Eco-Philosohy Vol. 4
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Eco-Philosohy Vol. 4 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究第 4 号 Contents 『「エコ・フィロソフィ」 研究』 第 4 号の刊行に寄せて 竹村牧男 ........... 1 TIEPh 活動組織 2009 年度活動報告 Ⅰ TIEPh 第1ユニット 自然観探求ユニット サステイナビリティ学と人文科学 竹村牧男 ........... 13 中世ヒンドゥー教にみる 『地上の天界』 説と環境倫理 橋本泰元 ........... 25 インドの自然観と環境問題 宮本久義 ........... 35 アボカドの種・仏の種子̶̶仏教思想は環境倫理に何ができるか 西村玲 ............... 43 力としての自然―ゲーテ自然学とシェリング自然哲学から― 畑一成 ............... 57 Ⅱ TIEPh 第2ユニット 価値意識調査ユニット 環境配慮行動と社会心理学―社会的規範情報の効果 安藤清志 ........... 69 「うわさ」 の環境対策 ― 「割り箸袋」「プルタブ」「ペットボトルキャップ」 回収にみる 環境対策の心理とサンタクロース・シンドローム― 関谷直也 ........... 79 Ⅲ TIEPh 第3ユニット 環境デザインユニット 認知運動療法という技法 (続) 河本英夫 ........... 91 ディア・インディヴィジュアル̶̶魂の目覚めに 河本英夫 ........... 113 「生活世界」 の視点からする環境現象学構想 (Ⅱ) 山口一郎 ........... 125 現代フランスにおける環境哲学の動向 ― 4 人の哲学者へのインタビューから― 永井普 ............... 135 ドイツ自然哲学とそのデザイン的課題 稲垣諭 ............... 145 Ⅳ Summary ............................. 157 『エコ・フィロソフィ研究』第 4 号の刊行に寄せて TIEPh 代表 学長 竹村 牧男 東洋大学では、「サステイナビリティ学連携研究機構」(IR3S) の協力機関として、「「エ コ・ フ ィ ロ ソ フ ィ」 学 際 研 究 イ ニ シ ア テ ィ ブ」(Transdciplinary Initiative for Eco-Philosophy. TIEPh) を 立 ち 上 げ、 平 成 18 年 度 よ り 活 動 し て き た。 こ の 間、 毎 年 度 末 に、 メ ン バ ー の 研 究成果を収録した 『エコ・フィロソフィ研究』 を刊行してきたが、 今年度も無事に刊行す ることが出来た。 これもひとえに関係各位のご支援・ご協力の賜物であり、 まずは各位に 厚く御礼申し上げたい。 すでに大方のご理解を得られてきているのではないかと思われるが、TIEPh では、3 つの 研究ユニットを置き、 この 4 年間にわたって以下のような活動をおこなった。 ① 自 然 観 探 求 ユ ニ ッ ト : 自 然 と 人 間 に 関 す る 東 洋 の 知 と エ コ ロ ジ ー の 研 究。 イ ン ド・ 中国思想や仏教などの東洋的な知における自然観・人間観を、 サステイナビリティという 今日の課題に沿って掘り下げ、 欧米で主張されているエコロジーと対比しつつ、 それらの 可能性と限界を考究し、 あるべき人間と自然との関係を追究する。 ② 価 値 意 識 調 査 ユ ニ ッ ト : ア ジ ア 諸 地 域 に お け る サ ス テ イ ナ ビ リ テ ィ に 関 す る 価 値 意 識の究明。 アジア諸地域の住民に特有の文化や歴史に基づく、 自然や共同体の存続にかか わる価値意識等の調査を通じて、 その基層と変容等の諸相を究明しつつ、 アジア地域等の サステイナビリティの実現に対する具体的な施策への有効な視点を提供する。 ③ 環 境 デ ザ イ ン ユ ニ ッ ト : 環 境 倫 理 を 含 む 哲 学 的 環 境 デ ザ イ ン の 追 究。 連 動 す る シ ス テ ム の 作 動 状 況 に お い て、〈課 題 - 解 決〉 と い う 線 型 の 発 想 法 を や め、 そ の シ ス テ ム の も とで課題となっている問題の条件群を変化させ、 おのずと問題が解消するような方法 (シ ステム・デザイン) を採 用し、 持続可能な環境のためのプログラムを開発する。 今 年 度 も、 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム、 各 種 セ ミ ナ ー、 講 演 会 等 を 行 っ た。 