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KJFC(九谷ジャズファンクラブ)会報www.kjfc.info

GROOVY

VOL.51 2011.6.25 ハービー・ハンコック研究 ライブレポート 例会レポート他

CONTENTS

〔連載〕 Y‘s ROOM No.24・・・Y.S.1

(ライブレポート)

オリヴィエ・アントゥネス・ジャズピアノトリオ・・・石井宏一 2

第8回草加 IN・・・紅 我蘭堂 4

ハービー・ハンコック研究・第 18 回・・・高木 信哉(評論家) 5

楽曲分析~解説・・・田中裕士(ピアニスト)11

気まぐれジャズマン第 31 回・・・水戸守敬一郎 14 〔例会レポート〕 15

JOANIE-S.T.

H.I.

T.Y.

KJFC 2ndAlt

紅 我蘭堂

他 KJFC 会員

表紙及び本文中イラスト制作(一部ロゴマーク除く)・・・・・水戸守敬一郎 ※ 無断転載はかたくお断りいたします。

印刷・製本:文京堂 東京都文京区本駒込 1-10-4 電話03-3941-4508 「Y’s ROOM No.24」 2011.1 Y.S. 「Y 都電に乗る」 Y の部屋にあるエアコンのリモコンが急に壊れてしまった。 メーカーに問い合わせると、既に製造中止になっているが代替のリ

モコンならあるという。 家から最寄のサービス・ステーションに行けば手に入るとの事な ので、都電荒川線の「宮ノ前」駅から歩いて数分の所のあるサービ

ス・ステーション(荒川区)に行く事にした。 都電は昔都内のそこいらじゅうに走っていて、Y も中学・高校の 通学に使っていたが、現在は荒川線しか残っていない。 この線は以前何回か乗った事があるが、ここ20年以上乗っていな

かった。 1月某日、久し振りの都電なので1日乗車券(400円)を買い、つ いでに途中下車しながら趣味のカメラで都電の写真でも撮ろうと出

掛けた。 「三ノ輪橋」から乗って「宮ノ前」で降りリモコンを購入した後、「庚申

塚」に向かった。 「庚申塚」からは隣の「巣鴨新田」まで線路際を歩いて、都電の写真

をモノクロで撮った。 Y はここで帰ろうかと考えたが、折角なので終点まで行ってみようと、 再び都電に乗り「早稲田」に向かった。 「早稲田」に着く頃には日が傾きかけてだいぶ冷え込んできたので(出来れば早稲田大学周辺を散策しようと思っていたが)、急

に温かい紅茶でも飲みたくなった。 何処か気の利いた喫茶店でもないかと、駅から歩き出して1分も経たないうちにその店はあった。 都内に新しいジャズ喫茶が開店したとの話を聞くと飛んで行く Y ではあるが、久し振りにそれも全く偶然にジャズ喫茶に行き当たっ た。 なにか「都電の小さなブラリ旅」の最後に、とても大きな幸福感を得る事が出来た。その店の名は「JAZZ NUTTY」。 小さなお店だが、お洒落で温かみある店内入り口付近にはJBL4331 B が置かれ、アナログと CD をマッキントッシュのアンプで鳴 らしていた。 ドリンクは全て¥500とリーズナブルで、温和そうな顔のマスターのいれてくれた紅茶(チョコレート付き)も美味しく、直ぐ出る予定

が居心地の良さにアルバム3枚も聴いてしまった。また是非行きたいお店である。

「JAZZ NUTTY」 新宿区西早稲田1-17-4 Tel.03-3200-3730 営業時間 平日11:00~22:00

土日祭11:00~18:00 (火曜日定休)

1 ライブレポート オリヴィエ・アントゥネス ジャズピアノトリオ

2010 年 11 月 5 日 at 磯子区民文化センター杉田劇場 Olivier Antunes(p) 、 Jesper Bodilsen(b) 、Morten Lund(ds) 、 増田 ひろみ(as、ゲスト) by 石井宏一

2010年 11 月初め、マシュマロレコードの上不氏のご招待で、KJFC のメンバーと共にデンマークのメンバーによるピ アノ・トリオを聴きに。若い日にアルバイトをしながら北欧のライブハウスに毎夜出かけていたという上不氏だけあって、 レーベルではデンマークのプレイヤーのアルバムも数多い。今回は、オリヴィエ・アントゥネスをリーダーにイェスパー・ ボディルセン(b)、モーテン・ルンド(ds)のピアノ・トリオに増田 ひろみ(as)がゲスト出演。確かなテクニックに裏付けら れた軽快なステージを堪能した。

デンマークのジャズ 『Live At Montmartre』(SCCD31001)だが、このライ 北欧といっても、遠い日本からはそれぞれの国の特質 ブハウスは、コペンハーゲンに 1959 年に開業した当時 が今ひとつ分かりにくい。『後世への最大遺物・デンマ は Cafe Montmartre と称していたが、1993 年に一度 ルク国の話 』(内村鑑三著) という明治時代に書かれた 閉店して、2010 年 5 月に営業を再開、現在は Jazzhus 書名を思い出す。まったく読んではいないが、確かドイ Montmartre という名称になっている。わが日本のマシ ツとの戦争に敗北して豊かな農地を奪われたが、荒れ ュマロレーベルも負けてはいない。若き日にアルバイト 地を辛抱強く開墾して再び豊かな農業国になったという をしながら北欧のライブハウスに毎夜出入りしていたと 内容だったと思う。この書に引きずられるわけでもない いう上不オーナーは、レーベルの看板スターのヤン・ラ が、日本から見るとデンマークは農産国というイメージが ングレンをはじめ、カーステン・ダール、ホッカン・ルディ 強い。領土は大陸に接しているが首都のコペンハーゲ ーン、キャスパー・ヴィヨームといった優れた北欧のミュ ンはシェラン島に置かれている。果たしてこの地のジャ ージシャンだけでなく、晩年はコペンハーゲンに居を構 ズとはどんなものなのか、と思ってしまう人も少なくはな えて二十年以上を過ごしたデューク・ジョーダンなどの いのではないだろう。 アルバムも制作してきた。 ところが、北欧には昔からジャズが根付いていた。デン さて、当日のオリヴィエ・アントゥネス。生まれは 1973 年、 マークについても 1930 年代にはビッグバンドがレギュラ ファーストネームがラテン風だが、その背景は母がポル ー出演する大ホールが存在し、アメリカのミュージシャン トガルの人でパリに生まれてデンマークで育ったためだ も出演していたようだ。世界の西側先進国の多くがそう そうだ。初来日は 2001 年の横浜ジャズプロムナード、 であるように、1960 年代を迎える頃にはモダン・ジャズ 今回で三度めとなる。マシュマロレーベルからはすでに のブームがやってくる。やがて本場アメリカで 1970 年代 2003 年 02 月に初リーダー作『Introducing Olivier に入ってジャズの人気に陰りが出ると、録音の機会が減 Antunes』(MYCJ30182)を Alex Riel (ds)と Mads ったミュージシャンがこぞってヨーロッパを訪れるように Vinding (b)のトリオで、次いで なる。もはやスタンダードナンバーとも言える Dear Old 2008 年 9 月には『Alice In Stockholm は多くのジャズプレーヤーによって演奏さ Wonderland(不思議の国のア れているように、北欧にも多くのミュージシャンが足跡を リス)』(MMEX-122)、2009 年 6 残している。1972 年には北欧を代表するレーベル 月に『Live In Japan 』 Steeple Chase Records がコペンハーゲンに設立され (MMEX-129)をいずれも今回 る。このレーベルの第一作はジャッキー・マクリーンの オリヴィエ・アントゥネス と同じ 、 のマシュマロデビュー作 Jesper Bodilsen(b) (MYCJ-30182) 2 Morten Lund(ds)のメンバーでリリースしている。今回 ないが、聞かせるところではしっかりしたセンスと技術を のメンバーは、ベースのイェスパー・ボディルセンが 発揮していた。第一部の終了は Just One Of Those 1970 年、ドラムスのモーテン・ルンドは 197 年と、いず Things。 れも活きのいいトリオだ。 さて、ここで参加メンバーのあいだでちょっとした議論に、 I Loves You Porgy は明らかに文法ミスで一人称なの それは、あのメロディーから始まった に三人称単数の s はつかないだろうと。この曲はジョー いよいよステージに上がったトリオのメンバー、出だしは ジ・ガーシュウィンの最晩年 1935 年の作だが、1920 年 オリヴィエがうねるような長めのイントロでスタート、いっ 代初めの南部の貧しいアフリカ系アメリカ人を題材にし たい何が始まるのかと期待が盛り上がったところで、「タ ているので、しっかり英語が身に付いていないことを強 ッタタララタッター」、そうおなじみの Moanin'。ボビー・ 調するため、わざと文法ミスの曲名にしたとか、正しくは ティモンズの作曲によるこの曲は、日本のジャズファン やはり s は付かないのだとか、侃々諤々の議論になった。 にとって格別の意味をもつ、と言ったのは誰だか忘れた 確かに、あまり英語に精通していない日本人でもすぐに が、来日したアメリカのミュージシャンだった。 間違いと気づくほどで、まともなアメリカ人がこんな初歩 昨年末のジャズカントリーの例会にも石原康行氏の追 的なミスを犯すわけもない。そこで出てきた説は、どうも 悼に持参した A Day With Art Blakey 1961、日本の 原題には s があったようなのだが、座りが悪いし歌うのに モダンジャズのブームは、初来日したジャズ・メッセンジ 不自然ということで、歌詞は sなしになって曲名の表記も ャーによって点火たといっても過言ではない。1958 年 変化したのではないか、ということだった。後で調べてみ にリリースされたブルーノート盤『Moanin'』の 1 曲目で ると、どちらの曲名も使われているようだ。たった一文字 ある。元の盤はボビー・ティモンズが印象的なピアノソロ でもずいぶんと意味がある解釈が成り立つところもジャ でイントロを奏で、リー・モーガンが煽るようにトランペット ズの面白さか。 で続いて、ベニー・ゴルソンのテナーサックスとコール・ アンド・レスポンスを繰り広げながら、コントラストの強い 増田ひろみ登場 演奏を展開していくのだが、そこは北欧流なのか、必要 さて、一息入れて第二部のスタート。軽快にステージに 以上にエキサイトせずにトリオのバランスを程よく保ちな 登場してきたのは、アルトサックスの増田ひろみ。すで がら交互にソロを展開していく。 にマシュマロレーベルから 2010 年 04 月に初リーダー オープニングに続いてディジー・ガレスピー作の Con 作『Maybe September』(MMEX-138) をリリース、同 Aloma、How Deep The Ocean、ルイ・アームストロン 8 月には秋満義孝トリオとの共演で『Melodies In My グの歌唱で知られる This Wonderful World と続いて Mind』(MMEX-141)も発売している。 いく。 最初は I'll Remember You、ほかに 2 曲ほど演奏。フ ァーストレコーディングからは明らかな進境をみせ、アル 明らかに文法ミスだが… トでありながら、耳には一瞬テナーかと聞こえるほど、低 曲想がしっとりとしたおなじみガーシュインの I Loves 域の響きを豊かにした演奏、独自の世界を気づきつつ You Porgy に変わる。アントゥネスのピアノソロで始まり、 あるのか。 ベースとドラムが加わり、やがてベースが切々と訴える 再びトリオに、アンコールは、全員そ かのようにソロをとる。このイェスパー・ボディルセンとい ろって There Will Never Be うベーシストは、上不氏の解説によると、ジャズベース大 Another You で幕を閉じた。 国のデンマークでも屈指の存在だそうだ。確かに惜しく も 2005 年の春に他界したニールス・ペデルセン ( )を輩出した国な 増田ひろみのデビ Niels-Henning Ørsted Pedersen ューCD のである。客席の視線を集めるような派手なところは少 (MMEX-138)

3 中川 武カルテット(第8回草加 JAZZIN) 2011年1月23日

紅 我蘭堂

埼玉県草加市にある「NPO 法人冒険あそび場ネットワ タ・オディやペギー・リーの伴奏者としても活躍。1994 年 ーク草加」は子どもが自由に遊べる場を作る事を目的に から活動の場所を日本に移し現在に至っています。 して平成14年(2002年)5月に発足し、その後平成16 ベースの山村隆一は 1965 年生まれ。日野皓正、田村 年に NPO 法人格を取得して現在まで盛んな活動を行 翼など内外多くのプレイヤーと共演。 なってきました。この法人の中心的人物のひとりが、我 ドラムスの八木秀樹は 1958 年富山生まれ。猪俣 猛に が KJFC が誇る歌姫のひ 師事し東京ユニオンなどで活躍、その後やはり多くのプ とりである桑谷栄美子さん レイヤーと共演し です。そして「NPO 法人 ています。 冒険あそび場ネットワーク 草加」は平成1 5 年から毎 演奏はこれらのベ 年「草加 JAZZIN」と称す テランの安定した るジャズ・ライブを開催して ジャズをたっぷりと いて、今年で8回目となりました。 聴かせてもらえま した。ちなみに当日の演奏曲目を一部紹介させていた 実は個人的に毎年このライブコンサートを楽しみにし だくと、デューク・エリントン作曲の「PERDID」をはじめ ています。それは、やはり桑谷さんたち関係者のおもて 「ALMOST LIKE BEING LOVE」「シェルブール なしの気持ちが会場内の隅々に行き渡っているアットホ の雨傘」「I'll REMEMBER APRIL」。ボーカルをフ ームな暖かい雰囲気があるからです。それに応えるミュ ューチャーした「CHEEK TO CHEEK」。ドラムスを ージシャン達の演奏が、手を抜かない真摯なプレイの フューチャーした「CARAVAN」、そしてアンコール曲は 連続で、初めてジャズを聴く人にもジャズを楽しんでもら 「THE DAY OF WINE AND ROSES」でした。 おうという気持ちが清々しいライブだからです。また KJFC の渋谷秀夫氏がプロデューサー的なお立場で 協力されていることも親近感があります。 平成 15 年に行なわれた 1 回目のライブのときにまだま だ小さかったお子様が、今回は立派に成長して会場作 今回のメンバーは中川 武(クラリネット)、デビット・シ りのお手伝いしていたのは、微笑ましい光景でした。本 ルバーマン(ピア 当に心温まるライブでした。この活動が持続することを ノ)、山村隆一(ベ 切に祈ります。 ―ス)、八木秀樹 ドラムス というメ ( ) ンバーでした。

