENCE AND 393- concentration in agricultural soil in MAEJIMA, Naoki 60(3) 2014 PLANT NUTRITION 403 eastern Japan ISHITSUKA, Takashi SAITO, Ichiro TANIYAMA The iOS/Android application “e-Soil Yushi OMOTE, Yusuke SOIL SCIENCE AND 470- Map” for creating a new user-oriented 60(4) 2014 TAKATA PLANT NUTRITION 474 soil map Taxonomic revision of the East Asian Junhao Huang, Hiraku genus Scleropteroides Colonnelli, 1979 Yoshitake, Runzhi ZOOKEYS 437 45-86 2014 (Coleoptera, Curculionidae, Zhang, Motomi Ito Ceutorhynchinae) JERZY A. LIS, Towards resolving a problem of the BARBARA LIS, identity of the Aethus species 3895 446- DARIUSZ J. ZIAJA, ZOOTAXA 2014 (Hemiptera: Heteroptera: Cydnidae) (3) 450 YUKINOBU occurring in Cambodia NAKATANI 南房総嶺岡山系における蛇紋岩およ 前島勇治 大倉利明 び玄武岩に由来する土壌の生成・分 , , ペドロジスト 楠本良延 高田裕介 58(1) 2-16 2014 類学的考察 , 小原洋, 前島勇治, 高 茨城県小貝川沖積低地の水分系列 田裕介 大倉利明 レオ ペドロジスト 上の水田土壌断面の特徴と分類 , , 58(1) 17-29 2014 ン愛, 池羽正晴 農薬の定量的生態リスク評価における 稲生圭哉, 永井孝志, 248- 環境科学会誌 27(4) 2014 動態予測モデルの活用 岩﨑亘典 260 赤坂宗光, 斎藤達也, 日本国内における外来植物を扱う研 大澤剛士, 黒川俊二, 雑草研究 59(2) 81-92 2014 究の現状と求められる課題 水口亜樹, 下野嘉子, 西田智子 岩崎貴也, 阪口翔太, 地理情報システム技術を用いた歴 横山良太, 高見泰興, 183- 日本生態学会誌 64(3) 2014 史生物地理学的解析 大澤剛士, 池田紘士, 199 陶山佳久 土壌中の放射性物質の広域的な濃度 神山和則 日本土壌肥料学雑誌 分布調査とそのマッピング 85(2) 73-76 2014 1/5万農耕地土壌図の包括的土壌分 若林正吉, 高田裕介, 349- 日本土壌肥料学雑誌 85(4) 2014 類第1次試案への読替え試行 神山和則, 小原洋 357 Yoshimatsu, S., Additional information on DNA Watabiki, D., Nishioka, barcoding of the African armyworm, T., Nakamura, H., Lepidoptera Science 65(3) 89-93 2014 Spodoptera exempta (Walker) Yamaguchi, T., (Lepidoptera, Noctuidae) from Japan Takesaki, K., Shimatani, M., Uesato, T.

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- 56 - 付録:研究成果の発表

Taxonomic study of Targalla delatrix (Guen?e) and its close relatives from Watabiki, D., 158- East and Southeast Asia with Lepidoptera Science 65(4) 2014 Yoshimatsu, S. 178 description of a new species (Lepidoptera: Euteliidae) アラゲキクラゲを食害する 種のヤ 吉松慎一・村上康明・ 2 蝶と蛾 ガ 前田由美 65 26-29 2014

Two new species of the genus Osada, Y., Yoshimatsu, APPLIED Morophagoides Petersen (Lepidoptera, 375- S., Sakai, M., ENTOMOLOGY AND 49(3) 2015 Tineidae) closely related to the shiitake 383 Hirowatari, T. ZOOLOGY fungus moth, M. moriutii, from Japan シナリオ分析に基づいた竹林の管 宮崎祐子 三橋弘宗 , , 保全生態学研究 理計画立案 大澤剛士 20(1) 3-14 2015 大澤剛士・井下原元・ 植生保護柵を利用したシカによる林床 伊藤千陽・道又静香・ 保全生態学研究 167- 植生変化の早期検出 20(2) 2015 杉山大樹 179 Hiroshi Kondoh, Takehiko Yamanaka, AGRICULTURAL Development of a hazard map for oak 205- Shoichi Saito, Etsuko AND FOREST 17 2015 wilt disease in Japan 213 Shoda-Kagaya, Shunichi ENTOMOLOGY Makino Are both agricultural intensification Naoki Katayama, and farmland abandonment threats to AGRICULTURE Takeshi Osawa, Tatsuya biodiversity? A test with bird ECOSYSTEMS & 214 21-30 2015 Amano, Yoshinobu communities in paddy-dominated ENVIRONMENT Kusumoto landscapes Sonoko Dorothea Bellingrath-Kimura, Ayaka Wenhong Differences in the spatial variability Kishimoto-Mo, Noriko among CO2, CH 4, and N 2O gas Oura, Seiko Sekikawa, AMBIO 44(1) 55-66 2015 fluxes from an urban forest soil in Seichiro Yonemura, Japan Shigeto Sudo, Atsushi Hayakawa, Kazunori Minamikawa, Yusuke Takata, Hiroshi Hara Yohei Osada, Yasuyuki A revision of the genus Nemapogon Miyamoto, Makoto APPLIED Schrank (Lepidoptera, Tineidae) Sakai, Shin-ichi 297- ENTOMOLOGY AND 50(3) 2015 including a stored grain pest, N. Yoshimatsu, Guo-Hua 309 ZOOLOGY granella, from Japan Huang, Toshiya Hirowatari Takehiko Yamanaka, Nobuo Morimoto, Comparison of insect invasions in Gordon M. Nishida, BIOLOGICAL 3049- 17 2015 North America, Japan and their Islands Keizi Kiritani, Seiichi INVASIONS 3061 Moriya, Andrew M. Liebhold Syuntaro Hiradate, Effects of soil erosion and seabird Sayaka Morita, Kenji activities on chemical properties of 495- Hata, Takeshi Osawa, CATENA 133 2015 surface soils on an oceanic island in 502 Kyoko Sugai, Naoki Ogasawara Islands, Japan Kachi

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- 57 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

A Review of the Genus Orchestomerus Dietz (Coleoptera: Curculionidae: Hiraku YOSHITAKE, 565- Coleopterists Bulletin 2015 Ceutorhynchinae: Cnemogonini) of the Robert S. ANDERSON 69(4) 578 USA Itsarapong Insect species recorded in Voraphab,Yupa sugarcane fields of Khon Kaen ECOLOGICAL Hanboonsong,Youich 30(3) 415 2015 Province Thailand, over three RESEARCH i Kobori,Hiroaki seasons in 2012 Ikeda,Takeshi 5- and 10-km mesh datasets of Takeshi Osawa, Taku ECOLOGICAL agricultural land use based on Kadoya, Kazunori 30(5) 757 2015 RESEARCH governmental statistics for 1970-2005 Kohyama Taxonomic Notes on the Genus Hiraku YOSHITAKE, Coeliodes SCHOENHERR from Junhao HUANG, 505- Elytra New Series 5(2) 2015 Continental China(Coleoptera, Runzhi ZHANG, 513 Curculionidae) Motomi ITO Revision of the lygaeid genus Nysius (Heteroptera: Lygaeidae: Orsillinae) of ENTOMOLOGICAL 435- Yukinobu Nakatani 18(4) 2015 Japan, with description of a new SCIENCE 441 species Importance of Farmland in Urbanized Areas as a Landscape Component for ENVIRONMENTAL 1160 Takeshi Osawa 55 2015 Barn wallows (Hirundo rustica) nesting MANAGEMENT -1167 on concrete buildings Ai Leon, Kazunori Kohyama, Yusuke Change in soil carbon in response to Takata, Kazuyuki Yagi, 237- 168- organic amendments in orchards and GEODERMA 2015 Yoshiaki Umemiya, 238 175 tea gardens in Japan Toshiaki Ohkura, Hiroshi Obara Development of human health damage Longlong Tang, Ryouta INTERNATIONAL doi:10.1007/ factors related to CO2 emissions by Ii, Koji Tokimatsu, JOURNAL OF LIFE s11367-015- 2015 considering future socioeconomic Norihiro Itsubo CYCLE ASSESSMENT 0965-9 scenarios Longlong Tang, Kenichi Estimating land transformation area INTERNATIONAL doi:10.1007/ Nakajima, Shinsuke caused by nickel mining considering JOURNAL OF LIFE s11367-015- 2015 Murakami, Norihiro regional variation CYCLE ASSESSMENT 0987-3 Itsubo, Takeshi Matsuda

Longlong Tang, Tatsuya Development of human health damage Nagashima, Kouichi INTERNATIONAL doi:10.1007/ factors for tropospheric ozone Hasegawa, Toshimasa JOURNAL OF LIFE s11367-015- 2015 considering transboundary transport on Ohara, Kengo Sudo, CYCLE ASSESSMENT 1001-9 a global scale Norihiro Itsubo Hirokazu KOBAYASHI, Kimio Records of Scarabaeoid from MASUMOTO, Kaoru Japanese Jouranl of 367- Ludao Is., Taiwan (Coleoptera: 21(2) 2015 SAKAI, Hiraku Systematic Entomology 372 Scarabaeoidea) YOSHITAKE, Motomi ITO

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- 58 - 付録:研究成果の発表

A new Hainokisaruzo (Coleoptera: Hiraku YOSHITAKE, Curculionidae) discovered from a Japanese Journal of 235- Sheng-Shan LU, Chi- 21(2) 2015 Taiwan beech forest in Mt. Systematic Entomology 239 Feng LEE, Motomi ITO Taipingshan, Taiwan Hiroshi OBARA, Yuji JARQ-JAPAN Outline of the Comprehensive Soil MAEJIMA, Kazunori AGRICULTURAL 217- Classification System of Japan - First KOHYAMA, Toshiaki 49(3) 2015 RESEARCH 226 Approximation OHKURA, Yusuke QUARTERLY TAKATA New distributional records for the plant Ram Keshari Duwal , JOURNAL OF ASIA- bug genus, Cimidaeorus Hsiao and Ren Tomohide Yasunaga , 249- PACIFIC 18(2) 2015 (Hemiptera: Miridae: Deraeocorinae) Yukinobu Nakatani , 251 ENTOMOLOGY from the Korean Peninsula Seunghwan Lee Ai Leon, Kazunori The effects of current water Mitigation and Kohyama, Kazuyuki management practices on methane Adaptation Strategies for - 1-14 2015 Yagi, Yusuke Takata, emissions in Japanese rice cultivation Global Change Hiroshi Obara Burning management mediates the 171- coexistence of plant species in a semi- Takeshi Osawa Natureza & Conservacao 13 2015 177 natural grassland Kazuya Nishina, Shigeto Sudo, Kazuyuki Yagi, Tomohito Sano, Yusuke Takata, Hiroshi Obara, Sadao Eguchi, Noriko doi:1 Multi-site monitoring for N2O Oura, Shinji Yano, 0.100 NUTRIENT CYCLING emission factors of synthetic fertilizer Satoru Ohkoshi, Yutaka 7/s10 IN 103 2015 in various soils with different Fujita, Yutaka Shiratori, 705- AGROECOSYSTEMS redoximorphic features across Japan Masaki Tsuji, Hiroyuki 015- Hasukawa, Yasufumi 9723- Suzue, Yasunao 4 Yamada, Hiroyuki Mizukami, Ichiro Uezono A rapid method for constructing precaution maps based on a simple Takeshi Osawa, Kenji POPULATION 529- virtual ecology model: a case study on 57 2015 Ito ECOLOGY 538 the range expansion of the invasive aquatic species Limnoperna fortunei Takeshi Osawa, SCIENCE OF THE Multiple factors drive regional 478- Kazunori Kohyama, TOTAL 542 2015 agricultural abandonment 483 Hiromune Mitsuhashi ENVIRONMENT Yusuke TAKATA, Kazunori KOHYAMA, Spatial prediction of radioactive Cs Hiroshi OBARA, Yuji SOIL SCIENCE AND 393- concentration in agricultural soil in MAEJIMA, Naoki 60(3) 2015 PLANT NUTRITION 403 eastern Japan ISHITSUKA, Takashi SAITO, Ichiro TANIYAMA

