Inclusive Environmental Assessment of Water Purification Techniques in Tokyo Bay

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Inclusive Environmental Assessment of Water Purification Techniques in Tokyo Bay

2008 年 1 月 30 日 東京大学大学院工学系研究科・環境海洋工学専攻

東京湾における水質改善技術の包括的環境影響評価

66338 川淵 信 指導教員 山口 一 教授 段 烽軍

Inclusive Environmental Assessment of Water Purification Techniques in Tokyo Bay KAWABUCHI, Makoto Graduate School of Engineering, University of Tokyo YAMAGUCHI, Hajime Graduate School of Engineering, University of Tokyo DUAN, Fengjun Ocean Policy Research Foundation

Abstract With economic growths in coastal areas in Japan, water pollutions have become a serious problem especially in closed coastal seas, like Tokyo bay. Now we have various water purification techniques and are trying to develop the area around Tokyo bay sustainably, but we don’t have an effective way to assess their inclusive effects. In this study, we assess economic and ecological effects of water purification techniques, such as creation of tidelands, sea grass beds, sand covering and sewage disposal in Tokyo bay, using inclusive environmental assessment index, Triple-I (Inclusive Impact Index). Then, we study the effectiveness of Triple-I itself. Triple-I includes Ecological Footprint (EF), Ecological Risk (ER), Human Risk (HR) and Cost (C). In this paper, we propose the methodology for calculating the ER which has been a bottleneck in figuring out Triple-I. We perform 10 year ecosystem simulations after assumed water purification technique adoption to estimate the change in primary production which leads the biodiversity index. This index is used to assess ER. In this manner, we inclusively assess the three techniques and clarify the effectiveness of Triple-I.

1 序論  覆砂 東湾をはじめとした閉鎖性海湾では,沿岸域の開発・発 覆砂のプランも同様に国土交通省関東地方整備局の発表 展の 代償として,水質汚染や底質汚染が問題となってきた . した東京湾水環境再生計画(案)4)を参考にして作成した. 近年では,国民の環境への関心が高まり,東京湾に生きる 東京湾湾奥には部深掘が点在しており,その解消が青潮の 生物にとっても,沿岸域に生きる人間にとっても,より安 発生や底泥から栄養塩溶出を抑制することにつながるもの 全で豊かな環境へと開発していくことが課題となっている. と予想される.深掘跡の解消が期待されるエリアを Fig.2 に 東京湾における水質改善技術についての研究は,これま 示す. で数多く行われており,水質改善技術全般にわたる BOX モ  陸域負荷削減 1) デルによる効果予測 ,内湾において底泥からの汚染負荷を 陸域負荷削減は 2006 年に環境省より発表された,2009 2) 削減する覆砂工法についての効果の検討 ,また,海岸工学 年度の削減目標値をもとに,目標を達成するプラン,目標値 の分野において人工干潟・藻場造成に向けたケーススタデ よりさらに 10%削減されるプラン,目標値よりさらに 20% ィが数多く行われている. 削減されるプランを作成した.それぞれのプランについて 一方,日本船舶海洋工学会 IMPACT 研究委員会では海洋 河川データを作成し,流入負荷量の増減を再現した. 2009 大規模利用技術に対する包括的環境影響評価の手法につい 年度の削減目標値と 2004 年度の実績値を Table 1 に示す. て深く議論し,包括的環境影響評価指標 Triple-I (Inclusive Impact Index,III)を提案 している.これまでに,CO2 海洋隔離やメタンハイドレ ート開発についての Triple-I を用いた評価,また,グローバ ル な 環 境 影 響 評 価 指 標 で あ る Ecological Footprint ( 以 下 EF)による評価についても研究が行われた 3). 本研究の目的は,東京湾における水質改善技術を対象に 包括的影響評価指標 Triple-I を用いて,水質改善技術の環境 へのインパクトを客観的かつ定量的に評価することと,包 括的環境影響評価指標 Triple-I の指標そのものの評価,及び 有効性の検証を行うことである. 2 水質改善技術 本研究では以下の 3 つの水質改善技術を扱う.  人工干潟とアマモ場 人工干潟とアマモ場造成のプランは国土交通省関東地方 整備局の発表した東京湾水環境再生計画(案)4)を参考に干 潟とアマモ場を配置することとした.Fig.1 にプランを示す. また,各候補地とも 20ha(埋め立て深さ 16m)の干潟を造 成し,アマモ場の造成については,それぞれの候補地で 1ha の造成を行うものと設定した. Fig.2 Candidate site for sand Fig.1 Candidate sites for creatingcovering or expansion of tideland and sea grass field BC についても干潟と同様に,アマモの生育による BC の増 加と,アマモ場境界条件を用いて数値計算した結果より求 められた,海域の植物プランクトン一次生産量の減少とを Table 1 The target of influent load into Tokyo bay in 2009 合計して BC の変動を見積もった. 覆砂については,人工干潟の造成と殆ど同様の手順で施 工が行われると仮定しているが,養浜工事や陸上用建設機 械等の使用は当然ないものとして,造成時 EF を算出した. 覆砂による新たな生物生産等は無いものと考え,また,本 研究では覆砂境界条件を用いた数値シミュレーションの結 果が得られなかったため,覆砂の BC 算出は行っていない. 陸域負荷削減では,主に中島ら 6)による下水道システム

