CONTENTS 九谷ジズファンクラブ(KJFC)会報 公式ホームページ : http://www.kjfc.info GROOVY VOL.40

2006.10.28

〔Japan Junction〕 シリーズ特集(4)「“今”のジャズ喫茶」東京・十条『響』の巻 3 札幌例会より S.T. 6 Y's ROOM No.16「Y 懐かしの京都のジャズ喫茶に行く」 7 我蘭堂、名古屋・豊田市のジャズ喫茶に行く 8 草加JAZZ IN E.K.さんのJAZZとの係わり H.S. 9

KJFC TOPICS 10

A Letter From The Bassman 伊藤 潮 11 D I S K 紹介 紅 我蘭堂 12

2006年上半期 HMVジャズCD売り上げランキングの考察 解説:高木信哉 13 気まぐれジャズマン 第20回 水戸守敬一郎 16 カドやんのジャズ教室 vol.25 門倉洸太郎 17 ハービー・ハンコック研究・第7回 高木信哉 18 SOUL TRAIN Vol.2 撮影:M.T. 21 RED GARLANDの魅力について 第23回 紅 我蘭堂 22 MEMBER'S ROOM 第4回 24

RECORD CONCERT(例会)REPORT 26 「作曲家シリーズ(1) ジミー・ヴァン・ヒューゼンの名曲を聴く」 KJFCライブの足跡(1) 太田 剣+田中信正“カルテル”トリオ 「映画館」特集:澤野工房 特集:低音の魅力 Eddie Costa と Pepper Adamsのアルバムを集めて 特集:『女性ヴォーカル スタンダード・ナンバー聴き比べ』Vol.4 「映画館」特集:「映画館」で映画ジャズ 「ROLAND KIRK特集 前編」

表紙及び本文中イラスト制作(各ロゴマークを除く)……水戸守敬一郎 ※無断転載はかたくお断りいたします。 本誌印刷・製本:文京堂 東京都文京区本駒込1-10-4 電話03-3941-4508

このPDF版GROOVY-40号は、印刷物として発行したものを基に新たにレイアウトしています。 したがって、印刷物とは一部異なる部分があります。 J.J.J. Japan Jazz Junction シリーズ特集(4)「“今”のジャズ喫茶」 東京・十条『響』の巻 ジャズ喫茶が全盛だった60年代70年代を経て、今新しくジャズ喫茶を開店しようと望んでいる人は実は多く存在している。 しかし、現実に店を構えて商売として立ちゆくようにしていくには、さまざまな努力や工夫が必要なことも確かなようだ。神 保町で長く店を構えていた大木俊之助氏が湘南に引っ込んで早10年近くになり、店名を繋いだ東京・十条の『響』も開店4 周年を迎えた。今回は、マスター小松繁樹氏に近況を伺ってみた。

ジャズ喫茶と喫茶のあいだで ないと思いますが、開店して10ヶ月くらいは、音も下 本誌「こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。 げずにガンガンやっていたのです。その頃は午前11時 さて東京の城北地区はジャズ喫茶が皆無と言っていい に店を開いて午後8時には閉めていました。最後には ほどの不毛地帯でしたが、数年前にこの店がオープン 一日のお客様が3人くらいの日々が続いたのです。ご し、しかも名店“響”の名前だと聞いたときは、本当 近所の方は、はっきり言って音が小さければ店に来る。 にうれしかったです。もう開店してからどれぐらいに 大きな音なら会話もできないし頭が痛くなるから来な なりますか?」 い、と言って、ジャズに関係ない人は来なくなってし 小松「はい、お蔭様で4周年を迎えることができまし まいました。“気違い喫茶”なんて評判もあったようで た。“響”という店名は、神田の大木さん(注:神田神 す(笑)。これくらいにボリュームを落とせば何とか店に 保町にあった“響”のマスター大木俊之助氏)に、お 居られる、と言ってお客さんは戻って来てくれました」 願いして名前を使わせてもらうことを了承していただ 注)店内のボリュームは、確かに我々が認識するジャ ズ喫茶よりは小さく、一般の喫茶店で流すBGMより は大きい音でした。

日本人プレーヤー中心にと考えて 本誌「日本人プレーヤーのLPが充実しているという評 判を聞いたのですが」 小松「はい、私の思い入れがあって、スタートはすべ て日本人が演奏しているジャズでした。最初のうちは 日本人プレーヤーのレコードしか掛けませんでした。そ れこそ私が考える日本ジャズ・ベスト20というアルバ ムから、宮沢昭のムード歌謡のようなものも掛けてい ました。 陸前高田にあるジャズ喫茶“ジョニー”さん(http:// www.johnny-jazz.com/9-0-0.html参照)と同じよう に、日本人ジャズ専門でやろうと考えたのですが、ジャ ズファンの方の足が遠のいてしまいました。それはそ うですよね。はっきり言って、大方のジャズ喫茶のお 客さんは、外国のものを聴きたいですよね。1時間も2 時間も日本人だけ聴いていたら、普通のジャズファン は嫌になりますよね(笑)。リクエストだって、マイルス やエバンス、コルトレーンといったいわば定番のとこ いただ ろが多いわけですからね。なかには日本人のジャズが けで、店そのものやコンセプトを継承したというわけ 好きだと言うお客さんも2、3人はおられたのですが、 ではないのです」 他のお客さんは名前を聞いただけで帰ってしまいます。 本誌「この店のセールスポイントというか、マスター たとえば宮沢 昭の『木曽』とかを掛ければ、まだい が力を入れている点はどこでしょうか」 いのでしょうが北村栄治なんかを掛けるとだめですね。 小松「そうですね、セールスポイントというのは特に それこそムード系のもの、宮沢昭のムードジャズのよ

3 J.J.J. うなアルバムを平気で掛けていました。結局日本人ジャ など来てくれなかったのですが、今は普通に来ていた ズで埋めると言ってもTBM(注:スリーブラインド だいています。またジャズファンの方も遠いところか マウスレーベル)はリアルジャズですが、それ以外も らわざわざお越しになる方もいます。先日も休みの日 たとえば宮沢昭が森進一の『おふくろさん』を吹いて に掃除をしていたところにお客さんがこられて『今日 いるもの(笑)、少しアドリブが入るのですが(笑)。その は休みですから』とお断りしたのですが、『遠くから来 うちにお客さんが避けるようになったり、知らないと たから、ぜひ入れろ』と押し問答になってしまいまし ころで『あの店は変なのを掛けてるよ』という噂が流 た(笑)」 れたりしていたのではないかと思います。 本誌「(笑)本当にジャズファンは身勝手でわがままです それともうひとつ、お客さんの中で、ジャズ喫茶だか ね。私たちも気をつけます」 らいいだろうという感じで、今掛けているレコードの 小松「やはり、初めて来店された方で話しかけられて ジャケットを、このジャケットホルダーから抜いて、ジャ こられる方がいるのですが、何をしゃべっていいか困 ケットを痛めてしまった方がいました。ご存知のよう に昔のジャケットはペラペラなので痛みやすいのです。 私としては“宝物”のように大事にしていたものなの で、とても残念でしたし、何だか面倒くさくなってし まって、『もういいや、日本人は家で聴けばいいや』と 思って、日本人ジャズは全部家に引き上げたのです。そ して外国のレコードと入れ替えました。 うちはどうしても“喫茶店”というイメージが強いみ たいです。確かに大きな音で掛けられないので、ジャ ズ喫茶と言えないと思います」 本誌「そうだったのですか。でも先日来たときに太田 寛二の『BLUE HIGHLAND』の再発CDが掛かって いましたね。うれしくなって、次の日にすぐ買いにい きました(笑)。そういう情報発信の場というか、店で音 ります。またひとりでやっていますので、混み合って を聴いて、自分のライブラリーを増やすというジャズ いる時に“リクエストを”と言われてもお応えできな 喫茶本来の姿はあると思います」 いのです。朝から来られるというか、長時間居られる 小松「ありがとうございます。そう言っていただける 方もいますが、できればコーヒーのお代わりをしてい とうれしいです」 ただきたい(笑)。売り上げが増えればアルバイトを入れ られるし、お話しも少しは出来るかもしれません」 忙しさを縫ってライブの企画も 本誌「昔のジャズ喫茶のマスターというと、鋭くにら 本誌「ライブなどの企画はあるのですか」 みを利かせていて、話しかけることができなかったも 小松「はい、これまでも1周年とか3周年などの記念 のです。最近はお客さんの質が変わっているのかもし でライブを3回行ないました。JAJAというグルー れませんね」 プに出てもらいました。また松風鉱一さんとか林栄一 小松「少し音を下げて営業していますから、初めて来 さんにも出ていただきました。結婚式の2次会も4回 られたお客様でジャズ好きだなと思ったら、なるべく やっています(笑)」 スピーカーに近い席に座ってもらうようにしているの 本誌「マスターご自身はどのようなジャズがお好きな ですが、中にはその席を嫌がる人もいるのです」 のですか」 本誌「ほう、それはどういう訳ですか」 小松「やはり50年代60年代のブルーノートを中心と 小松「見ず知らずの人に背中を向けていると怖いそう したハードバップと、先ほども話しました日本人ジャ です(笑)。で、スピーカーから一番遠い席に座ってしまっ ズになります」 て、『音が小さい!もっとボリュームを上げろ!』とい うことになってしまいます(笑)」 本誌「お客様はどのような方が、お見えになるのです 本誌「(笑)本当にジャズファンは身勝手でわがままです か。お見受けしたところ、ご近所の方が多いように見 ね」 受けられますが」 小松「先ほども話した通り、最初のうちスピーカーの 混雑のときにはご迷惑をおかけすることも 音も下げずにガンガンやっていたところ、ご近所の方 小松「お蔭様で、今は土曜日・日曜日など時間帯によっ

4 J.J.J. ては満員になって、店に来られたお客様をお断りする 場合もあります。なにせひとりでやっていますので、お 客様となかなか会話ができません。ジャズファンの中 には、レコードやオーディオについて話しがしたいと 語りかけてくださる方もいるのですが、お応えできな いのです。アルバイトを入れるなど人を増やそうと思っ ても、なかなか思うようにいきません。どうかご了解 くださいと言うしかありません」 本誌「酔っ払って迷惑を掛けるような人はいないので すか」 小松「そういう人は開店以来一人しかいませんでした。 午後10時に閉店しますので、それがよかったと思いま す。適度に飲んでいただけると売り上げ的には助かる のですが(笑)」

本誌「はい、私たちもこれからは『お代わり』をする ように心がけます(笑)。本日はお忙しいところ本当にあ りがとうございました。お休みが少ないようですが、ど うかお体に気をつけて、頑張ってください」 小松「はい、ありがとうございました」

(取材後記) 近頃は地方だけではなく東京でも「シャッター商店街」が増えてきている。そうした中でも十条仲原の商店街 は、賑わいを保っている。取材のこの日も買物帰りであろう年配の女性が二人カウンターでコーヒーを飲み、 ベニー・グッドマンを聴きながら「ジャズっていいわね」「本当ね、今度はゆっくり来ようね」など会話をしてい た。小松マスターは『うちはジャズ喫茶ではありませんから』としきりに謙遜されていたが、モノトーンで落ち 着きがある店内といい、存在感があるJBLのスピーカーといい立派なジャズの発信元だと感じた。金曜日の 夕方に取材したのだが、ひっきりなしにお客様が来店されて、しっかりと根付いている感じがした。どこか懐 かしく気さくな街の中にありながら、コーヒーの種類の多さ、また時間を掛けて一杯いっぱい丁寧にコーヒー を入れている小松マスターの姿が印象的だった。

追記 十条『響』は、2006年暮れを喪って閉店いたしました。 同じオーナーの手で2007新年より神保町にて『喫茶去』(きっさこ)がオー プンしました。

5 J.J.J. 札幌例会より S.T.

KJFC会員の皆様、新人のJoanie-S・Tです。正式 のラストナンバーは 入会後の出席率が悪い言い訳を含め、私のホームベー 歌謡曲受け狙いの「こ ス「札幌のアナログ例会」についてご紹介します。 の1曲」が恒例で、2 会の発足は平成6年1月。当時札幌北24条に開店 月は安西マリアの「涙 したジャズ喫茶「ランシング・ノオト(今は閉店)」を応 の太陽」、3月は園 援するため、幌平橋の傍にある中古レコード屋「ディ まり「夢は夜ひらく」 スク・エヴァンス」店主 村上氏の声かけで同店に出 がかかりました。 入りしているジャズアナログレコードマニアを中心 ほとんどのメン に、月2回各自がLPを持ち寄り、勝手レコードコン バーが車で参加のため、ノンアルコールが原則。「イ サートを開催したのがスタートのきっかけです。特に ドラ」ご自慢のカレーセット・コーヒー・バナナ 会の名前も付けず、役割も適当に持ち回り、月1ペー ジュース他で盛り上がっています。 スの不定期開催でやっています。最近こそ開催日の設 エヴァンスの親爺(お代官さまがあだ名です)の海外 定を単身9年目の私の帰省に合わせ設定してもらって 買い付け後のお土産レコード抽選会に加え、会員持ち いますが。その後数々の変遷があり(ここを詳しく書 寄りのリサイクルを兼ねたレコード交換抽選会も好評 くと差し障りがあるので省略) 開催場所は月寒「草月 です。 園」・平岸「インカルンペ」・南郷通7丁目「阿毘達磨」 この1年は二回ビアパーティーと新年会をかねて、 と変わり、現在は宮の森・大倉山ジャンプ台傍の「イ ライブも開催しました。 ドラ」にて土曜の夜6時から10時30分頃までの (会場はメンバーのN氏が中島公園そばで経営する 間、アナログ持ち寄り大会を楽しく続けています。メ CAF_ QUATRE-Lにて) ンバーは20名、常時参加は12-3名、遠く稚内・ ・2005年8月はBOSSA NOVA の夕べ 児玉 函館・東京(私です)からも常連の参加があります。 しほ(vo) 飛澤 良一(g)(宮之上さんが師匠とのこと) 会の運営はハードバップ・ヴォーカルのオリジナル ・1月は メンバーの「頭パーカー」こと加藤 要(t 盤をアットランダムにかけることに徹しており、特に s) をフィーチャーした鈴木めぐみ(og)Soul Jazz テーマを決めてやっ Unit(og.ts.as.bs.g.dsのquintet) のノリノリライ てる訳でもないの ブ。当分、私はKJFCには掛け持ちの参加となりま に、まあみんな飽き す。(1月・2月はジャズカン例会と重なってしまい ずに参加し続けてい まいた) 皆さん札幌にお越しの節は、ぜひスケジュー るもんだと新しいメ ルを合わせ飛び入り参加をお待ちしております。(当 ンバーは思っている 会石井宏一氏には帰省した1月にご参加いただきまし に違いありません。 た) メンバーには自宅 にALTECやJBLの大型スピーカーを揃え、オーディ オにうるさい人も多く、録音のよいVan Gelder録音 盤を持込んでかかる比率も高いです。イドラ自慢のJ BL・パラゴン(初期タイプ・150-4C入り)から炸裂 する音はなんとも言えない快感で、1960年代Jazz 喫茶の名店、かの伝説の「Jazz & Audio」(故岩崎 千明氏の店)を彷彿させるとのベテラン会員の声があ ります。(私は残念ながらJ&Aを知りませんが、他の パラゴンを置いているJazz喫茶の音よりは数段いい と思います。相当の大音量でかけるブルーノートのオ リなどはみんなうっとりして聞いていますよ。) 会 6 J.J.J. 「Y's ROOM No.16」