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- 59 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

Soh SUGIHARA, In situ short-term dynamics of CO2 Shinya FUNAKAWA, flux and microbial biomass after Atsunobu KADONO, SOIL SCIENCE AND 392- simulated rainfall in dry croplands in Yusuke TAKATA, 61(3) 2015 PLANT NUTRITION 403 four tropical and continental Kozue SAWADA, ecosystems Kazumichi FUJII, Takashi KOSAKI Hirotatsu MURANO, Origin of the soil texture classification SOIL SCIENCE AND 688- Yusuke TAKATA, 61(4) 2015 system used in Japan PLANT NUTRITION 697 Toshiyuki ISOI Yukinobu Nakatani, Takashi Komatsu, Usun Additional species and records of the Shimizu-kaya, Takao "horn-backed" Pilophorus plant bugs in Itioka, Takao Itino, Tijdschrift voor 158 2015 Southeast Asia (Heteroptera: Miridae: Rosli Hashim, Shouhei Entomologie Phylinae) Ueda, Wara Asfiya, Henny Herwina & Sri Hartini The role of roads and urban area in Munemitsu Akasaka, occurrence of an ornamental invasive Takeshi Osawa, Urban Ecosystems 18(3) 1021-12015 weed: a case of Rudbeckia laciniata L. Makihiko Ikegami Andrew M. Liebhold, Ludek Berec, Eckehard G. Brockeroff, Rebecca S. Epanchin-Niell, Alan Eradication of Invading Insect Hastings, Daniel A. ANNUAL REVIEW OF 335 - Populations: From Concepts to 61 2016 Herms , John M. Kean, ENTOMOLOGY 352 Applications Deborah G McCullough, David M. Suckling, Patrick C. Tobin, Takehiko Yamanaka

Andrew M. Liebhold, Global compositional variation among Takehiko Yamanaka, native and non-native regional insect Alain Roques, Sylvie BIOLOGICAL in 2016 assemblages emphasizes the Augustin, Steven L. INVASIONS press importance of pathways Chown, Eckehard G. Brockerhoff, Petr Pysek

Nobuko Katayanagi , Tamon Fumoto, Michiko Hayano, Development of a method for Yusuke Takata, Tsuneo SCIENCE OF THE estimating total CH4 emission from Kuwagata, Yasuhito 429 - TOTAL 547 2016 rice paddies in Japan using the DNDC- Shirato, Shinji Sawano, 440 ENVIRONMENT Rice model Masako Kajiura, Shigeto Sudo, Yasushi Ishigooka, Kazuyuki Yagi シイタケの新害虫ヨコハマセニジモン 日本応用動物昆虫学会 in 吉松慎一・川島祐介 60(1) 2016 アツバ(チョウ目:ヤガ科) 誌 press 水田使用殺虫剤の用途別使用量の簡 谷地俊二,永井孝志, in 日本農薬学会誌 41(2) 2016 便な推定方法の開発 稲生圭哉 press

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- 60 - 付録:研究成果の発表

(2)その他の論文 巻 発行 表題 著 者 雑誌名(出版元) 頁 (号) 年月 川東正幸, 高橋正, 藤 井一至, 高橋正通, 三 浦覚, 石塚成宏, 金子 真司, 白戸康人, 矢ヶ崎 日本の土壌炭素賦存量を量・質の 日本土壌肥料学雑誌, 225- 泰海, 高田裕介, 和穎 83(3) 2012 両面から考える (社)日本土壌肥料学会 229 朗太, 岸本文紅, 米村 正一郎, 平舘俊太郎, 渡邊眞紀子, 泉岳樹, 藤嶽暢英, 飯村健夫 、 における国際的な生物 LTER GBIF 大澤剛士・鎌内宏光・ 国際ワークショップ参加 269- 多様性データベースの動向と日本国 細矢剛・伊藤元巳 報告 日本生態学会誌 63(2) 2013 内の課題 , 273 Photon Factory Activity Report 2012, High 水稲根の酸化鉄被膜によるヒ素吸 山口紀子, 大倉利明, 収制御 高橋嘉夫 Energy Accelerator 30 2013 Research Organization (KEK) 神山和則 高田裕介 農地土壌の放射性セシウム濃度分布 , , インベントリー 独 農 小原洋 谷山一郎 齋 , ( ) 図の作成 , , 業環境技術研究所 11 2-9 2013 藤隆 高田裕介, 小原洋, 神 農地土壌の放射性物質濃度分布の 山和則, 前島勇治, 牧 インベントリー, (独)農 11 34-37 2013 把握 野知之, 木方展治, 谷 業環境技術研究所 山一郎 田畑輪換への土壌炭素動態モデル 白戸康人,矢ヶ崎泰 インベントリー, (独)農 11 38-39 2013 RothCの適用 海,西田瑞彦 業環境技術研究所 高田裕介 大倉利明 リン酸吸収係数を用いた汎用的な , , インベントリー 独 農 神山和則 小原洋 白 , ( ) 黒ボク土用改良 , , 業環境技術研究所 11 40-41 2013 RothC-263_vPAC) 戸康人 全国土壌温度図の作成と公開-詳 高田裕介 小原洋 神 インベントリー 独 農 細な土壌温度図が「土壌情報閲覧 , , , ( ) 山和則,桑形恒男. 業環境技術研究所 11 42-43 2013 システム」で閲覧できます

畑ワサビの害虫ゾウムシを新種と 吉武啓・藤沢 巧・後藤 インベントリー, (独)農 して発表 純子・千葉武勝 業環境技術研究所 11 44-45 2013 神山和則 高田裕介 東日本における農地土壌の放射性 , , インベントリー 独 農 小原洋 谷山一郎 齋 , ( ) セシウム濃度分布 , , 業環境技術研究所 11 51-54 2013 藤隆 農業環境技術研究所サシガメ科標 中谷至伸・吉武啓・吉 インベントリー, (独)農 本の目録化 松慎一・石川忠 業環境技術研究所 11 55-57 2013 小原洋 大倉利明 高 インベントリー 独 農 海外土壌モノリスの収集状況 , , , ( ) 田裕介 業環境技術研究所 11 70-73 2013 大東諸島で採集されたカミキリム 27- 槙原寛・吉武啓 さやばね,日本昆虫学会 11 2013 シ類 29 青木淳一博士によって採集された 槙原寛・吉武啓・中谷 さやばね 日本昆虫学会 カミキリムシ類 至伸・吉松慎一 , 12 18-34 2013 ムモンチャイロホソバネカミキリ 槙原寛・吉武啓 さやばね 日本昆虫学会 の九州山地における古い記録 , 60-61 2013

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- 61 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

小崎 隆志、久馬一剛、 永塚鎮男、東 照雄、加 ペドロジスト,ペドロジー 浜崎先生の思い出 藤好武、太田 健、田村 学会 57 84-88 2013 憲司、井上 弦、小原 洋 日本土壌肥料学雑誌 わが国の土壌分類研究の現状と今 , 233- 高田裕介 (一社)日本土壌肥料学 後の課題 84(3) 2013 会 234

農業環境技術研究所所蔵の日本産 吉武啓・中谷至伸・吉 農業環境技術研究所報 ミツギリゾウムシ科(昆虫綱:コ 松慎一・田中絵里 告 32 1-10 2013 ウチュウ目)標本目録 農業環境技術研究所所蔵のサシガ 中谷至伸・吉武 啓・吉 農業環境技術研究所報 メ科(昆虫綱:カメムシ目)標本 松慎一・石川忠 告 32 11-37 2013 目録 平成 年度農林水産省 高田裕介, 小原洋, 神 23 関係放射能調査研究年 農地土壌における放射性セシウム 山和則, 前島勇治, 牧 14- 報 農林水産省農林水 - 2013 の詳細分布の把握と推定図の作成 野知之 木方展治 谷 , , 産技術会議事務局技術 107 山一郎 政策課 Identifying sources of river water S.Yada,Y.Nakajima,T.H 2014 Dooge Nash nitrate using σ15N and σ18O values in orio,K.Inao,S.Itahashi,K 477- Sympposium Dublin - 2014 an irrigated rice paddy watershed, .Asada,S.Yoshikawa,S.E 487 Ireland Tsukuba, Japan guchi Journalof Intergrated Field Science Field Effect of organic matter application on Science Center Graduate soil carbon sequestration in Japanese YasuhitoShirato 11 39-42 2014 School of Agricultural agricultural land Science Tohoku University A List of new world weevils Hiraku Yoshitake, The Cpleopterists (Coleoptera: Curculionidae) 628- Robert S. Anderson, Bulletin The 68(3) 2014 intercepted at the Kobe plant protection 630 Masaaki Genka Coleopterists Society station, Japan A taxonomic note on Homorosoma BORISKOROTYAEV, horridulum Voss, 1958 (Coleoptera: HIRAKU ZOOTAXA 3786 99- 2014 Curculionidae), with new records from YOSHITAKE, MAGNOLIA PRESS (1) 100 Taiwan JUNHAOHUANG

健康診断に基づく土壌病害管理(ヘ 對馬誠也,吉田重信,大 インベントリー, (独)農 12 22-27 2014 ソディム)のマニュアルの作成 澤剛士 業環境技術研究所

観葉植物ヘデラの害虫ゾウムシを 吉武啓・宮原慎一郎・ インベントリー, (独)農 新種として発表 西野実・鈴木賢 業環境技術研究所 12 3-4 2014 昆虫標本館へ最近寄贈されたタイ 吉松慎一・中谷至伸・ インベントリー, (独)農 プ標本 吉武啓 業環境技術研究所 12 32-34 2014 インベントリー 独 農 研修会:土壌調査法現地研修会 小原洋 , ( ) 業環境技術研究所 12 40-41 2014 日本産カミキリムシの興味ある記 槙原寛・吉武啓 さやばね 日本昆虫学会 録 , 13 50-51 2014 沖縄島で採集されたシロスジカミ さやばねニューシリー 槇原寛,吉武啓 15 2014 キリ ズ, 日本甲虫学会

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- 62 - 付録:研究成果の発表

書評「Bousquet, Y., Bouchard, P., Davies, A.E., Sikes, D.S., 2013 Checklist of Beetles (Coleoptera) of さやばねニューシリー Canada and Alaska. Second Edition. 吉武啓 14 56 2014 ズ, 日本甲虫学会 Pensoft Series Faunistica, No 109. Pensoft Publishers, Sofia-Moscow. 402pp.」 カナダ自然博物館の昆虫コレク さやばねニューシリー 吉武啓 15 28-34 2014 ションとその管理体制について ズ, 日本甲虫学会 ボルネオ島初記録のカミキリムシ さやばねニューシリー 槇原寛,吉武啓 16 36-37 2014 科甲虫3種 ズ, 日本甲虫学会