の LCA データを用いて,陸域負荷削減システムの CO2 排出 量を求め,EF に換算した.陸域負荷削減による新たな生態 系の創出は,覆砂の場合と同様,無いものと想定して , 3 評価手法 2009 年度目標達成時の河川流入データを用いた数値シミュ 3.1 Triple-I とは レーション結果を元に BC の変動を見積もった. 本研究で用いる指標 Triple-I (Inclusive Impact Index, III)は, 日本船舶海洋工学会 IMPACT 研究委員会によってその枠組 3.3 ER みが提案された環境影響評価指標である 3).Triple-I は(1)式 本研究におけ ER の算出では,Dodson ら 7)による,一次 のように表現される. 生産量と生物種数の相関から,海域における生物多様性の また,通常の算出においては(2)式のように,「現状(水 減少リスクを見積もるものとする.相関は Fig.3 に示すよう 質改善を行わない場合)」との変化分である ΔIII を算出する. になっている.Dodson ら 7)は湖沼を対象に調査を行ってお 本研究でも,ΔIII の計算結果について議論する. り,その結果がそのまま東京湾に当てはまるわけではない EF が,東京湾の閉鎖的特性等を考慮すると,東京湾にも用い III  EF ER  ER  C (1) ることができると仮定して計算を行った.東京湾における GDP 一次生産量は,主に植物プランクトンによるものと仮定し EF て計算を行った. III  EF ER  ER  C (2) GDP

ここで EF はエコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint),ER は生態リスク(Ecological Risk),HR は人間リ スク(健康リスク,社会資産へのリスク(Human Risk)),C はコスト(Cost)とベネフィット(Benefit),ΣEF/ΣGDP は世界 の総 EF と総 GDP の比(EF-経済価値換算係数),α は EF -生態リスク換算係数,β は経済価値-人間リスク換算係数 である. Triple-I の最大の特色は,経済価値として算出される HR と C を,EF,ER と同じフットプリントの単位に換算するた めの係数として,世界の総 EF と総 GDP の比を用いたこと である.ここで,EF は gha(グローバルヘクタール)とい う単位で表される.つまり,Triple-I では全ての項目を gha に換算して計算を行うため,必然的に Triple-I の単位は gha となっている.本研究においては,国内における技術の比 Fig.3 Relationship between species richness and primary 較であるため,ΣEF/ΣGDP には日本の EF と GDP を用いて productivity7) Triple-I を算出するものとする. ここで,注意されたいのは,ΔIII が正の値であれば,環 境や人間社会への負荷が生じ,負の値であれば環境や人間 社会に対し,何らかのメリットがあるということである. また,値の絶対値が大きいほど,その負荷やメリットも大 きいといえる. 以下,本研究における各項目の算出法について簡単に説 明する.