「Y 懐かしの京都のジャズ喫茶に行く」 2006.8. Y.S. 昨年暮れの倉敷(3軒)、今年3月の神戸・元町の ついて大変興味深いお話を聞くことが出来ました。 ジャズ喫茶、ジャズバーを巡り(「カフェ萬屋宗兵衛」 特に店内で使用している家具調の素晴らしいス 「M&M」「JUST IN TIME」「Jam Ja ピーカー「バイタボックス」を鳴らし続けるご苦労、セ m」)に続き、7月某日Yは京都に シル・テーラーやチック・コリアが来店した時の話は 行って来ました。 時間が経つのを忘れる程でした。 土曜の夜に京都に入り、その晩 残念ながら時間が余りありませんでしたので1時間 は京都市内のジャズ喫茶、ジャズ 半位の滞在でしたが、帰 バー巡りをするつもりで下調べも りがけにママさんにKJ 充分にしていったのですが、友人 FCの会報をお渡しし、 宅についたらすぐ酒宴が始まり、 記念にお店のマッチを所 その晩は何処にも行けませんでし 望したところ、「今は た。 マッチを使う方がいない 翌日の昼過ぎには京都を出ようと思っていましたの ので」と特別にお店の名 で、今回は収穫がゼロかと諦めていましたが、友人宅 入りのライターを頂きま の近くのジャズ喫茶を調べたところ、歩いて数分でし した。 かも日曜日の正午から開いているお店がありました。 こういう本当に昔な ※「YAMATOYA」(京都市左京区熊野神社交差点東入ル2 がらの良質のジャズ喫茶 筋目下ル) がどんどん無くなってい 実はこのお店は30年位前に一度行った事がありま ます。 した。その頃京都・大阪のジャズ喫茶巡りをした時に 「YAMATOYA」が末永く続いて、次の世代に お邪魔した事があり、Yの中では「しあんくれーる」 ジャズ喫茶文化を伝承して頂く事を強く願って京都を 「鳥類図鑑」と並んで、最も印象に残ったお店でした。 あとにしました。 今回本当に久し振りの訪問でしたが、一部内装は変 後日、訪問当日不在でしたお店のマスターから絵葉 わっていましたが、アンティーク家具で統一された当 書が届きました。 時の面影はそのままでした。休日の昼過ぎという事も 「前略.今回当店にお寄り下さった上に、30周年記 ありお客はY以外に2人でしたが、まずは紅茶を頼み 念の会報をいただき、楽しく読ませてもらいました。 ました。暫くすると先客が帰りましたので、お店のマ JAZZいう音楽を通じていろいろな人の出会が有 マさんとお喋りをする事が出来ました。 り、JAZZ喫茶を経営していて、良かったと思う時 Yが全国のジャズ喫茶、ジャズバーを巡りをしてい です。お会い出来なくて残念でした。有難う御座いま る事、このお店にもだいぶ前に来たことがある事など した。お礼まで‥」 の話をすると大変喜んで頂き、ママさんからその後の お店の遍歴・オーディオ装置・来店ミュージシャンに

7 J.J.J. 我蘭堂、名古屋・豊田市のジャズ喫茶に行く 紅 我蘭堂

Y.S.さんの全国行脚のように上手く書けるかどうか分かりませんが、とにかくレポートします。

YURI 9月17日日曜日、朝6時代の新幹線で名古屋へ向か り下がっていてビックリしたが、 う。そこで名鉄線に乗換えて岐阜県へ。いつでも法事 掛かるアナログレコードは50、60 はつらいけど、今日はある野心があるので、少しは気 年代のハードバップ。ジーン・ア が軽くなる。不謹慎だけどね。それは名古屋を中心に モンズの『BOSS TENOR』、デイ 時間が許す限り、ジャズ ブ・パイクの『PIKE'S PEAK』、ド 喫茶を回ってみようとい ルフィーの『OUT TO LUNCH』も久 う野望。墓参り、お清め しぶりに聴きました。つい粘り過 の会食を終えてイソイソ ぎたために時間がなくなり、私の と30分に1本の駅へ。1時 ためではないだろうが偶然掛かっ 間掛けて名古屋市の中心 たガーランドの『ALL MORNI 地へ帰ってきた時には、 NG LONG』もイントロしか すでに午後4時を回って 聴けず、さらに是非行かな しまいました。不慣れな名古屋駅で地下鉄に乗換えて ければと思っていた老舗『JA “久屋大通駅”で下車。テレビ塔の真下というのだろ ZZ INN LOVELY』も場所を確 か、セントラルパークに隣接したところにあったのが 認し、表の写真を撮るだけ 『YURI』というジャズ喫茶。若い店員が3名いて「い で地下鉄に飛び乗って、向 らっしゃいませ」と気持ちよく迎えてくれました。巨 かった先は・・・。 大なアルティックとおぼしきスピーカーが天井から吊

JAZZROOM KEYBOARD 名古屋都心部から電車で約1時間の豊田市。ここに 歓迎を受けまし あるのが『JAZZROOM KEYBORAD』。2001年にKJFC た。短い時間 がSJ誌で掲載された年に、やはり同じくファンクラブ だったけどマス 紹介に載っていたのが豊田市のTJN(豊田ジャズ・ ターとママさん ネットワーク)で、その本拠地がこのお店です。同じ から、貴重なお 名前『GROOVY』という会報を出しているということ 話しも聞けまし から親近感があり、以来会報の交換などのお付き合い た。宮沢 昭さ をさせていただいています。ですから一度は訪問して んやマル・ウオ みたかったのです。 ルドロンなど内 通常日曜日はお休みということでしたが、ネット 外の綺羅星プレ で調べるとたまたまこの日は営業しているとのこと。 イヤーが演奏し、また多くのファンが熱狂したステー 午後6時の開店に合わせようと思いましたが、着いた ジは本当に神々(こうごう)しく光って見えまし のは午後7時。 た。・・・素晴らしい店だったとしか言えません。都 いい店でした。適度な広さの店内はシンプルでシッ 内にもこれほどのお店はないです。 クなインテリアで、隅々まで清潔でした。壁には数10 本当は何人かお会いしたいKJ 枚のサイン入りジャケットがさりげなく飾られて、お FCゆかりの方々もいましたが、何 店の歴史を感じます。何より せ時間が分からない急ぎ旅。またの もマスターとママさんの仲が 機会を楽しみにしています。最終の とても睦まじいようで、なか 新幹線で日付けが変わってから自宅 なか自己紹介する機会がな に帰り着きました。疲れましたが充 かったのですが、勇気も持っ 実した一日でした。 て話しかけてみると、特別席 に案内していただくほどの大 豊田市小坂本町4-1-4 TEL0565-34-1031 8 草加JAZZ IN ・・・ E.K.さんのJAZZとの係わり・・・

H.S.

埼玉県草加市に「おやこ劇場」と「冒険あそび場」と言う組 織がある。子供達に各種イベントの開催、様々な遊び場を 提供することを主な活動としている。年間12回のコン サートやイベント、その企画、立案、具体としての各種交 渉など、皆さん東奔西走な日々を過ごされている。元来、 福岡に端を発した組織だそうで全国的な拡がりを見せてい る活動だがピラミッド的なものではなく、各地の自主性に 委ねられている所が素晴しいと思う。そこで、会の中心的 な役割を担っているのがKJFCの会員であるE.K.さ ブ、ベース、ドラムスの編成による伊藤潮カルテット、氏 んである。KJFC開設当初から例会やライブに尽力して の研鑽するミュージックセラピーを盛り込んだ「四季の移 頂き、小西徹トリオを迎えた二度目のコンサートでは中心 ろい」と題する組曲に大変感銘をうけた。400人の聴衆を 的存在として動いて頂いた。力作のチケットもライブを大 微動だにすることなくと言ったら大げさだが、ミュージ いに盛り上げたと思う。そして、あの名エッセー「小西徹 シャンと聴衆が協奏していた様な今までに無い音楽体験を 邸訪問記」を認めた方である。最近では、ピアノの弾き語 した。それを何とか、草加で発展させたいと考えていた。 りにも親しみレパトリーも序々に増えつつあるとか、楽し お母さん達の活動の要となっている事務所は会員方の空 みなことである。 家を提供したもので、我々6-7人ジャズライブ企画の隣 この2年間それぞれの組織は参加しているお母さん達の では、別なイベントの打ち合わせが行われ、その間スタッ 意識が高まり社会的ミッションとしてNPO法人に発展、改 フの出入りも頻繁で活気に溢れていた。「伊藤潮トリオ& めて「NPO法人草加おやこ劇場」、「NPO法人冒険あそび場 デュオ/グリーンスリーブス」を皆さんで聴いて頂き、結果 ネットワーク草加」として地域とより一体化した活動とな このライブバージョンで企画がまとまる。場所は「草加文 つている。 化会館小ホール」、後日伊藤潮さんに企画書をお届けし1部 2002年8月第9回KJFCライブ、森下滋&田中信正の は、春の黄昏から翌朝まで7曲をミュージシャンともども デュオが今は無き御茶ノ水「スタンウェイリハーサルスタ 一緒に奏でる組曲「スプリング・イズ・ヒア」(私が付けた ジオ」で行われた。本邦初演のセッションは若手ピアニス 題名です。)2部は集った方々とリクエストのやり取りをし トの逸材に依る充実した内容であったが、この時聴き入っ ながら、リラックスしたセッションとして結実した。 ていたE.K.さんは大きな感動を受け、ライブの素晴ら 当日、PM2:00からのスタートおやこ劇場、冒険あ しさを改めて実感した。その余韻が今係わっている二つの そび場のスタッフを中心とした多くの方々の賛助を得て、 組織を背景として、自分達による自主ライブ企画として浮 手作りの昼食や休憩時のもてなしにミュージシャンと集っ 上、多くの心ある賛同者を得て具体的に展開したのが「草 た草加の方々と胸襟をひらいた関係が、瞬時に生まれたと 加JAZZ INN」の発足経過である。 感じさせる雰囲気があった。こうした、良好な状況が反映 前記KJFCライブから1ヶ月位経った頃だっただろう したのか、特に一部の組曲「スプリング・イズ・ヒア」は素 か。E.K.さんから連絡を頂いた。そしてライブ企画実 晴らしく各人の組曲に寄せる意識が高まりつつ統合され、 現の為お手伝いすることになった。後日、E.K.さんを ジャズ 中心とする6-7名の方々と松原団地にある事務所で打ち として 合わせを行った。ライブの主旨は「母子劇場」や「冒険遊び の自由 場」の活動で日々忙殺されているお母さんたちを労うと同 なアド 時に、周辺の音楽好きな方々や子供たちにも参加を募り伴 リブの にジャズを楽しむと言うものであった。 跳躍も 私はその打ち合わせに望むにあたり心に決めていた企画 ある内 があった。 容だっ E.K.さんから連絡を頂いた数ヶ月前、佐久町で小西 た。 理枝さんと伊藤潮カルテットによるクラッシックとジャズ セッ のジョイントコンサートが開催され、特にサックス、バイ ション J.J.J. 終了後すぐピアノ ジャケットに使わせてもらった。前記初ライブの2003年 の嶋津さんが録音 3月以降、E.K.さんはビブラフォンの出口辰治カル モニターに聴き テットを迎え現在まで4回のライブを継続している。近 入っていた。氏に 年、私は何もお手伝いすることが無くなった。E.K.さ 依ればこれほど気 んを中心とするスタッフがミュージシャンとの関係を育み 持ち良く弾けた事 ながら、草加での独自な自主ライブとして定着させている も稀だと言う。こ からである。 の言葉からも伺わ KJFCの蒔いた種が草加で芽吹き展開して行く れる様に、私はそ ...... の時から現在に到 私は年1回の「草加JAZZ INN」のライブを大いに楽しみ る経過の中でこの にしている。皆さんやミュージシャンに会えること、そし 録音が名作「グリーンスリーブス」を凌駕する内容であると て何より桑谷さんをはじめとした大勢の方々とJAZZを共 密かに思っている。 有出来ることが何とも嬉しい。是非、「草加JAZZ INN」を 何とかプライベート盤だがジャケットを作りたいと思 記憶して置いて欲しいと思う。 い、数年経過後、私が半年係った「ハミングバード」で絵画 展を開催した佐藤弥生さんのご好意で、「太平洋美術会」初 入選作「雑木林」を草加JAZZ INNの記録としての私家盤

トミやん、吹きまくる!!