ま た 2007 年 度 か ら 行ってきたアジア地域価値意識調査を総括した分析データ集を刊行し、2008 年度に行った ヨーロッパの哲学者へのサステイナビリティ問題に関するインタヴューを刊行した。 今年 度の各ユニットの研究成果論文は本書に、 シンポジウムや講演会の記録は別冊に収めてい る。 これらをご高覧いただき、 何かとご助言・ご叱正を賜ることができれば幸甚である。 IR3S お よ び TIEPh の 活 動 は 今 年 度 に て ひ と ま ず 終 了 す る が、IR3S 傘 下 の 各 機 関 は、 今 後 も共同して社団法人 「サステナビリティ・コンソーシアム」 を設立し、 活動を継続してい 1 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol. 4 くことになる。TIEPh としてもなんとか研究組織を維持し、「サステナビリティ・コンソー シ ア ム」 に 参 加 し て、 関 係 各 機 関 の 哲 学 研 究 者 等 と の 連 携 を ま す ま す 緊 密 に し、「サ ス テ イナビリティ学」 の構築における哲学の役割を確認しつつ協働の成果を追究していきたい と思う。 今後とも、 いっそうのご支援を賜りたく、 何卒よろしくお願い申し上げる次第である。 2 TIEPh活動組織 Tomonori MATSUO President, Executive Director 松尾 友矩 機構長 Professor, Nature Unit 竹村 牧男 代表 Makio TAKEMURA Project Representative 自然観探求ユニット Takashi OHSHIMA Professor, Values Unit 大島 尚 価値意識調査ユニット Hideo KAWAMOTO Professor, Environment Design Unit 河本 英夫 環境デザインユニット Taigen HASHIMOTO Professor, Nature Unit 橋本 泰元 自然観探求ユニット Hisayoshi MIYAMOTO Professor, Nature Unit 宮本 久義 自然観探求ユニット Kohei YOSHIDA Professor, Nature Unit 吉田 公平 自然観探求ユニット Shogo WATANABE Professor, Nature Unit 渡辺 章悟 自然観探求ユニット Satoshi SHOUJIGUCHI Associate Professor, Nature Unit 小路口 聡 自然観探求ユニット Kiyoshi ANDO Professor, Values Unit 安藤 清志 価値意識調査ユニット Yoshiaki IMAI Professor, Values Unit 今井 芳昭 価値意識調査ユニット Hideya KITAMURA Professor, Values Unit 北村 英哉 価値意識調査ユニット Naoya SEKIYA Lectuere, Values Unit 関谷 直也 価値意識調査ユニット Toshiaki YAMADA Professor, Environment Design Unit 山田 利明 環境デザインユニット Katsuzo MURAKAMI Professor, Environment Design Unit 村上 勝三 環境デザインユニット Ichiro YAMAGUCHI Professor, Environment Design Unit 山口 一郎 環境デザインユニット Associate Professor, Environment Shin NAGAI 永井 晋 環境デザインユニット Design Unit Assistant Professor, Environment Satoshi INAGAKI 稲垣 諭 環境デザインユニット Design Unit Ayano TANAKA Research Fellow 田中 綾乃 特別研究員 Ryo NISHIMURA Research Associate 西村 玲 研究助手 3 TIEPh 2009 度年活動報告 平 成 18 年 6 月 よ り、 東 洋 大 学 「エ コ・ フ ィ ロ ソ フ ィ」 学 際 研 究 イ ニ シ ア テ ィ ブ (Transdisciplinary Initiative for Eco-Philosophy, Toyo University=略称TIEPh) を開設し、「エコ・フィ ロソフィ」 構築のための戦略拠点として活動している。 最終年度にあたる今年度は、 昨年度に引き続き各ユニットの研究を進めるとともに、 こ れまでの研究成果をシンポジウムやセミナー、 出版物を通して公開した。 