近年の乳酸菌の分類体系とcarnobacteriaceae 科および
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Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria Copyright © 2012, Japan Society for Lactic Acid Bacteria 総 説 近年の乳酸菌の分類体系と Carnobacteriaceae 科および Aerococcaceae 科の分類学的特徴 石川 森夫 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 1990 年代に入り、16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づく分子系統解析が細菌の分類に適用され、乳酸 菌の系統関係の全体像が解明された。これにより、我々がこれまで乳酸菌とみなしてきた細菌の殆どは Lactobacillales 目に含まれることが明らかになった。本目は 2009 年の時点で 6 科 33 属を数え、この中に は既知属より独立した属に加え、多くの新規に分離・提案された属が含まれる。本稿では、現在までの乳 酸菌の分類学的位置付けの変遷を整理し、多くの新規分類群で構成される 2 つの科(Carnobacteriaceae、 Aerococaceae)に焦点をあて、その構成属の特徴について概説する。 Key words: lactic acid bacteria, taxonomy, phylogeny, Aerococcaceae, Carnobacteriaceae 序 文 ついても属の再編や新規分類群の提案が行われた。特に、 分子系統解析をはじめとした遺伝学的手法が一般化したこ 乳酸菌は炭水化物を発酵しエネルギー生成を行い、著量 とは乳酸菌群の類縁関係の明確化に対して大きな契機とな の乳酸を産生する細菌の総称である。「乳酸菌」という語 り、これまで我々が乳酸菌として捉えていた細菌群の全体 は分類学上の位置づけを示す語ではない。しかし、これら 像が明らかになってきた。しかしその一方で、多くの新規 の細菌は古来より人間や動物の食や健康にとって非常に身 分類群の提案により乳酸菌と系統的に類縁な細菌であって 近に存在しているため、この語は現代に至るまで研究上の も、乳酸菌としての生理学的性状が不明な例などもある。 みならず、一般社会においても広く用いられている。特定 現在、我々が乳酸菌として捉えてきた細菌群の殆どが 1 つ の細菌を乳酸菌として位置付けるためには、当然、それを の目にまとめられ、これは 6 つの科で構成されている 1)。 定義付けする性状や考え方が存在する。それだけでは乳 そこで、本稿では過去から現在までの乳酸菌の分類体系の 酸菌を分類学的に位置付けることは出来ないが、近代科 変遷に関して概説する。また、新規分類群を多く含む 2 つ 学の発展につれて乳酸菌を相互に識別したり、他の細菌 の科(Aerococcaceae、Carnobacteriaceae)について、構 との類縁関係を明らかにすることが可能となり、現在の 成属とその特徴について述べる。 分類学上の位置付けが定められている。乳酸菌の分類体 系は 1900 年初頭から 1980 年頃までは細胞形態、細胞配 1. 1980 年代までの乳酸菌の分類体系 列、乳酸発酵形式の違いにより区別され、Leuconostoc、 Pediococcus、Streptococcus、Lactobacillus の 4 つの属で 乳酸菌の分類体系は、1800 年代後半より徐々に構築 乳酸菌の世界が構築されていた。その後、生理・生化学的 されていった。1900 年前後にはグラム染色の適用、そ 性質に加え化学分類学的性質や 16S rRNA 遺伝子の塩基 の 後、Orla-Jensen や Kluyver に よ っ て 乳 酸 発 酵 形 式 配列に基づく分子系統解析が分類学へ適用され、乳酸菌に による分類体系が構築され、形態的な特徴も踏まえて、 Lactobacillus、Pediococcus、Streptococcus、Leuconostoc * の 4 属の呼称が 1900 年代初頭に確立した。さらに、北原 To whom correspondence should be addressed. 2) Phone : +81-3-5477-2383 は乳酸菌の分類上の定義として以下の項目を提唱した : Fax : +81-3-5477-2383 ①グラム染色陽性、②形態(桿菌または球菌)、③カタラ E-mail : [email protected] ーゼ反応陰性、④乳酸発酵形式(ホモ型またはヘテロ型)。 —14— Jpn. J. Lactic Acid Bact. Vol. 23, No. 1 この頃は、嫌気条件下で乳酸を生成する大腸菌や、有胞 有が可能となった。加えて、蛍光標識されたプライマーや 子乳酸菌も乳酸菌の仲間と考えられていたが、北原の定 ジデオキシヌクレオチドを用いたシークエンス反応の開発 義づけや他菌種の分類学的性状の蓄積によって、上述の 4 やキャピラリー式の DNA シークエンサーが広く普及した 属が乳酸菌として認知され、1980 年頃までは属の大きな こともあり、既知の生物種の配列情報が加速度的に蓄積さ 変遷は見られなかった。1980 年代に入ると、細胞壁ペプ れ、乳酸菌についても、細菌全体の中での系統的位置や乳 チドグリカン組成、菌体脂肪酸組成などの化学分類学的 酸菌相互の系統関係が知られていくこととなった。 性質や生理学的性質に関する知見が蓄積したことにより、 Streptococcus 属より Lactococcus 属と Enterococus 属 3. 