6月11日日曜日、かねてからアルトサックスを練習している富田正敏さんの発表会が、東京神田岩本町に ある『東京TUC』でありました。トミやんが通う「メイト音楽学院」の第39回のSTUDY CONCERTで、トミ やんはワンホーン・カルテット編成による“クレオパトラの夢”と、アルト、テナーサックス、ピアノという やや変則トリオによる“The Entertainer”の2曲を演奏しました。すでにレパートリーも10曲を超えているト ミやんは堂々の吹きっぷりで、アドリブを聴かせてくれました。次回の公演が楽しみです。(我蘭堂)

30周年記念ライブ開催!! さる9月10日(日)午後2時より、横浜『ドルフィー』 においてKJFC30周年記念ライブが開催されまし た。遠藤律子(p)トリオを迎えてのライブでした が、我々会員の心意気に感じてくれた遠藤さん以下 出演者の熱演で、素晴らしいコンサートとなりまし た。詳細レポートは次号に掲載します。

10 A Letter From The Bassman 伊藤 潮

ご無沙汰しております。私事、この8月に会社を立ち上げまして、多忙に窮してお りました。ヒルトン東京 セントジョージを今後プロデュースすることとなりそうで す。11月は4 6 11 13 15 18 20 23 24 25 27日と出ております。その他も どこかしらに出ておりますので、詳しくはお問い合わせ下さい。乱筆にて失礼いたし ました。 潮 拝 090-8508-0924

A Letter From The Bassman のイラスト作者のこと KJFC 2ndAlt ジャズ喫茶「有楽町コンボ」元マスターの弟さんから20 ションでした。 04年7月横浜で行なわれた「横浜JAZZ MOCANBO Sessi 小冊子にはゆあさ氏の描いた on'54 50周年記念イベントの記念小冊子を頂きまし 渡辺貞夫や宮沢昭、後藤芳子の た。見て一番初めに気がついたのは中に挿入されてい 似顔絵も載せられています。 る沢山の線画で描かれたジャズメンのイラストでし ゆあさ氏はオッチャンと呼ば た。一目見てこれは我らが会報GROOVYの伊藤潮さ れていたそうで何人かの方が思 んのページにあるBassmanのイラストと同じ作者の書 い出を書かれていますが、渡辺 いたものではと思いました。そこで家に帰ると早速G 貞夫は次のように書いていま ROOVYを開けて見たら、やはり同じyyのサインが す。 してありました。更に確認をと思い伊藤さんの結婚記 「オッチャンと初め 念のL てあったのは有楽町 P「We にあったジャズ喫茶 are Jazz 「コンボ」だったと思 Kids」 う。そのころからス を引き マートで、おしゃれ 出して だったなぁ。1953年 みると にリズム&ブルース そこに を主体としたバンド はillust 「JAFRO」を結成した。オッチャンもそのメンバーだっ rated b た。オッチャンは、ボンゴとボーカルを担当し、ビ y Yoshi リー・エクスタインばりに歌っていた。英語が達者で masa Yuasaと書かれてるではありませんか。やはりユ ダンスもうまく、ジルバなど踊るとカッコよかった。 ニークなイラストの作者は同一人物でした。 イラストはその当時から描いていて、僕の目の前で描 いていたのを良く覚えている。その後「TOKYO DATT 気軽に使われていた編集長もご存知ないのではと思 ING」(1985)のレコード・ いますが、この「ゆあさ芳正」氏は大変な方でした。 ジャケットのイラストを 2004年7月に行なわれたこのイベントの小冊子によ 描いてくれた。」 ると2回のライブが行なわれていて、第1回はメモリ 20年ほど前の伊藤潮 アル・モカンボ・セッションと名づけられ村田浩、五十 さんはゆあさ氏とどのよ 嵐明要、西城孝之介、澤田駿吾他5名のセッション。 うなお付き合いがあった 第2回は「ゆあさ芳正」モカンボMemorial Nightと、ゆ のでしょうか。お聞きし あさ氏の名前が冠されたライブです。野口久和トリオ たいものです。 と稲垣次郎の他に後藤芳子他のボーカルが入ったセッ J.J.J. D I S K 紅 我蘭堂 今回はKJFCゆかりのミュージシャンを中心にご紹介しましょう。 SWINGROOVE/太田 剣(VERVE UCCJ-9076) 太田 剣(as,ss) 早間美紀(p) 鳥越啓介(b)1,2,3,4,6,7,8,11 上村 信(b)5,8 塩田哲嗣(b)9 大槻 “KALTA”英宣(ds)1,2,3,4,6,7,9,11 大坂昌彦(ds)5,8,9 2005年12月5日11日12日16日17日録音 1.SWINGOOVE 2.OFF THE TRACK 3.EMJ 4.THE DAY OF WINE AND ROSES 5. SET YOUR MIND AT REST 6.SUNDAY MORNING 7.HEAVEN KNOWS 8.THREE GIRLS ON THE THREE RINGS 9.LOSE MY PLACE 10.想いがかなうその前に 11.NEW BALLAD(END OF A DAY) 太田 剣待望の初リーダー・アルバム。本当に満を持してのアルバムです。ファンの勝手な

願望だけど、現在のハードバップ一辺倒のジャズシーンに 剣ちゃんのジャズはハードバップとフリーとプラスアル 変革をもたらすプレイヤーは剣ちゃんと田中信正KALTEL ファの3次元のベクトルに進むものだと思います。そこに彼 Lだと確信しています。これは2000年に行なわれたKJF の新しい感性が加われば、それこそJジャズ・シーンに“刃” Cの第6回ライブを聴いたときから思っていました。今は を入れるものとなります。実際このアルバムでは、コード なき六本木「バッシュ」における田中信正KALTELLとの共 が3つか4つしかない1の、リズムとビートに乗った快調な 演は仕掛人の渋谷、成田両氏のアイディアが見事に成功。 吹き方が印象的です。聴く人によっては「ジャズロックだ」 この時に剣ちゃんがよく出ていた大塚にあるライブハウス と感じるだろうし、「4ビートじゃねえのかよ」と文句を言 「ドンファン」のママは、剣ちゃんのライブを行なうという う人もいるかもしれない。今現在の彼が目指す“ミュージッ ので、わざわざ駆けつけてくれました。ママに「剣ちゃん、 ク”が単調なハードバップではないということは理解してあ いいですね」というと「まだまだよ」と言いながら、口とは げてほしい。それにしても平井 堅のバラード10を朗々と 裏腹な笑顔を浮かべていたことが思い出される。 吹いた感性には関心しました。

EDGE/田中信正KALTELL(EWE EWCD0118) 田中信正(p) 山田晃路(b) 大槻“KALTA”英宣(ds) 神田佳子(per) 2005年11月8日9日10日、12月12日録音、1.DOWN STRE AM 2.HEAD WATER 3.猿 4.FLOWER ABSTRACTION 5.GRASSY 6.EDGE 7.TEMPERANCE 8.FLOWER ABSTRACTION もう1枚KJFCゆかりのプレイヤーを紹介。とは言って れたようだ。前作は3者一体と も“えこひいき”している訳ではない。紹介するに値するア なって疾走していたアルバム ルバムだから。KALTELLの2枚目だけど、前作から早く だったが、今回はパーカッショ も5年の歳月が経ってしまった。このグループが繰り出す ンの神田佳子が加わったことも 音楽はジャズというカテゴリーを超越している感じがある あり、音の厚みが広がってい が、そういう姿勢がマンネリに陥りそうなジャズシーンに る。オリジナル曲ばかりだけ 一石を投じているし、今後の日本ジャズが進んでもおかし に、彼らの良さを表現するのは くない方向性を先駆している。彼らの音楽が持つ、そのき 難しいが、ハードバップ漬けの日常に大きな変化が起きる わどいまでの緊張感とバラードプレイなどにおける寛ぎは ことは請け合います。 素晴らしい。また今回は“遊び心”というスパイスも加えら

BLUE HIGH-LAND+1/太田寛二(CROWN THCD-019) 太田寛二(p)、小杉 敏(b)、岡山和義(ds) 1981年1月28、29日録音 1.CARAVAN 2.LOVE WALKED IN 3.CREAM・・・? 4.BLUE HIGH-LAND 5.MY ID EAL 6.JUST IN TIME 7.MY COCEPTION 8.REFLECTION(LP未収録曲)

大変な名盤が復刻された。以前太田寛二のCDをこの欄で 観がなくとも一聴すればゴキゲン 紹介したことがあったが、この初リーダー・アルバムをC なピアノ・トリオだと分かる。 Dでも仕方ないから再発してほしいと節に願っていたとこ 粘っこいクラークだけでなくバ ろに『昭和ジャズ復刻シリーズ』が始まって、このアルバム ド・パウエルの早弾きから始まって、ウィントン・ケリー を含めて埋もれた名盤が続々発売されることになった。一 やガーランドの軽妙さ、ホレス・シルヴァーのリズム感、 説によると30枚ほどラインアップされているらしい。 さらにジュニア・マンスの黒っぽさも兼ね備えている。こ さて待望のこのアルバムは、やはり素晴らしいと納得さ のアルバムの録音当時、太田寛二は弱冠22歳と聞くと、 せられた。“日本のソニー・クラーク”というあだ名が付い 改めて驚いてしまう。スイング観やブルージーな表現をよ ているとか、呼ぶ人がいるとか聞くけれど、そういう先入 く自分のものに消化している。素晴らしい才能と言える。

12 2006年上半期 HMVジャズCD売り上げランキングの考察

解説:高木信哉

<総合ランキング> 1. 10cD Wallet Box/ マイルス・デイビス(輸入盤) 2. リトル・ウイリーズ/リトル・ウイリーズ(輸入盤) 3. キャッチング・テイルズ/ジェイミー・カラム(輸入盤) 4. 10cD Wallet Box/ チャーリー・パーカー(輸入盤) 5. スタンダード・ライブ/ウイントン・マルサリス(輸入盤) 6. ユアーズ/サラ・ガザレク(輸入盤) 7. スパイラル/上原ひろみ(輸入盤) 8. デイ・イズ・ダン/ブラッド・メルドー(輸入盤) 9. オーバーシーズ/トミー・フラナガン(輸入盤) 10.スーパー・トリオ/チック・コリア/スティーブ・ガッド/クリスチャン・マクブライド(国内盤) 11.ノラ・ジョーンズ(輸入盤) 12.ライブ・イン・パリ/エンリコ・ピエラヌンツィ(輸入盤) 13.ジャンゴロジー/ジャンゴ・ラインハルト(輸入盤) 14.ライブ・アット・トニック/クリスチャン・マクブライド(輸入盤) 15アンダー・カレント/ビル・エバンス(輸入盤) 16.スマイリン/noon(国内盤) 17.ポッシビリティーズ/ハービー・ハンコック(輸入盤) 18. フー・イジ・ディス・ビッチ・エニウェイ/マリーナ・ショウ(国内盤) 19. ビッグ・バンド10cD Wallet Box(輸入盤) 20. ジェイミー・カラム(輸入盤) 21. フィールズ・ライク・ホーム/ノラ・ジョーンズ(輸入盤) 22.コラージュ/ akiko(国内盤) 23.10cD Wallet Box/ グレン・ミラー(輸入盤) 24.クール・ストラッティン/ソニー・クラーク(輸入盤) 25.トゥルース:20th Anniversary/ T-square(国内盤)

<新譜ランキング・海外アーティスト> 1.リトル・ウイリーズ/リトル・ウイリーズ(輸入盤) 2.キャッチング・テイルズ/ジェイミー・カラム(輸入盤) 3.ユアーズ/サラ・ガザレク(輸入盤) 4.スーパー・トリオ/ チック・コリア/スティーブ・ガッド/クリスチャン・マクブライド(国内盤) 5.ライブ・イン・パリ/エンリコ・ピエラヌンツィ(輸入盤) 6.ライブ・アット・トニック/クリスチャン・マクブライド(輸入盤) 7.インダストリアル・ゼン/ジョン・マクラフリン(輸入盤) 8.サンダーバード/カサンドラ・ウイルソン(輸入盤) 9.トリビュート・トゥ・ウェス・モンゴメリー/パット・マルティーノ(輸入盤) 10.亡き王女のためのパヴァーヌ/スティーブ・カーン(国内盤) 11.チェンジング・パートナーズ/ハービー・メイソン(国内盤) 12.ボストン Tパーティ/デニス・チェンバース(輸入盤) 13.アナザー・ナイト・アット・ザ・ベイクト・ポテト/グレッグ・マティソン(輸入盤) 14イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム/エリック・アレキサンダー(輸入盤) 15.ワン・モア・フォー・ザ・ロード/トゥーツ・シールマンス(輸入盤) 16.ホワット・ラブ・イズ/エリン・ボーエム(輸入盤) 17.ダウンライト・ウップライト/ブライアン・ブロンバーグ(国内盤) 18.モーツァルト・イン・ジャズ/レイ・ケネディ・トリオ(国内盤) 19.ミュンヘン・コンサート/マイルス・デイビス(輸入盤) <新譜ランキング・国内アーティスト> 1.スマイリン/noon(国内盤) 2.コラージュ/ akiko(国内盤) 3.トゥルース:20th Anniversary/ T-square(国内盤) 4.ハンズ・オブ・ガイド/塩谷哲(国内盤) 5.夜間飛行/寺井尚子(国内盤) 6.ファイン/小林香織(国内盤) 7.コントレイル/秀景満(国内盤)