宮城県における津波災害の過去と ペドロジスト, 日本ペドロ 高橋正,白戸康人 58(1) 30-31 2014 現在-仙台平野の土壌を中心として- ジー学会

ペドロジスト, 日本ペドロ 土壌情報の需要と供給 神山和則 1 2014 ジー学会 58(1) 年に東京で採集されていたセ 1953 槇原寛 吉武啓 月刊むし むし社 ダカゴブヤハズカミキリ , , 522 55 2014 輸入植物から発見されたゾウムシ 植物防疫所調査研究報 類(コウチュウ目ゾウムシ上科)の分 源河正明,吉武啓 告, 農林水産省植物防 50 17-46 2014 類群構成の変遷 疫所 最新 を活用したナラ枯れリアル ICT 森林防疫 全国森林病 タイム被害発生予測システムの開 山中武彦 近藤洋史 , 虫獣害防除協会 63(6) 36-39 2014 発 「オープンデータ」という考え方 大澤剛士 神保宇嗣 岩 と生物多様性分野への適用に向け , , 日本生態学会誌 153- 﨑亘典 64(2) 2014 た課題 162 フィールドで土壌情報を利活用-ス マートフォンアプリケーション 46 高田裕介,表祐志 日本土壌協会 26-31 2014 「e-土壌図」の開発-土づくりとエ (520) コ農業 水田輪作の新しいフレームワークと土 白戸康人 西村誠一 南 壌学・植物栄養学の展開方向 水田 , , 日本土壌肥料学雑誌 533- 6 川和則 85(6) 2014 輪作と環境負荷 538 書評「土壌生成分類学改訂増補版長 神山和則 日本土壌肥料学雑誌 塚鎮男著」 85(6) 556 2014 フィールドで土壌情報を利用ス 農環研ニュース 独 農 マートフォン用アプリ「 土壌 高田裕介 , ( ) e- 業環境技術研究所 104 8-9 2014 図」の開発 農地集約と耕作放棄がポーランドの鳥 農業と環境 独 農業 大澤剛士 , ( ) 類に及ぼす影響 環境技術研究所 166 - 2014 農業と環境 独 農業 国連世界土壌デーと国際土壌年 八木一行 高田裕介 , ( ) , 環境技術研究所 168 - 2014 土壌図に土壌有機物管理機能が 農業と環境 独 農業 e- 高田裕介 , ( ) 追加された 環境技術研究所 169 - 2014 農業環境技術研究所リサーチプロ 農業と環境, (独)農業 吉松慎一 172 - 2014 ジェクト(RP)の紹介 環境技術研究所

カナダ自然博物館(オタワ/ガティーノ) 農業と環境, (独)農業 吉武啓 172 - 2014 に滞在して(在外研究報告) 環境技術研究所 農業からの温室効果ガス発生のメカニ 農耕と園藝, 誠文堂新 白戸康人 ズムと軽減策 光社 69(8) 62-65 2014

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- 63 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

農地土壌の有機物管理による地力 日本水土総合 白戸康人 ARDEC, の維持増進と地球温暖化の緩和 研究所 53 25-29 2015

Sadatomo Four new nitidulids (Coleoptera) for HISAMATSU, Hiraku Elytra New Series, 日本 121- 5(1) 2015 Ludao Is. Taiwan YOSHITAKE, Motomi 甲虫学会 122 ITO Occurrence of Aegosoma sinicum in Hiroshi MAKIHARA, Elytra New Series, 日本 183- Sumatra Indonesia (Coleoptera 5(1) 2015 Hiraku YOSHITAKE 甲虫学会 184 Cerambycidae) Records of six chrysomelids Haruo TAKIZAWA, Elytra New Series, 日本 480- (Coleoptera) from Ludao Island Hiraku YOSHITAKE, 5(2) 2015 甲虫学会 482 Taiwan MotomiITO あおもり農業 青森県農 改めて土壌の大切さを見直そう 高田裕介 , 業改良普及会 66(6) 84-86 2015 台湾・太平山で採集されたビロウ 小林裕和,吉武啓,伊藤 さやばねニューシリー 18 34 2015 ドコガネ2種 元己 ズ, 日本甲虫学会 槇原寛,吉武啓,山迫淳 さやばねニューシリー 緑島のカミキリムシ 17 40-45 2015 介,伊藤元己 ズ, 日本甲虫学会 寺田勝幸,吉武啓,伊藤 さやばねニューシリー 台湾緑島で採集された歩行虫 17 46-47 2015 元己 ズ, 日本甲虫学会 農業を変えるサイエンス 農地の ニューカントリー 北海 温室効果ガス吸排出を総合評価す 白戸康人 , 42- 道協同組合通信社 738 2015 るウェブサイト 43

オガサワラフトスジエダシャクの幼虫と 綿引大祐・吉松慎一 蛾類通信 蛹および寄主植物の追加記録 276 2015

情報から生息適地を探る グリー 大澤剛士 森林文化協会 ン・パワー - 28-28 2015 石垣島で灯火に集まったゾウムシ 神奈川虫報, 神奈川昆 65- 吉武啓 186 2015 類 虫談話会 66 滋賀県立琵琶湖博物館所蔵の日本 産ゾウムシ上科標本(江本健一コ 吉武啓,八尋克郎,伊藤 日本ゾウムシ情報ネット レクション)目録(1)オサゾウ 元己 ワーク 10 - 2015 ムシ科 象鼻虫 日本土壌肥料学雑誌, 226- 土壌情報を活用した土壌教育 高田裕介 86(3) 2015 日本土壌肥料学会 231 平成 年度における農地土壌の放 農環研ニュース 独 農 25 神山和則 , ( ) 射性物質濃度分布を公開 業環境技術研究所 105 12 2015 代表的な日本の農耕地土壌1 黒 農環研ニュース 独 農 小原洋 , ( ) ボク土褐色森林土赤黄色土 業環境技術研究所 107 4 2015 泥炭土 有機物からできた脆弱な土 農環研ニュース 独 農 - 神山和則 , ( ) 壌 業環境技術研究所 108 3 2015

国際土壌年特集 代表的な日本の 農環研ニュース, (独)農 高田裕介 108 4 2015 農耕地土壌2 低地土と有機質土 業環境技術研究所 「論文の紹介:選択に異質性を持 農業と環境 独 農業 たせることが薬剤抵抗性の発達を 山中武彦 , ( ) 環境技術研究所 178 - 2015 遅らせる」

土壌情報システムを利用した農業 農業と環境 独 農業 神山和則 , ( ) 生態系の評価に関する研究 環境技術研究所 188 - 2015

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- 64 - 付録:研究成果の発表

高田裕介,神山和則,小 農地表層土壌中の放射性セシウム 原洋,前島勇治,平舘俊 農業環境技術研究所報 34 43-51 2015 濃度分布図作成 のための緊急調査 太郎,木方展治,齋藤隆, 告 谷山一郎

高田裕介,神山和則,小 東日本の農地表層土壌中の放射性 農業環境技術研究所報 原洋 前島勇治 石塚直 セシウム濃度分布図の作成 , , 告 34 53-61 2015 樹,齋藤隆,谷山一郎

神山和則,小原洋,高田 年高濃度放射性セシウム汚染 農業環境技術研究所報 2011 裕介 齋藤隆 佐藤睦人 玄米発生の土壌要因 , , , 告 34 63-73 2015 吉岡邦雄,谷山一郎

農業環境技術研究所所蔵の井上寛 吉松慎一・中谷至 農業環境技術研究所報 博士寄贈日本産メイガ類(昆虫 101- 伸・吉武啓 告 34 2015 綱:チョウ目)標本目録 142

小原洋、神山和則、高 インベントリー(別冊) 「土壌の写真集」-包括的土壌分類 , 田裕介、大倉利明、前 別 準拠 (独)農業環境技術研究 1-101 2015 島勇治 所 農地土壌の有機物管理による地力 白戸康人 ジャーナル の維持増進と地球温暖化の緩和 JATAFF 2016 土壌は産業や文化を支える重要な 村田智吉、大倉利明 トヨタ財団 地域資源 JOINT, 14 16-17 2016 杉さんが残したもの(杉繁郎氏追 吉松慎一 蛾類通信 悼文) 2016

環境科学分野における研究データ 環境情報科学 (社)環 大澤剛士 岩﨑亘典 , のオープンデータ化の現状と課題 , 境情報科学センター 44(4) 35-40 2016

植調, (公財)日本植物 49 土壌情報閲覧システムとe-土壌図 高田裕介 1-6 2016 調節剤研究協会 (11) 国際土壌年 記念シンポジウム 2015 日本土壌肥料学雑誌 「つち・とち・いのち~土のことを語ろ 白戸康人 , 日本土壌肥料学会 87 83 2016 う」開催報告 論文紹介:有機農産物と慣行農産物 農業と環境 独 農業 の環境影響の違いを によって把 湯龍龍 , ( ) LCA 環境技術研究所 189 - 2016 握できるか?

農業環境技術研究所所蔵の井上寛 吉松慎一・綿引大 農業環境技術研究所報 博士のシャクガ科 (昆虫綱:チョ 祐・中谷至伸・吉武 in 告 35 2016 ウ目)コレクション目録 啓 print

農業環境技術研究所所蔵の宗林正 中谷至伸・吉松慎 農業環境技術研究所報 人アブラムシ科(昆虫綱:カメム 一・吉武啓・宮崎昌 in 告 35 2016 シ目)コレクション標本目録 久 print

小原洋、髙田裕介、神 包括的土壌分類第1次試案に基づい 山和則、大倉利明、前 農業環境技術研究所報 in 35 2016 た1/20万日本土壌図 島勇治、若林正吉、神 告 print 田隆志 神山和則、高田裕 福島第一原発事故後の農地土壌に 介、小原洋、齋藤正 農業環境技術研究所報 おける放射性セシウム濃度データ in 明、大越聡、谷山一 告 35 2016 セット( - 年) print 2011 2014 郎

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- 65 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

(3)口頭発表 発行 表 題 著 者 雑誌名(出版元) 巻 号 頁 ( ) 年月 高田裕介, 神山和則, 農地土壌中の放射性セシウム濃度 日本ペドロジー学会 小原洋, 前島勇治, 斎 - 51 2013 分布図(2012年度版)の作成 2013年度大会講演要旨 藤正明, 谷山一郎 山口紀子, 塚田祥文, 2013年度日本地球化学 216- 土壌の放射性セシウム固定力評価 武田晃, 高田裕介, 神 会第60回年会講演要旨 - 2013 217 山和則, 谷山一郎 集 新たな県別土壌群別面積割合を利 年度日本土壌肥料 金澤健二 高田裕介 2013 用した田への牛ふん堆肥割り当て , , 他学会関東支部大会講 神山和則 加藤直人 - 10 2013 可能量の推計 , 演要旨集 Ayaka W. Kishimoto- Effects of organic matter applications Mo, Noriko Oura, Sadao on carbon sequestration and GHG ASACSSA&SSSAIntern P122 Eguchi, Yasuhito - 2013 emissions in an upland Andisol in ationalAnnualMeetings 1 Shirato, Seiichiro Japan Yonemura Ayaka W. Kishimoto- Response of soil organic matter Mo, Seiichiro ICDC9 9th International decomposition to experimental Yonemura, Miyuki Carbon Dioxide - P289 2013 warming in a cultivated Andisol in Kondo, Yasuhito Conference Japan Shirato, Rota Wagai, Masao Uchida Areas of increasing agricultural abandonment overlap the distribution Takeshi Osawa, Kaunori INTECOL 2013 - SA2.4 2013 of previously common currently KOHYAMA threatened plant species Areas of increasing agricultural Takeshi Osawa, abandonment overlap the distribution Kazunori Kohyama, INTECOL2013 - 18-23 2013 of previously common currently Hiromune Mitsuhashi threatened plant species Mayura B. Takada, Yukari Shimizu, Tsutom Anthropogenic food resources affecting Mano, Hiroyuki Uno, nutritional condition of brown bear in Keita Fukasawa, INTECOL2013 - 18-24 2013 Hokkaido Japan Takeshi Osawa, Munemitsu Akasaka, Yoshikazu Sato International Union of Monitoring of soil carbon stock and Takata, Y., A. Leon, H. Soil Sciences Global soil management in Japanese - 27-27 2013 Obara Soil C Conference agricultural land Abstracts PROCEEDINGS OF Mishima, S., Leon, A., 11th International changes in nutrient store in surface and Kimura, S. D., Eguchi, Conference The Ease subsurface soil layer under different - 80 2013 S., Shirato, Y., Obara, and Southeast Asia cropping system H. Federation of Soil Science Societies