現代の乳酸菌の分類体系 が独立し、Lactobacillus 属より Carnobacterium 属が独 立した 3, 4, 5)。同時期には化学分類学的性質に加え、DNA 乳酸菌はグラム陽性低 G+C 細菌群に含まれることは先 G+C 含量が属レベル、DNA-DNA 交雑実験が種レベルの に述べた。Bergey's manual of systematic bacteriology 第 識別に用いられるようになり、表現型に代わり遺伝型に主 2 版、第 2 巻ではこのグラム陽性低 G+C 細菌群は 23 ある 眼を置いた分類体系が構築されていった。一方で、1980 門のうち Firmicutes 門としてまとめられた 1)。Firmicutes 年代までの間、乳酸菌の属レベルでの分類体系について 門は Bacilli、Clostridia、Erysipelotrichia の 3 つの綱から は、細胞形態、乳酸発酵形式などの表現形質や化学分類学 なり、乳酸菌は Bacilli 綱を構成する 2 つの目(Bacillales、 的性質、DNA G+C 含量や DNA-DNA 相同性などによっ Lactobacillales)の中でLactobacillales 目に含まれること て相互が識別されていた。特に、DNA-DNA 相同性は種 となった。16S rRNA 遺伝子に基づく分子系統解析の結果 レベルの分類に大きな発展をもたらし、現在も重要な実験 から、これまで我々が乳酸菌として捉えてきた属の殆どが 項目であることは変わりない。しかし、この手法は 2 菌種 本目に含まれ、系統的には均一の細菌群であることがわか 間の相対値により種が同一であるかどうかを調べるもので った。本目に含まれなかった乳酸菌はごく僅かであり、系 あり、菌種・菌株間さらには属レベルの類縁関係を網羅的 統的位置付けに基づき、Lactobacillus 属、Streptococcus に判断するには限界がある。乳酸菌の属間の類縁関係が明 属からAtopobium 属が独立、Lactobacillus 属から らかになっていくのは 1990 年代に入ってからである。 Olsenella 属が独立した 8, 9)。いずれの属も Actinobacteria 門に含まれ、門のレベルで異なる。一方、殆どの乳酸菌 2. 分子系統解析結果の乳酸菌分類への適用 の属が含まれる Lactobacillales 目は Bergey's manual of systematic bacteriology 第 2 版、第 2 巻出版の時点で 6 科 先述のとおり、1980 年代までの乳酸菌の分類体系は形 (Lactobacillaceae、Aerococcaceae、Carnobacteriaceae、 態、生理・生化学的性状、化学分類学的性状を主体にして Enterococcaceae、Leuconostocaceae、Streptococcaceae) 構築されており、1986 年に出版された Bergey's manual で構成され、33 の属が含まれる 1)。現在、本目の構成属 of systematic bacteriology では、乳酸菌群はグラム陽性低 はさらに増加している。本目に含まれる属の歴史的変遷 G+C 細菌群としてまとめられ、さらに桿菌と球菌、胞子 を表1. に、本目に包含される属の 16S rRNA 遺伝子の塩 形成能の有無により項目分けがされ、記述されていた 6)。 基配列に基づく分子進化系統樹を図1. に示した 10)。本目 遺伝学的性質である DNA G+C 含量に基づく分類におい に含まれる属は 1980 年代までに知られていた乳酸菌属 てグラム陽性菌は、低 G+C 含量、高 G+C 含量の細菌群 から系統的独立性に基づき提案された属や 1990 年代に に大きく分けられた。前者は Bacillus 属、Staphylococcus 入って新たに分離・提案された属も含まれている。1990 属や乳酸菌群、後者は Streptomyces などの放線菌群が含 年以降、Leuconostoc 属およびLactobacillus 属より まれることが明らかになり、DNA G+C 含量により科や Weissella 属が独立、Streptococcus 属からVagococcus 属の類縁関係の一部が明らかになった。1990 年、Woese 属、Abiotrophia 属が独立、Leuconostoc 属から らは 16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づいた分子系統解 Oenococcus 属、Fructobacillus 属、Pediococcus 属から 析を行い、生物全体を Archea、Bacteria、Eucaryea の Tetragenococcus 属が独立した 11-16)。なお、Lactococcus 3 つのドメインに分けることを提案した 7)。乳酸菌を包含 属とEnterococcus 属は生理学・化学分類学的性状の差 する domain Bacteria は Bergey's manual of systematic 異に基づき 1980 年代に Streptococcus 属より独立した bacteriology 第 2 版では、16S rRNA 遺伝子の塩基配列に が 3, 4)、系統的にも独立していることが後に明らかにされ 基づく分子系統解析結果により 23 の門に分けられ、構成 た。同様に化学分類学的性質に基づいて Lactobacillus 属 されている。