<10cD Wallet Boxランキング> 1.10cD Wallet Box/ マイルス・デイビス(輸入盤) 2.10cD Wallet Box/ チャーリー・パーカー(輸入盤) 3.ジャンゴロジー/ジャンゴ・ラインハルト(輸入盤) 4.ビッグ・バンド10cD Wallet Box(輸入盤) 5.10cD Wallet Box/ グレン・ミラー(輸入盤) 6.10cD Wallet Box/ ベニー・グッドマン(輸入盤) 7.10cD Wallet Box/ フランク・シナトラ(輸入盤) 8.10cD Wallet Box/ エラ・フィツジェラルド(輸入盤) 9.10cD Wallet Box/ ビリー・ホリディ(輸入盤) 10.イッツ・ルイ・アームストロング/ルイ・アームストロング(輸入盤)

<旧譜ランキング・海外アーティスト> 1.スタンダード・ライブ/ウイントン・マルサリス(輸入盤) 2.デイ・イズ・ダン/ブラッド・メルドー(輸入盤) 3.オーバーシーズ/トミー・フラナガン(輸入盤) 4.ノラ・ジョーンズ(輸入盤) 5.アンダー・カレント/ビル・エバンス(輸入盤) 6.ポッシビリティーズ/ハービー・ハンコック(輸入盤) 7.フー・イジ・ディス・ビッチ・エニウェイ/マリーナ・ショウ(国内盤) 8.ジェイミー・カラム(輸入盤) 9.フィールズ・ライク・ホーム/ノラ・ジョーンズ(輸入盤) 10.クール・ストラッティン/ソニー・クラーク(輸入盤) 11.ブルー・トレイン/ジョン・コルトレーン(輸入盤) 12.サムシン・エルス/キャノンボール・アダレイ(輸入盤) 13.ヨーロピアン・ジャズ・サウンズ/ミヒャエル(マイケル)・ナウラ(国内盤) 14.カインド・オブ・ブルー/マイルス・デイビス(輸入盤) 15.ボサ・ノバ/キャノンボール・アダレイ(輸入盤) 16.アフィニティ/ビル・エバンス(輸入盤) 17.セラー・ドア・セッションズ 1970/マイルス・デイビス(輸入盤) 18.ワルツ・フォー・デビー/ビル・エバンス(輸入盤) 19.スペイン/ ミシェル・カミロ/トマティート(輸入盤) 20.カリフォルニア,ヒア・アイ・カム/ビル・エバンス(輸入盤)

<旧譜ランキング・国内アーティスト> 1. スパイラル/上原ひろみ(輸入盤) 2. マイ・フェイリー・テイル/noon(国内盤) 3. リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイブ/ akiko(国内盤) 4. ベター・ザン・エニシング/noon 5.マドリガル/山中千尋 <考察> HMVから2006年上半期のジャズCD売り上げ と『スパイラル/上原ひろみ』は、ジャズ・ディスク大 ランキング(100位まで発表)が発表された。今回の 賞の受賞作品なので、よく売れている。6位のサラ・ 結果を見ると、輸入盤市場で、異変が起きていること ガザレクは、3月にコットン・クラブで初来日公演を を感じる。(GROOVY VOL.38に「2005年度ランキ 行った注目の逸材。他にもソフィー・ミルマン等続々 ング」が載っているので、参考にして頂きたい) と才能ある新人が登場し、どうやら今年は女性ボーカ 驚くことに総合の1位は、マイルス・デイビスの ルの当たり年のようだ。 『10cD Wallet Box』である。このアルバムは、ド 逆にガッカリしてしまうのが、国内アーティストで イツのDocumentsレーベルから輸入され、国内では ある。ベスト100の中で、国内アーティストの新譜 1月30日に発売された。10枚組で、なんと1,61 は7作品、旧譜は5作品しか入ってない。しかもnoo 7円である!収録曲は、1956年以前(著作権の切 n、上原ひろみ、akiko、山中千尋、寺井尚子といつ れたもの)の代表作20枚からセレクトされている も同じ顔ぶれである。強力な新人やベテランの良い作 が、驚いたことに8枚分は全曲が揃っている。解説文 品が登場しない。旧譜の海外アーティストの人気は根 や録音DATAはついてないが、十分調べられる。音質 強く、『オーバーシーズ/トミー・フラナガン』、ビ は、まったく問題なく結構いい音で聞ける。これで1 ル・エバンスの『カリフォルニア,ヒア・アイ・カ 枚あたり167円なので、口コミで噂が流れ自然と火 ム』、『アフィニティ』、『ワルツ・フォー・デビー/ビ がついて売れ始めた。さらに驚いたのは、マイルスだ ル・エバンス』、マイルス・デイビスの『カインド・オ けでなく チャーリー・パーカー、グレン・ミラー、 ブ・ブルー』、『セラー・ドア・セッションズ 197 ベニー・グッドマン、フランク・シナトラ、 エラ・ 0』(これは6枚組で、12,905円と高い)、『ミュンヘ フィツジェラルド、 ビリー・ホリディなど豊富なラ ン・コンサート』(これは3枚組で、1,985円と大変お インナップが揃えられていることだ。これは実に有り 得)がよく売れている。驚異的ロングセラーが続いて 難い!例えばチャーリー・パーカーを聞いてみたい いるのはノラ・ジョーンズで、『ノラ・ジョーンズ』、 が、当たり外れもありそうだし、録音状態にもバラつ 『フィールズ・ライク・ホーム』そして前述したノラが きがありそう、でもチャンスがあれば聞いてみたいと 参加した『リトル・ウイリーズ』の3作品が、延々と売 いう潜在ユーザーの購買意欲に火をつけたのだ。なん れ続けている。国内でノラ・ジョーンズ同様の存在が せ1,617円である。失敗してもいいと思える額だ。 noonで、『ベター・ザン・エニシング』、『マイ・フェ 私もマイルスを買ってみたが、録音DATAのないこと イリー・テイル』、『スマイリン』と全ての作品がよく 以外は、不満がない。これなら国内得意の1,500円 売れている。またnoon、アン・サリー、畠山美由紀 安価シリーズも歯が立たないであろう。別表の10c を見出したゴンザレス鈴木のSoul Bossa Trioも再評 D Wallet Boxのランキングを参考にして頂きたい。 価され5月に発売された2枚組のベスト『Soul Bossa さて実質総合ランキングの1位と呼べる作品は、『リ Production 1994-2005』もよく売れている。 トル・ウイリーズ』である。これは、ノラ・ジョーン それから付け加えたいのが、セルジオ・メンデスの ズが参加しているので、結局ノラのファンが買ってい 10年ぶりの新作『タイムレス』。ジャズのランキング る。イギリスのジェイミー・カラムは、ノラ・ジョー を飛び越え、音楽総合ランキングの45位に入ってい ンズ同様若き才能溢れる新世代アーティストである。 る。再演されている<マシュ・ケ・ナダ>など斬新な 『スタンダード・ライブ/ウイントン・マルサリス』 サウンドで、世代を超える勢いが大ウケしている。 気まぐれジャズマン 第20回 水戸守敬一郎 カフェ・ギャラリーは疲れ楽しい。

1999年の冬に知人から連絡があり、企画展をやって 絵が売れたのだ。お店の人が買ってくれたのだっ もらいたいから、画廊喫茶の人に会ってもらいたいと た。そんないきおいに乗って、絵は7点売れた。 言われた。企画展というのは貸画廊とちがって、画廊 個展とは関係ないお客さんは新聞を読んでいる が企画し、作品が売れたら20%なり30%なりが画 し、常連の女性のグループがケーキを食べて、おしゃ 廊がお金を取るようなやり方の作品展の事で、僕はこ べりをしているし、ウェイトレスはいそがしく水をつ のスタイルをけっこう続けている。 いだり、レジを打ったりしている。画廊のお客さんは 阿佐ヶ谷の文化人にちょっとうるさい、老舗のカ 絵を見るのが目的だけど、喫茶店ではそういうわけで フェ・ギャラリー。絵本作家や漫画家の人たち、地本 もない。個展を見に来るお客様には、お茶代をはらっ の画家の集まるところ。絵と作品ファイルを見てもら ていただかなければならないので、恐縮してしまう。 い、個展は翌年の五月に決まった。 KJFCの方々にも見に来ていただいた。 音楽がかかっているので、店の人に僕のCDもかけ 澤村さん、布田さん、佐藤恒雄さん、成田さん、塩 てもらう事にした。 田さん。なんと塩田さんには作品を買入していただい 《リッチー・バイラーク/ヒューブリス》 た。(佐藤恒雄さんには1995年の個展で、成田さんに 《キース・ジャレット/ザ・メロディー・アット・ は、2000年銀座の個展で、作品を買入してもらってい ナイト・ウィズ・ユー》 る) 《ヤン/ファースト》 僕の企画の個展は2週間続いた。 《ジャネット・リンダストーム、スティーブ・ドボ もう画廊で、座っている時代じゃないのかなと思 ロゴスツ/フェザース》 う。人の中に入って、ヒューマン・サイズな表現、発 と、ちょっとオシャレっぽいのを用意した。 表をしてゆかなければだめなのかもしれない。 アクリルの作品、前に描いた、発表できなかった作 カフェ・ギャラリーは作家は疲れるが、思わぬハプニ 品、新作のペンで描いた作品なども用意した。 ングや、人々との出会いにワクワクする、やりがいのあ 初日にお店へ行っておどろいた。作品3点に赤丸 る発表のしかたかなと思う。しかしとにかく疲れた。 がついている。(くわしいいわれはわからないのだが 売れた絵のお金で、「バーバラー・リー」を買入した。 売れた作品の名札に画廊では赤丸を又は赤いピンなど その後僕は、横浜、三浦市のカフェ・ギャラリーで を付ける) 個展を続けることになった。

東京で一番良い音を目指す

ジャズ スポット『映画館』 東京都文京区白山5-33-19 phone:03-3811-8932 営業時間:PM16:00-23:30 定休日:日曜日、祝日 交通:都営三田線「白山」駅A3出口(またはエレベーター出口)、坂上に向かって徒歩20メートル 東京メトロ南北線「本駒込」駅より徒歩3分

メニュー:コーヒー、紅茶¥500、ココア¥600 ビール(中)¥600、本格焼酎¥600より、タンカレージン¥500、スコッチ&バーボン¥500より、 シングルモルト¥700より、スコッチ&バーボンボトルキープ¥6,000より、軽食:¥650より

ホームページ:http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/

16 カドやんのジャズ教室 vol.25

門倉洸太郎 DANCING IN THE DARK 暗闇でダンス

Dancing in the dark 暗闇でダンス Til the tune ends, we're dancing in the dark 音楽がやむまで、消えた照明の下で踊りましょう And as soon as we're waltzing in the wonder ワルツを踊り始めると不思議な世界が広がる of why we're here Time hurries by, we're here and gone 時は過ぎゆき、ここから去っていくわたしたち Looking for the light of a new love 新しい愛と光を求め To brighten up the night, I have you, love 夜のしじまに灯をあてあなたの愛をかき立てる And we can face the music together 二人でまた音楽に耳をかたむけられる Dancing in the dark 暗闇でダンス But though love is old, what love song is old 長い間、愛し合ってきて、ラブソングも聞き 飽きてきたけど Through them we can be young そんな経験をとおして、新鮮になれるふたり Hear this heart of mine make 好きなあなたに捧げた私のハートの鼓動を聞いてね、 yours part of mine,dear one Tell me that we're one ふたりは一緒だって言ってね Dancing in the dark 暗闇でダンス Dancing in the dark 暗闇でダンス We're waltzing in the wonder of why we're here なぜかここにいてワルツを踊っているふたり Time hurries by, we're here and gone 時は過ぎゆき、ここから去っていくわたしたち Looking for the light of a new love 新しい愛と光を求め To brightern up the night, I have you, love 夜のしじまに灯をあてあなたの愛をかき立てる And we can face the music together 二人でまた音楽に耳をかたむけられる Dancing in the dark 暗闇でダンス Together we'll be dancing in the dark 一緒に暗闇の中で踊りましょう

フレッド・アスティアが出演したミュージカル「バンド・ワゴン」の 挿入歌で、1931年初演。アーサー・シュワルツ作曲、ハワー ド・ディーツ作詞。のち1953年にアスティア、ジンジャー・ロ ジャース主演で映画化もされている。 ハービー・ハンコック研究・第7回 (“Retrospective of The Music of Herbie Hancock”) 高木信哉 (1967:マイルス・デイビスと共に歩む) HERBIE 1967 録音日 タイトル 演奏者 (レーベル) 1967. 1.13 Standards Lee Morgan (Blue Note) 1967. 3.20 Schizophrenia Wayne Shorter (Blue Note) 1967. 5. 9 、12.28 Directions Miles Davis (Columbia) 1967. 5.16 、5.17、5.24 Sorcerer Miles Davis (Columbia) 1967. 6. 6 、6.7、8.26 A Day In The Life Wes Montgomery (A&M) 1967. 6. 7 、6.22、6.23、7.19 Nefertiti Miles Davis (Columbia) 1967. 6. 7 、6.13 、6.23 Water Babies Miles Davis (Columbia) 1967. 7.14 The Procrastinator Lee Morgan (Blue Note) 1967. 7.21 Oblique Bobby Hutcherson (Blue Note) 1967. 8.21、8.22、8.23 The Melody Is Here Horold Vick(RCA) 1967.12. 4 Circle In The Round Miles Davis (Columbia) 1967.12.12 Hip Vibration Cal Tjader (vib) (Verve) 1967.12.15 、1968.2.12、2.19 Blues,The Common Ground Kenny Burrell (Verve) 1967.12.20、12.21 1968.1.22,1.26 Down Here On The Ground Wes Montgomery (A&M)