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- 66 - 付録:研究成果の発表

A difference in the genetic distribution The11th International Naoki Ohnishi, Takeshi pattern between the sexes in the Asian Mammalogical Congress - 11-16 2013 Osawa black bear 2013 岩船敬, 横山淳史, 永 河川における水稲用農薬の代謝分解 井孝志 稲生圭哉 堀 環境科学会 年会 物の挙動と生態毒性 , , 2013 - 2013 尾剛, 岩﨑亘典 農薬の水域生態リスク評価におけ 環境科学会 年会プ る動態予測モデルの活用と今後の 稲生圭哉 2013 192- ログラム - 2013 課題 193 昆虫類の分類学的研究と バー 第 回つくば大会講演 DNA 吉武啓 15 コーディング 要旨 12 S5-2 2013 政策 にいかす研究と、 現場 に " " " " 大澤剛士 第 回雑草学会大会 いかす研究 52 - 2013

南房総嶺岡山系における蛇紋岩と 日本ペドロジー学会 前島勇治 大倉利明 玄武岩に由来する土壌の遊離酸化 , , 年度大会講演要旨 高田裕介 2013 - 39 2013 鉄の形態および粘土鉱物組成 集

マレーシアのアリ植物から発見さ 中谷至伸, 小松貴, 市 日本昆虫学会第73回大 れた背中に突起のあるヒョウタン 野隆雄, 清水加耶, 市 会プログラム・講演要 - 35 2013 カスミカメ 種 半翅目:カスミカ 岡孝朗 7 ( , Rosli Hashim, 旨 メムシ科) 上田昇平

SWATの桜川流域への適用 -その2. 吉川省子, 朝田景, 箭 日本地球惑星科学連合 AHW 灌漑水路網および肥培管理の組み込 田佐衣子, 堀尾剛, 稲 - 2013 2013年大会予稿集 -30- みとその結果- 生圭哉, 江口定夫 P02 日本の農業生産に関する 三島慎一郎 松八重一 LC-CO2eq. , 日本土壌肥料学会講演 評価 第 報・ 年と 年の 代 木村園子ドロテア - 1 1980 2010 , , 要旨集 59 1 2013 養分フローと熱量生産- 江口定夫, 白戸康人

江口定夫, 吉川省子, 板橋直, 三島慎一郎, 福島県内の異なる水田環境中にお 坂口敦 朝田景 坂西 , , 日本土壌肥料学会講演 ける溶存態および懸濁能放射性セ 研二 木方展治 井倉 , , 要旨集 59 10 2013 シウム濃度の変動要因 将人, 神山和則, 藤原 英司, 山口紀子, 藤村 恵人, 斎藤隆

茨城県筑波山麓の水田集水域にお 箭田佐衣子, 中島泰弘, ける窒素動態評価 -(1)灌漑期と非 堀尾剛, 稲生圭哉, 板 日本土壌肥料学会講演 59 15 2013 灌漑期における河川水中硝酸イオ 橋直, 朝田景, 吉川省 要旨集 ンの窒素および酸素安定同位体比- 子, 江口定夫

湛水状態の水田土壌と根近傍にお 山口紀子, 橋本洋平, 日本土壌肥料学会講演 59 33 2013 けるCdの分布と形態 大倉利明 要旨集 高田裕介, 若林正吉, 包括的土壌分類第1次試案に基づく 神田隆志, 大倉利明, 日本土壌肥料学会講演 59 48 2013 東日本の非農耕地土壌の土壌分類 神山和則, 前島勇治, 要旨集 小原洋 神田隆志 高田裕介 包括的土壌分類第 次試案に基づく , , 日本土壌肥料学会講演 1 大倉利明 神山和則 西日本の非農耕地土壌の土壌分類 , , 要旨集 59 49 2013 前島勇治, 小原洋 包括的土壌分類第1次試案に基づく 若林正吉, 高田裕介, 日本土壌肥料学会講演 59 95 2013 東日本の農耕地土壌図 神山和則, 小原洋 要旨集

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- 67 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

農耕地土壌炭素モニタリング調査 小原洋 レオン愛 高田 , , 日本土壌肥料学会講演 (定点調査)の の結果に 裕介 神山和則 白戸 2008-2012 , , 要旨集 59 95 2013 ついて 康人, 大倉利明 釧路湿原流域における養分負荷の 日本土壌肥料学会講演 神山和則 推定 要旨集 59 169 2013 日本全国の農地の土壌炭素量の変 化をシミュレーションする-(1) 作 白戸康人, 矢ヶ崎泰海, 日本土壌肥料学会講演 59 184 2013 物残渣および堆肥の投入量推定の レオン愛, 三島慎一郎 要旨集 方法の課題と影響-

日本全国の農地の土壌炭素量の変 化をシミュレーションする 全国 日本土壌肥料学会講演 (2)- 矢ヶ崎泰海 白戸康人 規模の土壌モニタリングデータを , 要旨集 59 184 2013 用いた予測システムの性能検証- 東南アジア等における土壌の社会 日本土壌肥料学会講演 大倉利明 的啓発への取り組み 要旨集 59 193 2013 Web上で土壌炭素を計算する「土 白戸康人 高田裕介 日本土壌肥料学会講演 壌の 吸収「見える化」サイ , , CO2 大澤剛士 要旨集 59 193 2013 ト」 フィールドで土壌情報を活用しよ 日本土壌肥料学会講演 高田裕介, 表祐志 59 2013 う!-e-土壌図の開発- 要旨集 パッシブサンプリング法による河 矢吹芳教 相子伸之 日本陸水学会第 回大 川水中の農薬濃度と従来法の濃度 , , 78 永井孝志 稲生圭哉 会講演要旨集 - 129 2013 との比較 , 日本甲虫学会第4回大 アラゲキクラゲを食害する2種のヤガ 吉松慎一・村上康明・ 会・日本昆虫学会関東 - 9 2013 (鱗翅目) 前田由美 支部第50回大会合同大 会講演要旨集

Targalla subocellata(ヤガ科:フサヤガ 日本甲虫学会第4回大 亜科)とその近縁種の分類学的研究 会・日本昆虫学会関東 綿引大祐・吉松慎一 - 2013 ?特に雄交尾器の観察方法の考察と 支部第50回大会合同大 DNA 解析からの考察 会講演要旨集 ネグロフサヤガ Targalla delatrix 日本鱗翅学会第 回大 (ヤガ科;フサヤガ亜科)とそ 綿引大祐・吉松慎一 60 (Guen?e) 会講演要旨 - 32 2013 の近縁種の分類学的研究

日本で2010年に初めて害虫化したア 吉松慎一・綿引大祐・ 日本鱗翅学会第60回大 フリカシロナヨトウのその後の状況 上里卓己・島谷真幸 会講演要旨 - 37 2013

前翅長が重複することが分かったノコ 日本昆虫学会第 回大 バヨトウとオオノコバヨトウ(ヤガ科 綿引大祐・吉松慎一 73 会講演要旨 - 36 2014 Tiracola属)の識別 吉川省子 箭田佐衣子 利根川水系桜川流域の水・栄養塩動 , , 板橋直,朝田景,中島泰 日本土壌肥料学会講演 態解析-(1)包括土壌分類および 60 8 2014 弘,稲生圭哉,堀尾剛,神 要旨集 SolphyJデータを用いたSWATモデル- 山和則,江口定夫 「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」で 白戸康人,高田裕介,大 日本土壌肥料学会講演 温室効果ガスの総合評価が可能に 澤剛士 要旨集 60 178 2014 我が国で用いられているISSS法の土 村野宏達 高田裕介 礒 日本土壌肥料学会講演 性および粒径区分について 法は , , -ISSS 井俊行 要旨集 60 179 2014 国際法か?-

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- 68 - 付録:研究成果の発表

Seiko Yoshikawa, Eguchi Sadao, Itahashi Sunao, Igura Masato, Nobuharu Kihou, Shigeto Fujiwara, Estimation of radiocesium in/out flows 20th World Congress of Takashi Saito, Hideshi - O4-7 2014 in paddy fields in Fukushima, Japan Soil Science Fujiwara, Shinichiro Mishima, Kazunori Kohyama, Noriko Yamaguchi, Ohkoshi Satoru Ayaka W. Kishimoto, Field and laboratory data reveal Noriko Oura, Seiichiro 20th World Congress of potential N2O emission linking to Yonemura, Sadao - P1-4072014 Soil Science decomposed CO2 and N Input Eguchi, Yasuhito Shirato Development of N2o Empirical Model AyakaW., Kishimoto- Linking Decomposed CO2 and N Mo, Yasuhito Shirato, ASACSSA & SSSA P162 Inputs for Estimating Annual N2o Noriko Oura, Tomohito Internationa Annual - 2014 9 Emission from Agricultural Soils in Sano, Shigeto Sudo, Meeting Japan Shinichiro Mishima Minamikawa Kazunori, Takayoshi Yamaguchi, Introducing current progress in AsiaFlux Workshop Takeshi Tokida, Yusuke - 37 2014 MIRSA-2 Project 2014 Takata, Shigeto Sudo, Kazuyuki Yagi Ai Leon, Yasuhito Life cycle assessment of Shirato, Shinichi environmental impacts of crop residue Yoshimatsu, Seiya EcoBalance 2014 29E3 - 2014 management and manure application in Tsushima, Kazuyuki Abstract Book -1 Japanese rice cultivation Yagi, Kazunori Kohyama Management of pesticide resistance Takehiko Yamanaka, ESA 62nd Annual based on heterogeneous field - 181 2014 Yoshito Suzuki Meeting management and type of pests International Workshop on Agricultural GHG Ayaka W. Kishimoto- emissions-Workshop I Field data reveal potential N2O Mo, Noriko Oura, "External databases and emission linking to decomposed CO2 Yasuhito Shirato, model of N2O emissions - - 2014 and N input Tomohito Sano, Shigeto by croplands: do we Sudo have what is needed to ecplore mitigation options?" Noriko Yamaguchi, Yusuke Takata, Relationships between radiocesium Kazunori Kohyama, The 20th world P1- interception potential (RIP) and soil - 2014 Hirofumi Tsukada, Congress of Soil Science 14 properties Akira Takeda, Ichiro Taniyama

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- 69 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

Syuntaro Hiradate, Factors affecting soil erosion on an Sayaka Morita, Kenji oceanic island in Ogasawara, Japan: the The 20th World O17- Hata, Takeshi Osawa, - 2014 effects of soil chemical properties and Congress of Soil Science 2 Kyoko Sugai, Naoki landscape Kachi Noriko Yamaguchi, Yusuke Takata, Relationships between radiocesium Kazunori Kohyama, The 20th world interception potential (RIP) and soil - P1-14 2014 Hirofumi Tsukada, Congress of Soil Science properties Akira Takeda, Ichiro Taniyama Shinichiro Mishima, Kimura Sonoko Nutrient cycling in Japanese agro- The 20th World P2- Drothea, Sadao Eguchi, - 2014 ecosystem in 1980 and 2010 Congress of Soil Science 503 Yasuhito Shirato, Kazuyo Matsubae

高解像度土地利用土地被覆図と現存 システム農学会 年 植生図から集計した農地面積と農林 岡本勝男 白戸康人 2014 , 度秋季大会 京都 - 43-44 2014 統計値の比較 in Moth outbreak dynamics across Japan 第 会個体群生態学会 Takehiko Yamanaka, 30 suggest evolution at the northern range 大会プログラム・講演要 - 17 2014 Yasushi Sato limit 旨集 国内におけるシイタケ害虫 Morophagoides属(チョウ目ヒロズコガ 長田庸平・吉松慎一・ 第58回日本応用動物昆 科)各種の形態・分子情報に基づく識 坂井誠・広渡俊哉、 虫学会大会講演要旨 - 158 2014 別法について 急速な進化はいつ起きる?劣性遺伝 高橋大輔 須藤正彬 山 , , 第 回日本生態学会 子の突発的な顕在化 中武彦 62 - 2014