16S rRNA 遺伝子は複数の保存性の高い領域 から独立した Carnobacterium 属についても系統的に科の と可変領域で構成されており、幅広い生物種に対して共通 レベルで異なることが示されている。 1990 年以降、多く のプライマーを用いることができ、他の遺伝子に比べ解析 の属の独立や新規分類群の提案がされたが、系統解析結 が容易であった。また、解析された配列情報は DNA デー 果からわかった大きなことはこれまでの乳酸菌分類で最 タバンクに積極的に登録され、研究者間での配列情報の共 も重要視されていた性状の一つである細胞形態が系統を —15— Vol. 23, No. 1 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria 表 1.Lactobacillales 目に含まれる属の歴史的変遷 10) —16— Jpn. J. Lactic Acid Bact. Vol. 23, No. 1 図 1. Lactobacillales 目を構成する属の 16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づく 分子進化系統樹 アウトグループに Escherichia coli をもちいた。進化距離は K nuc で計算し、系 統樹は NJ 法で作成。図中の数字は 1,000 回の反復に対する Bootstrap 値で 50% 以上のスコアのみ記した。 —17— Vol. 23, No. 1 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria 反映しないことが明らかになった点である。例えば、桿 Carnobacterium 属は食肉原料、チーズ、魚類、南極の湖 菌のLactobacillus 属と球菌の Pediococcus 属はともに 水やアラスカの永久凍土層などから分離され、耐冷性の種 Lactobacillaceae 科にまとめられ、Leuconcostocaceae 科、 が多いことも特徴である 17, 20)。このことから、食肉の低温 Carnobacteriaceae 科でも科内の属の形態は多様である。 保存時における Carnobacterium の動態が注目され多くの さらに、Leuconostocaceae 科に含まれる Weissella 属は 研究が行われており、低温条件下でバクテリオシン生産能 属内で桿状と球状を呈する種が混在している。 をもつ株の存在などが知られている 20)。 本科に含まれる属すべてに共通する性質は少なく、む 4. Lactobacillales 目に包含される 2 つの特徴的な科に しろ多様である。各属の分類学的性状の一部を表2.に ついて まとめた 17-19, 22-25)。本科に含まれる属の形態は桿菌、球 菌ともに存在し科の中での共通性は見られない。細胞壁 16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づく分子系統解析の手 ペプチドグリカン組成については、殆どの属が 2 塩基ア 法が一般化することにより、新規に分離された菌株の系統 ミノ酸にリジンやオルニチンを含有するタイプであり、 的位置付け、すなわち新規分類群であるかどうかが迅速 Carnobacterium 属がメソジアミノピメリン酸をもつこ に明らかにできるようになった。このことは、分類学に とは本科の中においても特徴的である。一方、菌体脂肪 大きな進歩をもたらし、乳酸菌を包含する Lactobacillales 酸組成における C18:1 脂肪酸については、Carnobacterium 目についても多くの新属の提案が続いている。ここで 属と同一のオレイン酸をもつ属が多く、Lactobacillus 属 は、1990 年代以降に提案された属を多く包含する 2 つの などで一般的なシスバクセン酸をもつ属は Desemzia 属 科(Carnobacteriaceae 科、Aerococcaceae 科)について、 など一部である。構成属の一部はアルカリ耐性をもち、 その構成属と特徴について整理する。 Carnobacterium 属の一部の種や、Alkalibacterium 属、 Marinilactibacillus 属、Trichococcus 属が pH 9 ~ 11 で生 a. Carnobacteriaceae 科 育し、Alkalibacterium 属と Marinilactibacillus 属につい Carnobacteriaceae 科は Bergey's manual of systematic ては、好塩性、好アルカリ性である。乳酸発酵能については、 bacteriology 第 2 版 出 版 の 時 点 で Carnobacterium、 Carnobacterium 属、Alkalibacterium 属、Atopostipes Alkalibacterium、Allofustis、Alloiococcus、Atopobacter、 属、Bavariicoccus 属、Desemzia 属、Granulicatella 属、 Atopococcus、Atopostipes、Desemzia、Dolosigranulum、 Isobaculum 属、Lacticigenium 属、Marinilactibacillus 属、 Granulicatella、Isobaculum、Marinilactibacillus、 Trichococcus 属で記載があり、グルコースから乳酸を生 Trichococcus の 13属で構成され、その後、本科のク 成し、属・種によってはギ酸、酢酸、エタノールなどを副 ラスターに含まれる Lacticigenium と Bavariicoccus 生する。 