1967年のハービー・ハンコック(26歳~27 セカンド・テナーにジョー・ヘンダーソンが加わ 歳)は、マイルス・デイビス・クインテットの一 り、3管を試みた。またエディ・ゴメス、スコッ 員として充実した活動をする。マイルス・クイン ト・ホルト、ジャック・ディジョネットも時々、 テットは、この年、多くの優れたスタジオ録音を 加わった。 残す。ハービー自身は、前年同様、リーダー作の 1月13日、ハービーは、バンド仲間のウェイ 録音を行わなかった。 ン・ショーターとロン・カーターと共に、リー・ 1967年は、ベトナム戦争で米軍が枯葉剤を使 モーガンのリーダー作『スタンダーズ』の録音に参 用し世界中から非難を浴びる一方、ボクシング世 加した。しかし発売されず、陽の目を浴びたの 界チャンピョンのカシアス・クレイが徴兵を拒否 は、1997年になってからだった。 し、問題となった。ジャズ界では、ジョン・コル 3月20日、ハービーは、バンド仲間のロン・ トレーンが、7月7日、亡くなり、衝撃が走っ カーターと共に、ウェイン・ショーターのリー た。走り続けたコルトレーンは、享年41歳とい ダー作『シソフレニア』の録音に参加した。「ミヤ う若さだった。コルトレーンとマイルスは、実は コ」で魅せるハービーのソロが、素晴らしい。 同い年である。 4月になるとマイルス・クインテットのウエス 1月~2月、マイルス・クインテットは、ビ ト・コースト・ツアーが始まり、サンフランシス レッジ・バンガードを中心にライブ活動を行っ コの「ボウース・アンド」、バークレーのカリフォ た。マイルスは、スタンダードを吹いても、古い ルニア大学(ベースは、アルバート・スティンソ メロディを若返らせ、やがて聴衆も曲自身もノッ ン)、ロサンゼルスの「シェリーズ・マン・ホー クアウトさせてしまう。それが、マイルスのスタ ル」(2週間公演)(ベースは、バスター・ウイリア イルだった。この時期、マイルスは、幾つかの新 ムス)、シアトルの「ペントハウス」などを回っ たな方法を模索していた。短期間ではあったが、 た。 18 5月16日~7月19日までの2ヶ月間で、マ 12月4日、マイルス・クインテットは、 イルス・クインテットは、アルバムにして2枚半 5ヶ月ぶりにスタジオに入って録音を開始した。 分のマテリアルを録音した。それは、『ソーサ ギーターにジョー・ベックが参加し、まるでビー ラー』(1967年発表)、『ネフェルティティ』(1 トルズの作品にラビ・シャンカールがシタールで 968年発表)、『ウオーター・ベイビーズ』(19 つけたドローン効果を聴かせた。マイルス・デイ 76年発表)、『サークル・イン・ザ・ラウンド』 ビスが、電子化に走った最初の作品「サークル・ (1979年発表)と4つの形となり、ジャズ史に イン・ザ・ラウンド」だ。しかしこの曲は、リア 残る実り豊かな成果となった。またマイルス・ク ル・タイムで発表されず、1979年に、55年 インテットは、7月と8月の大半をディジー・ガ から70年にかけての未発表曲を集めた2枚組み レスピーと共に、NYのビレッジ・ゲート出演に のLP『サークル・イン・ザ・ラウンド』でやっと 当てている。 陽の目を見た。注目すべきは、ハービーがチェレ 6月6日~7日、8月26日、ハービーは、ウ スタを弾いていることだ。12月28日も、 エス・モンゴメリーのアルバム『ア・ディ・イ ジョー・ベックを含む6人で、「ウォーター・イ ン・ザ・ライフ』 の録音に参加する。 ン・ザ・ポンド」を録音した。ここでハービー 7月14日、ハービーは、リー・モーガンのア は、ウリッアーのエレクトリック・ピアノを弾い ルバム『ザ・プロクラスティネイター』の録音に参 ている。『ESP』、『マイルス・スマイルズ』、、 加する。他のメンバーは、ウェイン・ショー 『ソーサラー』、『ネフェルティティ』と続いたマイ ター、ボビー・ハッチャーソン、ロン・カー ルス・クインテットによる究極のアコースティッ ター、ビリー・ヒギンズである。しかし発売され ク・ジャズは、完成し、残念ながら終焉を迎え ず、リリースされたのは、1977年のことで、 た。 日本が最初だった。 12月12日、ハービーは、カル・ジェイ 7月21日、ハービーは、ボビー・ハッチャー ダー(vib)のアルバム『ヒップ・バイブレイショ ソンのアルバム『オブリーク』の録音に参加する。 ン』の録音に参加した。ここには、ロン・カー ここには、ハービーが映画音楽を担当した「ブ ターも参加しており、「ジャンゴ」が収録されてい ロー・アップのテーマ」が収録された。しかし発 る。 売されず、リリースされたのは、1979年のこ 12月15日、ハービーは、ケニー・バレルの とで、日本が最初だった。 アルバム『ブルース、ザ・コモン・グラウンド』 8月21日~23日、ハービーは、ハロル の録音に参加する。 ド・ビック(ts)のアルバム『ザ・メロディ・イ 12月20日、ハービーは、ウエス・モンゴメ ズ・ヒア』の録音に参加する。「イフ・エバー・ア リーのアルバム『ダウン・ヒア・オン・ザ・グラ イ・ウッド・リーブ・ユー」で、ハービーは素晴 ンド』 の録音に参加する。 らしいソロを取る。 こうして1967年もハービーは、有意義な年 秋になり、マイルス・クインテットは、再び を過ごした。 ウエスト・コースト・ツアーを行った。ロサンゼ ルスの「マーティン・オン・ザ・ヒル」(2週間公 演)(ベースは、バスター・ウイリアムス)、カル フォルニアのコスタ・メサの「パシフィック・ ジャズ・フェスティバル」(ベースは、ビル・プラ マー)などを回った。 10月~11月にまたぐ2週間の欧州ツアーも 敢行した。

19 <アルバム解説 by 高木信哉> 『ソーサラー/Miles Davis』

1. Price Of Darkness ターバルを持ったモチーフから出来ている。この方法は、 マイルス・クインテットが作曲面でも即興演奏でも好んで 2. Pee Wee 用いる手法のひとつだ。曲は、完璧な4度の展開と5度 3. Masqualero (1小節目と2小節目)と4度で下降していくライン(5小 4. The Sorcerer 節目と9小節目)によって構成されている。ウェインとマ 5. Limbo イルスは8小節交換が長く続き(その間、まるで嵐を思わ 6. Vonetto せるようなバッキングが続き、物凄い)、続いてクローズ 7. Nothing Like You ド・ハーモニーによるテーマ・パートに移る。ソロは、 Miles Davis(tp),Wayne Shorter(ts), ハービーがのみ。ハービーは、クールにガンガン弾く。 Herbie Hancock(p),(b),Tony Williams(ds) あっという間にクローズド・ハーモニーによるテーマ・ 『マイルス・スマイルズ』の半年後に吹き込まれたマイル パートに戻り、あっけなく終わってしまう。もっと聴きた ス・デイビスの黄金のクインテットのスタジオ録音3作 いと強く感じる!「クールな情熱」とも呼ぶべき名演だ。 目。『マイルス・スマイルズ』ではマイルスのオリジナルは 「ピー・ウィー」は、トニー・ウイリアムスが書いた美しい 1曲しか入ってなかったが、本作では遂に1曲もマイルス バラード。不思議なことにこの曲には、マイルス・デイビ の作品は収録されてない。本作の内訳は、ウェイン・ スが参加しておらず、カルテットで演奏している(大変珍 ショーターが4曲、ハービー・ハンコック(4曲目)とト しい)。ウェインのテーマ~ソロが、とてもきれいだ。ま ニー・ウイリアムス(2曲目)が各1曲、そしてこの曲だけ るで名匠(ウェイン)が絵画を描いているかのように、聴い が旧録音なのだがボブ・ドローの「ナッシング・ライク・ ていると心に情景が浮かんでくる。続いてハービーが内省 ユー」(1962年)が1曲収録されている。本作の特徴は、 的で知的なソロを取る。また不思議なことにトニーは、1 完成されたバンドのメンバーの一人一人がソロの可能性を 988年の『エンジェル・ストリート』まで、この曲を録音 追求しているように感じる。 していない。ウェインの書いた『リンボ』も味わい深い美し アルバム・タイトルになった「ザ・ソーサラー」(魔法使い い曲だ。先発するマイルスは、見事なハーモニーと歌心を という意味で、ハービーのオリジナル)とは、マイルスが 聴かせる。トニーのバックで聴かせる“ラット・パトロー ハービーにつけたニック・ネームのことだ。何でも吸収し ル”的なドラミングが、嵐のように響き渡り、気持ちいい。 て演奏してしまう才能あるハービーを見て、マイルスはま ハービーのソロでは、トニーは一転して穏やかな表情を示 るで“音の魔法使い”と思ったようだ。ハービー自身は、こ す。しかし最後は、トニーが高らかにエンディングを奏で の曲を本作の10ヵ月後に『スピーク・ライク・ア・チャ て終わる。 イルド』に吹き込んでいる。メロディは、ふたつのイン ジャケットに写し出されている顔は、のちにマイルスと 結婚する女優のシシリー・タイソンである。

20 SOUL TRAIN Vol.2 撮影:M.T. RED GARLANDの魅力について 第23回

プレステッジ時代のトリオ・アルバム Vol.5 『プレリュード完全盤』

紅 我蘭堂 RED GARLAND TRIO AT THE PRELUDE(PRESTIGE 2PRCD-24295-2) RED GARLAND(p),JIMMY ROWSER(b),SPECS WRIGHT(ds) 1959年10月2日録音 DISC1〔SET1〕 1) M-SQUAD THEME_ 2) THERE'LL NEVER BE ANOTHER YOU_ 3) LET ME SEE_ 4) WE KISS IN A SHADOW_ 5) BLUES IN THE CLOSET_ 6) SATIN D OLL(未発表)_ 7) LIL' DARLIN'(出だし失敗、未発表)_ 8) LIL' DARLIN'_ 9) ONE O'CL OCK JUMP_ 〔SET 2〕 10)PERDIDO_ 11) BYE BYE BLACKBIRD_ 12) LIKE SOME ONE IN LOVE_ DISC2 1) IT'S A BLUE WORLD_ 2) MARIE_ 3) BOHEMIAN BLUES_ 4) ONE O'CLOCK JUMP_ 〔SET 3〕 5) A F OGGY DAY_ 6) SATIN DOLL_ 7) MR. WONDERFUL_ 8) JUST SQUEEZE ME_ 9) PRELUDE BLUES_ 10)CHER