中川 武さんは KJFC のライブ コンサートにも出 演していただいたことがあるベテランで、現在は山梨県 石和を活動の中心にしていて、後進の指導にも力を入 れているそうです。ピ アノと一部の曲でボ ーカルを担当したデ ビット・シルバーマン は 1955 年ロスアンジ ェルス生まれ。アニ

4 ハービー・ハンコック研究・第 18 回 (“Retrospective of The Music of ”) 高木信哉 (1978:ハービーとチックがデュオで武道館公演実施) HERBIE 1978

録音日 タイトル 演奏者 (レーベル名) An Evening With Herbie Hancock 1978.2 (Columbia)(23 作目) & Chick Corea In Concert 1978.2 Corea ~ Hancock (Polydor)(24 作目) 1978.5-6 Round And Round (CBS/Sony) 1977.8-1978.5 Sunlight Herbie Hancock (Columbia) (22 作目) 1978.7.29 1+3 Ron Carter(JVC) 1978.10,17&18 Direct Step Herbie Hancock (CBS/Sony)(25 作目) 1978.10.25 Black Octopus Paul Jackson (CBS/Sony) 1978.10.25&26 The Piano Herbie Hancock (CBS/Sony)(26 作目) 1978.12 That’s In The Rainbow Michel Paulo (Trio) 1978 Mahal Eddie Henderson (Capital) 1978 Michel Colombier (Chrysalis) 1978 Feets Don’t Fail Me Now Herbie Hancock (Columbia)(27 作目) 1978 Sounds…And Stuff Like That!! Quincy Jones (A&M) 1978 Everyday,Everynight Flora Purim (Milestone) 1978 Joe Farrell (Warner) 1978 The Joy Of Flying Tony Willams(Columbia)

1978年は、3月にイタリアのモロ前首相が極左集団 「赤い旅団」に誘拐され、5月に遺体が発見された。9月 1978年のハービー・ハンコックの活動は、チック・ にローマ法王ヨハネ・パウロ1世が急死し、ポーランド人 コリアのデュオ・コンサートから幕を開ける。V.S.O.P. のパウロ2世が即位した。 クインテットがアコースティック・ジャズの復権に火を 1月、独フォルクスワーゲン社は、1938年から生産し つけたとしたら、ハービーとチックのデュオ・ツアーがそ ていた“ビートル”の生産を中止して、世界中の車ファン れを決定的なものにした。この歴史的コンサートは、19 を嘆かせた。また1972年、ユネスコで「世界遺産条約」 78年1月25日にワシントンDCのコンスティテュー が採択されたのを受け、1978年、7カ国12件が初登 ション・ホールからスタートする。サンフランシスコ、ロ 録された。それは、米国のイエローストーン国立公園、エ サンゼルスなどを廻り、2月15日には東京の日本武道館 クアドルのガラパゴス諸島などである。 で1万人を超える聴衆を集めてコンサートが行われた。 日本では、インベーダー・ゲームが登場し、総理府が初 ステージには、2台のフル・コンサート・ピアノが置かれた の『婦人白書』を発表したが、女性の平均賃金は男性の5 だけ。静寂に包まれた空間で、二人はお互いのオリジナル 5.8%と指摘された。また成田国際空港が、遂に開港し を弾きながら、ジャズという音楽の奥深さ、素晴らしさを た。 聞かせてくれた。演奏された曲は、ハービーの「処女航海」、 ジャズ・シーンでは、1978年は、6月にウェザー・ 「フェブラリー・モーメント」、チックの「ホームカミン リポートが3度目の来日をした。ここにベーシストのジャ グ」、「ラ・フィエスタ」、二人の共作の「ザ・フック」 コ・パストリアスが初参加していた。ジャコの登場は、聴 などである。チックは、日本武道館が満員になったことに 衆の度肝を抜いた。また9月には、ピアノのビル・エバン 物凄く驚いた。「たった二人のコンサートに1万人以上の スが来日をした。これがビルの最後の来日で、翌々198 人が集まるなんて前代未聞だ。日本は特別だ」と語った。 0年9月15日に亡くなった。また同月、NYオールスタ しかしハービーは、以前のヘッドハンターズや V.S.O.P. ーズで、デビッド・サンボーンが初来日した。 クインテットの歓迎と熱狂振りを体感していたので、大観

5 衆を集めることは何の問題もないと確信していた。米国で トリオは、7月31日にスタジオ録音で『ザ・グレイト・ 行われたコンサートは、幸い2枚のアルバムに分けて発表 トーキョー・ミーティング』を録っている。 された。 「トニー・ウイリアムス・ナイト」からは1曲が、『ジ チック・コリアは、30年後の2008年4月30日に、 ョイ・オブ・フライング/トニー・ウイリアムス』に収録 日本武道館で上原ひろみとのデュオ・コンサートを実現さ されている。 せた。上原ひろみとブルーノート東京で共演した際、チッ 以上のように、凄まじいレコーディングが「第2回ライブ・ クの頭にはハービーとの武道館公演が脳裏によぎり、武道 アンダー・ザ・スカイ」では行われていた。 館でのひろみとのデュオ公演を真剣に検討した。さすがに チックは、商売人である。 9月下旬、ハービーは1978年の3度目の来日を果た す。今度はヘッドハンターズを伴っていた。メンバーは、 1978年のハービーは、3度も来日している。2度目 ベニー・モウピン(sax),ウェブスター・ルイス は、7月27日~30日に田園コロシアムで行われた「第 (keyboard),ポール・ジャクソン(b)、アルフォンス・ 2回ライブ・アンダー・ザ・スカイ」である。前年は V.S.O.P. ムゾーン(ds),レイ・オビエド(g),ビル・サマーズ(perc) クインテットを目玉にして大成功を収めた。第2回は、ロ である。全国ツアーの合間を縫って、ハービーは3度のス ン・カーター・ナイト、トニー・ウイリアムス・ナイト、マ タジオ入り(録音)をした。まずは、10月17日&18 ッコイ・タイナー・ナイト、ギャラクシー・ナイトといずれ 日、ヘッドハンターズのメンバーと、ダイレクト・カッテ もロン・カーターとトニー・ウイリアムスをメインにフィ ィング録音で『ダイレクト・ステップ』を録った。「バタ ーチャーしたプログラムが組まれた。 フライ」、「シフトレス・シャフル」、「アイ・ソウト・ 7月29日のライブは、『1+3 / ロン・カーター』と イット・ワズ・ユー」の3曲である。 してレコーディングされた。4曲収録されており、最初の 次いで10月25日、メンバーのベーシスト、ポール・ 2曲はロン・カーター+ハンク・ジョーンズ+トニー・ウ ジャクソンのリーダー作『ブラック・オクトパス』を録音 イリアムスのトリオ(つまりグレイト・ジャズ・トリオ)。 した。さらに日が重なるが、10月25日&26日に、ソ 後半の2曲(「マフィン」、「ミスター.T.W.」)は、ロ ロ・ピアノ集『ザ・ピアノ』を録音した。ハービーは、1 ン・カーター+ハービー・ハンコック+トニー・ウイリア 974年に『デディケーション』を吹き込んでいるが、そ ムスのトリオが入っている。 のときはシンセなど電子楽器を使用した。生ピアノだけの また28日のマッコイ・タイナー+ロン・カーター+ ソロ作品としては、『ザ・ピアノ』が初めてであった。全 トニー・ウイリアムスがレコーディングされ、『パッショ 7曲収録されているが、前半3曲はスタンダード、後半4 ン・ダンス/マッコイ・タイナー』としてアルバム化され 曲はハービーのオリジナルである。最後の曲「ブルー・オ た。 ータニ」は、宿泊していたホテル・ニューオータニに敬意 「ギャラクシー・ナイト」もレコーディングされ、『ギ を示している。ハービーのソロを聴くと、彼の音楽性の深 ャラクシー・オールスターズ・ライブ・アンダー・ザ・ さと広さがよく理解できる。 スカイ’78』としてアルバム化された。2枚組みで、1枚 更に1978年のハービーは、通算28作目の作品『フ 目はレッド・ガーランドのトリオ、2曲目の「ジャスト・ ィーツ』を吹き込んでいる。これは、名作『サンライト』 イン・タイム」に渡辺貞夫が加わる。2枚目は、グレイト・ の続編である。但しダンス・ミュージックの色彩が深く、 ジャズ・トリオ+渡辺貞夫。またこのグレイト・ジャズ・ 旧来のジャズ・ファンは当惑した。 アルバム解説 by 高木信哉 『 An Evening With Herbie Hancock & Chick Corea In Concert』 DISC 1 1.Someday My Prince Will Come(フランク・チャーチル) 2.Liza(ガーシュイン) 3.Button Up(ハービーとチックの共作) DISC 2 1.Feburuary Moment(ハービー) 2.Maiden Voyage(ハービー) 3.La Fiesta(チック)

6 Herbie Hancock(p), Chick Coria(p) ハービー・ハンコックの通算23作目のリーダー作に グ。やがてまた静かな演奏に戻る。印象的なソロをハービ して、初のチック・コリアとのデュオ作品である。VSOP ーが取る。追いかけるチック。二人は追いつつ抜きつつ、 クインテットがアコースティック・ジャズ待望論に火を 今度はチックが印象的なフレーズを放つ。次いでハービー つけたが、更にハービーとチックのデュオ・ツアーはそれ がバッキングとは思えないソロを放つ。二人は、同時並行 を決定的なものにした。歴史的ツアーは、1978年1月25 でソロを取る。再びテンポアップする。チックが吠える。 日、ワシントンDCでスタートし、2 月 15 日、日本武道 ハービーが呼応する。まるで仲良しの子供同士が遊んでい 館まで続いた。日本武道館のデュオなど前代未聞である。 るよう。ふたりの巧さは半端じゃない。こんな演奏が出来 さて本作は、米国の4つのステージからベスト・テイク るのは二人の音楽的底力に違いない。二人は本当にピアノ がセレクトされている。スピーカーの左側から聴こえるピ が大好きに違いない。ほら。いとも楽々と凄いことをやっ アノがハービーで、右側から聴こえるのがチックである。 てのける。そろそろクライマックスだ。 DISC 1の1曲目は、ウォルト・ディズニー映画『白雪姫』 終わった途端、物凄い拍手が湧きあがる。聴衆の感動して の主題歌。二人は、お互いをよく聴きながら、よく調和の いる様子が伝わってくる。 とれた演奏で徐々に高みに上がっている。これだけ抑制さ DISC 2 の1曲目と 2 曲目は、ハービーのオリジナル。3 れたハービーのソロは、マイルス・クインテット以来では 曲目は、チックのオリジナル。 なかろうか?2 曲目の「ライザ」はガーシュインの曲。ラ 1 曲目は、全編でハービーの素晴らしいソロがたっぷりと グタイムのようなタッチで楽しく演奏が進む。3 曲目は、 聴ける。ソロなのに壮大な演奏である。2 曲目の「処女航 ハービーとチックの共作「バトン・アップ」。二人が作曲 海」と 3 曲目の「ラ・フィエスタ」は、ご存じ超有名曲。 したというか何も決めずに即興しているように思える。演 それぞれの魅力的なオリジナルが、いつものコンボ演奏と 奏は、静かに抽象的に進む。4 分ぐらいからテンポアップ はがらりと変わり、楽曲の違った面を見せてくれるのがと する。そんな中にも美しいピアノが随所に聴こえる更にテ ても興味深い。個性のぶつかり合いが、新たな真価を生じ ンポアップしつつ、スリリングなソロ対ソロへ。遂に激し させたと思う。 い対決である。どちらかがソロを取れば、見事なバッキン

『 An Evening With Chick Corea &Herbie Hancock In Concert』 1.Homecomig (チック) 2.Ostinato(バルトーク) 3.The Hook(チックとハービーの共作) 4.Bouquet(チック) 5.Maiden Voyage(ハービー) 6.La Fiesta(チック) Chick Coria(p)、Herbie Hancock(p)