3.2 EF 人工干潟の造成に当たっては,資材輸送,浚渫・埋め立 て工事,維持といった造成事業における直接的なエネルギ ー消費と,事業において使用される建設機械,作業船舶等 の製造に投入される間的エネルギー,さらに,造成時に投 入される資材の製造のために消費されるエネルギー等が考 えられる.これらのエネルギー消費データをライフサイク ルアセスメント(LCA)の手法を用いて,CO2 排出量に換算し, さらにその CO2 を吸収するのに必要な森林面積に換算した. また,干潟の造成に伴う東京湾内の生物生産量の増減を, 後述する数値計算によって,また干潟上の生物生産を桑江 ら 5)の実験結果を用いて見積もり,BC(Bio Capacity:実際 の地球の生産(処理)可能容量)の増減として ΔIII に統合し た. アマモ場の造成における EF の増加も上述した干潟の場 合と同様に求めた.本研究ではアマモシート(アマモマッ ト)によるアマモ場造成を仮定して EF の算出を行った. Dodson ら 7)は種の豊富さ(Species Richness)の常用対数を ては(5)式のように定義されている. とった値 である log10S を,一次生産量の常用対数をとった 値である P を用い て,(3)式のように表現している. C  Cost  Benefit (4) 2 (3) log10 S  a  bP  cP  d log10 (Area) それぞれの水質改善技術についての C の算出項目は Table 2 のように設定した. ここで a,b,c,d は生物種によって決まる係数,Area Table 2 Items to be calculated for cost & benefit in は水域面 積であり,本研究では東京湾全域の面積を用いて this study いる. リスクは「ハザードの大きさ」×「エンドポイントの発 生確率」 として算出されるため 8),その両者をどのように求 めるかが問題 となる.種の多様性の減少をエンドポイント とするならば,種の 多様性の減少する確率と,種の減少に よってもたらされるハザードを特定しておく必要がある. そこで,本研究では,種数の減少を「ハザードの大きさ」に 結 び つ け る べ く , 大 宮 8) の 用 い た Species Area Relationship(SAR)という方法を用いることとした.SAR は 生息地損失に伴う減少種数の予測に用いられている手法で あり,気候変動や開発に伴う生息地損失による,生物多様 性への影響を予測する際などに頻繁に用いられている.こ の生息地の損失を仮想環境改変面積 ΔA と呼び,改変前の生 息地面積 Aoriginal と改変前の種数 Soriginal 及び改変後の種数 Snew 4 数値計算モデル を用いて(4)式のように表される. 本研究における水質改善技術の効果予測には,北 澤ら 9)による海洋生態系および物理系融合モデルを用 1 z (4) いた.北澤らの論文 9)において,このモデルは大型浮 A  Aoriginal 1 Snew Soriginal   体構造物の環境影響評価に用いられているが,水温等 の物理量のみならず,COD 等の空間的な分布につい ここで,z は経験的に 0.25 とされている. これを用いて ても精度良く再現することができるモデルである.ま 環境改変面積を求め,ハザードの大きさを求めていくが, た,このモデルを用いて河川からの流入負荷に対する, このとき,本研究の対象海域である東京湾は「生産性のある 東京湾の物質負荷量の増減なども再現されている. 海域」として分類されるので,失われる海域面積に,生産性 このモデルを用いて,植物プランクトン量の増減 のある海域の等価係数である を乗じてハザード 0.36gha/ha を見積もり,ΔBC と ΔER を算出する. の大きさを求める. ここでは ER を面積として算出したが, これは本来 EF と等価なものではなく,生物多様性の価値を Fig.4 に植物プランクトン量の指標となるクロロフ 十分に議論した上で(2)式の換算係数 α を決定し,EF と ER ィル a 濃度の季節変化の実測を,Fig.5 には数値モデ のバランスを調整する必要がある.ただし,本研究におい ルを用いて求められた計算結果を示す. ては α=1 としてある. Fig.4 と Fig.5 とを比較すると,計算結果の方が全 体として高い値となってはいるものの,季節変動はよ 3.4 HR く再現されている. HR とは人間の健康や社会資本に関わるリスクである. 具体的には,人間の健康に関わるリスクとしては,技術の 適用による健康被害や環境変化による感染症の増減,社会 資産へのリスクとしては資源枯渇などがあげられる.本研 究において HR として算出した項目は,干潟における潮干 狩り,海水浴に伴う海難事故の発生のみである. 潮干狩り,海水浴に伴う海難事故の発生リスクについて は,リスクの概念にのっとり,「ハザードの大きさ」×「エン ドポイントの発生確率」を計算した.HR におけるエンドポ イントは,「人間の死」である.「ハザードの大きさ」は人間 の死によってもたらされるコスト,あるいはベネフィット ということになる.人間の命の価値は金銭的に決められる はずもないが,本研究では人間の死により支払われる金額 である保険金の平均額を用いて「ハザードの大きさ」とした. また,「エンドポイントの発生確率」は以下のように求めた. i. 日本における,潮干狩り,海水浴への参加者数とそこで Fig.4 Transition of Chlorophyll a density in Tokyo bay, Actual value の死亡者数から潮干狩り,海水浴における死亡確率を算 出した. ii. 神奈川県金沢海の公園への来場者数と海の公園の面積を 用いて,東京湾の干潟の単位面積当たり来場者数を算出 した. iii. i.,ⅱ.から東京湾の干潟の単位面積当たり死亡確率を算 出した. このようにして得られた「東京湾の干潟 1ha あたりの年間 死亡者数」と「死亡者 1 人あたりの保険金額」から東京湾の干 潟 1ha あたりの HR を算出することができる.