OKEE(未発表)_ 11) ONE O'CLOCK JUMP_(曲名の後 な曲はどう? こっちの曲は、最近ミュージカルで人気の の_以下は便宜上付けました) 曲だよ。ああ、あとスロー・バラードもやろうね。バーン プレステッジ時代のピアノ・トリオをご紹介しています スタインでもガーシュインでもいいよ。オーケー、オー ケー、その吹き込みが終ったらオリジナル・ブルースも演 が、今回はライブ盤をご紹介します。さて1959年11月2 日にガーランドはジャズクラブ『プレリュード』に出演しま 奏していいよ。でもみんな5分くらいにしておいてね。そ れとテープがもったいないからワンテイクで軽く流して した。その模様が4枚のアルバムに分散されて発売されて いました。評論家やファンの間では「プレリュード4部作」 ね。マイルスの時に得意だったじゃない。じゃあ本番行っ てみよー」なんてやりとりがあったと想像できます。 (正確に言えば3と1/3部作)ということで通用していて、 ガーランドのアルバムの中では人気が高い方です。2003 『プレリュード』がどの程度の規模があった店か知りま 年には別テイクなどが入ったコンプリートCD(3枚組)が 日本のビクターから発売されて話題になりました。 せん。また、この日何人の聴衆がいたかも定かではありま せん。拍手の感じからは、せいぜい20人くらいだったの 今年(2006年)、アメリカからも2枚組のCDが発売され かなと勝手に想像しています。スタジオ録音のアルバムに 比べて、特に劇的にガーランドの演奏が変化したという訳 ました。私は、自分で言うのもなんですがジャズファンに ありがちな“へそ曲がり”だと自覚しています。事実この完 ではないのです。が、やはり聴衆の反応をダイレクトに見 全盤が出ても「完全盤?なんぼのもんじゃい」とか「未発表 ながら演奏するということで、ガーランドが乗っていると いうことが分かります。 曲?よくなかったから、アルバムに入んなかっただろ」な んて思っていたのですが、アメリカ盤が出た機会に思い そして日頃自分のやりたい演奏ができないことへ反発 するようにエリントン、ベイシーへの傾倒ぶりをしめした 切ってCDを買ってみたら、これがなかなか良かったの で、今回ご紹介させていただきます。 のが2点目の特徴です。何といってもスタートがベイシー 作曲の“M-SQUAD THEME”。M特捜隊のテーマというの 内容もさることながら、私は以下の点で、このアルバム は重要であると考えています。 でしょうか、テレビドラマの主題曲だったらしいです。ま たベイシーのテーマ曲“ONE O'CLOCK JUMP”をちゃっ 1.この当時としては唯一といえる“ライブ盤”である 2.ガーランドの音楽的好みがデューク・エリントン、 かりとこの日のテーマに使っていますし、あろうことかエ リントンの“SATIN DOLL”を2回も演奏しています。全1 カウント・ベイシーであることが実証されていること の2点です。 9曲23演奏のうち7曲11演奏がベイシー、エリントンの 作曲か持ち歌です。しかもSET 1では9曲のうちテーマ曲 まず何故ライブ盤がよいかと言うと、この当時のスタ ジオ録音盤に比べて、ガーランドが伸び伸びと演奏してい を含めて6曲も演奏していますし、さらにベイシーの十八 番だった『リル・ダーリン』をイントロだけ弾いて、何が気 る感じがします。これまで紹介してきたピアノ・トリオ盤 も、それぞれに特徴があり良いのですが、どうもワンパ に食わなかったのか、わずか30秒でやり直しているほど 気合が入っています。いかにガーランドが、このふたりの ターンであるという気がします。これはガーランドの人気 が、マイルス・ディビス・クインテットの演奏から生まれ 巨匠を敬愛していたかが、お分かりになると思います。 ただガーランドが、この両巨匠のようにビッグバンド たことと切り離せません。恐らくプロデューサーが「いい よレッド、唄物やろうよ。ミディアム・テンポでさ、こん を率いて、いい音楽を作れたかということは別問題です。 22 ガーランドは、あくまでも自分が演奏を楽しみたいと思っ いるので、聴き手もライブ気分に浸ることができます。 ていたのではないでしょうか。バンドで、そのパフォーマ ウイスキーか焼酎片手に1セットごとに聴き、休憩時間に ンスを最大限に引き出すというのは、似合っていないし、 は風呂に入ったり、サッカーを見たりして気分転換し、 出来ないことだったと思います。 再び次のセットを聴く。という楽しみ方がお奨めです。 分類が好きだった評論家諸氏によって、ガーランドはバ ということで、このCDについては1曲1曲の解説と ド・パウエル系のハードバップ派ということになっていま か、ノウガキは無用にして59年10月2日のライブステー すが、その独特な“間”の取りかたとか“乗り”の良さはエリ ジをお楽しみくださいとしか言いようがありません。 ントン、ベイシーの影響を強く受けていることを認識しま ところで蛇足ですが、LPレコードである4枚のアル した。30数年ガーランドを聴いていながら、不覚でし バムも紹介いたします。曲名を分かりやすくするために た。 CDの記号を曲名の後につけます。 ともあれ当日の3セットが順番にその通りに収録されて

AT THE PRELUDE(PRESTIGE PR-7170) RED GARLAND(p),JIMMY ROWSER(b),SPECS WRIGHT(ds) 1959年10月2日録音 Side A 1)SATIN DOLL_ 2)PERDIDO_ 3)THERE'LL NEVER BE ANOTHER YOU_ 4)BYE BYE BLACKBIRD_ Side B 1)LET ME SEE_ 2)PRELUDE BLUES_ 3)JUS ブを象徴している作りになっています。ガーランドの他の T SQUEEZE ME_ 4)ONE O'CLOCK JUMP__ アルバムで聴いたことがあるようなB-2のオリジナル・ブ 最初に発売されたアルバムで、ガーランドのレコードで ルースを『プレリュード・ブルース』と称しているのはご愛 は人気が高い1枚です。軽快なサテンドールから始まっ 嬌としても、いわゆる“いいとこ取り"のおいしい傑作アル て、最後はこの日のテーマ曲として使っていたワン・オク バムです。 ロック・ジャンプで締めるというように、この1枚でライ

LIVE!(PRESTIGE《NEW JAZZ8326》) SAME AS BEFORE Side A 1)MARIE_ 2)BOHEMIAN BLUES_ 3) ONE O'CLOCK JUMP_ Side B 1)A FOGGY DAY_ 2)MR. WONDERFUL_ 「もう1枚、こんなんもありまっせ」という具合に1965年 PR7170と比較して、曲の配列は当日の順番をほぼ流し 頃にプレステッジの傍系レーベル「NEW JAZZ」から発売 ただけで、演出もなにもありませんが、それでも出しても されたアルバムです。恐らく次にご紹介する『LIL'DARLIN らえただけいいか、という気持ちになりました。 '』とほぼ同時発売であったのかなと思います。

LIL' DARLIN'(PRESTIGE1871 ,Status ST 8314) SAME AS BEFORE Side A 1)LIL' DARLIN'_ 2)WE KISS IN A SHADOW_ Side B 1)BLUES IN THE CLOSET_ 2)LIKE SOMEONE IN LOVE_

やはり1965年ころにプレステッジの傍系レーベルである トの美女は誰?という疑問がい ステータスからリリースされました。私としてはジャケッ まだに解消されていません。

SATIN DOLL(PRESTIGE P-7859) (SIDE A),SIDE B)1 RED GARLAND(p),DOUG WATKINS(b),SPECS WRIGHT(ds) 1959年8月12日録音 (SIDE B)2,3 SAME AS BEFORE Side A 1) SATIN DOLL 2)THE MAN I LOVE Side B 1)A LITTLE BIT OF BASIE 2)IT'S A BLUE WORLD_ 3)M-SQUAD THEME_

1983年に「これで最後よ~ん」という感じでリリースさ 音されています。なんともややこしい作りです。それにし れました。もっともタイトル曲はプレリュードでのライ てもB1の曲名が意味深です。 ブ録音ではありません。ライブの約2ヶ月前にスタジオ録 MEMBER'S ROOM 第4回

今回はKJFCの“知性”であり、いつも適切なアドバイスをしてくださるKJFC 2n dAltさんに登場していただきました。

1.血液型・星座 AB型 星座 みずがめ座

2.ジャズ歴 生年金会館で聴きました。ロリン 高校時代は主にクラシックとラテン音楽やフラメン ズが2年間の活動休止したあと久 コを聴いていました。大学2年の時に入った放送部の し振りで「ブリッジ」というアルバ 先輩の影響で本格的にジャズを意識して聴くように ムを出した翌年で頭がまだモヒカン・カットの頃でし なったので、40数年になります。ちょうどその頃カ た。ピーターソンのライブに初めて行ったのは69年 ウント・ベイシー・オーケスト でベース サム・ジョーンズ、ドラムス ルイ・ヘイ ラが来日してテレビにも出演し ズというキャノンボールのバンドの2人に代わってか たのを見ました。レコードを らでした。その後何度も聴きに行ったのはやはりピー 持っていなかったので主にラジ ターソンでした。71年にはNEWPORT JAZZ FESTI オで聴いたりジャズ喫茶回りを VAL IN TOKYO(厚生年金会館)でディジー・ガレス して聴き始めました。吉祥寺の ピー、カイ・ウィンディング、セロニアス・モンク、 ジャズ喫茶でファンキーやビ・ アル・マッキボン、アート・ブレィキーのクインテッ バップやメグは大変お世話にな トを聴きましたが、残念ながら演奏についての記憶は りました。当時からなんとなく ありません。日本人では70年頃新宿伊勢丹裏にあっ 喫茶店、ライブハウスのマッチ たピット・インで聴いた山下洋輔トリオと赤坂の「む 箱を集め始めたのですが、この げん」というゴーゴークラブの店の中に一緒に入って 機会にリストにして数えて見ま いた「シーザーズ・ジャズ・クラブ」で聴いた日野皓正 した。マッチ箱があるところが100店くらい、ない カルテットで、どちらも27,8歳の若いころでし ところもあわせると160店以上になりました。 た。「むげん」は踊りに行ったら只で日野皓正の演奏も 聴けるというクラブですが、踊れない、酒が飲めない 3.初めて聴いたジャズレコード 私にはちょっと入りにくいクラブした。 始めはもっぱらFM放送を録音して聴いていまし た。当時はFM東海の試験放送の時期で、新譜レコー 4.座右の名盤 ドを表裏ともそのまま流してくれるという、今では考 オスカー・ピーターソン「ザ・トリオ」、マイルス・ えられない良い放送でした。そのころ録音したものは デヴィス「マイルストーンズ」、カーティス・フラー 「オスカー・ピーターソン・トリオの真髄」として2枚 「ブルースェット」、ポール・デスモンド「ライブ」、カ 組みで発売された「The Trio」と「Sound Of The Trio」、 ウント・ベイシー「ジス・タイム・バイ・ベイシー」、 カウント・ベイシーの初来日記念で発売された「This エリントン、ホッジス「バック・トゥ・バック」五十嵐 Time By Basie」ソニー・ロリンズの「Our Man In Jazz」 明要「スイング・タイム」 「Sonny Meet Hawk」などでした。 当時はジャズのLPを殆ど買わなかったのですが 5.好きなジャズ・プレイヤー ジャック・ルーシェのプレイ・バッハVol2かオス カウント・ベイシー、オスカー・ピーターソン、ポー カー・ピーターソンのベストアルバムが最初に買った ル・デスモンド、最近アルト・サックスを始めてから レコードだったと思います。 ジョニー・ホッジス、五十嵐明要に興味があります。 前者は「イタリア協奏曲」、後者では「自由への賛歌」 が気に入っていました。 6.レコード、CDの所有枚数 ・初めて聴いたライブ 少ない方でしょう。両方合わせて300枚くらいで 1963年7月にキャノンボール・アダレイ・セク しょう。 ステットを日比谷野外音楽堂で聴いたのが初めてでし レコードの他にテレビやFM放送のジャズ・ライブ た。ユーゼフ・ラティーフというオーボエも吹く 番組を録音、録画してきた私にとってはお宝のテープ ちょっと変ったテナー奏者とピアノにはジョー・ザビ やDVDがあります。ビデオやカセットは少し例会で ヌルが入っていました。MCは大橋巨泉で当時の奥様 も聴いて頂いたことがあります。宝?の持ち腐れにす 三宅光子(マーサ三宅)もボーカルで参加していまし るには残念なので今度はCDにして、また機会があれ た。9月にはソニー・ロリンズが来日したので東京厚 ば聴いて頂こうと思っています。無理強いになるかも しれませんがご勘弁下さい。 スを習い始めてからちょっとご無沙汰しているので、 退職を期に運動不足を補うためにどちらも再開したい 7.ジャズ以外の趣味 と思っています。 音楽を聴くのはジャズに限らずクラシックも好きで す。バッハ、モーツァルト、ベートーベンなどポピュ 8.ジャズに対する意見 ラーなもの。 意見ではありませんが、最近十代のプレーヤーも人 それからスペ 気が出ているようなのでKJFCにも若い方が参加し インの作曲家 て来るようになって欲しいものです。 のものなど。 テレビ朝日 9.その他 の「題名のない 定年を過ぎ、退職時期が見えて来たのでトミヤンに 音楽会」は色ん 続いてジャズ演奏を始めようとネットでクラリネット なジャンルの の先生を探しました。レッスンの内容を伺いに行った 音楽が楽しめ 所、クラリネットはサックスより難しいしジャズ・ るのでいつも オーケストラでの出番も少ないのでアルト・サックス 見ています。 を始めたらどうですかと勧められアルトを習う事にし 若い頃はオーディオも自作がそれなりに安くできた ました。4ヶ月たって一応音が出せるようになったら ので趣味と言えました。暇とお金があれば秋葉原に出 すぐに多摩ジャズ・ワークショップ・オーケストラの かけ部品を買い集め真空管アンプやスピーカーシステ 練習への参加を勧められました。初心者を育成しよう ムを自作し という大人数のオーケストラなので音がまともに出せ ていまし ない私でも参加可能でした。早2年がたちまして少し た。最近で ずつ音を出せる範囲は広がってきました。自分の演奏 は既製品を できる範囲だけ演奏し、出来るだけアンサンブルを壊 買うだけに さないように音を出そうとするのですが、この兼ね合 なり趣味と いが難しく、皆さんの足を引っ張りまくっています。 いうことは ジャズを永い間聴いてきて自分でジャズを演奏する事 できなくな は憧れだったのですが、意外に簡単に実現できて良 りました。 かったと思っています。高校生から70代の方まで5 スポーツ 0人位で一緒にジャズを演奏するのは楽しいです。1 では中学生 2月にコンサートが予定されているのでウィンター・ のころからテニスを楽しんできました。50代半ばか ワンダー・ランドも練習中です。KJFCの皆さん、 らは初めて水泳を習いはじめました。7年間は毎週土 これからのバンド結成のために何か楽器を始めましょ 曜日の午後はプールに行って泳いでいました。サック う。

アナログにこだわる、銀座の老舗

東京都中央区銀座6-2-6 TEL 03-3572-7684

営業時間:コーヒータイム PM0:00~5:00(土曜日のみPM2:00~) バータイム PM7:00~11:00 休み:日曜祝日(バータイムは土曜日も)

交通:営団銀座線、丸の内線、日比谷線「銀座」駅、JR「有楽町」駅他 メニュー:コーヒータイム 珈琲・紅茶500円、ビール700円 バータイム ボトル8000円(チャージ3000円)

25 RECORD CONCERT( 例会) REPORT 2006年3月25日「ジャズ・カントリー」 特集1.「作曲家シリーズ(1) ジミー・ヴァン・ヒューゼンの名曲を聴く」 特集2.「KJFCライブの足跡(1) 太田 剣+田中信正“カルテル”トリオ 担当:H.S.