ハービー・ハンコックの通算24作目のリーダー作に ービーがリズムを刻み、チックがメロディをつけていく。 して、チック・コリアとのデュオ作品の第2 弾である。前 自由に曲が展開していく。だからチックはモチーフを提供 作はハービーが所属するコロンビアから発売。本作はチッ しただけで、あとは即興演奏のようだ。ハービーは、かな クが所属するポリドールから発売。だから名前は、チック り打楽器的に弾いている。2 曲目の「オスティナート」は が先で、チック&ハービーとなる。二人の歴史的ツアーは、 ハンガリーの作曲家バルトーク(1881-1943)の書いた曲。 1978 年 1 月 25 日、ワシントンDCでスタートし、2 月 15 「オスティナート」は、ある種の音楽的パターンを何度も 日、日本武道館まで続いた。日本武道館のデュオなど前代 繰り返すことをさす。これは、執拗音型、執拗反復などと 未聞である。 呼ばれ、バロック期に多く用いられた。この曲は、3 分 02 さて本作は、米国の4つのステージからベスト・テイク 秒と短いことから、二人は譜面通りに弾いたのではないか がセレクトされている。スピーカーの左側から聴こえるピ と推察する。3曲目の「ザ・フック」は、チックとハービ アノがハービーで、右側から聴こえるのがチックである。 ーの共作。というかこれも二人の即興演奏のようだ。二人 1 曲目の「ホームカミング」は、チックのオリジナル。ハ の身体を通って流れ出す音の中にある熱い想い。二人の優

7 れたピアニストの感性は鋭敏に研ぎ澄まされ、鬼気迫る表 たことがない。前作に入っている同曲とももちろんまった 現力を感じさせる。しかも核心に満ちて、フレーズを繋い く違う演奏である。劇的なドラマを見ているようにスリリ でいく。そしてその音は、聴衆の心と身体に刻まれていく。 ングである。6 曲目は、チックの「ラ・フィエスタ」。二 次いでハービーはチックのピアノに対する賛辞を述べ 人はお互いのオリジナルを弾きながら、ジャズがいかに奥 る。そして4曲目は、チックのソロ・ピアノ。美しいソロ 深くバラエティに富んでいるかを聴かせてくれた。アプロ 演奏である。5曲目はハービーの「処女航海」。チックの ーチの仕方によって、曲はいくらでも斬新になり、一万人 バッキングが面白い。それに刺激されたハービーが的確に もの聴衆でも感動させられるし、黙らせたり、熱狂させた えぐり出すようにメロディを伝えていく。二人はまったく りできるのだ。「ラ・フィエスタ」は、徐々にヒートアッ こともなげに難しいプレイを繰り出していく。但し音だけ プし、感動のクライマックスを迎える。大観衆が熱狂する 聴いていると実に心地よく気持ちがいい。生き生きと展開 様子も伝わってくる。 されていく。こういう感じの「処女航海」は、一度も聴い

『DIRECT STEP』 1.Butterfly 2.Shiftless Shuffle 3.I Thought It Was You 録音:1978 年 10 月 17 日&18 日 東京:信濃町SMEスタジオ メンバー: Herbie Hancock (Vocals, Rhodes Electric , Oberheim, , Proohet, Yamaha CS-80 and Mini Moog , Sennheiser Vocoder ) Webster Lewis (Background Vocals, Hammond B3 Organ, Proohet, Yamaha CS-40, Arp String Ensemble and Multi Moog Synthsizers, Rhodes Electric Piano) (Soprano Sax, Lyricon) (Guiter) (Bass) (Drums) (Percussion)

ハービー・ハンコックの通算25作目のリーダー作。来 初演(演奏時間:11 分 17 秒)され、次いで来日録音盤『洪 日中の 1978 年 10 月 17 日&18 日に録音され、同年 12 月 2 水』(1975 年,演奏時間:12 分 44 秒)、3 度目が本作の 日に日本だけで発売された。当時、流行っていた「ダイレ 演奏(7 分 53 秒)で、4 度目が 1994 年の『ジス・イズ・ クト・カッティング」で録音された。通常LPレコードは ダ・ドラム』(1994 年,録音時間6分08秒)。ここでは、 一旦テープに録音するが、「ダイレクト・カッティング」 印象的なテーマの後、ハービーの新鮮なローズ・ソロが堪 はいきなりディスクにカッティング(音溝に刻む)する。 能できる。バックに、セカンド・キーボードのウェブスタ 演奏及びカッティングが 1 発勝負であるため、演奏者の緊 ー・ルイスがいるので、実に安心して楽しそうに弾いてい 張は並々ならぬものがある。当時リー・リトナー、 る。次いでギター・ソロになるが、ソロ中のバッキングが、 T-SQUARE、グレイト・ジャズ・トリオなどが挑んだ。本作 バンドが一体となって、演奏しているので、サウンドに深 は、絶好調のハービーのグループ(メンバー変更したばか みと広がりがあり、実に面白い。2曲目の「シフトレス・ り)の白熱の演奏が記録されている。メンバーには、セカ シャッフル」は初演。ベースから始まり、ドラムが乗る。 ンド・キーボードにウェブスター・ルイス。ルイスがバッ ギターが重なり、ルイスのハモンド・オルガンが乗る。更 クにいるので、ハービーは安心して「ダイレクト・カッテ にハービーのシンセが重なるのでたまらなく心地よい。ハ ィング」に臨めたことだろう。ひとりで多数のキーボード ービーのソロに、ルイスのオルガンがコール&レスポンス を1発録りするのは大変なことだからだ。ギターにレイ・ のように呼応する。3分45秒あたりからテンポアップし オビエド、ドラムにはアルフォンス・ムゾーン。ムゾーン ハービーが縦横無尽に疾走する。最後は、前年の『サンラ は、名バンド、ウェザー・リポートの初代ドラマー(1971 イト』に収録されていた「アイ・ソウト・イット・ワズ・ 年)だった凄腕の男だ。 ユー」。ハービーのヴォコーダーによるボーカルから始ま 1 曲目は人気曲の「バタフライ」。これは、合計4回の る。ここでは、グルーブする楽しさ(何度も繰り返しなが 録音が残されている。1974 年、『スラスト(突撃)』で ら高揚していく)。ハービーは、歌だけでなく、演奏にも

8 ヴォコーダーを巧みに使い、現在のDJによる「スクラッ イマックスに向かっていく。「ダイレクト・カッティング」 チ」のような音を出しているのに驚く。またシンセがホー のため、合計で31分ほどのアルバムだが濃密で贅沢な時 ン・セクションのようなサウンドを創出したり、繰り返す 間である。 リズムの中でいろんな音が微妙に重なり合い、徐々にクラ

『The Piano』 1.My Funny Valentine 2.On Green Dolphin Street 3.Someday My Prince Will Come 4.Harvest Time 5.Sonrisa(笑み) 6.Manhattan Island 7.Blue Otani 録音:1978 年 10 月 25 日&26 日 東京:信濃町SMEスタジオ メンバー:Herbie Hancock(acoustic piano)

ハービー・ハンコックの通算26作目のリーダー作。 ンタイン」は、マイルスと何度も何度も演奏した曲だ。1 ハービーにとって、この『ザ・ピアノ』は、特別なアルバ 964年のマイルスのライブ盤『マイ・ファニー・バレン ムである。1978年のハービーは、猛烈に忙しい年だっ タイン』で、ハービーは究極の名演を残している。前半3 た。1月~2月は、チック・コリアとのデュオ・コンサー 曲とも、予想を大きく裏切る斬新なアプローチでハービー ト・ツアー。7月は、「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」 は演奏している。この曲は、「こうきて~こうアドリブし にロン・カーター、トニー・ウイリアムスらと来日。そし て~こう終わる」というイージーな取り組みは、嫌だった て10月には、ヘッドハンターズで3度目の来日をした。 のだろう。逆にハービーのジャズメンとしての音楽性の深 10 月 17 日&18 日に、ダイレクト・カッティングによるヘ さを物語ることになった。後半4曲(LPの片面)は、す ッドハンターズによる録音を行った(もちろんツアーの合 べてハービーのオリジナルである。特に5曲目の「ソンリ 間を縫って)。そして、その1週間後、ハービーはたった サ」と6曲目の「マンハッタン・アイランド」が素晴らし ひとりで、信濃町のSMEスタジオに入った。このソロ・ い。共にメロディのとても美しい曲である。7曲目の「ブ アルバムを録音するためだ。4年前の1974年7月、ハ ルー・オータニ」は、ハービーが宿泊していたホテル・ニ ービーは、初のソロ・アルバム『デディケーション』を日 ューオータニへ敬意を込めて、書き下ろしたものである。 本で録音した。片面は完全なアコースティック・ピアノ。 本作は、1978年10月25日&26日に録音され、 もう片面は、エレクトリック・キーボードの多重録音を行 翌年日本だけで発売された。ところが25年後の2004 った。それから4年経ち、ハービーは、初めてアコーステ 年、突然米国でリリースされた。オリジナル盤の7曲以外 ィック・ピアノによるソロ・アルバムを録音した。元々ピ に、ボーナス・トラックとして、4曲が追加されていたの アノは大好きなハービーだが、自己表現をするには、たく で、驚いた。1曲目~4曲目の別テイク版が収録されたの さんの楽器を使って、音を組み立てるのが大好きだ。だか である。 らソロ・ピアノは本当に珍しい。ソロ・アルバムが残って 同じ演奏は、2度と行わないハービーなので、同じ曲を聴 いるのは、日本の功績かもしれない。 き比べるのは楽しい。但し日本では、オリジナル盤のみし さて前半3曲(LPの片面)は、マイルス・デイビスの か発売されてない。その理由は、不明である。 愛奏曲を演奏している。1曲目の「マイ・ファニー・バレ

『Feets, Don’t Fail Me Now』 1.You Bet You Love 2.Trust Me 3.Ready or Not 4.Tell Everybody 5.Honey From The Jar

9 6.Knee Deep 録音:1978 年 メンバー: Herbie Hancock (Vocals, All Keyboards ) Ray Obiedo (Guiter) Eddie Watkins (Bass) (Drums) Bill Summers (Percussion) Julia Tillman Waters, Maxine Willard Waters, Oren Waters and Luther Waters(Back Vocals) Ray Parker.Jr.(g & ds) on 3 Coke Escovedo(timbales) on 3 Sheira Escovedo (congas) on 3 James levi(ds) on2 &6 Freddie Washington (b) on 6 (g) on 6 Bennie Maupin(soprano sax) on 6 ハービー・ハンコックの通算27作目のリーダー作。 日本でも、1978年7月15日に、映画『サタデー・ナ なんと全編ディスコ・ミュージックである。生粋のジャ イト・フィーバー』が封切られると、まず新宿、渋谷、上 ズ・ファンが買ったら、吃驚仰天するだろう。 野、池袋などの繁華街に多数のディスコが開業した。やが 全6曲中、5曲で、ハービーは歌を歌っている(ヴォコー て全国の主要都市に規模は様々だがディスコが誕生した。 ダー使用)。本作をディスコ・ミュージックのアルバムと この時期を日本では、第1次ディスコ・ブームと呼ばれて して聴くと、実に洗練されている音楽で格好いい。 いる。 実はこれには時代背景があるのだ。このアルバムが吹き (ちなみに日本のディスコの始まりは、1968年に赤坂 込まれたのは、1978年のこと。発売されたのは、19 と新宿の歌舞伎町に出来た「ムゲン」である。) 79年1月1日である。当時、映画『サタデー・ナイト・ この1978年という年は、渡辺貞夫が『カリフォルニ フィーバー』の影響で、世界中が「一大ディスコ・ブーム」 ア・シャワー』をリリースし、サザンオールスターズがデ であった。映画『サタデー・ナイト・フィーバー』は、ご ビューし、ヤクルトスワローズが優勝し、成田空港が開港 存じ俳優ジョン・トラボルタ(1954年2月18日生ま する明るい時代だった。 れ、当時22歳)の出世作。ニューヨークで暮らすトニー こういう世界的な動きを見ていたハービー・ハンコッ (ジョン・トラボルタ)はペンキ屋で働く毎日にうんざり クのプロデューサー、デビッド・ルビンソンのアドバイス していた。ある日、ディスコで出会ったステファニーに影 があって、制作されたのである。前年に『サンライト』で 響されたトニーは自分の生き方を考え直すようになる。ト 初めてヴォコーダーを使用し、自分の歌を吹き込んだハー ニーがステファニーとディスコで踊るシーンに世界中の ビーは、乗りに乗って今度は全6曲中、5曲も歌っている 若者が熱狂した。米国では1977年12月14日に封切 のだ。どの曲もバックコーラスを伴ったハービーはリー られた。主にビージーズが演奏したサウンドトラック盤は ド・ボーカルを歌い、中間部はハービーの洒落たソロがフ 大ヒットし、ビルボードで1位を記録(1500万枚売れ ィーチャーされている。程よくファンキーでグルーブ感に た)。1984年にマイケル・ジャクソンの『スリラー』 満ち溢れている。この動きは、1982年の『ライト・ミ が登場するまで、これが世界で最も売れたアルバムだった ー・アップ』まで続いていく。 のだ。 以上

10 You Bet Your Love 楽曲分析~解説 by 田中 裕士(Pianist)

■収録アルバム:Herbie Hancock / Feets Don’t Fail Me Now 〔Recorded: 1978〕 Musicians: Herbie Hancock(Keyboards, Vocal), Wah Wah Watson(Guitar) Ray ParkerJr.(Guitar), Eddie Watkins(Bass),Freddie Washington(bass),James Gadson(Drums),James Levi(Dr ums),Bennie Maupin(Sax),Bill Summers(Percussion) etc. 【“Feets Don’t Fail Me Now” - アルバム(作品)考察】