3.5 C C はコストとベネフィットから導かれる.Triple-I におい Fig.5 Transition of Chlorophyll-a density in Tokyo bay, Result of numerical simulation (average value on the sea surface) 5 算出結果 前述のように,Triple-I の算出のための ΣEF/ΣGDP につい ては,本研究では国内の技術を扱うため,日本の EF と日本 の GDP から算出した値を用いた.2005 年の値では ΣEF/ ΣGDP=1.03 ×10-6gha/yen であった.また,水質改善技術の 適用期間は 10 年とし,10 年後の水質予測結果を用いて⊿III の算出を行った.

5.1 EF の算出結果 本研究では干潟を 20ha(埋め立て深さ 16m),アマモ Fig.8 Annual transition of ⊿EF(Sewage disposal) 場は 1ha,覆砂は 30cm 程度の覆砂を行うものとし,陸域 負荷削減では目標値を達成するために処理すべき水量を計 また,覆砂の施工時 ΔEF は 5.25×10-4gha/m2,陸域負荷 算し,中島ら 6)の処理水量 1m3 あたり排出される CO2 のデ 削減の浄化における ΔEF は Table 3 に示す結果となった. ータを用いて ΔEF を算出した. 干潟潟とアマモ場については,BC の影響により,ΔEF が経年的に変化する.干潟,アマモ場,陸域負荷削減の ΔEF の経年変化を Fig.6,Fig.7,Fig.8 にそれぞれ示す. Table 3 Results of ΔEF (Sewage disposal) (gha/year)

5.2 ΔIII の算出結果 ΔER,ΔHR については先述した手法によりそれぞれ値を 求めた.また,ΔC については干潟・アマモ場・覆砂の造 成・施工・維持コストを上月ら 10)のデータより算出し,陸 域負荷削減の処理コストについては東京都下水道局が Web 上に公開しているデータ 11)を用いて算出した. (2)式の換算係数に関しては,本来,特に α は選好独立型 のアンケート等を用いて,また,β についても傷害等を考慮 Fig.6 Annual transition of ΔEF (Tidelands) して,値を決定すべきものである.ただし本研究において は,α=1gha/gha,β=1yen/yen として算出を行った. 本研究では,干潟を 6 地点に,アマモ場を 4 地点に, また,陸域負荷削減については 3 つのプランを考案し,比 干潟の造成場所によって,⊿EF が正になったり,負にな 較検討を行ってきたが,各技術の各候補地における⊿III の ったりするのは,造成した場所での水質の違いによる.例 詳細を,Table 4 から,Table 7 に示す.ただし,覆砂につい えば,三枚州(⊿ EF>0)は,荒川,江戸川,隅田川といった, ては,ΔBC,ΔER が算出できなかったため,比較を行って 負荷流入の多い河川の河口付近に位置しており,湾全体へ ない。 の栄養塩の流入を大きく妨げるため,結果として湾全体の 干潟(Table 4,Table 5)とアマモ場 (Table 6)で ΔER 炭素固定量が減少し,BC が減少していると考えられる の正負が異なっている。これは干潟においては植物プランク トンの量が少なくなり,Fig.3 の各図において,横軸の大き い側から中央に近づくため,種類が増加するからであり, アマモ場ではアマモからの酸素供給により,植物プランク トン量が増加するためである.1 Table 4 Details of ⊿III (Tidelands,No.1)

Fig.7 Annual transition of ΔEF (Sea grass beds) Table 5 Details of ⊿III (Tidelands,No.2)