ヴォーカル 4. CRAZY HE C に傾倒するよう ALL ME 黒 になってスタン 岩静江/P.S.I LOVE ダードソングの YOU(BEYOND) 谷 奥深さを知っ 由紀子(私家盤) た。 5. COME FLY W 国内制作の ITH ME 岸三 ヴォーカルアル 晃トリオ/JUST FO バム及びライブ R LOVERS(T.S.C.C) では判を押したように同じものばかりと言った状況が 6. POLKA DOTS AND MOON BEANS LEM W 嘗てあった。近年是正されつつあるが未だその弊害が INCHESTER/NEW FACE AT NEW PORT(METRO JA ある。 ZZ) これから不定期だがソングライター達の側面から SARAH VAUGHAN/SWINGIN' EASY(EMARCY) スタンダードを掘り起こしてみたいと思う。 7. IT COULD HAPPEN TO YOU ANITA O'DA 1回目の今宵は渋くジミー・ヴァン・ヒューゼン Y/INCONPARABLE!(VERVE) でスタートしたい。 BUDDY DE FRANCO/MR.CLARINET(VERVE) J・V・ヒューゼンは1913年ニューヨーク生まれ。 8. BUT BEAUTIFUL MARY OSBORNE/N 多くのパラマウント映画やミュージカルと係わり、そ OW THE TIME(HALCYON) こからスタンダード化したものと、表紙の写真に伺え 9. HERE'S THAT RAINY DAY KENNY BUR る様にフランク・シナトラの為に実に多くの曲を作詞 RELL/SOUL CALL(PRESTIGE) 家のサミー・カーンとのコンビで書いている。一聴、 SAMMY DAVIS JR. SINGS LAURINDO ALMEIDA PLA それほどの印象は無いが聴く度に味わいを増す滋味溢 YS(REPRISE) れたナンバーが多い。 10.IMAZINATION CLEO LAINE/THAT O 1. RING-A DING DING! 岸三晃トリオ/CLOSE LD FEELING(CBS) TO YOUR HEART(BMG) 11.DAWN THAT DREAM DON MENZA/B 2. LIKE SOMEONE IN LOVE LENNY HAMB ALLADS(FRESH SOUND) O/THE NATURE OF THINGS(EPIC) 宮之上貴昭&伊藤 潮(私家盤) アミーゴ川上&小林陽一(私家盤) FEANK D'ROME/T 12. RING-A DING DING! FRANK SINA HIS IS LOVE,THIS IS IT(SAPPHIRE) TRA/ RING-A DING DING!(REPRISE) 3. THE SECOND TIME AROUND TONNY BE NNETT/THE MOVIE SONG ALBUM(COLUMBIA)

特集2 KJFCライブの足跡(1) 太田 剣+田中信正“カルテル”トリオ 本セッションは2000年10月15日「六本木バッシュ」で ラストナンバーの力作“BLUES FOR F”とアンコー 開催した第6回KJFCライブの記録である。若手の逸材 ルの“AUTUMN LEAVES”の2曲を聴いてみたいと思 達による本邦初演のセッションは覇気に満ちた壮絶な う。 演奏内容だった。双方4曲オリジナルを持ち寄り、今 尚、当日の録音は2枚のCDにコンプリートに記録さ 一番興味ある演奏内容で答えてくれた。今宵は当日の れており、ジャケットを掲載しておきます。 26 2006年4月14日「映画館」特集:澤野工房 1. YOGI JAZZ/JOKI FREUND A面・B面(CBS-62273) 2. MADRIGAL(~*/山中千尋 3. /WALTER BISHOP.jr 4. H.U.M. 5. EUROPEAN JAZZ SOUNDS/MICHAEL NAURA QUINTET 6. JAZZ JOURNEY/BJARNE ROSTVOLD(HIT RECORDS) 7. DISCUSSIONS/HAWARD RAILEY(OPPORTUNITY CP.2499) 8. SAHIB SIHAB(OKTUB) 9. LIVE AT GROOVY/VLADIMIR SHAFRANOV(KOMPASS KOLP35) 10. FLASH BACK/BARNEY WILEN 11. BECAUSE OF YOU/JOS VAN BEEST TRIO 12. THE JOY OF STANDARDS Vol.2/JOE CHINDAMO TRIO

2006年4月22日「ジャズ・カントリー」 特集:低音の魅力 Eddie Costa と Pepper Adamsのアルバムを集めて 担当 Joanie-S.T. 自己紹介 初 Joanie Sommers Julie London Ann Burton Carol Sloa めて買ったReco ne Rita Reys rd Sergio Men Rosemary Clooney Joni James Doris Day Janet Seidel des & Brasil'66 / Johnny Hartman Mais Que Nada (中三) Edwin James (Eddie) Costa (p.vib) (1930.8.14 - 1962.7. 初めて買った 28) Jazzの Record 強烈に低音がドライブするピアノ。パーカッシブな Bitches Brew ヴァイブ。独自の世界を創りあげたコスタの活動期間 / Miles Davi は僅かに8年余りで、本人名義のリーダーアルバムも (高三)s たった7枚のみ。しかし、サイドメンとしての活動は Jazzが好きになったRecord Bluestte / Curtis Fulle 多岐にわたり、確認出来たアルバム数は170枚を超 r(浪人中) えます。自宅のレコード棚の中にはその内50枚程度 Favorite Artist Art Pepper Jackie が集まり、本日その一部を持参しました。 Mclean Sonny Criss Paul Desmond 1. Tal (Verve MGV8021) Yesterdays Tal Farl Sadao Watanabe Tina Brooks Peppe ow Vinnie Burke r Adams Gerry Mulligan Bill Evans Eddie Costa 2. Swinging Guitar of Tal Farlow (American Record So Sergio Mendes 27 ciety G418) 添付資料 1975年 再発SMJ6092 油井 正一氏の解説 You stepped out of a dream Tal Farlow Vinnie Burk 1995年 日本ジャズ"夜明け"へ黒船 日経新聞・文化面 e 菊田 将氏 3. Eddie Costa 5 (Mode LP#118) コスタに嵌った思い出のレコードです。オリジナルの Get out of the road Art Farmer Phi Woods 入手でも涙の物語が...... Teddy Kotick Paul Motian Eddie Costa Memorial Concert (Colpix CP450) 4. 2 - 3 - 4 (Impulse A-20) Lean on me George Junko Onishi Trio Live at Village Vangurd 「(somet Duvivier Shelly Manne hin' else CD / TOCJ5572) 5. Guys and Dolls Like Vibes (Coral CRL57230)(Vib) I've never been love before Bill Evans Paul Mot Park (Pepper ) Adams (bs) (1930.10.8 - 1986.9.10) ian Wendell Marshall ゴリゴリ突き刺さるバリトンの音はなんとも言えな 6. Yardbird Suite (Savoy MG12108)(Vib) Yardbird Su い「男の快感?」です。サド・メル時代以外のスモール ite コンボのアルバムを揃えてみました。田舎の学校の先 Herbie Mann Phil Woods Joe Puma Wendell Marshall 生のような風貌も味があります。 Bobby Donaldson 1. Critics' Choice (World Pacific PJM407) 7. Mike Cuozzo with the Costa-Burke Trio (Jubilie JLP1 Minor Mishap,Lee Katzman , Jimmy Rowles ,Doug W 027) Easy to love atkins Mel Lewis Mike Cuozzo Vinnie Burke Nick Stabulas 2. Jazz Men Detroit (Savoy MG12083) 8. The Eddie Costa - Vinnie Burke Trio (Jubilee JLP 102 Cottontail/ Kenny Burrell , Tommy Flanagan ,Paul Cha 5) mbers ,Kenny Clarke Get happy Vinnie Burke Nick Stabulas 3. Out of This World (Warwick W2041) 9. Eddie Costa at New Port (Verve MGV8237) Day Dreams/Donald Byrd, Herb Hancock ,Laymon Jack I remember april Rolf Kuhn Dick Johnson son,Jimmy Cobb Ernie Furtado Al Beldini 4. The Pepper-Knepper Quintet (Metro Jazz E1004) 10. Jazz for Play Girls (Savoy MG12121) I don't know about you/Jimmy Knepper ,Wynton Kelly Miss Spring Blues Billy Ver Planck Bill Harris Ph (p.og) ,Doug Watkins ,Elvin jones il Woods Joe Wilder Seldon Powell 5. Pepper Adams Quintet (Mode LP#112) 11. Blue for a Stripper (Carlie Parker PLP822S)(Vib) Unforgettable/Stu Williams ,Carl Perkins ,Leroy Vinnegar, From Mundy on Mundel Lowe Phil W Mel Lewis oods Oliver Nelson etc. 6. Pepper Adams plays the compositions of Charlie Ming 12. A Jazz Date with Chris Conner (Atlantic 1286)(Vi us (Workshop W219) b) Moon Ray Fables of Faubus/Thad Jones ,Hank Jones,Paul Chambe Chris Conner Sam Most Oscar Pettiford Joe Puma Ral rs ,Danny Richman ph Sharon Osie Johnson 7. Dakar (Prestige PR7280) 13. All American (Moodville MV26) What a coun Witches Pit,,Cecil Payne, Mal Waldron , try Doug Watkins ,Art Taylor Clark Terry Budd Johnson Geoge Barrow etc. 8. Encounter! 14. Tubby the Tenor (Epic LA16023)(Vib) (Prestige PR7 Airegin Tubby Hayes Clark Terry Horace Parlan Georg 677) e Duvivier Dave Bailey Star-Crossed 15. Jazz Mission to Moscow (Colpix CP433) Lovers/Zoot Mission to Moscow/Phil Woods Zoot Sims Bill Crow Sims,Tommy Mel Lewis etc. Flanagan,Ron 16. The House of Blue Lights (Dot DLP326) ・青い Carter ,Elvin J 灯の家(日本ビクターDOT5055) ones ,Donald The House of Blue Lights Wendell Marshall Paul Motian 28 9. Donald Byrd at Half Note Caf_ Vol.1 (Blue note BLP4 10. Donald Byrd at Half Note Caf_ Vol.2 (Blue note BLP 060) 4061) Introduction by Ruth Mason(Lion) My Girl Shirl JEANNINE! Donald Byrd Duke Pearson Laymo Donald Byrd Duke Pearson Laymon Jackson Lex Hum n Jackson Lex Humphries phries

2006年5月19日「映画館」ア・ラ・カルト 1. FIRST ALBUM/DUKE JORDAN 2.FUEGO/DONALD BYRD 3.MOANIN'/ART BLAKEY 4.MY FAVORITE THINGS/JOHN COLTRANE 5.LOU DONALDSON+3 6.CRIF JORDAN+1592 7.COOL STRUTTIN'/SONNY CLARK 他 9名参加

2006年5月27日「ジャズ・カントリー」 特集:『女性ヴォーカル スタンダード・ナンバー聴き比べ』V ol.4 担当 T.Y. 1.MEAN TO ME (1929 R.TURK-F.B.Ahlert) ① JUNE CRISTY/THE UNCOLLECTED(HINDSIGHT)1946 ② DORIS DAY/LOVE ME OR LEAVE ME(COLUMBIA)1955 ③ BILLIE HOLIDAY/THE LADY(COLUMBIA)1937 ④ HELEN HUMES/SONGS I LIKE TO SING!(CONTEMPORARY)1960 ⑤ JOANIE SOMMERS/JOHNNY GET ANGRY(WARNER BROS.)1962 アンケート結果(①なし ②なし ③3名 ④4名 ⑤3名)※複数回答 2.LOVER MAN(1942 J.DAVIS-R.R.RAMIREZ-J.SHERMAN) ① CHRIS CONNOR/CHRIS CRAFT(ATLANTIC)1958 ② KARIN KROG/BY MYSELF(HOLLAND PHILIPS)1964 ③ JULLE LONDON/MAKE LOVE TO ME(LIVERTY)1957 ④ SARAH VAUGHAN/EARLY SARAH(MUSICRAFT)1945 ⑤DINAH WASHINGTON/DRINKING AGAIN(ROULETTE)1962 アンケート結果(① 2名 ② 2名 ③5名 ④なし ⑤3名) 3.LUSH LIFE (1949 B.STRAYHORN) ① LOREZ ALEXANDRIA/SINGING SONGS EVERYONE KNOWS(KING)1959 ②CHRIS CONNOR/CHRIS(BETHLEHEM)1954 ③ JULLE LONDON/AROUND MIDNIGHT(LIBERTY)1960 ④ CARMEN McRAE/BLUE MOON(DECCA)1956 ⑤ NANCY WILSON/LUSH LIFE(CAPITOL)1967 アンケート結果(① 2名 ② 3名 ③2名 ④3名 ⑤1名) 4.GONE WITH THE WIND(1937 H.MAGIDSON-A.WRUBEL) ① DRIS DAY/DAY BY DAY(COLUMBIA)1956 ② ELLA FITZGERALD/SING SWEET SONGS FOR SWINGERS(VERVE)1959 ③ CONNIE FRANCIS/SONG TO A SWINGING BAND(MGM)1957