名作“Sunlight”の次なる作品として発表されたアル ハンコックのピアノ・インプロヴィゼイションを存分に 楽しみたいと感じている(であろう)多くのコアなジャ バムが本作であるが、前作に比べ、より一層ダンス・ミュ ズ・ファンにはいささか退屈(?)な楽曲構成〜アレンジメ ージックとしてのアピールが強くなったと感じたのは、異 ント(編曲)かもしれない。しかし“Dance Music”とし 口同音にして多くのファンが同じではなかろうか。もし本 ての使命を果たす為には、そういう(複雑過ぎないシンプ 作がハービー・ハンコックの作品でなかったならと仮定 ルな反復に基づく)アレンジ手法が適切であったのであろ し た ら 、、、ジ ャズカテゴリーに分類されるべき音楽では うと察する。 ないかもしれない。--賛否両論があって然るべきであるが、 加えて、このアルバムの特質として、“1973 年に幕開 けしたハンコックの Black Funkへの憧憬”が Fusion を経 「このアルバムにジャズテイストを感じるか?」-- -と質 由し5年を経て、このアルバムの発表とともに Dance Pop 疑されれば、Jazz Pianistである私自身の意見は・・・お へと推移し始める転機となったということがあげられる。 およそ「ノー」である。 このアルバム作品は、そういう意味では Dance Music〜Pop しかし、ハンコックを敬愛するがゆえに、「偉大なる彼 Music への橋渡しとしての意義を果たしてはいるのであ の音楽史の軌跡として、意味ある作品であったのだと信じ るが、、、“Black Contemporary Musicと Dance Music が たい」・・といったのが私の本心でもある。 Jazz という名のパレット上で織り混ざり合う”・・・そ 前作“Sunlight”の制作において、ハンコックはよほど のようなハンコックが思い描いていた(であろう)「ハイ (※注1)ヴォコーダー(Sennheiser Vocoder VSM201) ブリッドかつキャッチーな Pop Music」の熟成完成はこの に魅了されたのか(?)このアルバムでもこの楽曲をはじめ 先、1982 年作品“”の発表まで待たなければ ほとんどの楽曲で多用している。ボーカルパートの反復フ ならないのである。 レーズがループ状態で何度もリフレインされるが、 【楽曲の構造と特徴について】

今回取り上げるこの曲は、本アルバムからの1曲目オープニングトラックである。 楽曲は比較的シンプルに作曲されており、全体の構造概要は下記のとうりである。

【Intro】 ┃FM7 on A ┃G on A ┃B♭m on A ┃FM7 on A ┃ (Loop Repeat) 【A】 ┃D♭M7 ┃A♭M7 ┃Dm7 ┃Am7 ┃ ┃D♭M7 ┃A♭M7 ┃Dm7 ┃Am7 ┃ 【B】 ┃E♭7 sus4 ┃E♭7 sus4 ┃Gm7(♭5) C7 ┃Fm7 ┃ ┃E♭7 sus4 ┃E♭7 sus4 ┃Gm7(♭5) C7 ┃Fm7 ┃ (16 bars - 2 times Repeat) 11 【Interlude】 ┃FM7 ┃G on F ┃B♭m7 on F ┃FM7 ┃ (2 times Repeat) 【C】 ┃B♭M7 ┃A7(♭9) ┃Dm7 ┃Cm7 F7 ┃ (8 times Repeat) 【D】(Herbie’s Improvisation) ┃ C7 ┃ C7 ┃ E♭7sus4 ┃ F7sus4 ┃ (Loop Repeat)

2 部構成から成り立つ主題部【A】【B】は2回反復され るハンコックのボーカルがインプロヴィゼイション的に 【Interlude】を経て、【C】の展開部、【D】インプロヴ 展開され、フェイドアウトにより楽曲の幕を閉じる。 ィゼイション部へと発展してゆく。【D】では、(※注 シンセサイザーによるブラスセクションがバックグラウ 2)Fender による洒脱なハンコックのソロ ンドで奏でられているが、こういったアレンジ手法は近年 がフューチュアされている。 では、Soul, Rock, Pops といった各種音楽ジャンルでも 押し付けがましくなく、ティスティーで、程よくファンキ 頻繁に用いられるアレンジ技法となったが、こういう手法 ーで・・・彼の美的センスが心憎い限りである。その後、 を最初に発案してやり始めたのは、1970 年代半ばのハン 【Intro】に戻り、終結部は再び 【C】部がエンドレスの コックが誰よりも先駆者だったいうことを付け加えてお 如くループ的にリピートされ、(※注1)ヴォコーダーによ きたい。 【1979〜1982 年の Dance Pop 作品とその意義】

ハンコックは世の中のディスコ・ブームに逆らうことも ヴメントに対して敏感かつ的確に反応し、民衆聴衆に媚び なく、1979〜1982 年の 4 年間で以下の Dance Pop アルバ ることもなく、気高く、品格とユーモアに溢れ、完成度の ム4作を1年に1枚のハイペースで制作発表した。ジャズ 高い作品の数々を創造し続けてきた演奏家@ジャズピア の歴史上、過去においてこれほどまでに世の中の音楽ムー ニスト(作曲家)を、私は他に誰も知らない。

(a)“Feets Don’t Fail Me Now”(1979年)〔★本作〕 (b) “Monster” (1980年) ※ “Mr.Hands” (1980年) (c) “” (1981年) (d) “Lite Me Up” (1982年) ※“Mr.Hands”という作品については、(1974 頃からアルバムには収めらることもなくお蔵入りしていた)ハンコ ックが未発表音源ばかりを集めて、自らがシンセサイザーをオーヴァーダビングしてリアレンジを施し 1980 年に 発表したアルバムで、他4枚の「Dance Pop4部作@(a)〜(d)」とはコンセプトがいささか異なるアルバムである。

プリミティヴなジャズ・ファンの多くは、こういったジ ハンコック自身が某音楽雑誌のインタヴューで話して ャズの持つ多様性、またハンコックに代表されるアグレッ くれた時、『私が今、主眼としているのは、ポップオーデ シヴな演奏家達を嫌悪視する傾向性があるのは誠に残念 ィエンス向けのダンスミュージッックであって、ジャズオ なことである。芸術・音楽・そして(インターナショナル ーディエンス向けのシリアスな音楽ではない。何故ならば、 アートフォームを持つ)ジャズ音楽の表現形態、グローバ 私はジャズミュージシャンである以前に“音楽家”だから ル性が人種の差異や、国境の隔たりを超えて、国際的音楽 だ』— と答えていたことがあった。私は自分自身ピアニス 交流を成し遂げ、世界平和という(音楽そのものが目指す) トとして、彼の理念、使命感、そして想い描いていたこと 大きな命題に対して多大なる貢献をしてきたという実証 に深く同感し、賛嘆の意を抱き続けている。 を、私達はハービー・ハンコックの数多いアルバム作品か ハンコックがインタヴュアーに対して回答した想いは、 ら垣間見ることができる。この音楽的実証と彼の偉大なる 実に気取りのない純朴かつ実直で誠実な提言であったと 功績を、私達は決して忘れてはならない。 私は信じている。次号では、先述の“Mr.Hands”(1980 年)

12 なるアルバムに収録されている楽曲にフォーカスを当て て執筆してみたいと思っている。

(※注1)Vocoder ・・・ヴォコーダー。電子楽器@シンセサイザーの一種。 ヴォイス(voice)とエンコーダー(encoder)を合せた造語。音声圧縮技術の一種で、人声をシンセサイザーで解析し、機 械的に合成し直して音を鳴らす特殊技術のこと。元々は軍事システムなどで非常に低いビットレートを用いる場合に採用 されたいたのがルーツで、1976 年頃に電子楽器技術として応用されリリースされた。ハービー・ハンコックなどがいち 早く自身の音楽表現機材として使用し注目された。

(※注2)Fender Rhodes Piano・・・1 960 年代後半から 1980 年代にかけ、ロック、ジャズ、ソウル、フュージョン等 の数々のトップアーティストに愛用され、多くの名演や名盤にその名を刻み続けてきた米国製エレクトリックピアノの名 器。1990 年以降は製造中止となっていたが、2009 年に改良復刻されている。

“「東京 JAZZ」講座 優しいジャズ入門”

本誌「ハービー・ハンコック研究」連載でなじみ深い高木信哉氏はジャズ評論家・文筆家として幅広く活躍されているが、3 年前か ら「東京 JAZZ」講座を東京青山にある NHK 文化センターで開催されていて、これからジャズを楽しもうという方々へ懇切丁寧な入 門講座を展開されている。今回、機会があったのでその様子をレポートさせていただいた。 この“「東京 JAZZ」講座 優しいジャズ入門”は東京青山にある NHK 文化センター青山教室で、月1回半年で6回を1クールとし て開催されています。毎回テーマを設けて約2時間にわたって高木氏がレクチ

ャーを行なう講座です。

この日は第29回“ウィントン・マルサリスの肖像”と銘打たれて、トラムペッター のウィントン・マルサリスを紹介しながらモダンジャズの大きな流れを紹介されて

いました。 ウィントンひとりに焦点を当てる前にルイ・アームストロング(tp,vo)から始まり、 クリフォード・ブラウン(tp)、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ等を中 心に紹介することによってモダンジャズの大きな流れとトラムペットという楽器が ジャズ界に占める要素を紹介して、ウィントン・マルサリスの立ち位置を明確に

されていく手法でした。

演奏を紹介するだけでなく、DVD の画像もふんだんに使ってよりリアルに伝 わるように工夫されていました。またこの日はいませんでしたが、多彩なプロ演

奏家をゲストとして迎えて実際の演奏を行なう企画なども行なわれているようです。川上さとみ(p)やアキコ・グレース(p)などの魅力 的なゲストです。

この日も老若男女を問わない30名ほどの生徒さんが約2時間にわたって熱 心に受講されていました。この講座だけでなく、ライブを聴きにいくとか飲み会 を行なうなどの課外活動もされていて、会員相互の親睦も深めているようです。 単に今はやりのカルチャー・スクールというよりは高木氏の人間性が溢れた暖

かい雰囲気でした。

今後も4月から、『世界を魅了した穐吉敏子』『上原ひろみ VS チック・コリア』 『ジャズ・ボーカルの魅力』などなど、気をそそられる特集が組まれています。 問合せ&申し込み:NHK 文化センター 青山教室 TEL 03-3475-1151

13 気まぐれジャズマン 第 31 回 水戸守敬一郎 〈橋本陽子さんと僕のジャズの巻〉

地元の作家たちと週一回、着衣の人体デッサンを続けて た。 いるのですが、BGM に僕がジャズの CD を持っていって 陽子さんを一目見て、あふれる豊かな才能を感じたから 二枚、ボーカル、ピアノ中心にかけるようになってきまし かもしれません。 た。 陽子さんに諧謔的な態度で僕の個展の案内状を手渡し モデルさんにリラックスしてもらって、かつデッサンをして ました。 いる人にも仕事に集中してもらうための選曲は、考えすぎ 十五年前のことです。 かもしれませんがたいへん悩みます。 陽子さんはまだ女子高生でした。 モデルは橋本陽子さんといいます。 それから陽子さんは音大でピアノを勉強され、レストラン シンガーソングライターで、ピアノの弾き語りというスタイル やホテルなどでピアノを弾いて、活動を広げて自分の音 で音楽活動をされています。基本的には陽子さんに聴い 楽を作り上げてきたようです。 ておいてもらいたいボーカル、ピアノを BGM でかけてい 地元の FM 局などでも紹介されたそうです。お父様の絵と、 るのですが、陽子さんの音楽に何らかの形でプラスにな 陽子さんの音楽とのコラボレーションの展示会なども行な ってほしいと願っています。 っています。 また僕がこつこつ集めてきたジャズが役に立っているのか 陽子さんはどうやって売り込んだり、営業活動を行なった なと思うと、デッサンが終わったあと、よかったなと思えま のだろう。なにかすごくクレバーな感じを受けたりします。 す。 陽子さんの音楽は、ゆっくり静かに広まっているようです。 陽子さんがデッサンの終わりに僕の CD の感想を的確に 陽子さんの誠実なピアノは、力強さを増し、僕のような人 短い言葉で言ってくれるのですが、いつも感心します。 間には眩しいものがあります。そして美しいだけでなく、ど 陽子さんの音楽活動を応援したく思い、二枚リリースして こか呪術的な歌声は聴く者の年齢、男女を越えて魅了し いるアルバムを買入したり、コンサートで音楽を聴かせて てゆくようです。 もらっています。 今、本当に豊かさのある芸術が求められている時代だと 友人のパソコンで陽子さんのホームページを見たら、最 思います。 新のライブ動画が見られて、どんどん成長して、うまくなっ 陽子さんのこれからの活躍を注目しています。 ているのがわかりました。 橋本陽子さんのホームページ 陽子さんのお父様は日本画家の橋本 栄さんです。夏に、 http://yoko.sunnyday.jp 橋本さんのお宅でバーベキューパーティーをやったとき 彼女のアルバムから何曲か聴け、ライブの動画も見られ に初めて陽子さんに御目に掛りました。 ます。 僕がお宅をたずねたときに扉をあけて、むかえてくれたの お父様の橋本 栄さんのホームページ が陽子さんでした。 http://www.geocities.jp/z-hsmt/ そのとき陽子さんに瞬間的に嫉妬した感じをおぼえまし 僕はお父様の絵を一点持っています。