山中武彦,大澤剛士,二 日本の 多様性を最大化する:どの分 γ 橋亮 角谷拓 望月淳 池 第 回日本生態学会 類群と基準をもちいるか? , , , 62 - 2014 田浩明,山本勝利 殺虫剤抵抗性管理における害虫生活 須藤正彬 高橋大輔 山 , , 第 回日本生態学会 史形質の重要性 中武彦 62 - 2014

高田裕介、若林正吉、 日本ペドロジー学会 包括的土壌分類第 次試案に基づく 神田隆志、大倉利明、 1 年度大会講演要旨 東日本の非農耕地土壌の土壌分類、 神山和則、前島勇治、 2014 - 48 2014 小原 洋 集 神田隆志 高田裕介 日本ペドロジー学会 包括的土壌分類第 次試案に基づく , , 1 大倉利明 神山和則 年度大会講演要旨 西日本の非農耕地土壌の土壌分類 , , 2014 - 49 2014 前島勇治, 小原洋 集 貯穀害虫コクガ Nemapogongranella 長田庸平・宮本泰行・ 日本環境動物昆虫学会 (鱗翅目:ヒロズコガ科)とその 坂井誠・吉松慎一・黄 - 30 2014 第26回年次大会 近縁種~各種の識別法~ 国華・広渡俊哉

農環研所蔵の井上寛博士の蛾類コ 吉松慎一・中谷至伸・ 日本昆虫学会関東支部 - Ⅱ-12 2014 レクションとその目録化 吉武啓 第51回大会 きわめて類似してヒメナガカメムシ属2 日本昆虫学会第 回大 種について 半翅目:マダラナガカメム 中谷至伸 74 ( 会講演要旨集 - 29 2014 シ科) ベトナム産キヨトウ(チョウ目ヤ 日本昆虫学会第 回大 吉松慎一 74 ガ科)の分類学的再検討 会講演要旨集 - 33 2014

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- 70 - 付録:研究成果の発表

日本産オオヒロズコガ亜科および 長田庸平・黄国華・坂 日本昆虫学会第 回大 コクガ亜科(チョウ目ヒロズコガ 井誠・吉松慎一・宮本 74 会講演要旨集 - 33 2014 科)の分類と分子系統(予報) 泰行・広渡俊哉

大澤剛士, 神山和則, 日本生態学会第61回全 PB3- 耕作放棄地の立地解析 - 2014 三橋弘宗 国大会 012 1980年と2010年における日本の農 三島慎一郎, 松八重一 日本生態学会第61回全 PB3- 業生産に関するマテリアルフロー 代, 木村園子D, 江口定 - 2014 国大会 107 解析 夫, 白戸康人 日本生態学会第 回大 データペーパー投稿経験者の体験談 大澤剛士 61 会 - 2014 水田の圃場整備と耕作放棄が鳥類 日本生態学会第 回大 片山直樹・大澤剛士 61 個体数に与える影響 会 - 2014 馬場友希 大澤剛士 トクシマヤミサラグモ種群の種分 , , 吉武啓 吉松慎一 井 日本生態学会第 大会 化と交尾器進化 , , 61 - 137 2014 原庸

吉川省子,江口定夫,板 橋直,井倉将人,木方展 福島県内の立地の異なる水田におけ 日本地球惑星科学連合 AHE 治,藤村恵人,斎藤隆,藤 - 2014 る水および放射性セシウムの収支 2014年大会講演要旨 28-10 原英司,神山和則,山口 紀子,大越聡

茨城県筑波山麓の水田集水域におけ 箭田佐衣子,中島泰弘, る窒素動態評価-(2)窒素および酸素 堀尾剛,稲生圭哉,板橋 日本土壌肥料学会講演 60 6 2014 安定同位体比を利用した河川水中硝 直,朝田景,吉川省子,江 要旨集 酸イオンの起源推定- 口定夫 吉川省子 箭田佐衣子 利根川水系桜川流域の水・栄養塩動 , , 板橋直,朝田景,中島泰 日本土壌肥料学会講演 態解析-(1)包括土壌分類および 60 8 2014 弘,稲生圭哉,堀尾剛,神 要旨集 SolphyJデータを用いたSWATモデル- 山和則,江口定夫 三島慎一郎,レオン愛, 農地土壌中の多量要素賦存量に関す 木村園子ドロテア,松八 日本土壌肥料学会講演 60 9 2014 るデータベースの構築と運用例 重一代,江口定夫,白戸 要旨集 康人,小原洋 小笠原諸島・媒島に分布する土壌の 平舘俊太郎,大澤剛士, 日本土壌肥料学会講演 特性と分類 可知直毅 要旨集 60 84 2014 レオン愛・白戸康人・吉 炭素蓄積を考慮した水稲栽培のラ 日本土壌肥料学会講演 松慎一・對馬誠也・神 イフサイクルアセスメント 要旨集 60 175 2014 山和則

「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」で 白戸康人,高田裕介,大 日本土壌肥料学会講演 温室効果ガスの総合評価が可能に 澤剛士 要旨集 60 178 2014

広域的なデジタル土壌情報の整備と 日本土壌肥料学会講演 高田裕介 その利活用法に関する研究 要旨集 60 238 2014 パッシブサンプラーを用いた水域 矢吹芳教 相子伸之 日本農薬学会第 回大 農薬モニタリングに及ぼす水温の , , 39 永井孝志 稲生圭哉 会 - 2014 影響 ,

ニホンアマガエル幼生(オタマジャク シ)の水稲用農薬に対する感受性-毒 大津和久, 稲生圭哉, 日本農薬学会第39回大 性試験結果と数理モデルによる田面 大谷卓 会講演要旨集 - 109 2014 水中の推定濃度との比較-

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- 71 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

PADDY-Large モデルを用いた茨城 稲生圭哉, 堀尾剛, 岩 県桜川隆起での水稲用農薬の動態 日本農薬学会第39回大 﨑亘典, 横山淳史, 永 - 161 2014 予測-流域内における農薬濃度の変 会講演要旨集 井孝志, 依田育子 動制とモデルによる予測精度- 大阪府内を流下する石川流域におけ 矢吹芳教 相子伸之 永 日本陸水学会第 回大 る を用いた河川農薬モニタリン , , 79 POCIS 井孝志 稲生圭哉 会講演要旨集 - 175 2014 グ , 馬場友希・大澤剛士・ トクシマヤミサラグモ種群における種分 吉武啓・吉松慎一・井 日本生態学会講演要旨 PA3- 化と交尾器進化 - 2014 原庸 008 World Congress on Integrated Crop- Climate change mitigation potential of Yasuhito Shirato, Livestock-Forest Japanese agricultural soils estimated by Tamon Fumoto, Nobuko Systems (WCCLF) and countryscale simulation of soil carbon Katayanagi, Ayaka W. - 28 2015 the 3rd International stock change and CH4 and N2O Kishimoto-Mo, Symposium on emissions Shinichirou Mishima Integrated Crop- Livestock Systems Mark A. Liebig, Alan J. Franzluebbers, Jens Managing Agricultural Greenhouse Leifeld, Pier Paolo Gases Network (MAGGnet): Exploring Roggero, Rene Dechow, ASA CSSA and SSSA Greenhouse Gas Mitigation Potential - 79 2015 Kristiina Regina, International Annual of Cropland Management Practices. , Yasuhito Shirato, Ayaka Meetings W. Kishimoto-Mo, Gervasio Pieiro 植物検疫のためのサツマイモ害虫ゾウ H27年度ゾウムシ研究 ムシの簡易同定技術の開発と情報 吉武 啓 - 2 2015 データベースの構築へ向けて(予報) 会プログラム

N. Yamaguchi, H. ICOBTE 2015 Radiocesium behavior in Japanese soils Tsukada, K. Kohyama, FUKUOKA - 067 2015 Y. Takata, I. Taniyama ABSTRACT BOOK S. Yoshikawa, S. Itahashi, M. Igura, N. ICOBTE 2015 Radiocesium balance in mountainous Kihou, H. Fujihara, T. 252 - FUKUOKA - 2015 paddy fields in Fukushima, Japan Saito, S. Okoshi, K. 252 ABSTRACT BOOK Kohyama, N. Yamaguchi, S. Eguchi Kayoko Ogura, Wang Chunying, Sadao Application of SWAT model to predict Eguchi, Kazunori ICOBTE 2015 390 - the material dynamics in an agricultural Kohyama, Noriko FUKUOKA - 2015 390 watershed Yamaguchi, Kanta ABSTRACT BOOK Kuramochi, Ryusuke Hatano Longlong Tang, Kenichi Estimating land transformation area Nakajima, Shinsuke The World Resources - 2015 related to global metal mining Murakami, Norihiro Forum Asia-Pacific Itsubo Takeshi Matsuda

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- 72 - 付録:研究成果の発表

Masaaki Sudo, Daisuke Insecticide-resistance management for Takahashi, Yoshito various insect life histories: Is a アメリカ昆虫学会ポス Suzuki, David A. - D343 2015 mixture strategy always the best ター発表 Andow, Takehiko 5 choice? Yamanaka Takehiko Yamanaka, Takeshi Osawa, Ryo Which taxon what index we should Futahashi, Taku アメリカ生態学会口頭発 measure for maximizing total γ- Kadoya, Atsushi 表 - 259 2015 biodiversity in Japan? Mochizuki1, Hiroaki Ikeda1, Shori Yamamoto

生態系機能から農地利用の目的を仕 第 回野生生物と社会 大澤剛士 21 分ける 学会 - TS08 2015 02 髙木敬彦、岩間茉莉 消毒剤散布が及ぼす土壌環境への影 奈、田邊梨紗、岩屋大 第24回環境化学討論会 - P136 2015 響、 志郎、 杉田和俊、後藤 要旨集 純雄、大倉利明 空間的・時間的アレンジによる薬剤抵 抗性管理の有効性:モデルシミュレー 山中武彦, 須藤正彬, 第31回個体群生態学会 - P14 2015 ションによる各害虫タイプに対する効 鈴木芳人, 高橋大輔 果の検証 農地土壌におけるフォールアウト由来 第 回環境放射能研究 井倉将人 高田裕介 4 の放射性セシウム深度分布 , 発表会講演要旨集 - 104 2015 日本および北米,ハワイにおける外来 森本信生 山中武彦 第 回日本応用動物昆 昆虫相とその定着年次,原産地の比 , , 59 桐谷圭治 守屋成一 - 44 2015 較 , 虫学会

小集会:殺虫剤作用機構談話会「進 山中武彦 須藤正彬 第 回日本応用動物昆 化生態学的アプローチから薬剤抵抗 , , 59 髙橋大輔 鈴木芳人 虫学会 - 206 2015 性管理を考える」 , 複数剤を有効に使った抵抗性管理: 須藤正彬, 髙橋大輔, 第59回日本応用動物昆 - 124 2015 害虫生活史と薬剤施用形態の重要性, 山中武彦 虫学会

貯穀害虫コクガ(チョウ目ヒロズ 長田庸平・宮本泰行・ 第 回日本応用動物昆 コガ科)とその近縁種の形態およ 坂井誠・吉松慎一・黄 59 PS12 虫学会大会 - 2015 び分子情報に基づく識別法 国華・広渡俊哉 6