Fig.8 Triple-I comparison among water purification techniques after 10 years

Table 6 Details of⊿ III (Seass beds)

Fig.9 Annual transition of ⊿III during 10 years Fig.8 のように,干潟・アマモ場の Triple-I では ΔEF の値 が支配的になっているのに対し,陸域負荷削減では ΔC と ΔEF とが支配的であると言える. Fig.9 から,干潟・アマモ場の造成における⊿EF や⊿C は,1 年間もすると償却されてしまうことがわかる.一方, 陸域負荷削減はコンスタントに⊿C,⊿EF が増加するため, ⊿ER による減少を加味しても経年的には⊿III は増加してい くことになる.

6 結論 Table 7 Details of ⊿III (Sewage disposal)  包括的環境影響評価指標 Triple-I を用いて,人工 干潟,アマモ場造成,陸域負荷削減といった水質改善技 術の定量的評価を行った.  従来、算出法の確立されていなかった ER につい ては,数値予測 結果を利用して,生物多様性の変化に着 目する,新しい評価法 を提案した.  ΔIII により,それぞれの技術の包括的評価を定量 的に行った結 果,アマモ場がもっとも良く,ついで干潟, 陸域負荷削減が最 下位となった.  干潟とアマモ場の Triple-I では,ともに ΔBC が 支配的になって おり,EF の概念に基づけば,生物生産量 の増加により海域を豊かにする効果が期待できる.

Table.4 から,Table.6 に示されるように,干潟・アマモ場 では⊿EF,とりわけ⊿BC の値が支配的になっていることが わかる.一方,陸域負荷削減では,⊿C の占める割合が大 きいという傾向が見て取れる. さらに,各技術の中で⊿III が最も良いものを抽出して技 術同士を比較したものが Fig.8 である. また,それぞれの技術について⊿III の経年変化を Fig.9 に示す. 7 結論  本研究では生態リスク ER の係数 α=1 として計算を行った ため,ER の影響がほとんど無かったが,今後はアンケー ト調査など,社会的な評価を受けた値にしていくべきで ある.  今回 ER として考慮していない赤潮・青潮について,特に 青潮は被害も時として甚大であるので,その ER や HR を 算出するための枠組みを作るべきである.

8 参考文献 1) 堀江毅,海域の物質循環過程のモデル化と浄化対策効果 の予測手法について,港湾技術研究所報告,第 26 巻, 第 4 号,pp.57-123,1987 2) 堀江毅,三河湾での覆砂による底質浄化の環境に及ぼす 効 果 の 現 地 実 験 , 土 木 学 会 論 文 集 , No.533 , Ⅱ - 34,pp.225-235,1996 3) (社)日本船舶海洋工学会 海洋の大規模利用に対する包括 的環境影響評価研究委員会,第 1 回 IMPACT シンポジウ ム proceedings,2007 4) 国土交通省 関東地方整備局,東京湾水環境再生計画 ( 案 ) , 2005 http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/region/tokyobay/ 5) 桑江朝比呂・細川恭史・小笹博昭,メソコスム実験によ る人工干潟の生物生息機能の評価,海岸工学論文集,第 47 巻,pp.1101-1105,2000 6) 中島英一郎・山下洋正・中島智史,下水道システムの LCA 評価に関する研究, 平成 14 年度下水道関係調査研究 年次報告書集,2002 7) Stanley I. Dodson,Shelley E. Arnott,and Kathryn L. Cottingham , The relationship in lake communities between primary productivity and species richness,Ecology,81(10),pp.2662-2679,2006 8) 大宮俊孝,CO 2海洋隔離の環境リスク評価に関する研 究,東京大学修士論文,2007 9) 北澤大輔・藤野正隆・多部田茂,超大型浮体式構造物の 海洋生態系への影響に関する研究,日本造船学会論文集 第 192 号,pp.277-287,2002 10) 上月康則・中西敬・重松孝昌・大塚耕司,環境修復技術 の 選 定 手 法 の 確 立 に 向 け て , ECOSYSTEM ENGINEERING,第 6 号,pp.53-89,2001 11) 東 京 都 下 水 道 局 , 技 術 統 計 情 報 , 事 業 概 要 , http://www.gesui.metro.tokyo.jp/gijyutou/gijyutou.htm

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