4 月は、 日中哲学国際シンポジウムにおいて、 第 3 ユニットにより 「環境・ 生命・ 共生」 「若手研究者の哲学の現代的課題」 というテーマで発表を行った。5 月には、 第 2 ユニット に よ り、 ジ ュ リ ー・ マ シ ュ ー ズ 氏 講 演 会 を 開 催 し、 サ ス テ イ ナ ビ リ テ ィ の 教 育 に つ い て、 報告と討論がなされた。 同 じ く 5 月 に は 3 回、6 月 に は 1 回 の ワ ー ク シ ョ ッ プ が 開 か れ た。 第 1 回 は、 第 3 ユ ニ ッ トによるシステムデザインについて、 第2回から第4回まではTIEPh外部から講師を招いて、 講義形式にて行った。 7 月 に は、 認 知 運 動 療 法 研 究 会 学 術 集 会 に て、 第 3 ユ ニ ッ ト に よ る 発 表 「新 し い 時 代 の コペルニクスたち」 が行われた。9 月には、 ドイツから哲学者を招聘して、TIEPh 主催の国 際シンポジウム 「環境哲学の可能性」 が開かれ、 盛況を呈した。 10 月 に は、4 年 間 継 続 し て 行 っ て い る TIEPh と 茨 城 大 学 ICAS 共 催 の 国 際 セ ミ ナ ー を 開 催 し、 東洋思想と西洋思想の両観点から 「持続可能な発展と自然、 人間」 というテーマによ る多角的な考察を行った。 11 月 に は、 第 1 ユ ニ ッ ト を 中 心 に、 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム 「日 本 発 の エ コ・ フ ィ ロ ソ フ ィ を 求めて」 を開催し、 ドナルド・キーン氏 (本学学術顧問) をはじめとするアメリカ、 フラ ンス、 日本における日本思想の専門家をパネリストとして迎え、 グローバルな視点からみ た日本思想と 環境問題について有意義な議論を行った。 12 月 に は、 第 3 ユニットによって昨年度か ら 継 続 し て 行 わ れ て き た 哲 学 者 イ ン タ ビ ュ ー を、『哲学者インタビュー集』 として刊行した。 第 2 ユニットによる 4 年間の現地調査につ いても、4 年間の成果を 『分析データ集』 として刊行した。 さらに、 本学の学部学生を対象とする 「エコ・フィロソフィ入門」 の講義は、 今年度も 本 イ ニ シ ア テ ィ ブ の 研 究 者 を 中 心 に、 全 学 総 合 科 目 と し て 開 講 し た。 そ の 他、HP に お け る研究成果の公開、 年に 2 回の Newsletter を発行した。 刊 行 物 と し て は、 エコ・ フィロソフィ講 義 の 教 科 書 と し て 2010 年 の 1 月 に 『エ コ・ フ ィ ロソフィ入門』 を出版し、 学生への普及を行った。 さらに、 茨城大学と共同で行ってきた 哲学セミナーをまとめて 『エコ・フィロソフィとサステイナビリティ』 を出版し、 一般社 会へのアウトリーチを図った。 4 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol. 4 4 年間を通じて、 小冊子 『サステナ』(0 号~最終 14 号) へ研究員が寄稿を行い、 毎年の 活動を 「エコ・フィロソフィ」 研究年報と年報別冊によって公刊した。 それに加えて、 最 終 年 度 に あ た る 本 年 度 は、4 年 間 の 活 動 を 集 大 成 し た 『東 洋 大 学 「エ コ・ フ ィ ロ ソ フ ィ」 学 際 研 究 イ ニ シ ア テ ィ ブ 2006 ~ 2009 年 度 活 動 報 告』 を 発 行 し て、 各 研 究 機 関、 関 係 者 に TIEPh の活動と成果を知らしめた。 〈活動報告詳細〉 TIEPh 研究員は下線表記 4 月~ 7 月 東洋大学の 「全学総合授業」 として、「エコ・フィロソフィ入門」 を開講 2009 年度 全学総合 IA『エコ・フィロソフィ入門』 4 月 ・20 日 『サステナ』11 号へ寄稿 山田利明 エッセイ 「なぜサステイナビリティでなければならないか」 竹村牧男 連載エッセイ 「かそけき風を聴く」 サ ス テ ナ の 眼 「木 村 競 ・ 蔵 田 伸 雄 ・ 竹 村 牧 男 ・ 山 田 利 明 哲 学 セ ミ ナ ー ― サ ス テ イ ナ ビ リ ティ学における哲学の役割」 ・25 日~ 26 日 日中哲学国際シンポジウム・TIEPh 後援 テーマ:「環境・生命・共生」「若手研究者の哲学の現代的課題」 発表者:河本英夫、 稲垣諭 場所:浙江樹林大学 5 月 ・8 日 Julie Matthews(ジュリー・マシューズ) 氏講演会 テーマ:「サステイナビリティの教育について―オーストラリアの現状から」 司会:大島尚 場所:東洋大学白山キャンパススカイホール ・16 日 2009 年度 TIEPh 