高田裕介 レオン愛 白 日本ペドロジー学会 わが国農地の土壌炭素ストック量 , , 戸康人 神山和則 小 年度大会講演要旨 の長期変動解析 , , 2015 - 15 2015 原洋 集 日本ペドロジー学会 包括的土壌分類第 次試案に基づく 神田隆志 高田裕介 1 , , 年度大会講演要旨 北海道の非農耕地土壌の土壌分類 神山和則 小原洋 2015 - 16 2015 , 集 日本ペドロジー学会 我が国で用いられている土性および 村野宏達 高田裕介 , , 年度大会講演要旨 粒径区分の分類方法の由来について 礒井俊行 2015 - 21 2015 集 アメリカ大陸産 属(コウ Orchestomerus 吉武 啓, R. S. 日本昆虫学会第 回大 チュウ目ゾウムシ科)の分類学的再検 75 会プログラム・講演要旨 - 40 2015 討 Anderson 中谷至伸, 小松貴, 清 東南アジアのアリ共生植物オオバギに 水加耶, 市岡考朗, 寄生する背中にトゲのあるヒョウタンカ Rosli Hashim, 上田昇 日本昆虫学会第75回大 - 48 2015 スミカメ属の3新種を新たに発見(半翅 平, 市野隆雄, Wara 会講演要旨 目:カスミカメムシ科) Asfiya, Sri Hartini, Henny Herwina

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- 73 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

小松貴, 上田昇平, 市 アリ植物に便乗するカスミカメムシ類の 岡孝朗, 清水加耶, 中 日本昆虫学会第75回大 - 2015 系統および起源年代 谷至伸, Hashim R., 丸 会講演要旨 山宗利, 市野隆雄 農環研所蔵井上寛博士の蛾類コレク 吉松慎一・綿引大祐・ 日本昆虫学会第 回大 ションのリスト化とそこから垣間見える 75 中谷至伸・吉武啓 会講演要旨集 - 47 2015 大図鑑以降の分類学的変遷

池田健太郎, 大澤剛士, キャベツバーティシリウム萎凋病の発 酒井宏, 漆原寿彦, 加 日本植物病理学会報 81(3) 262 2015 病ポテンシャルマップの作成 部武, 吉田重信, 對馬 誠也 生態学的価値と社会・経済的価値 日本生態学会第 回大 の間に存在するギャップとそれを 大澤剛士 上野裕介 62 , 会 - 2015 埋めるためにできること 生物多様性に関する基盤情報整備と 日本地球惑星科学連合 H- 利活用に向けた取り組み-GBIF 日本 大澤剛士 - TT33 2015 2015年大会講演要旨集 ノード JBIF- -02 HIRADATE Syuntaro, Influence of feral goat and seabird MORITA Sayaka, M- activities on chemical properties of 日本地球惑星科学連合 HATA Kenji, OSAWA - IS03- 2015 surface soils on an oceanic island in 2015年大会講演要旨集 Takeshi, SUGAI Kyoko, 05 Japan KACHI Naoki 生物多様性に関する基盤情報整備と 日本長期生態学研究 利活用に向けた取り組み-GBIF 日本 大澤剛士 ネットワークJaLTER公 - 2015 ノード JBIF- 開シンポジウム 江口定夫, 吉川省子, 板橋直, 井倉将人, 神 福島県内の不作付け農地及び農業流 山和則, 平舘俊太郎, 日本土壌肥料学会講演 61 5 2015 域からの放射性セシウムの流出実態 楠本良延, 德岡良則, 要旨集 木方展治, 藤原英司, 山口紀子, 大越聡 包括的土壌分類第1次試案に基づく 神田隆志, 高田裕介, 日本土壌肥料学会講演 61 5 2015 北海道土壌図の作成 神山和則, 小原洋 要旨集 高田裕介, 若林正吉, 包括的土壌分類第 次試案に基づく 日本土壌肥料学会講演 1 神田隆志 前島勇治 東日本土壌図の作成 , , 要旨集 61 6 2015 神山和則, 小原洋 高田裕介, 神田隆志, 包括的土壌分類第1次試案に基づく 日本土壌肥料学会講演 P5-1- 西日本土壌図の作成 神山和則, 前島勇治, 要旨集 61 2015 小原洋 7

片柳薫子, 麓多門, 早 野美智子, 高田裕介, DNDC-Riceモデルを用いた日本の水 桑形恒男, レオン愛, 須 日本土壌肥料学会講演 8-2- 61 2015 田からのCH4総排出量推定 藤重人, 白戸康人, 澤 要旨集 20 野真治, 石郷岡康史, 梶浦雅子, 八木一行

レオン愛,白戸康人, を用いた水稲移植時期の環境影 日本土壌肥料学会講演 LCA 吉松慎一,對馬誠也, 響評価 要旨集 61 9 2015 八木一行,神山和則

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- 74 - 付録:研究成果の発表

日本の農地における つの温室効果 白戸康人, 麓多門, 片 3 日本土壌肥料学会講演 8-2- ガスと化石燃料消費を合わせた温暖 柳薫子, 岸本文紅, 三 要旨集 61 2015 化緩和ポテンシャルの将来推計 島慎一郎 18

日本の農業生産に関するLC-CO2eq. 三島慎一郎, 片柳薫子, 日本土壌肥料学会講演 8-2- 評価 第2報・1980年と2010年の農作 木村園子, 岸本文紅, 61 2015 要旨集 19 業に伴うCO2発生量の評価, 白戸康人, 麓多門 谷地俊二,永井孝志, 水稲用農薬を対象とした河川水中予 日本農薬学会第 回記 岩崎亘典 稲生圭哉 横 40 測濃度の地域変動性の解析 , , 念大会 講演要旨集 - 106 2015 山淳史 新たに発見したシイタケ菌床を食害す 日本鱗翅学会第 回大 吉松慎一・川島祐介 62 るヤガ 会講演要旨集 - 22 2015 農業環境技術研究所所蔵の井上寛 吉松慎一・綿引大祐・ 日本鱗翅学会第62回大 蛾類コレクション 中谷至伸・吉武啓 会講演要旨集 - 60 2015 平成 年度日本土壌肥 土壌保全制度論 フィリピンと中国の事 27 - 大倉利明、村田智吉 料学会関東支部大会要 例から - 2015 旨集

気候変動適応策の評価を志向した影 第11回日本LCA学会研 B3- 湯龍龍, 伊坪徳宏 - 2016 響評価手法の開発 究発表会 プログラム 08 伊坪徳宏, 湯龍龍, 小 気候変動の緩和策と適応策を対象と 第11回日本LCA学会研 B3- 野雄也, 小関康雄, 正 - 2016 したライフサイクル評価 究発表会 プログラム 09 畠宏一, 沖大幹 農業のLCAにおける土地利用の影響 湯龍龍, 神山和則, レオ 第11回日本LCA学会研 - P2-83 2016 評価方法の調査研究 ン愛, 伊坪徳宏 究発表会 プログラム 殺虫剤抵抗性管理における討ち漏ら 第 回日本応用動物昆 須藤正彬・山中武彦 60 しの功罪 虫学会 - B201 2016 山中武彦・大澤剛士・ 一般参加型生物調査の効率化と成功 第 回日本応用動物昆 中谷至伸・二橋亮・立 60 へ導く提案-トンボ携帯調査ゲーム 虫学会 - F412 2016 田晴記 殺虫剤のローテーション散布は抵抗 須藤正彬・山中武彦・ 第63回日本生態学会仙 性発達を遅延させるか 高橋大輔・鈴木芳人 台大会 - 2016 生態学的データの空間的・分類群間 日本生態学会第 回全 大澤剛士 63 偏りを解消するための取組み 国大会 - 2016

稲箱施用殺虫剤 フィプロニル及びイミ ( 日本農薬学会第 回記 ダクロプリド のアキアカネ類幼生に対 大津和久,山中武彦 41 ) 念大会 - 2016 する感受性 -感受性の年次変動-

農薬の後作物残留リスク評価に関する 元木裕 岩船敬 清家 , , 日本農薬学会第 回大 研究 第 報 土壌吸着係数( )の 伸康 稲生圭哉 大谷 41 6 Kd , , 会講演要旨集 - 2016 経時変化 卓

農薬の後作物残留リスク評価に関する 清家伸康 元木裕 並 , , 日本農薬学会第 回大 研究 第 報 ほ場試験によるコマツ 木小百合 稲生圭哉 41 11 , , 会講演要旨集 - 2016 ナの土壌中農薬の吸収性評価 岩船敬

農薬の後作物残留リスク評価に関する 研究―第7報 ELISAによる土壌中の 渡邉栄喜, 清家伸康, 日本農薬学会第41回大 - 2016 水抽出可能な農薬の簡易定量法およ 元木裕, 稲生圭哉 会講演要旨集 び土壌診断への適用可能性

― 75 ―

- 75 - インベントリー 第13号 (2016)

インベントリー 第 13 号(2016)

(4)主要成果

成 果 氏 名 年 度 山口紀子、荒尾知人、 水稲根を覆う鉄プラークによるヒ素の不溶化 前島勇治、大倉利明、 2013 高橋嘉夫

麓多門、早野美智子、 数理モデルによる水田のメタン排出量の全国評価 白戸康人、八木一行 2013

フィールドで土壌情報を簡単利用-iOS/Android用アプリ“e-土 高田裕介、表祐志 壌図”の開発-‐スマホ・クラウド連携アプリ‐ 2013 大澤剛士、神山和則、 耕作放棄地のメッシュ地図化及び活用 三橋弘宗 2013

標本情報を活用した生物環境変化の評価手法 大澤剛士 2013

次世代型土壌病害管理(ヘソディム)のためのマニュアル 大澤剛士 2013

ニホンアマガエル幼生の水稲用農薬に対する感受性 大津和久、稲生圭哉 2014

最新ICTを使った病害虫の効果的な防除手法の開発 山中武彦、近藤洋史 2014

小原 洋、髙田裕介、神 包括的土壌分類第 次試案に基づいた 万日本土壌図 山和則、大倉利明、前 1 1/20 島勇治、若林正吉、神 2015 田隆志

日本と周辺諸島、北米、ハワイの外来昆虫相比較 山中武彦・森本信生 2015

農業環境情報カタログサイトNIAES VICの公開 大澤剛士 2015

― 76 ― - 76 - 付録:研究成果の発表

(5)所主催の研究会等 発表誌名 発行 表 題 著 者 頁 (出版元) 年月 11th International Symposium of Integrated Effect of organic matter application on Field Science , soil carbon sequestration in Japanese Yasuhito Shirato 48-52 2013 Utilization of resources agricultural land and Environmental Protection International Union of Estimation carbon sequestration Soil Sciences Global potential of cropland management in Shirato, Y., Y. Yagasaki Soil C Conference , 85 2013 Japanese arable soils with the Internaitonal Union of Rothamsted carbon model Soil Sciences The nitrogen load estimated by MARCO International statistical model and SWAT model in Kaunori KOHYAMA Workshop 2013 21 2013 Kushiro-shihtsugen watershed located Abstracts , MARCO on the eastern part of Hokkaido, Japan

Green Network of Excellence environmental Takimoto Takahiro, Distribution of soil temperature and information Program and Tsuneo Kuwagata, moisture in Japan using soil inventory Abstracts , 文部科学省 54 2014 Jianqing Xu, Yusuke 大学発グリーンイノベー and meteorological database Takata ション創出事業「グリー ン・ネットワーク・オブ・エ クセレンス(GRENE)」環 境情報分野 MARCO Satellite Seiko Yoshikawa, Saeko International Workshop Application of SWAT model on Yada, Kei Asada, Sunao 2015 International estimating water and solute movements Itahashi, Yasuhiro SWAT-Asia Conference 12 2014 in the Sakura River Basin Ibaraki Japan Nakajima, Kazunori IV, Program & Kohyama, Sadao Eguchi Abstracts, 農業環境技 術研究所 Symposiiumon Policy Climate change mitigation and and Research on Climate adaptation in Japanese agricultural Yasuhito Shirato Change Adaptation and 2014 sector Mitigationin, Japan and Vietnam 農業環境技術研究所研 農業環境資源情報の蓄積とその発信 吉松慎一 究成果発表会2014講演 56 2014 要旨集 農業環境技術公開セミ 我が国の農地土壌の性状と変化-長 ナー in 奈良 ―悠久の 小原洋 2014 期モニタリングのとりまとめから― 地で「農業」と「環境」を 考える―