14 RECORD CONCERT(例会)REPORT

[2009年11月13日『喫茶 茶会記』] 特集:「VERVE レーベル」 アルバムタイトル リーダー レコード 演奏曲 録音 番号 1 The Indivisualism V6 8555 Las Vegas Tango 1964.4.6 Of Gil Evans 2 Organ Grinder Jimmy Smith 20MJ 0046 Green Sleeves 1965 年 Swing Satin Doll 3 Ella and Louis MGV 4017 Autumn in New York 1957.8.23 Again &Louis Armstrong 4 Where Do We Go The Don Randi V6 8469 Autumn Leaves January 31, From Here Trio That's All February 1, 1962 5 Stuff Smith-Dizzy Dizzy Gillespie Verve 314 Rio Pakistan 1957.4.17 Gillespie-Oscar 521 676-2 Peterson 6 The Consummate Ben Webster MGN 1001 Danny Boy 1953.12.8 Artistry Of Ben (Londonderry Air) Webster Cottontail 7 Motion V6 8399 I Remember You 1961.8.29 8 For Musician Only Dizzy Gillespie 837435 Dark Eyes 1956.10.16 9 It's All Right Wynton Kelley V6 8588 It's All Right 1965.2.5 10 Jazz Giant Bud Powell Norgran Tempus Fugue-It 1949.2.23 MGN1063 (Tempus Fugit) Verve Celia MGV 8153 11 Sonny Stitt Sits In Sonny Stit MGV 8344 Au Privave 1959.5.18 With The Oscar Peterson Trio 12 Four Joe HendersonCD: 314 Autumn Leaves 1968.4.21 523 657 13 The Sound Of Music Paul Smith MGVS My Favorite Things 1960.1.8 6128 14 Lovesick Jackie Cain,Roy 23MJ-3062 Mountain Greenery 1966.12.20 Kral (Jackie And Roy) 15 The Consert Jazz Gerry Mulligan MGV-8388 My Funny Valentine 1960.7.25,27 Band 16 Empathy/A Simple 837757 Danny Boy 1962.8.14 Matter Of Let's Go Back To The Conviction Waltz 17 In A Mellow Buddy De Franco MGV 8169 I'll Remember April 1954.8.10 18 The Best of Art Art Tatum Clef 89170 A Foggy Day 1956.2.6 Tatum Buddy DeFranco Willow Weep for Me

四ッ谷 3 丁目にある喫茶「茶会記」に例会の場を移して半年経ちました。ようやく慣れてきたというか、しっくりしてきた ように感じますし、またこれまでにない方々も参加されるようになり、楽しくなりました。

15 [2009年11月28日「ジャズ・カントリー」] 特集:「私の愛するトランペッターたち」 担当:JOANIE-S.T. ① Booker Little (1938.4.2 -1961.10.5) 本日のスタートは何と云ってもタイムのブッカー・リト ル「Opening Statement」から。 大学時代に購入したテイチク国内盤は、それこそ 擦り切れるほど何度も何度も繰り返し聴いていまし た。その昔、日本で出た国内初発盤の帯には、同 じ年に夭折したスコット・ラファロとの因縁の共演を 偲んで、「二つの流星」との秀逸な邦題タイトルが 付いていたそうです。(是非この帯付ペラジャケ LP を手に入れたい! と長年思っています) 1.Booker Little (Time 52011 ) Opening statement Apr. 13.1960.NYC 6’42” A-1 Booker Little(tp) Tommy Flanagan(p) Scott Lafaro (b) (ds) 2.Booker Little and Friend (Bethlehem BCP6061 ) If I should lose you Summer.1961.NYC 5’06” B-1 Booker Little(tp) Don Freedman(p) (b) Pete LaRoca(ds) ② (1930.3.13 – 1979.5.21) オマケに貰ったビクター・サンプラーCDの冒頭に入っていた「I’ll close my eyes」が耳にこびり付き、それ からブルー・ミッチェルの優しい音色に魅せられてしまいました。 ウイントン・ケリーとの相性が抜群なリバーサイドの諸作をまとめてお聴き下さい。 3.Big 6 (Riverside 12-273) There will never be another you Jul. 23.1958. NYC 5’00” A-3 Blue Mitchell(tp) (p) Wilbur Ware(b) (ds) Out of the Blue (Riverside 12-293) 4.Sweet-cakes Jan. 5.1959. NYC 6’14” B-1 Blue Mitchell(tp) (ts) Wynton Kelly(p) (b) Art Blakey(ds) (Riverside 12-309) 5.Polka dots and moonbeams Sep.28.1959. NYC 5’44” B-3 Blue Mitchell(tp) (ts) (tb) Wynton Kelly(p) Sam Jones(b) Philly Joe Jones (ds)

Blue’s Moods (Riverside RLP 336) 6.I’ll close my eyes Aug. 25.1960. NYC 5’55” A-1 Blue Mitchell(tp) Wynton Kelly(p) Sam Jones(b) (ds)

③Dave Burns (1924.3.5 – 2009.4.5) 本年惜しくも鬼籍入りしたデイブ・バーンズ、地味な人ですが 枯れた音色が何とも云えません。結構有名盤の中にひっそりサイ ドメンとして参加しています。 リーダー作のヴァンガード盤は、隠れたる名盤だと思います。

16 7. A.T.’s Delight (Blue Note BLP 4047) Move Aug.6. 1960. NYC 5’50” A-3 Dave Burns (tp) (ts) Wynton Kelly(p) (b) (ds) ‘Potato’ Valdez(conga)

8. Studio Jazz Party (Riverside RLP 338) You’ve changed Sep.27. 1960. NYC 7’37” B-2 Dave Burns (tp) Johnny Griffin(ts) Norman Simmons(p) Vic Spoles(b) (ds)

9. Bill English (Vangurd VRS9127) Fly me to the moon 1963. 4’24” A-2 Dave Burns (tp) Seldon Powell(ts) Lloyd G.Mayers(p) Martin Revere(b) Bill English(ds)

10. Warming Up (Vangurd VRS9143) Now ain’t it 1964. 11’11” A-2 Dave Burns (tp) Billy Mitchell(ts) (tb) Harold Mabern(p) (vib) Herman Wright(b) Otis “Candy” Finch(ds) ④ Joe Wilder (1922.2.22- ) 明るく晴れ渡った蒼空のように朗々とした音色が特徴のジョー・ワイルダー。クラシック奏法の影響もある ようです。近年入手した CBS 盤は愛すべき小品集で、頻繁にターンテーブルに載ります。 11. Wilder ’n’ Wilder (Savoy MG12063) Prelude to a kiss Jan. 19.1956. NYC 5’07” A-2 Joe Wilder(tp) Hank Jones(p) (b) Kenny Clarke(ds)

12. The Pretty Sound (CBS CL1372) Greensleeves Dec.3. 1958. 3’35” B-3 The boy next door Dec.1. 1958. 3 ’22” B-4 Lullaby Dec.3. 1958. 3’04” B-5 Joe Wilder(tp) Hank Jones(p) Jerome Richardson(ts&fl) Geroge Duvivier(b) Osie Johnson(ds) B-3/5 Don Lamond(ds) B-4 Urbie Green(tb) Al Cassamenti(g) Jerry Sanfino(ts&fl&cl)B-3/5 ⑤ Johnny Coles (1922.7.3 – 1997.12.21) 70 年代、まだまだレコードが高額だった頃、CBS ソニーから出た 1100 円廉価盤LPシリーズには皆さんお 世話になったこと思います。エピックの美味しい銘盤の数々も手軽にかつ素晴らしい録音で入手出来ました。 そのシリーズの一枚、ジョニー・コールズのウオームサウンズに出会い、彼に愛着を感じた方は私を含め多 いことでしょう。 ミンガスグループの一員として、小柄なコールズの映像も多く残されています。

13. The Worm Sound (Epic LA 16015) Where Apr. 10.1961. NYC 7’50” A-2 Johnny Coles(tp) Kenny Drew(p) (b) Charlie Pership (ds)

14. Little Johnny C (Blue Note BLP 4144) So sweet my little girl Aug. 9.1963. NJ 6’35” B-3 Johnny Coles(tp) (as/fl) (ts)

17 Duke Pearson(p) Bob Crenshaw(b) Pete LaRoca(ds)

⑥ Howard McGhee (1918.3.6 – 1987.7.17) 40年代ビ・バップ創成期から活躍していたハワード・マギーですが、例によって薬禍による長いブラン クを経験、後に復活しました。私はこの力が抜けて枯れた後期マギーのラッパを好んで聴いています。スタ ートの一枚は通称「タモリジャケ?のマギー」から。

15. Dusty Blue (Bethlehem BCP6055) Dusty blue Jun.13.1960. NYC 3’00” A-1 Howard McGhee(tp) (bs) Roland Alexander(ts) Benny Green(tb) Tommy Flanagan(p) (b) Walter Bolden (ds)

16. McGhee’s Back in Town (Contemporary M3596) McGhee’s back in town Jun.26. 1961. LA 10’36” B-1 Howard McGhee(tp) Phineas Newborn Jr.(p) (b) Shelly Manne(ds)

17. Nobody Knows You When You’re Down and Out (United Artist UAJ14028) Canadian sunset 1962. NYC 4’31” A-5 Howard McGhee(tp) Jimmy Jones(p) Ron Carter(b) Art Taylor (ds) ⑦ Paolo Fresu (1961.2.10 - )

何処のジャズ喫茶で最初耳にしたかは思い出せませんが、アルド・ロマーニのリーダー作品、日本企画のカ ンツオーネ名曲集は、パオロ・フレズの素晴らしいミュートの音色が魅力的で、私が密かに愛するCDアル バムです。フレズのリーダー作もその後何枚かは発表の都度チェックしていますが、私の中では中々この二 枚を超えられません。 日本クラウンCDは長らく廃盤になっていますが、最近 HMV のサイトを検索していて、ドイツ enja からジ ャケット写真を変えて発売されているのを発見しましたよ。

18. Canzoni (Nippon Crown CRCJ-9112) CD Sapore di sale Mar. 27.1992. Tokyo 6’52” track-4 Aldo Romano(ds) Paolo Fresu(tp) Franco D’Andrea(p) Furio Di Castri(b)

19. Non Dimenticar (MLP 518 264-2) CD Caruso Feb.7.1993. France 4’27” track-1 Aldo Romano(ds) Paolo Fresu(tp) Franco D’Andrea(p) Furio Di Castri(b) ⑧ Dusko Goykovich (1931.10.14 - ) 本日の最後は私が大好きなダスコ・ゴイコビッチをタップリ聴いてください。何も解説をする必要のない美 味しいトラックを凝縮して選びました。特に彼自身が作曲した作品(*Gを標記)のメロディーは艶歌に通 じる哀愁を感じます。 20. Belgrade Blues (RTB LPV4201) Be my love May. 19. 1966. Beograd 7’50” A-4 Dusko Goykovich(tp)/ Eddie Busnello(as) /Nathan Davis(ts)/Mal Waldron(p)/Peter Trunk(b)/Cees See (ds) 21. Swinging Macedonia (EMI SCX6260) Macedonia(*G) Aug. 30. 1966. Cologne 7’51” A-1 Dusko Goykovich(tp)/Sal Nistico(ts)/Carl Fontana(tb)/Nat Pierce(p)/Mike Moore(b)/Ronnie Zito (ds) 22. Ten to Two Blues (ensayo ENY-45)

18 Old fisherman’s daughter(*G) Nov.9.1971. Barcelona 8’30” A-3 Dusko Goykovich(tp) /Tete Montoliu(p) /Robert Langereis(b)/ Joe Nay (ds)

23. It’s About Blues Time (ensayo ENY-48) Old forks Nov.8.1971. Barcelona 5’45” A-2 Dusko Goykovich(tp)/Tete Montoliu(p)/Ferdinand Powell(ts)/Robert Langereis(b)/Joe Nay (ds)

24. Slavic Mood (Vista TPL1-1115 ) No love without tears (*G) Oct. 24.25.1974.Rome 6’50”A-3 Dusko Goykovich(tp)/Ben Thompson(ts/ss)/Vince Benedetti(p)/Joe Nay(b)/Andy Scherrer (ds)

25. Celebration (Hot House HH1003) Inga (*G) Aug. 18.1987. London 6’33” A-2 Dusko Goykovich(tp)/Kenny Drew(p)/Jimmy Woode(b) < Prologue / Interval> Shiny Stockings (enja ENJ-9317 2) CD Good old days (*G) Oct. 1996. Munich 3”20 track-2 Jenny Evans (vo)/Dusko Goykovich(tp)/Gianni Basso(ts)/David Gazarov (p)/Branko Pejakovic(b)/Rudi Martini(ds)

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ジャケット写真はネットからの画像を取り込 んでいるため,本日持参のレコード盤とは細部 で微妙に異なります。

アナログにこだわる、銀座の老舗 「JAZZ COUNTRY」 東京都中央区銀座6-2-6 TEL.03-3572-7684 営業時間:コーヒータイム PM0:00~5:00(土曜日のみPM2:00~) バータイム PM7:00~11:00 休み:日曜祝日(バータイムは土曜日も) 交通:営団銀座線、丸の内線、日比谷線「銀座」駅、JR「有楽町」駅他 メニュー:コーヒータイム 珈琲・紅茶 500 円、ビール 700 円 バータイム ボトル 8000 円(チャージ 3000 円)