学内ワークショップ 5 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol. 4 発表者:河本英夫 「システムデザインと環境」、 稲垣諭 「環境デザインについて」 質問者:武内和彦 (IR3S 副機構長、 国連大学副学長) 場所:東洋大学白山キャンパス 第三会議室 ・21 日 2009 年度 TIEPh ワークショップ① テーマ:「環境問題の日本遺産①」 講師:小出五郎 場所:東洋大学白山キャンパス 5304 教室 ・28 日 2009 年度 TIEPh ワークショップ② テーマ:「環境問題の日本遺産②」 講師:小出五郎 場所:東洋大学白山キャンパス 5304 教室 6 月 ・4 日 2009 年度 TIEPh ワークショップ③ テーマ:「食における生命の全一性」 講師:中川光弘 場所:東洋大学白山キャンパス 5304 教室 7 月 ・ニュースレター No.8 発行 「温暖化対策をめぐる多重論理」 三村信男 「宗教とエコ・フィロソフィ」 予告 渡辺章吾 「ジュリー・マシューズ氏講演会報告」 大島尚 「環境哲学に関するフランスでのインタビュー報告」 永井晋 ・4 ~ 5 日 第 10 回認知運動療法研究会学術集会 テーマ:「新しい時代のコペルニクスたち - 認知運動療法から認知神経リハビリテーションへ -」 発表者:河本英夫 場所:神戸文化ホール 6 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol. 4 ・20 日 『サステナ』12 号へ寄稿 竹村牧男 連載エッセイ 「阿修羅に想う」 9 月 ・19 日 TIEPh 主催国際シンポジウム テーマ:「環境哲学の可能性~環境問題の解決に向けて~」 コーディネーター:山口一郎 パネリスト:丸山徳次、 桑子敏雄、M・グートマン、G・シュテンガー、 河本英夫 場所:東洋大学 6 号館 6309 教室 10 月 ・10 日 IR3S、TIEPh 共催 2009 年度哲学セミナー テーマ:「持続可能な発展と自然、 人間」 基調講演者:小坂国継 研究発表:稲垣諭、 上柿崇英、 竹村牧男、Jeffrey.Clark、 中川光弘、 岡野守也 総合司会:竹村牧男 場所:東洋大学スカイホール ・20 日 『サステナ』13 号へ寄稿 竹村牧男 連載エッセイ 「地球が滅びる時に」 11 月 ・28 日 TIEPh 主催国際シンポジウム テーマ:「日本発のエコ・フィロソフィを求めて」 基調講演者:ドナルド・キーン コーディネーター:竹村牧男 パネリスト:ウイリアム・ ラフルーア、 フレデリック ・ ジラール、 竹内整一、 吉田公平 場所:東洋大学井上円了ホール 後援:読売新聞社 12 月 ・第 3 ユニット 『哲学者インタビュー集』 刊行 7 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol. 4 1 月 ・第 2 ユニット 『「エコ・フィロソフィ」 分析データ集』 刊行 ・ニュースレター No 9 発行 「「エコ・フィロソフィ」 を求めた 4 年間を終えるにあたって」 竹村牧男 「第 1 ユニット ICAS/TIEPh 共催国際セミナー報告」 西村玲 「第 2 ユニット浙江大学訪問記 (2009 年 9 月)」 大島尚 「第 3 ユニット国際シンポジウム報告 「環境哲学の可能性」」 山口一郎 「国際シンポジウム 「日本発のエコ・フィロソフィを求めて」」 TIEPh 事務局 ・20 日 『サステナ』14 号へ寄稿 竹村牧男 連載エッセイ 「春はいかに到来するのか」 ・26 日 『エコ・フィロソフィ入門―サステイナブルな知と行為の創出―』 出版 2 月 ・12 ~ 13 日 IR3S 国内ワークショッププログラム テーマ:「活動総括と今後の計画」 発表者:東京大学 (住明正)、 京都大学 (小西哲之)、 大阪大学 (梅田靖)、 茨 城 大 学 (三 村 信 男)、 北 海 道 大 学 (田 中 教 幸)、 東 洋 大 学 (山 田 利 明)、 国 立 環 境 研 究 所 (増 井 利 彦)、 東 北 大 学 (大 村 達 夫)、 千 葉 大 学 (宮 崎 良 文)、 早 稲 田 大 学 (松 岡 修 二)、 立 命館大学 (中島淳)、 国際連合大学 (Srikantha Herath) 場所:東京大学 本郷キャンパス山上会館 3 月 ・『「エコ・フィロソフィ」 研究 別冊』 第 4 号刊行 ・『「エコ・フィロソフィ」 研究』 第 4 号刊行 ・『エコ・フィロソフィとサステイナブル―西洋と東洋の対話から』 出版 ・1 日 活動報告会 発表者:第 1 ユニット発表 竹村牧男 第 2 ユニット発表 大島尚 第 3 ユニット発表 稲垣諭 場所:東洋大学白山キャンパス 6306 教室 8 東洋大学「エコ・フィロソフィ」研究 Vol.