― 77 ― - 77 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

農林水産省平成26年度 委託プロジェクト研究成 農地への土壌炭素貯留と温室効果ガ 果発表会「農業分野に 白戸康人 スの削減のために おける気候変動への対 27-30 2014 応:これまでとこれから」 平成26年度成果発表会

わが国の農耕地土壌における肥沃度 平成26年度関東・東北 の実態-「定点調査」結果から見た全 小原洋 支部「土づくり研究会」 - 2014 国的な状況について― 講演資料

MARCO Satellite Seiko Yoshikawa, International Workshop Applying SWAT Model to Estimate Kazunori Kohyama, 2015 International Water, Sediment, and Nutrient Saeko Yada, kei Asada, SWAT-Asia Conference 12 2015 Movements in a Rice Paddy Sunao Itahashi , IV, Program & Watershed, Ibaraki, Japan Yasuhiro Nakajima, Abstracts, 農業環境技 Sadao Eguchi 術研究所 MARCO Symposium 2015 Next Challenges Soil Carbon Sequestration and of Agro-Environmental 33 - Greenhouse Gas mitigation in Yasuhito Shirato 2015 Research in Monsoon 35 Agriculture Asia PROGRAM and ABSTRACTS 高田裕介, 神田隆志, MARCO Symposium Shokichi Wakabayashi, 2015 Next Challenges A New Soil Classification System and Yuji Maejima, Toshiaki of Agro-Environmental 160- Soil Map for Conservation of Soil 2015 Ohkura, Kazunori Research in Monsoon 163 Resources in Japan Kohyama, Hiroshi Asia PROGRAM and Obara ABSTRACTS 桑形恒男, 長谷川利拡, 吉本真由美, 西森基貴, 平成 年度 独 農業環 石郷岡康史, 飯泉仁之 27 ( ) 農業分野の気候変動対策のための 境技術研究所と消費・ 直 滝本貴弘 須藤重 - データベースの活用 , , 安全局農産安全管理課 2015 人, 松浦江里, 高田裕 意見交換会 介, 神山和則, 小原洋, 大澤剛士 環境省環境研究総合推 進費新規戦略型課題S- 池田浩明, 大澤剛士, 「アジア規模での生物 農業活動の変化と生物多様性 9 2 2015 山中武彦, 山本勝利 多様性観測・評価・予測 に関する総合的研究」 公開講演会 第 回農業環境インベン 農環研におけるエコバランス評価の試 5 レオン愛 神山和則 み , トリー研究会, (独)農業 15-16 2015 環境技術研究所 第6回農業環境インベン 新しい日本土壌図の作成:土壌情報 高田裕介 トリー研究会, (独)農業 をめぐる国際潮流への挑戦 3-4 2016 環境技術研究所 第 回農業環境インベン 農業環境研究における昆虫インベント 6 吉武 啓 リーの整備と今後の方向性 トリー研究会, (独)農業 7-8 2016 環境技術研究所 第 回農業環境インベン ビッグデータ時代のインベントリー利活 6 大澤剛士 用プラットフォーム トリー研究会, (独)農業 11-12 2016 環境技術研究所

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- 78 - 付録

研究協力・交流 (1)国外での研究交流

平成26年度 氏 名 出張国 活動内容 期 間 国際共同研究プログラム フェ 山中武彦 カナダ OECD ローシップ 2013.11.15~2014.05.03

自己派遣(カナダ自然史博物館における 植食性ゾウムシ類の調査・研究及びコレ 吉武啓 カナダ クション管理システム、他機関との連携や 2013.11.18~2014.06.20 アウトリーチプログラムに関する研修)

農業分野の温室効果ガス温室効果ガス に関するグローバル・リサーチ・アライア 白戸康人 オランダ 2014.06.13~2014.06.16 ンス(炭素窒素循環関する横断的ワーキ ンググループ)会合

神山和則 台湾 MARCO-FFTC国際セミナー参加のため 2014.09.22~2014.09.26

タイ国における自然史資料調査および 大澤剛士 タイ 共同研究打合せ 2014.09.28~2014.10.05

インベントリーデータを活用した日本生 山中武彦 アメリカ 物多様性の評価モデル構築、外来生物 2014.10.01~2014.10.05 根絶のための理論モデルの構築

山中武彦 アメリカ 2014年米昆虫学会参加 2014.11.15~2014.11.21

ゼンケンベルグ・ドイツ昆虫学研究所 中谷至伸 ドイツ (SDEI)におけるタイプ標本を含む昆虫 2014.11.30~2014.12.07 標本の調査 ゼンケンベルグ・ドイツ昆虫学研究所 吉武啓 ドイツ (SDEI)におけるタイプ標本を含む昆虫 2014.11.30~2014.12.07 標本の調査

生産局委託「平成26年度農地土壌温室 大倉利明 ドイツ 効果ガス排出量算定基礎調査(指導・と 2015.02.22~2015.02.25 りまとめ業務)」における海外調査

平成27年度

アジア土壌パートナーシップ 専 大倉利明 タイ (ASP) ~ 門家会合参加 2015.05.11 2015.05.15

World Resources Forum Asia-Pacific及 びInternational Sustainability Symposium 湯龍龍 オーストラリア にて循環型プログラム(PJ1、国際資源 2015.05.30~2015.06.03 循環に対応した製品中資源生・有害 性物質の適正管理)に係る成果発表

― 79 ― - 79 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

植食性甲虫類の標本および分布・生 吉武啓 台湾 態情報の収集を目的とする台湾の農 2015.06.26~2015.07.09 業生態系における野外調査

農牧林統合システム世界会議及び農 白戸康人 ブラジル 業分野の温室効果ガスに関する 2015.07.09~2015.07.20 GRA(農地研究グループ)会合

タイ国における自然史資料調査およ 大澤剛士 タイ ~ び共同研究打合せ 2015.07.27 2015.08.02 フィリピン国内の土壌保全に係る法 大倉利明 フィリピン ~ 制度の調査 2015.08.02 2015.08.08

山中武彦 アメリカ 2015年アメリカ生態学会参加 2015.08.08~2015.08.16

アメリカ合衆国におけるブナ科植物 吉武啓 アメリカ ~ 関連のゾウムシ相調査 2015.08.12 2015.08.23 地球規模生物多様性情報機構理事会 大澤剛士 マダガスカル 2015.10.03~2015.10.13 出席及びGBIFアジアメンバー打合せ

台湾におけるサツマイモの害虫ゾウ 吉武啓 台湾 ムシ類の標本および分布・生態情報 2015.10.12~2015.10.24 の収集を目的とする野外調査

台湾におけるサツマイモの害虫ゾウ 中谷至伸 台湾 ムシ類の標本および分布・生態情報 2015.10.12~2015.10.24 の収集を目的とする野外調査

フィリピン・ミンダナオ島の農業環 吉武啓 フィリピン 境とその周辺における昆虫相に関す 2015.11.07~2015.11.17 る研究打ち合わせと現地調査

須藤正彬 アメリカ 2015年米昆虫学会参加 2015.11.14~2015.11.20

における植物検疫システムの構 中谷至伸 オランダ QBOL ~ 築に関する情報収集及び意見交換 2015.11.25 2015.11.29

地球土壌パートナーシップ(GSP)第4 大倉利明 イタリア ピラーワークショップ「国際土壌情 2015.12.07~2015.12.12 報機関ネットワーク設立」出席 ドレスデン動物学博物館とストック ホルム自然史博物館におけるサツマ 吉武啓 ドイツ、スウェーデン ~ イモの害虫ゾウムシ類のタイプ標本 2016.02.01 2016.02.19 調査 タイ国内の土壌保全に係る法制度と 大倉利明 タイ ~ 現地実態調査 2016.03.13 2016.03.19

― 80 ― - 80 - 付録:研究協力・交流

(2)依頼研究員

平成26年度 氏 名 所属 研究課題 期 間 法を核とした 長野県野菜花き試験場 環境部 技 PCR-DGGE 依頼研究員 石山佳幸 師 土壌微生物相解析手法習 得

(3)技術講習生

平成26年度 氏 名 所属 研究課題 期 間

愛媛大学大学院農学研究科修士 ツチハンミョウ類(コウチュウ目) 岡野良祐 2014.08.26~2014.08.27 課程1年 標本の同定

土壌試料の粒径組成分析法及び粘土 川田宏史 群馬県農業技術センター 2015.03.16~2015.03.20 鉱物のX線回折分析用試料の調製 土壌試料の粒径組成分析法及び粘土 齋藤祐一 群馬県農業技術センター 2015.03.16~2015.03.20 鉱物のX線回折分析用試料の調製

平成27年度

チョウ目ヤガ上科の分類技術の習得 綿引大祐 東京農業大学大学院農学研究科 ~ のため 2015.05.25 2016.03.31

Analyn Anzano ゾウムシ類(昆虫綱コウチュウ目)の同 ミンダナオ大学 2016.03.19~2016.03.30 Cabras 定技術の習得

(4)特任研究員 氏 名 所 属 期 間

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所生 菅原秀明 2013.04.01~2015.03.31 命情報・DDBJ研究センター 特任教員

(6)講師派遣等

平成26年度 氏 名 講師派遣の内容 依 頼 者 期 間

對馬誠也 東京農業大学客員教授 東京農業大学 2013.04.01~2014.03.31

對馬誠也 兼任講師 法政大学 2014.04.01~2014.09.30

― 81 ― - 81 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

吉松慎一 東京農業大学客員教授 学校法人東京農業大学 2013.04.01~2014.03.31

白戸康人 非常勤講師 東京農工大学農学府・農学部 2014.04.01~2014.09.30

大澤剛士 非常勤講師 首都大学東京 2015.01.01~2015.03.31

平成27年度

氏 名 講師派遣の内容 依 頼 者 期 間

對馬誠也 東京農業大学客員教授 東京農業大学 2015.05.01~2016.03.31

吉松慎一 東京農業大学客員教授 学校法人東京農業大学 2015.04.01~2016.03.31

白戸康人 非常勤講師 東京農工大学農学府・農学部 2014.04.01~2014.09.30

大倉利明 非常勤講師 茨城大学 2015.11.30~2015.11.30

大澤剛士 非常勤講師 首都大学東京 2015.01.01~2015.03.31

大澤剛士 非常勤講師 東邦大学 2015.03.24~2016.03.31

湯 龍龍 東京理科大学 東京理科大学非常勤講師 2015.09.01~2016.03.31

(7)外部委員会委員等

氏 名 委嘱・応嘱先 委嘱・応嘱名 期 間 平成 年度生物多様性及び生態系 山本勝利 環境省 27 ~ サービスの総合評価の検討会委員 2015.06.30 2016.03.10 神山和則 小原 洋 農林水産省消費安全局(農産安全 平成27年度水田土壌中ヒ素含有実態調 大倉利明 管理課) 査に係る土壌採取検討会講師 2015.06.04~2015.06.05 高田裕介