20 [2009 年 12 月 11 日『喫茶 茶会記』] 特集:RIVERSIDEレーベル 1 .In New York/Chet Baker ・Fair Weather ・Polka Dots And Moonbeams 2 .Bags Meets Wes/Milt Jackson ・“S.K.J” ・Stablemates 3 .Kenny Drew Trio ・Caravan ・Come Rain Or Come Shine 4 .Wynton Kelley Piano ・Strong Man 5 .Cannonball Takes Charge/ ・If This Isn't Love ・Poor Butterfly 6 .The Incredible Jazz Guitar/Wes Montgomery ・West Coast Blues ・In Your Own Sweet Way 7 .This Here Is/ ・Dat Dere ・Moanin' 8 .A Woman In Love/Barbara Lea ・Come Rain Or Come Shine ・As long As live 9 .Monk's Music/Thelonious Monk ・Abide With Me ・Well, You Needn't 10.New Jazz Conception/Bill Evans ・Speak Low ・Waltz For Debby 11.Serenade To A Bus Seat/Clark Terry ・Serenade To A Bus Seat ・Stardust 12.Thelonious Monk ・Honeysuckle Rose ・Tea For Two 13.Full House/ Wes Montgomery ・Full House ・I've Grown Accustomed To Her Face 14.Do Nothing 'Til You Hear From Me/Johnny Griffin ・ Do Nothing 'Til You Hear From Me ・The Midnight Sun Will Never Set ・That's All

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21 [2009年12月26日「ジャズ・カントリー」] 「今年の物故ジャズメンを偲んで&忘年会」 1 .The Bud Shank Quartet/Bud Shank(Pacific PJ-1215) 2 .I'll Take Romance/Bud Shank(Pacific PJ-1251) 3 .I'll Through The Night/Jullie London(Bud Shank 入り) 4.Ezz-thetics/George Russell(Riverside) 5 .Jazz In The Space Age/ George Russell 6 .Modern Jazz Concert/ George Russell 7 . George Russell Sextet(At Beethoven Hall) 8 .New York, N.Y./ George Russell 9 .Once Upon A Summertime/Brossom Dearie 10.Groove Yard/Buddy Montgomery 11.Exiting 6/Giane Basso 12.Ideas/ Giane Basso 13.Live At Birdland Neuburg/Dusko Goykovic & Giane Basso 14.Dave Burns(Vangard) 15.David Newman 16.EmCee Five 2/Ian Carr(Birdland) 17.Satin Doll/五十嵐明要(Bass 横山涼一) 18.Special Menu/金子晴美 19.My Funny Valentine/Eddie Higgins 20.Siatre Concert/Roy Rendoll 21.多摩 JAZZ WORKSHOP ・Round About Midnight ・I Remember Cliford 22.When You Meet Her/Toshiko Mariano Qurtet 23.Live On Track/Don Rendell & Ian Carr 24.Chris In Person/Sonny Chris ・Strike Up The Band 25.This Is Chris/Sonny Chris ・It's All Right With Me ・Blame It On My Youth

22 2010年1月8日「茶会記」] レーベル特集:PRESTIGE 1.New Trombone/Curtis Fuller ・Namely You 2.It's About Time/Jimmy Hamilton ・Two For One 3.Ray Bryant/Ray Bryant ・Golden Earrings 4.Coltrane/ ・Violets For Your Furs 5.When Farmer Met Gryce/Art Farmer ・Capri ・Blue Lights 6.Far Cry/ ・Left Alone 7.Mal 2/Mal Waldron ・ Yesterdays 8.Makin' The Changes/Jackie Mclean ・I Hear A Rhapsody ・Jackie's Ghost 9.Bennie Green With Art Farmer/Benny Green ・My Blue Heaven ・Skycoach 10.Halleloo-Y'-All/Red Garland ・Everytime I Feel The Spirit 11.Stitt,Powell & J.J. ・All God's Chillun Got Rhythm ・Sonny Side 12.Subconscious Lee/Lee Konitz ・Subconscious Lee ・Proglession 13.Encounter/Pepper Adams ・Elusive 14.Hawk At Ease/ ・For You For Me For Ever Muse 15.Down Home /Mose Allison ・Mule 16.Lea In Love/Barbara Lea ・Will I Find My Love 17.Zoot Simz Quartet/Zoot Simz ・Dancingin The Dark ・Memories Of You 18.Groovin' High/Booker Ervin ・The Second #2 19.Mulligan Plays Mulligan/Gerry Mulligan ・Mulligan's Too 20.We Three/Roy Haynes ・After Hours 21.Night Train/Rusty Bryant ・With These hands 22.Roamin'/Jerome Richardson ・Poinciana 23.Mobleys Message/ ・Minor Disturbance

23 [2010年1月23日「ジャズ・カントリー」] 1 日ジャズ喫茶マスター「私のマイルス」 H.I. 1. Early Miles レーベル/番号: Prestige PR 7674 録音: Apex Studios, NYC, January 17, 1951

演奏曲: A-1 Tasty Pudding

メンバー:(tp),Sonny Truitt(tb),John Lewis(p),Percy Heath(b),Roy Haynes(ds) ,(ts)

2. Miles Davis/Volume2 レーベル/番号: Blue Note BLP 1502録音: WOR Studios, NYC, Mar 6, 1954

演奏曲: B-1 Well You Needn't

メンバー: Miles Davis(tp),(p),Percy Heath(b),Art Blakey (ds)

3.Walkin’ レーベル/番号: Prestige PRLP 7076録音: WOR Studios, NYC, Apr 29, 1954

演奏曲: A-1 Walkin'

メンバー: Miles Davis(tp), J.J. Johnson(tb), Lucky Thompson(ts) , Horace Silver(p) Percy Heath(b), Kenny Clarke(ds)

4. Blue Haze レーベル/番号: Prestige PRLP 7054録音: Beltone Studios, NYC, March 15, 1954

演奏曲: B-1 Blue Haze

メンバー: Miles Davis(tp),Horace Silver(p),Percy Heath(b),Art Blakey (ds)

5.Bag’s Groove レーベル/番号: Prestige PRLP 7109録音: Rudy , Hackensack, NJ, December 24, 1954

演奏曲: A-1 Bags' Groove (take 1)

メンバー: Miles Davis(tp),Milt Jackson(vib),Thelonious Monk(p) Percy Heath(b),Kenny Clarke (ds)

6. The Musings Of Miles レーベル/番号: Prestige PRLP 7007録音: Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, June 7, 1955

演奏曲: B-1 A Gal In Calico

メンバー: Miles Davis (tp),Red Garland (p),Oscar Pettiford (b),Philly Joe Jones (ds)

7. Cookin' レーベル/番号: Prestige PRLP 7094録音: Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, October 26, 1956

24 演奏曲: B-1 Airegin

メンバー: Miles Davis (tp) John Coltrane(ts -1/4),Red Garland(p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (d) 8.Round About Midnight レーベル/番号: Columbia CL 949 録音: Columbia 30th Street Studios, NYC, September 10, 1956

演奏曲: A-1 Round Midnight

メンバー: Miles Davis (tp), John Coltrane (ts),Red Garland (p) Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)

9.Ascenseur Pour L’echafand(死刑台のエレベーター) レーベル/番号: (Fontana (F) 662 213 TR) 録音: Le Poste Parisien Studios, Paris, France, December 4 & 5, 1957

演奏曲: A-1 Générique

メンバー:Miles Davis(tp),Barney Wilen(ts) Rene Urtreger(p),Pierre Michelot(b),Kenny Clarke(ds)

10.Milestones レーベル/番号: (Fontana (F) 662 213 TR) 録音: February 4 and March 4, 1958 at Columbia 30th Street Studio, New York

演奏曲: B-1 Milestones

メンバー:Miles Davis(tp),Cannonball Adderley(as),John Coltrane(ts) Red Garland(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)

11. レーベル/番号: Columbia CL 1355録音: Columbia 30th Street Studios, NYC March 2, 1959

演奏曲: A-1 So What

メンバー: Miles Davis(tp),Cannonball Adderley(as),John Coltrane(ts), Bill Evans (p) Paul Chambers,(b), (ds)

12. Someday My Prince Will Come レーベル/番号: Columbia CL 1656録音: Columbia 30th Street Studios NYC March 7, 1961

演奏曲: B-1 Drang-Dog

メンバー: Miles Davis(tp),Hank Mobley(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Jimmy Cobb (ds)

休憩

13. In Person Friday and Saturday Nights at the Blackhawk, Complete レーベル/番号: Columbia CL 1656録音: "The Blackhawk", San Francisco, CA, 1st set, April 21, 1961

演奏曲: 4- OLEO

メンバー: Miles Davis(tp),Hank Mobley(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Jimmy Cobb (d) 14.Miles Davis Quiet Night

25 レーベル/番号: Columbia CL 2106録音: NYC, August 13, 1962

演奏曲: B-1 Wait Till You See Her

メンバー: Johnny Coles, Miles Davis, Bernie Glow, Louis Mucci, Ernie Royal (tp),Dick Hixson Jimmy Knepper,Frank Rehak(tb),Paul Ingraham,Robert Swisshelm,,Julius Watkins(frh),Bill Barber(tu),Danny Bank,Eddie Caine,Romeo Penque,Jerome Richardson,Bob Tricarico(woodwinds),Janet Putman(harp) Bobby Rosengarden(per),Gil Evans(arr, cond)

15.Four And More レーベル/番号: Columbia CL 2453録音: "Philharmonic Hall", Lincoln Center, NYC, set two, February 12, 1964

演奏曲: B-1 Four B-2

メンバー: Miles Davis(tp),(ts),Herbie Hancock(p) Ron Carter(b),Tony Wiliams(ds)

16. Seven Steps To Heaven レーベル/番号: Columbia CL 2051録音: Columbia 30th Street Studios, NYC, May 14, 1963

演奏曲: B-1 So Near So Far

メンバー: Miles Davis(tp),George Coleman(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter(b) (d)

17.E.S.P. レーベル/番号: Columbia CL 2350録音: Columbia Studios, Los Angeles, CA January 20, 1965

演奏曲: A-1 E.S.P.

メンバー:Miles Davis(tp),(ts),Herbie Hancock(p) Ron Carter(b),Tony Williams(ds)

18.Nefertiti レーベル/番号: Columbia CS 9594録音: Columbia 30th Street Studios, NYC, June,7, 1967

演奏曲: B-1 Madness

メンバー: Miles Davis (tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),Ron Carter (b), Tony Williams (ds)

19. レーベル/番号: Columbia CS 9628録音: Columbia Studio B, NYC, January 16, 1968

演奏曲: A-2 Paraphernalia

メンバー: Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts),Herbie Hancock(p),(el-g) Ron Carter(b),Tony Williams (ds) 20.Biches Brew レーベル/番号: Columbia GP 26録音: Columbia Studio B, NYC, August 19, 1969

演奏曲: Record-2 B-2 Sanctuary

メンバー:Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ss),,(el-p) John McLaughlin(g),Dave Holland(b),Jack DeJohnette(ds),(cga),Jim Riley(shaker)

26 [2010年 2 月 12 日「茶会記」]

レーベル特集:Savoy、Roulette、Roost リーダー アルバムタイトル レーベル 録音 持参者 1 Bud Powell Trio Roost M.T. Savoy MJQ The Quartet K.A Jazz Basie, Getz & Vaughan Live at Roulette 1954 M.S. 3 Birdland JJ.Johnson,Kai Savoy Jay & Kai 1954発売 H.A. 4 Winding Jazz Savoy Jazzmen K.Y. 5 Jazz 6 Booker Ervin Cookin' 我蘭堂 7 Count Basie Basie Live At Sands Roulette 1966 Yoshida Marian McPartland Savoy Great Britain's 1947 C.I. 8 And Jazz Savoy Paul Smith By The Fireside 1950-52 Y.S. 9 Jazz

10 Sonny Stitt 37 Minutes and 48 Seconds Roost 1956 不明 Savoy Dizzy Reece Changing The Jazz 石井 11 Jazz

12 Seldon Powell Featuring Jimmy Cleveland Roost 1956 Joanist

13 Atmic Basie Count Basie Roulette 1957 K.Y.

14 Stan Getz Complete Roost Session Roost 1951-52 M.S.

Sonny Stitt Plays 15 Sonny Stitt Roost 1955 H.A. Arrangements of

Savoy Fats Navarro N ostalgia 1946-47 M.S. 16 Jazz 17 Jimmy Smith New Jimmy Smith Qartet Roost M.S. Savoy T wo A ltos 1952-57 Joanist 18 Jazz John (Richard) Handy 不明し Roulette 我蘭堂 19 III Savoy Milt Jacson Opus De Jazz 1955 我蘭堂 20 Jazz Savoy Savoy Recordings K.Y. 21 Jazz