Atopococcus 属、Dolosigranulum 属はカタラー の2属が提案されている 17, 18, 19)。但し、Atopobacter、 ゼ陰性、通性嫌気性でグルコースからの酸生成が報告され Bavariicoccus、Granulicatella の 3 属は目レベルの系統樹 ており、乳酸発酵を行っている可能性がある。Allofustis においてCarnobacteriaceae 科と Aerococcaceae 科の中 属はカタラーゼ陰性の通性嫌気性菌であるが、糖からの酸 間に位置し、これらの属の科の帰属については議論の余 生成はない。しかし、基質にグルコースを用いた実験が行 地がある(図 1.)。本科に含まれる属・種の 16S rRNA 遺 なわれていないため、本属の乳酸発酵能については不明で 伝子の塩基配列に基づく分子進化系統樹を分離源ととも ある 24)。Alloiococcus 属は好気性でカタラーゼをもつ株も に図2. に示した。系統樹からわかるように、複数の種で あり、グルコースや他の炭素源からの酸生成がないことが 構成されている属はCarnobacterium、Alkalibacterium、 報告されている。 Granulicatella、Marinilactibacillus、Trichococcus の 5 属で、 本科を構成する属の分離源については様々である その他の 8 属は 1 属、1 種で構成されている。 が、食品や食品原料からの分離報告例のある属としては、 本科の基準属である Carnobacterium 属は、鶏肉やそ Carnobacterium属、Alkalibacterium属、Barvariicoccus の他の食肉、真空パックされた食肉から分離された乳酸 属、Marinilactibacillus 属が熟成チーズから分離さ 桿菌である 17, 20)。分離された菌株群は pH 5.6 の acetate れている17, 20, 26, 27)。また、食肉よりCarnobacterium agar に生育せず、細胞壁ペプチドグリカン組成にメソ 属、発酵ソーセージなどからCarnobacterium 属、 ジアミノピメリン酸をもつことなどから、非典型的な Marinilactibacillus 属、魚介類の塩蔵発酵食品から Lactobacillus として位置づけられ、Holzapfel と Gerber Alkalibacterium 属が分離されている 17, 20, 23, 28)。 により Lactobacillus divergens と記載された 21)。その 後、食肉原料から分離された乳酸菌株とともに、本菌の b. Aerococcaceae 科 諸性質が調べられ、細胞壁ペプチドグリカン組成や菌体 Aerococcaceae 科 は Bergey's manual of systematic 脂肪酸組成における C18:1 脂肪酸がオレイン酸であること bacteriology 第 2 版 出 版 の 時 点 で Aerococcus、 などから、Carnobacterium 属として、分離・独立した 5)。 Abiotrophia、Dolosicoccus、Eremococcus、Facklamia、 —18— Jpn. J. Lactic Acid Bact. Vol. 23, No. 1 図 2. Carnobacteriaceae 科を構成する属・種の 16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基づく分子進化系統樹 アウトグループに Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii をもちいた。進化距離は K nuc で計算し、系統樹 は NJ 法で作成。図中の数字は 1,000 回の反復に対する Bootstrap 値で 50% 以上のスコアのみ記した。図中、 学名に続いて株番号、塩基配列のデータベース (DDBJ/GEnBak/EMBL) アクセッション番号、分離源の順に記した。 —19— Vol. 23, No. 1 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria 表 2.Carnobacteriaceae 科を構成する属の分類学的特徴 17-19, 22-25) Globicatella、Ignavigranum の 7 属で構成されている 29)。 本科に属する属・種の 16S rRNA 遺伝子の塩基配列に基 づく分子進化系統樹を分離源とともに図3. に示した。本 科の基準属である Aerococcus 属は 1953 年に Cowan らに より提案された属で、現在 7 種で構成されている 10, 29, 30)。 形態は卵状を呈する球菌で tetrad を形成することが知ら れている。微好気性または通性嫌気性、カタラーゼ陰性で 一部の株はヘムを含有しないシュードカタラーゼ活性を有 する。シトクロム系酵素、呼吸系キノンをもたず、グルコ ースからガス生成を伴わず酸を生成する。本属の基準種で ある Aerococcus viridans は、空気や埃、食肉の塩浸漬液、 土壌や海洋環境試料など幅広い環境より分離される。一方 で、その他の種を含め、Aerococcus 属はヒトの臨床試料 から分離され、心内膜炎、尿管疾患、敗血症性関節炎、急 性髄膜炎などの疾患との関連が報告されている 29)。また、 尿や尿管からの分離例があり、耐アルカリ性(pH 9.6)を もつことも特徴である。 Aerococcaceae 科を構成する各属の分類学的性状の 一部を表3. にまとめた 29, 30)。Aerococcaceae 科を構成す る 6