神山和則 農林水産研修所つくば館 農水省職員 採用者研修 2015.04.20~2015.04.21

大倉利明 農林水産省生産局 FAO-地球土壌パートナーシップ 2015.12.07~2015.12.12

つくば市ジオパーク推進協議会事 筑波山地域ジオパーク推進協議会「教 大倉利明 務局 育・学術部会」会員の委嘱 2015.04.01~2016.03.31

大倉利明 FAO アジア土壌パートナーシップ事務局代理 2015.05.11~2015.05.15

高田裕介 FAO Global Soil Partnership(ピラー5)活動計画 2014.01.04~2014.03.17

白戸康人 IPCC IPCCガイドラインReview editor 2013.04.01~2014.10.20

農林水産省「農地基盤整備における有 白戸康人 農林水産省 機資質材利活用に関する検討会(平成 2014.02~2014.03.31 25年度)」委員

― 82 ― - 82 - 付録:研究協力・交流

平成 年度森林吸収源インベントリ情報 林野庁( 独 森林総合研究所受 25 白戸康人 ( ) 整備事業土壌等調査(指導取りまとめ業 ~ 託) 2013.12.06 務)に関する検討委員会委員 平成 年度温室効果ガス排出量算定方 白戸康人 環境省 25 ~ 法検討会森林等の吸収源分科会 委員 2014.01.21 「植生回復による 吸収量算定手法に 白戸康人 国土交通省都市局 CO2 関する検討委員会」委員 2014.09.10~2015.03.20 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小 稲生圭哉 環境省水・大気環境局 ~ 委員会専門委員 2013.03.18 2014.03 水質環境基準健康項目等検討委員会 稲生圭哉 環境省水・大気環境局 ~ 委員 2013.12.06 水産動植物登録保留基準設定検討会 稲生圭哉 環境省水・大気環境局 ~ 検討委員 2013.05.07 平成 年度農薬の位置づけ等検討作 稲生圭哉 環境省水・大気局水環境課 27 業部会委員 2016.02~2016.03 農薬残留対策総合調査委託業務(環境 稲生圭哉 環境省 2015.02.03~ 省)検討会委員 平成 年度水産動植物登録保留基準 稲生圭哉 環境省 研 国立環境研究所受託 27 (( ) ) の運用・高度化検討会 委員 2015.10~2016.03.25 (一財)日本植物防疫協会 稲生圭哉 環境残留試験委員会委員 2013.06.01~ (公財)日本植物調節剤協会 地球規模生物多様性情報機構(GBIF) 大澤剛士 (独)国立科学博物館 ~ 日本ノード運営委員会委員 2013.10.11 平成 年度植物防疫官専門研修(害虫 吉武 啓 農林水産省横浜植物防疫所 27 コース)の講師 2015.09.01~2015.09.04

(8)学会委員

氏 名 委嘱・応嘱先 委嘱・応嘱名 期 間

山本勝利 農村計画学会 監事 2014.04.11~2016.04.09

山本勝利 環境情報科学センター 編集委員 2015.04.01~

白戸康人 日本学術会議 特任連携会員 2015.04.01~2016.03.31

白戸康人 日本土壌肥料学会 理事 2013.04.04~2016.03.31

白戸康人 日本土壌肥料学会 欧文誌編集委員 2013.10.01~2016.03.31

白戸康人 日本土壌肥料学会 国際土壌年企画委員 2014.08.02~2015.03.31

白戸康人 日本ペドロジー学会 幹事 2013.04.01~2016.03.31 日本ペドロジー学会第 次分類・命名 神山和則 日本ペドロジー学会 5 委員会委員 2013.01.21~ 小原 洋 日本土壌肥料学会 副部門長 2015.10.01~2018.09.30

小原 洋 日本土壌肥料学会 欧文誌編集委員会委員 2015.10.01~2018.09.30

小原 洋 日本ペドロジー学会 幹事 2012.04.01~2016.03.31

大倉利明 日本農学会 運営員会 2015.04.01~2016.03.31

大倉利明 日本ペドロジー学会 幹事 2013.04.01~2014.03.31

― 83 ― - 83 - インベントリー 第13号 (2016) インベントリー 第 13 号(2016)

大倉利明 日本ペドロジー学会 国際対応幹事 2015.04.01~2017.03.31

高田裕介 日本ペドロジー学会 日本ペドロジー学会会計監査委員 2012.04.01~2014.03.31

高田裕介 日本ペドロジー学会 会計担当幹事 2014.04.01~2016.03.31

高田裕介 日本土壌肥料学会 広報担当理事 2015.04.01~2017.03.31

高田裕介 日本ペドロジー学会 会誌編集委員 2015.04.01~2018.03.31

高田裕介 日本ペドロジー学会 分類命名委員会委員 2014.04.01~2016.03.31

稲生圭哉 日本農薬学会 農薬環境科学研究会委員 2013.04.01~2015.03.31

吉松慎一 日本応用動物昆虫学会 編集委員 2012.01~2015.12

吉松慎一 日本応用動物昆虫学会 学術用語委員 2011.04~2013.03 農林有害動物・昆虫名鑑 版編集委 吉松慎一 日本応用動物昆虫学会 web 員 2013.05.13~2014.03.31 吉松慎一 日本鱗翅学会 「蝶と蛾」編集委員 2013.01~2015.12.31 Journal of Asia-Pacific 吉松慎一 編集委員 2013 Entomology 中谷至伸 日本昆虫学会 電子化推進委員 2013.04.01~2014.12.31 農林有害動物・昆虫名鑑web版編集委 吉武 啓 日本応用動物昆虫学会 2013.05.13~2014.03.31 員 山中武彦 個体群生態学会 編集委員 2014.04.01~2016.03.31 International Journal of Pest 山中武彦 編集委員 2014.04.01~2015.03.31 Management (IJPM) 大澤剛士 日本生態学会 日本生態学会大会企画委員 運営部会 2012.04.01~2015.03.31

大澤剛士 日本生態学会 日本生態学会電子情報委員 2012.04.01~2016.03.31

大澤剛士 応用生態工学会 若手の会運営委員 2014.04.01~2016.03.31

(9)同定依頼・技術相談等

年度 件 名 件 数

土壌モノリス作製法・展示、土壌閲覧システムに関する相談 20

土壌採取・分析法、手法に関する相談(方法・手法に関する相談) 6

土壌特性に関する相談(分類・性質に関する相談) 16 平成25年度 土壌関係取材

(2013年度) 昆虫同定 9

昆虫の学名・種名・文献等に関する相談 10

昆虫標本に関する相談 11 微生物の同定・解析法・文献などに関する相談

農薬の動態等に関する相談 3

― 84 ― - 84 - 付録:研究協力・交流

土壌モノリス作製法・展示、土壌閲覧システムに関する相談 20

土壌採取・分析法、手法に関する相談(方法・手法に関する相談) 4

土壌特性に関する相談(分類・性質に関する相談) 12

平成26年度 土壌関係取材 4

(2014年度) 昆虫同定 9

昆虫の学名・種名・文献等に関する相談 9

昆虫標本に関する相談 10 微生物の同定・解析法・文献などに関する相談

農薬の動態等に関する相談 1

土壌モノリス作製法・展示、土壌閲覧システムに関する相談 7

土壌採取・分析法、手法に関する相談(方法・手法に関する相談) 2

土壌特性に関する相談(分類・性質に関する相談) 6

土壌関係取材 12

平成27年度 昆虫同定 12

(2015年度) 昆虫の学名・種名・文献等に関する相談 15

昆虫標本に関する相談 7 微生物の同定・解析法・文献などに関する相談

農薬の動態等に関する相談

肥料試料、煙害資料等に関する相談 2

― 85 ― - 85 - 付 録

在職者とその動き (3 ヶ月以上在籍者)

氏 名 職 名 期 間 備 考

對馬 誠也 センター長 21. 4. 1~27. 3.31

山本 勝利 〃 27. 4. 1~

神山 和則 上席研究員 18. 4. 1~

小原 洋 上席研究員 19.10. 1~

大倉 利明 主任研究員 18. 4. 1~

高田 裕介 〃 21. 4. 1~

大澤 剛士 〃 22. 4. 1~

山中 武彦 〃 25. 4. 1~

白戸 康人 上席研究員 20. 1. 1~

稲生 圭哉 主任研究員 18. 4. 1~

吉松 慎一 上席研究員 18. 4. 1~

中谷 至伸 主任研究員 18. 4. 1~

吉武 啓 主任研究員 20. 4. 1~

湯 龍龍 任期付研究員 26. 4. 1~

菅原 秀明 特任研究員 21. 5. 1~

木村園子ドロテア 特任研究員 24. 9. 1~25. 3.31

宮崎 昌久 名誉研究員 21. 4. 1~

浜崎 忠雄 名誉研究員 21. 8.21~

木代 玲子 補助員 18. 9.25~

レオン 愛 農環研特別研究員 20. 6.25~

齋藤 猛雄 契約研究員 18. 11.13~26. 9.30

増田 康代 補助員 18. 4. 1~ 27. 2.28

渡辺寿美子 〃 18. 4. 1~

中村加代子 〃 20.1.15~

矢ヶ崎泰海 農環研特別研究員 21. 4. 1~26. 3.31

倉松 晃子 補助員 20. 8. 1~

井澤眞知子 〃 18. 4. 1~26. 12.31

松下 裕子 契約研究員 21. 4. 1~

丹羽理恵子 〃 25. 4. 1~

黒瀬 大介 〃 25. 4. 1~26. 8.25

田中 絵里 〃 ~ 23 4. 1 飯島 朋子 補助員 23. 9.15~ 綿引 大祐 教育研究研修生(農大) 24. 4. 1~ 長瀬 陽香 契約研究員 24. 4. 1~ 表 祐志 〃 24. 5. 1~26. 3.31

― 86- 86― -

付録:在職者とその動き

髙野 美帆 補助員 24. 8. 1~ 神田 隆志 契約研究 25. 7. 1~ 松岡 寿興 補助員 25. 7. 1~ 陳村 理沙 農環研特別研究員 25. 10.16~26. 3.31 塚本 麻緒 補助員 26. 5. 1~ 須藤 正彬 農環研特別研究員 26. 6.15~ 高橋 大輔 農環研特別研究員 26. 6.15~27. 4.30 丸山 香里 補助員 27. 6.1~ 村田 和枝 〃 27. 7.1~

― 87 ― - 87 -

インベントリー 第13号 平成28年度

Inventory No.13 2013-2015 ISSN 1347-5665

CONTENTS

Foreword Future of Natural Resources lnventory Rescarch Shori Yamamoto 1 インベントリー インベントリー Articies Research Results and my Impression of Research Project for Agro-Environmental Information and Classification of Environmental Resources during recent ten years Shin-ichi Yoshimatsu 3 Screening procedure for soil disease based on descriptive epidemiology with data base Takeshi Osawa, Haruka Nagase and Seiya Tsushima 7

第 Research Topics in 2013/2015 13号 Challenge towards impact assessment considering different farming methods in agricultural LCA No. 13 2013/2014 Longlong Tang, Kazunori Kohyama and Ai Leon 15 Inventories 2014/2015

Open data catalog site NIAES VIC (Virtual Inventory Complex) 巻頭言 Takeshi Osawa 18 Citizen Science with ICT devices Takehiko Yamanaka, Takeshi Osawa and Yukinobu Nakatani 23

Research Museums 報 文 研究トピックス Soil monoliths; collected in recent years 20 Toshiaki Ohkura, Hiroshi Obara, Yusuke Takata and Kazunori Kohyama 30 16 Present Collection and Activities of Insect Museum 年3月 Yukinobu Nakatani, Shin-ichi Yoshimatsu and Hiraku Yoshitake 33 Additional specimens to Microorganism Museum in 2012 to 2015. インベントリー 研究標本館 Motoo Koitabashi, Shigenobu Yoshida and Seiya Tsushima 36 The use of Natural Resources Inventory Museum for Public relations Yuko Hayashi, Tatsuya Onodera and Toshihiro Kadosawa 39 付 録 NRIC Appendix in 2013/2015(April 2013 to March 2015) Available Web Information List of NRIC 42 Abstracts of the NRIC Seminar 44

Training: Soil Survey 50 農業環境インベントリーセンター Publications and Presentations 54 Research Cooperation and Exchange 79 Staff List 86 国立研究開発法人 農業環境技術研究所

Natural Resources Inventory Center 農業環境インベントリーセンター

National Institute for Agro-Environmental Sciences NRIC/NIAES NRIC/NIAES