Presents the Eddie Davis Trio + Count Basie Roulette 1952-57 Joanist 22

Savoy Klook's Clique Kenny Clarke 1956 我蘭堂 23 Jazz

27 [2010年2月27日「ジャズ・カントリー」] 特集:女性ヴォーカル スタンダード・ナンバー聴き比べ Vol.8 担当:T.Y. 1).SPRING WILL BE A LITTLE LATE THIS YEAR(1944 年 F.LOESSER) 1.Lorez Alexandria:アルバム「Deep Roots」(Argo)1962 年より John Young(arr,p) Howard McGhee(tp) (b) George Eskridge(g) Vernel Founrnier(ds) 2.Polly Bergen:アルバム「Four Seasons Of Love」 (Columbia)1960 年より Frank DeVol & his Orch 3.Eydie Gorme: アルバム「Love Is A Season 」 (ABC-Paramount)1958 年より Don Costa(arr,cond) 4.Rita Reys:アルバム「The Cool Voice Of」(Holland Philips)1956 年より Art Blakey(ds) & Jazz Messengers – Horace Silver(p) (tp) (ts) Kenny Drew(p) Wilbur Ware(b) 5.:アルバム「In Hi-Fi」(Columbia)1953 年より Percy Faith(arr,cond)Orch – Melvin Solomon, Jimmy Maxwell(tp) Will Brandley, Jack Satterfield(tb) Bernard Kaufman, Harold Feldman(sax) Art Ryerson(g) Louis Stein(p) Frank Carroll(b) Terry Snyder(ds)

2). IF I HAD YOU(1928 年 I.BERLIN) 1.Georgia Gibbs:アルバム「Music And Memories」(Mercury)1953 年より Unidentified Orch 2.Dinah Shore:アルバム「Dinah Sings Previn Plays」(Capitol)1960 年より Andre Previn(arr,p) 3.Jere Southern:アルバム「Jeri Southern Jumps」(Decca)1957 年より Ralph Burns Orch 4.Sarah Vaughan:アルバム「The Lonely Hours」(Roulette)1963 年より Benny Carter(arr,cond)Orch-Gerald Wilson(tp) 5.:アルバム「The Complete Dinah Washington On mercury」(Mercury)1955 年より Quincy Jones(arr) Clark terry(tp) Jimmy Cleveland(tb) Paul Quinichette(ts) Cecil payne(bs) Wynton Kelly(p) Keeter Betts(b) Barry Galbraith(g) Jimmy Cobb(ds)

3).THE NIGHT WE CALLED IT A DAY(1941 年 T.Adair―M.Dennis) 1.June Christy:アルバム「Something Cool」(Capitol)1960 年より Pete Rugolo(arr,cond)Orch―Art Pepper(as) 2.Chris Connor:アルバム「Chris Craft」(Atlantic)1958 年より Stan Free(arr,p) Bobby Jaspar(fl) Mundell Lowe(g) Percy Heath(b) Ed Shaughnessy(ds) 3.Doris Day:アルバム「Day By Night」(Columbia)1957 年より Paul Weston & his Orch 4.Carmen McRae:アルバム「Carmen For Cool Ones」(Decca) 1957 年より Fred Katz(arr,cond,cello) John T.Williams(p) Joe Mariano(cel) (ds) Ike Isaacs(b) Larry Bunker (vib) Frank Flynn(vib,marimba) 5.Jo Stafford:アルバム「Getting Sentimental Over Tommy Dorsey」(Reprise)1962 年より

28 Billy May(arr,cond)Orch

4).WILLOW WEEP FOR ME(1932 年 A.RONELL) 1.June Christy:アルバム「The Best Of June Christy」(Capitol)1959 年より Pete Rugolo(cond) Bud Shank(fl,as,ts) Bob Cooper(ts,oboe,arr) Frank Rosolino(tb) Russ Freeman(p) Monty Budwig(b) 2.:アルバム「Lady Sings The Blues」(Verve)1954 年より Harry Edison(tp) Willie Smith(as) Bobby Tucker(p) Barney Kessel(g) Red Callender(b) Chico Hamilton(ds) 3.Julie London:アルバム「Love On The Rocks」(Liberty)1962 年より Pete King8arr,cond) 4.Rita Reys:アルバム「Marriage In Modern Jazz」(Holland Philips)1960 年より Pim Jacobs(p)Trio -Ruud Jacobs(b) Wim Overgaauw(g) 5.Keely Smith:アルバム「Little Girl Blue」(Riprise)1963 年より Nelson Riddle(arr,cond)

5).MY HEART BELONGS TO DADDY(1938 年 C.PORTER) 1.Ella Fitzgerald:アルバム「Dream dancing」(Pablo)1972 年より Harry Edison(tp) (vib) Tommy Flanagan(p) Keeter Betts(b) Ed Thigpen(ds) 2.Peggy Lee:アルバム「Black Coffee」(Decca)1953 年より Cootie Chesterfield(tp) Jimmy Rowles(p) Max Wayne(b) Ed Shaughnessy(ds) 3.Julie London:アルバム「Whatever Julie Wants」(Liberty)1961 年より Felix Slatkin(cond) 4.Joanie Sommers:アルバム「Positively The Most」(Warner Bros.)1959 年より Marty Paich(arr,cond)Orch - Art Pepper(as) Conte Candoli(tp) Frank Rosolino(tb) Buddy Collette(ds) 5.Bea Wain:アルバム「My Reverie」(RCA)1938 年より Larry Clinton & his Orch ― Hugo Winterhalter,Mike Doty(cl,as) Leo White(cl,ts) Charlie Blake(ds)

6).BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA(1931 年 T.Koehler―H.Arlen) 1.Pearl Bailey:アルバム「Songs Of The Bad Old Days」(Roulette)1960 年より Don Redman(arr,cond) 2.Carmen McRae:アルバム「After Glow」(Decca)1957 年より Ray Bryant(p)Trio ― Ike Issacs(b) Specs Wright(ds) 3.Annie Ross:アルバム「Sings A Song With Mulligan」(World Pacific)1959 年より Gerry Mulligan(brs)Quartet ― Chet Baker(tp) Henry Grimes(b) Dave Bailey(ds) 4.Margaret Whiting:アルバム「Goin’ Places」(Dot)1957 年より Pete Rugolo(arr,cond)Orch 5.Lee Wiley:アルバム「Sings Harold Arlen」 (Monmouth)1945 年より Eddie Condon(g) ― Ernie Caceres(cl) Dave Bowman(p) Bob Haggart(b) George Wettling(ds)

7).‘S WONDERFUL(1927 年 I.Gershwin-― G.Gershwin)

29 1.Doris Day:アルバム「The Uncollected」(Hindsight)1952 年より Page Cavanaugh(p)Trio ― Jack Smalley(b) Dave Porrazzo(g) 2.Helen Merrill:アルバム「Helen Merrill」(Mercury)1954 年より Quincy Jones(arr,cond) Clifford Brown(tp) Donny Bank(brs,bcl,cl) Jimmy Jones(p) Barry Galbraith(g) Milton Hinton(b) Osie Johnson(ds) 3.Anita O’Day:アルバム「Anita Sings The Most」(Verve)1957 年より Oscar Peterson(p) Trio ― Herb Ellis(g) Ray Brown(b) + Milt Holland or John Poole(ds) 4.Jennie Smith:アルバム「Love Among The Young」(Columbia)1959? 年より Ray Ellis & his Orch 5.Lee Wiley:アルバム「Sing The Songs Of George & Ira Gershwin」(Audiophile)1939 年より Joe Bushkin(p,cel)Orch ― Brad Gowans(arr) Max Kaminsky(tp) Bud Freeman(ts) Artie Shapiro(b) George Wettling(ds)

〔アンケート結果〕(複数回答) 1.SPRING WILL BE A LITTLE LATE THIS SUMMER(12 名中) ①Lorez Alexandria:3 名 ②Polly Bergen:1 名 ③Eydie Gorme:2 名 ④Rita Reys:7 名 ⑤Sarah Vaughan:4 名 2.IF I HAD YOU(12 名中) ①Georgia Gibbs:2 名 ②Dinah Shore:6 名 ③Jeri Southern:3 名 ④Sarah Vaughan:5 名 ⑤Dinah Washington:4 名 3.THE NIGHT WE CALLED IT A DAY(13 名中) ①June Christy:1 名 ②Chris Connor:4 名 ③Doris Day:5 名 ④Carmen McRae:4 名 ⑤Jo Stafford:6 名 4.WILLOW WEEP FOR ME(13 名中) ①June Christy:なし ②Billie Holiday:6 名 ③Julie London:3 名 ④Rita Reys:4 名 ⑤Keely Smith:4 名 5.MY HEART BELONGS TO DADDY(13 名中) ①Ella Fitzgerald:2 名 ②Peggy Lee:3 名 ③Julie London:4 名 ④Joanie Sommers:8 名 ⑤Bea Wain:4 名 6.BETWEEN THE DEVIL AND THE DEEP BLUE SEA(13 名中) ①Pearl Bailey:3 名 ②Carmen McRae:6 名 ③Annie Ross:3 名 ④Margaret Whiting:1 名 ⑤Lee Wiley:3 名 7.’S WONDERFUL(13 名中) ①Doris Day:3 名 ②Helen Merrill:5 名 ③Anita O’Day:5 名 ④Jennie Smith:3 名 ⑤Lee Wiley:4 名

30 [2010年 3 月 12 日「茶会記」]

レーベル特集:Vee Jay、Candid、Time リーダー アルバムタイトル レーベル 録音 持参者 1 Max Roach Award Winer Time 1958 石井 2 Booker Ervin That's It Candid 1961 3 Wayne Shorter Intrducing Vee-Jay 1959 4 Kenny Dorham Showboat Time 1960 石井 5 Charles Mingus Mingus Presents Candid 1959 6 Don Bennet Solor Candid 1994 7 Pee Wee Russell Jazz Reunion Candid 1961 M.S. 8 Rights Of Swing Candid 1961 9 Eddi Higgins 10 Louis Hayes Hazing Vee-Jay 1960 11 Paul Chambers Go Vee-Jay 1959 12 Sonny Clark Trio Time 1960 Plays Music Of 13 Marian Mcpartland Time 1960 Leonard Bernstein 14 Richard Williams New Horn In Town Candid 1960 15 Winton Kelly Kelly At Night Vee-Jay 1959 16 John Young Opus De Vee-Jay 1957 Toshiko-Mariano 17 Toshiko Akiyoshi Candid 1961 Quartet 18 Benny Green Benny Green Time 1960 19 Here's Vee-Jay 1960 Joanist Bennie Green And 20 The Swingin'est Vee-Jay 1958 Gene Ammons 21 Derek Smith Toasting Time 1960

31 [2010年3月27日『ジャズ・カントリー』] 特集:Air Check 音源、渡辺貞夫ほか 担当:KJFC 2ndAlt

「エアチェック音源特集」NO.3 今日はテレビ、ラジオで放送されたものから、前半は58歳から 76 歳の渡辺貞夫の演奏を聴い て頂きます。後半は個人的にお世話になっている先生の演奏を交えて、82歳のルー・ドナルド

ソンも聴いていただきます。全体的に全くハード・バップではありませんので物足りないかも知 れませんがリラックスしてお楽しみ下さい。

前 半 渡辺貞夫 On TV 特集 1996年 NHK で放映された「ときめき夢サウンド」司会進行は いしだあゆみとデイブ・スペクターでした。 渡辺貞夫の原点はチャーリー・パーカーですね。まずはウィズ・ストリングスとコンボでお聴き下

さい。63歳 Manha de 1. 東京フィルハーモニー交響楽団 5:55 carnaval 2. Cofirmation 村田陽一(tb)小野塚晃(p)納浩一(b)小山太郎(dr) 2:45 2007年 NHK で放映された「Songs]から 小野リサとの共演 74歳 渡辺貞夫が68年にブラジルへ行った時に小野リサの父親が経営する「クラブ一番」に出演しま した。そのとき6歳だったリサは童謡の「七つの子」をリビングで吹いてもらった事を覚えている そうです。その後、歌手としてデビューし、FM放送の「マイ・ディア・ライフ」で共演しています。 3. Insensatez 小野リサとデュオ 3:40 4. So Danso Samba 〃 2:55 渡辺貞夫が指導する少年サンバチーム、ジャワのフェステ 5. インタビュー 1:50 ィバルで演奏。 2000年 ブラジルのグループとの共演コンサートから。 67歳 「MINHA SAUDADE」のタイトルで CD 化されています。 6. Como Vai ! Cesar Mariano(p、Arr)クインテット 作曲 渡辺貞夫 6:10 7. Butterfly 〃 〃 5:00 1991年 サンタナ In Japan のコンサートにゲスト出演 58歳でした サンタナといえば「哀愁のヨ-ロッパ」 アンコール曲を 8. 6:50 Europe 先にお聴き下さい。 9. Oie Como Va ボーカル入りでもう一曲。 6:00 1998年 モントルージャズ・フェスティバル 1970 年以来、6回目の出演です。 (65歳 ) 1995年の阪神淡路大震災の後に神戸市に委嘱され作曲したレクイエムをモン

トルーで演奏しました。 10. I'm with You (p)小野塚晃、(g)梶原潤、(b)納浩一、(dr)江藤良人 5:30 2005年 チャーリー・マリアーノとの再会セッション・ライブ。 1967年以来、38年ぶり の共演です。 72歳と81歳の共演、苦しそうに高い音を出している方がマリアーノです。インタビューで貞夫さ んがまだまだマリアーノを超えられないところがあると言っていましたが、80歳を超えてなお新 しい音を探そうとする気持を指していることかと思いました。マリアーノの音をナベサダが真似た ような所もありました。 11. Parker's Mood Bob Degen(p) , Dieter Ilg(b) , Bill Elgart(dr) 5:00 12. Zepher(西風) フルートの演奏を一曲お聴き下さい。クラシックの林リ 7:00

32 リ子に師事しました。 1967年のチャーリーとのアルバムでも演奏していま 13. 7:00 Secret Love す。 2009年 シャープス・アンド・フラッツ ファイナル・コンサートから。 76歳

Tokyo Dating 渡辺貞夫の1985年発売のアルバム・タイトル曲 5:55 14. シャープス・アンド・フラッツ・バンドのテーマ曲 84歳の原 15. 1:10 Blue Flame 信夫、引退です。 このテーマ曲を聴くと大学の文化祭に出演した時、ステージの脇で初めて聴いたこと

を思い出します。 前半の最後に2005年 チャーリー・マリアーノ再会セッションのアンコールにソロで演奏した ブラジルの曲。 ブラジルで第二の国歌とも言われるほど人気のある曲だそうで 16. 3:00 Carinhoso す。 個人的で恐縮ですが私の先生方の演奏を始めに4曲お聴き願 後 半 います。 伊勢秀一郎(tp) NHK FM 放送 Session 2010 2010年2月7日放送 トランペット2管でドラムレス・カルテット、柔らかい音の方が伊勢さんです。 インタビューで木管のトランペットがあれば吹きたいとおっしゃっていました。 高瀬龍一(tp)、続木徹(p)、古西忠哲(b)(ジョージ・シアリング作 17. Conception 4:50 曲) 〃 リー・モーガンに対抗して伊勢秀一郎さんのアレン 18. 月の砂漠 9:00 ジです。 バンド・リーダーがコンサートで最近はバラードを一曲演奏して 横山陽一(a s、ss) います。 Georgia On 19. Jazz Factory Orchestra 2009年コンサート (アルト) 7:30 My Mind 〃 2007年コンサート (ソプラノ)(クインシ・ジ 20. Grace 5:00 ョーンズ作曲)

TokyoJazz2009 での82歳大ベテラン。コンサートを楽しんで演 Lou Donaldson(a s) 奏。 敦賀明子(o rg)、ランディ・ジョンストン(g)、田井中福司(dr) 練習がてらに吹きますと言って演奏しました。アンコールの演奏で す。1967年のヒット曲、レコードショップにまだあるでしょうから買っ て下さいと言っています。敦賀明子のオルガンも良いので聴いて 下さい。

4:00 21. Cherokee Alligator 22. 10:40 Bogaloo 10:40 渡辺貞夫 36歳 1969 年 Swing Journal Jazz Workshop 2 エアチェックではありませんが、若い頃の演奏も最後に聴いて頂きたくなりましたので渡辺貞夫で締めます。この 頃、67年にボサノバがヒット、68年にニューポートに出演後ブラジルへ直行する。69年に AM ラジオで「ナベサダと ジャズ」がスタート、70年にはモントルーに出演、72年 FM で「マイディアライフ」スタート チャーリー・パーカーの曲。アメリカ帰りのナベサダに負けまいと日野皓正(26歳)が頑張っています。

23. Au Privave 八城一夫(p)、原田政長(b)、渡辺文男(dr)、日野皓 10:15

33 正(tp) 24. If I Should Lose You 八城一夫(p)、原田政長(b)、渡辺文男(dr) 5:00

敦賀明子(Org) 大阪音楽大学卒業後,関西一円で活動し、2001年活動の拠点をニューヨークへ。 たまたま飛び入りしたハーレムの老舗オルガン・クラブ「Showman’s」にレギュラー出 演し、その後 NY での演奏活動を始める。ピアノを Sir. Roland Hanna、オルガンを Dr. Lonnie Smith に師事する。 2002年グラディ・テイト・グループでリンカーンセンター野外コンサートに出演。

2004年5月にデビューアルバム「ハーレム・ドリームズ」(M&I レーベル)をリリース。 2006年からルー・ドナルドソン・カルテットのオルガニストとして抜擢され、現在までに カーネギー ホール他数々のジャズフェスティバルに出演。ブルー・ノートNY、ヴィレッジ・ヴァンガ ードなどライブハウスにも出演 2009年6月、アメリカでの 2 枚目のアルバム「オリエンタル・エクスプレス」発売。発売

1週目でジャズチャート32位にランクイン。

34 2010年 4 月 9 日「茶会記」] 録音年特集 1953-55 年 リーダー アルバムタイトル レーベル 録音 持参者 1 Stan Gets Live In Stockholm Verve 1953 H.A. 2 Charlie Parker At Massey Hall Debut 1953 K.Y. 3 Dave Brubeck Jazz At Oberlin Fantasy 1953 H.A.

4 Erroll Garner Concert By The Sea Columbia 1955 石井

JAZZ 5 Count Basie Dance Session 1953-54 M.S. CONNECTIONS 6 Back Clayton Peanuts Holland 1953 Yoshida 7 Jackie & Roy Jackie & Roy Storyville 1955 Four Freshmen and ゴロー 8 EMI 1955 Five Trombones 9 Lou Donadson Walking With Lou Blue Note 1955 我蘭堂

10 Art Blakey Night At Bardland Blue Note 1954 Y.S. 11 Tony Fruscela Tony Fruscela ATLANTIC 1955 Y.F. ---- 休憩 ------12 J.J.Jonson The Eminent Vol.1 Blue Note 1953 H.A. Cliford Brown & Max 13 Joy Spring Verve 1954-55 Roach 14 Django Reinhardt Nuages Blue Star(原盤) 1953 Yosida Thelonious Monk and Sonny 15 Thelonius Monk Prestige 1953-54 我蘭堂 Rollins 16 Jutta Hipp Jutta Hipp Quintet Blue Note 1954 石井 17 Lester Here Norgram M.S. 18 Red Novo Trios Fantasy 1953 K.Y. The Histric Mocanbo Session 19 Mocanbo Session Polydor 1954 M.S. Vol.2 20 Helen Merrill Helen Merrill Emarcy 1954 Y.S.

35 [2010年4月24日銀座『ジャズ・カントリー』] 特集:一日ジャズ喫茶マスター、もしかしたら、あの大名盤を今宵は-- 担当:紅 我蘭堂 毎度おなじみの「一日ジャズ喫茶マスター」です。何を掛けようが自由自在。とにかく、与えられた3時間=180分を 自由にお使いくださいという手前勝手な企画ですが、他の方にも浸透してしまったようです。でも、まあたまには理屈 抜きで楽しく行きましょう。例によって、いい加減なレジュメ(テキスト)ですが、よろしければ最後までお付き合いくださ い。今日は KJFC で普段掛からないような名盤も、もしからしたら、お聴きいただくことになるかも? では、まずこの曲からスタートしましょう。 「IN THE LAND OF THE GIANTS/ERIC KLOSS」(PRESTIGE PR7627) ERIC KLOSS(as),BOOKER ERVIN(ts),JAKI BYARD(p),(b),ALAN DAWSON(ds) A1)SUMMERTIME A2)SO WHAT

「BRASS AND TRIO/」(VERVE MV2082) (BRASS SECTION) SONNY ROLLINS(ts), (cornet), CLARK TERRY(tp), REUNALD JONES(tp), ERNIE ROYAL(tp), BILLY BYERS(tb), JIMMY CLEAVELAND(tb), FRANK REHAK(tb), DICK KATZ(p), RENE THOMAS(g), ROY HAYNES(ds), HENRY GRIMS(b), DON BUTTERFIELD(tuba), ERNIE WILKINS(conductor and arranger) A3)GRAND STREET

「OUVERTURE ÉCLAIR/MITCHEL HERR」(ORYX 001) MITCHEL HERR(p),FREDDIE DERONDE(b), FELIX SIMTAINE(ds) A1)OUVERTURE ÉCLAIR

「ANOTHER WORKOUT/HANK MOBLEY」(BLUE NOTE BST84431) HANK MOBLEY(ts),WYNTON KELLY(p),PAUL CHAMBERS(b),PHILLY JOE JONES(ds),GRANT GREEN(g)※Only SideB 3 A1)OUT OF JOE'S BAG A2)I SHOULD CARE

「 JAY HAWK TALK/CARMELL JONES 」 (PRESTIGE PR7401) CARMELL JONES(tp), JIMMY HEATH(ts),BARRY HARRIS(p),GEORGE TUCKER(b), ROGER HUMPHIES(ds) A 1)JAY HAWK TALK B 1)JUST IN TIME

「TUBBY THE TENOR/TUBBY HAYES」(EPIC BA-17023) TUBBY HAYES(ts),CLARK TERRY(tp),HORACE PALAN(p),EDDIE COSTA(vib),GEORGE DUVIVIER(b),DAVE BAILEY(ds) A1)YOU FOR ME A2)A PINT OF BITTER A3)AIREGIN

「SOUL/BARBARA LONG」(SAVOY MG-12161) BARBARA LONG(vo),BILLY HOWELL(tp),BOOKER ERVIN(ts),NAT PHIPPS(p),GEORGE

36 TUCKER(b),AL HAREWOOD(ds) A1)TROLLEY SONG B5)SWAN SONG

「OUT OF THE FORREST/JIMMY FORREST」(PRESTIGE PR-7202) JIMMY FORREST(ts),JOE ZAWINUL(p),TOMMY POTTER(b),CLARENCE JOHNSTON(ds) A1)BOLO BLUES A2)I CRIED FOR YOU

「JAZZ AT THE BLUE NOTE/MAURICE VANDER」(FONTANA) MAURICE VANDER(p), KENNY CLARKE(ds),PIERRE MICHELOT(b) A1)TAKE THE A TRAIN A2)WILLOW WEEP FOR ME A3)WALKIN' A4)AUTUMN LEAVES

「COOL STRUTTIN'/SONNY CLARK」(BLUE NOTE ST-1588) ART FARMER(tp),JACKIE McLEAN(as),SONNY CLARK(p),PAUL CHAMBERS(b),PHILLY JOE JONES(ds) A 1)COOL STRUTTIN'

「THE QUOTA/RED GARLAND」(MPS MC-20909) RED GARLAND(p),JIMMY HEATH(ts),PECK MORRISON(b),LENNY McBROWNE(ds) A1)THE QUOTA

「DIZZY ATMOSPHERE」(SPECIALTY) Al GREY(tb),BILLY MITCHELL(ts),LEE MORGAN(tp),BILLY ROOT(bariton sax), WYNTON KELLY(p),PAUL WEST(b)(ds) A1)DISHWATER

37 2010年 5 月 14 日「茶会記」] レーベル特集『CONTEMPORARY』 1. WHO’S SLEEPY 「HOWARD RAMSEY LIGHTHOUSE ALL STARS Vol.6」(荒井) 2. GET ME TO THE CHURCH ON TIME 「MY FAIR LADY/SHELLY MANNE&HIS FRIEND」(澤村) 3. BACK IN THE GAGE「PORTRAIT OF ART FARMER」(嵯峨) 4. HIP「FOR REAL!/HAMPTON HAWS」(山田) 5. SALAH「LANDSLIDE THE CURTIS COUNCE GROUP Vol.1」 (福田) 6. I’m AN OLD CAWHAND, SOLITUDE「WAY OUT WEST/SONNY ROLINS」(嵯峨) 7. THE MAN I LOVE, AUTUMN LEAVES「THE WAY IT WAS/ART PEPPER」(我蘭堂) 8. SCRAPLE FROM THE APPLE, RAINY NIGHT「PRESENTING RED MITCHELL」 (荒井) 9. GRASSHOPPER, LA MUCURA「THE WEST COAST SOUND/SHELLY MANNE &HIS MEN」(ゲストの方) 10. I REMEMBER YOU, POINCIANA「VOL.1 QUINTET/LENNIE NIEHAUS」(荒 井) 11. BIG TOP, DUFFLE COAT「SUITE SIXTEEN/THE MUSIC OF VICTOR FELDMAN」 (嵯峨) 12. TERRA FIRMA IRMA, A SONG FOR RICHARD. NON-VIENNESE WALTZ BLUES, YOU’RE THE ONLY GIGL IN THE NEXT WORLD FOR ME「LOOKIN’ GOOD!/JOE GORDON」(我蘭堂) 13. SERPENTS TOOTH, WALTZ「THEARRIVAL OF VICTOR FELDMAN」 14. TIN TIN DIO「ART PEPPER MEETS THE RHYTHM SECTION」

例会等の予定はホームページをご参照ください。WWW.kjfc.info 編集後記 ・大変長らくお待たせしました。ようやく会報の最新号をお届けすることができました。1年ぶりとなってしまいました。これからは間隔を 置かないで発行していきたいと思います。・3月の震災以降、暗いニュースが続いていますが、少しづつ明るい話題も出ています。ジャズではない けれど楽器を失った吹奏楽部のために全国各地からたくさんの楽器が届けられたということは、音楽が作る“絆”でした。うれしかったです。・今年も ライブの企画があります。次号で具体的な記事が掲載できればうれしいです。(紅)

一緒にジャズを楽しみませんか?

KJFCは心からジャズを楽しむ人の集まりです。オタクはいません。むしろみんなで好きなジャズを勉強して、分かち合 っています。みんなジャズについての素人です。一度例会に遊びにきてください。あなたの好きなジャズが、必ず見つ かるでしょう。 《KJFC の主な活動》 ・ 毎月 2 回のレコードコンサートを主体にした例会(会費月額 500 円) ・年1,2 回自主ライブの主催 会報 GROOVY の発行 ・ホームページの運営など です。

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