29 ④ PATTI PAGE/THE WEST SIDE(MERCURY)1958 ⑤ RITA REYS/THE COOL VOICE OF(PHILIPS)1956 アンケート結果(①5名 ②3名 ③3名 ④2名 ⑤5名) 5.DO NOTHIN' TILL YOU HERE FROM ME (1943 B.RUSSELL-D.ELLINGTON) ① ROSEMARY CLOONEY/SWING AROUND ROSIE(CORAL)1958 ② BILLIE HOLIDAY/ALL OR NOTHING AT ALL(VERVE)1956 ③ PATTI PAGE/MUSIC FOR TWO IN LOVE(MERCURY)1956 ④DINAH SHORE/DINAH SINGS SOME BLUES WITH RED(CAPITOL)1959 ⑤ DINAH WASHINGTON/IN LOVE(ROULETTE)1962 アンケート結果(①3名 ②0名 ③1名 ④5名 ⑤2名) 6.JUST ONE OF THOSE THINGS (1935 C.PORTER) ① ROSEMARY CLOONEY/THANKS FOR NOTHING(REPRISE)1964 ② LENA HORNE/STORMY WEATHER(RCA)1957 ③ PEGGY LEE/LOVER(DECCA)1964 ④ANITA O'DAY/SWINGS COLE PORTER(VERVE)1959 ⑤ DINAH SHORE/SINGS COLE PORTER AND RICHARD RODGERS(COLUMBIA)1950'S アンケート結果(①1名 ②2名 ③2名 ④5名 ⑤1名) 7.IT COULD HAPPEN TO YOU (1944 J.BURKE-J.VAN HEUSEN) ① JUNE CHRISTY/SOMETHING COOL(CAPITOL)1955 ② EYDIE GORME/EYDIE IN LOVE(ABC-PARAMOUNT)1958 ③RITA REYS/MEETS OLIVER NELSON(HOLLAND PHILIPS)1965 ④ JO STAFFORD/I'LL BE SEEING YOU(COLUMBIA)1959 ⑤ MONICA ZETTERLUND/WAITZ FOR DEBBY(SWEDEN PHILIPS)1964 アンケート結果(①1名 ②2名 ③2名 ④1名 ⑤4名)

2006年6月16日「映画館」特集:「映画館」で映画ジャズ 1. FIVE PENNIES 主題曲集(サウンドトラック) 2.「HAIR」TO JAZZ/TOM SCOTT QURTET 3.シアンの青春/ジャンゴ・ラインハルト 4.ある殺人/DUKE ERINGTON 5.CHAPPAQUA SUITE/ORNET COLEMAN 6.危険な関係/ART BLAKEY(サウンドトラック) 7.黒いオルフェ/水橋 孝 8.水の中のナイフ/KOMEDA 9.LAST TANGO IN PARIS/JOACHIM KUNN TRIO 10.AMARCORD /CARLA BLEY,JAKI BYAR D(フェリーニ映画より) 11.東京キッド他/美空ひばり 12.ALFEE/SONNY ROLLINS 13.WEST SIDE STOR

Y/TOMMY FLANAGAN 14.LIMELIGHT/JAZZ IN TRIO 15.彼奴を殺せ(オリジナル・サウンドトラック) 16.BLOW UP/HERBIE HANKOCK 17.私は死にたくない/JOHNNY MANDEL'S GREAT JAZZ SCORE 18.フランス映画ジャズ・テーマ/八木正生とオールスターズ 2006年6月24日「ジャズ・カントリー」 「ROLAND KIRK 特集 前編」 Y.S. はじめに 『GROOVY』のVOL.5(1999年6月)から5回にわたり連載しました、拙文「MY FAVORITE THINGS」は、 私のレコード・コレクションの中なら最もお気に入りのアルバム5枚を取り上げ、そのアルバムにまつわるコ メントを書いた文章でしたが、その連載のスタートのアルバムがROLAND KIRK / I TALK WITH THE SPIRIT S (LIMELIGHT)でした。 30 ‥‥「食わず嫌い」と云う言葉がありますが、ボクにとってローランド・カークがその良い例で、同時に三つ の楽器を演奏したりするアクロバット的なミュージシャンンという印象が強かった為、ほとんど関心がありま せんでした。 10年程前、そんなローランド・カークのこのアルバムを銀座の「ジャズ・カントリー」で聴いた時、一曲 目のカッコー時計の音で始まる「SERENADE TO A CUCKOO」で強い衝撃を受け、思わず演奏に引き込まれて しまいました。すぐにこのレコードが欲しくなり、中古レコード店で探しましたが、手に入るまで5年かかり ました。‥‥ その後少しずつカークのLPを集めだし、昨年入手可能なリーダー・アルバ33枚が揃い、サイドメンで参 加しているLP21枚中12枚が集まりましたので、この辺で特集を組みたいと考えました。 この特集を組むに当たって、「ローランド・カーク伝 溢れ出る涙」(河出書房)を読み、ライブ・ビデオ「T he One Man Twins」を観、そして該当LPを全て聴きましたが、改めてカークの素晴らしさを見直す事になりま した。 カークがアルバムを録音した1956年から77年といえば、56年に「サキソフォン・コロッサス」「クッキ ン」が録音され、65年に「処女航海」「ジ・イン・クラウド」76年には「ブリージン」(ジョージ・ベンソン)と モダン・ジャズからジャズが変動していった激動の21年でした。そんな中を盲目というハンデを抱え、ギ ミックだの曲芸だと陰口をたたかれながらも(日本ではグロテスク・ジャズなどと云うレッテルを貼られまし た)、ひたすら自己のスタイルを変えずに駆け抜けた一人のミュージシャンの軌跡を振り返りたいと思います。 今回は前編としてファースト・アルバムからラスト・アルバムまでの21年間の、前半の11年間(56年 ~66年)のアルバムを紹介します。 2006年6月24日 Y.S.

Rahsaan Roland Kirk もとを離れて、エッセン・ジャズ祭(西独)にソロイス 1935年8月7日オハイオ州コロンブス生まれ。 トとして参加。 77年12月5日インディアナ大学でのコンサートを 63年に自己のカルテットで海外楽旅。ロンドンの 終えて、ニュージャージーの自宅に帰る車中で意識不 「ロニー・スコット・クラブ」に出演。64年に来日。 明となり死去。 70年代に入って、自己のグループ「バイブレー 生後間もなく失明。オハイオ州立盲学校で教育を受 ション・ソサエティ」を結成。全米、カナダ,欧州、 けた。12歳の時からスクール・バンドでサックスと オーストラリア、ニュージーランドに楽旅。75年に クラリネットを演奏した。51年まで自己のダンス・ 半身不随となったが、片手だけで演奏。国際的なツ バンドを率いた。16歳の時3つの楽器を1度に演奏 アーを実施し、フェスティバル、テレビに出演した。 できる夢を持ってすべてのリードを試してみた。 77年に第2の発作(脳溢血)が起こり死去。 スペインの軍楽隊が世紀末頃に使っていた古いサッ 代表作として「ドミノ」「カーク・イン・コペンハー クス2本とストリッチとマンゼロを選んだ。1本はア ゲン」「ミンガス・アット・カーネギー・ホール」等が ルトサックス同様で、もう1本の方はアルトより一回 ある。 り小さく音はソプラノサックスに近かった。これらで 演奏するとテナーサックスに似た音を出す事ができ 『楽器リスト』 た。運指を工夫して吹くと3つの音がハーモニーして 「テナー・サキソフォン」 出る。 「マンゼロ(別名ザ・ムーン・ゼラー)‥カークがカス 56年にファースト・アルバムを出したがあまり注 タマイズしリネームした。基本的にはキング製のサク 目されなかった。60年にラムゼイ・ルイスの助力を セロ」 得てCADETに録音したものが論議の的となった。 「ストリッチ(別名ストリッチャフォン)‥大型ベルと 人々はギミックだと非難したがカークはすべて自分の 片手演奏に適応させる追加キーがついた、ストーレー 頭の中に浮かんでくるものだし、すべて理由のあるこ トE♭アルト・サキソフォン」 となのだと説明した。 「ノーズ・フルート‥片方の鼻の穴で演奏できるよう 61年に4ヶ月間チャールス・ミンガス・グループ にカスタマイズしたマウスピースがついたソプラノ・ に参加、カリフォルニアの楽旅にも同行。ミンガスの リコーダー」 31 「フルート」「B♭&E♭クラリネット」「ハーモニカ」 フォン」「ブラック・パズル・パイプス」「ピッコロ」「リ 「サーロルオフォン」「サイレン」「ベイビーE♭サック リコン」「ハーモニウム」「イングリッシュ・ホルン」「バ ス」「バリトン・サキソフォン」「アルト・サキソフォ ス・リコーダー」「エレクトリック・カリンバ」「シュー ン」「オーボエ」「ノース・アフリカン・ウドゥン・フ ズ・ハープ」「ディジェリドゥ」「クラヴィエッタ」「セレ ルート」「メロデイカ」 ステ」「チャンター」「カスタネット」「リポフォン」「サキ 「リード・トランペット‥ソプラノ・サックスのマウ ソフォニウム‥マウスピースからリードを外して演奏 スピースを取り付けたトランペット」「バス・サキソ するサキソフォンで、トランペットやトロンボーンの

ように吹く」「尺八」「スタイロフォン」「カークバム」「ポリス・ホイッスル」「ティンパニ」「ゴング」「サンダーシー ト」「ソック・シンバル」「ベル」「オルゴール」「手拍子」「鳥の鳴き声」 (参考文献「ローランド・カーク伝」、スイング・ジャーナル「ジャズ人名辞典」等) Roland Kirk プログラム 1) Roland Kirk -Triple Threat=Third Dimenstin(1956年)ジャケット1 ♪Easy Living ♪Triple Threat 2) Roland Kirk -Introducing Roland Kirk (1960年) ジャケット2 ♪Our Love Is Here to Stay 3) Roland Kirk with Jack McDuff - Kirk's Work (1961年) ジャケット3-1 ♪Skater's Waltz 4) Roland Kirk - (1961年) ジャケット4 ♪We Free Kings 5) Charles Mingus - Mingus Oh, Yeah! (1961年) ジャケット33 ♪Hog Callin' Blues 6) Roland Kirk - Domino (1962年) ジャケット5 ♪Domino 7) Roy Haynes - Out of the Afternoon (1962年) ジャケット34 ♪Fly Me to the Moon

32 33 8) Quincy Jones - Plays Hip Hits (1962年) ジャケット35 ♪A Taste of Honey 9) Tubby Hayes - Tubby's Back in Town = Return Visit'(1962年) ジャケット36 ♪Medley If I Had YoũAlone Together̃For Heaven's Sake 10)Quincy Jones - Big Band Bossa Nova (1962年) ジャケット37 ♪Soul Bossa Nova 11)Eddie Baccus - Feel Real ジャケット38 ♪A Beath in the Wind 12)Roland Kirk - Reeds and Deeds (1963年)写真6 ♪Song of the Countymen 13)The Roland Kirk Quartet Meets the Benny Golson Orchestra (1963年) ジャケット7 ♪A Nightingale Song in Berkeley Square 14)Roland Kirk - Kirk in Copenhagen (1963年) ジャケット8 ♪Mood Indigo 15)Quincy Jones - Explores Music of Henry Mancini (1964年) ジャケット39 ♪Charade 16)Roland Kirk - Gifts and Messages (1964年) ジャケット9 ♪Petite Fleur ♪March On, swan Lake 17)Roland Kirk - I Talk with the Spirits (1964年) ジャケット10 ♪Seren

34 ade to a Cuckoo 22)Roland Kirk -Petite Fleur (Moon 027-1) ※1971 (The age of 35) 23)Roland Kirk - Natural Black Inventions - Root Strata (Atlantic SD 1578) 24)Roland Kirk - (Atlantic SD 1601) ※1973 25)Roland Kirk - Prepare Thyself to Deal with a Miracle (Atlantic SD 1640) 26)Roland Kirk - Bright Moments (Atlantic SD2 907) ※1975 27)Roland Kirk - The Case of the 3 Sided Dream in Audio Color (Atlantic SD 1674) 28)Roland Kirk - Kirkatron (Warner Bros. BS 2982) ※1976 (The age of 40) 29)Roland Kirk - Other Folks' Music (Atlantic SD 1686) 30)Roland Kirk - Return of the 5000 lb. Man (Warner Bros. BS 2918) ※1977 31)Roland Kirk - Boogie-Woogie String Along for Real (Warner Bros. BSK 3085) ※19?? 32)Roland Kirk -The Man Who Cried Fire (Night VNLP-1) Roland Kirk Catalog - album index (all 21) ※1961 (The age of 25) 33) Charles Mingus - Mingus Oh, Yeah! (Atlantic SD 1377) ※1962 34) Roy Haynes - Out of the Afternoon (Impulse A 23) 35) Quincy Jones - Plays Hip Hits (Mercury MG 20799) 36) Tubby Hayes - Tubby's Back in Town (Smash MGS 27026) =Return Visit' (Fontana) 37) Quincy Jones - Big Band Bossa Nova (Mercury MG 20751) 38) Eddie Baccus - Feel Real (Smash MGS 27029) ※1964 39) Quincy Jones - Explores Music of Henry Mancini (Mercury MG 20863) ※1966 40) The Jazz Corps Under the Direction of Tommy Peltier (Pacific Jazz PJ 10116) ※1968 41) The Experience (Prestige PR 7615) ※ 1969 42) Quincy Jones - Walking in Space (A&M SP 3023) ※1972 43) V.A. - Newport in New York '72: The Jam Sessions, Vol. 3&4 (Cobbl estone CST 9026-2) ※ 1974 (The age of 38) 44)Charles Mingus - Mingus at Carnegie Hall (Atlantic SD 1667)

35 2006年7月14日「映画館」 ノー記録。たまにはダラダラと・・・・。 特にテーマがないレコード持ち寄りでしたが、どういう訳か何を掛けたかの記録をとりませんでした。そこ で、ダラダラとした例会になってしまいましたが、たまにはこういう日があってもいいでしょう。真面目な方 には怒られるかもしれませんが単なる飲み会ではありません。楽しみながらジャズについて語り合いまし た・・・かな?。

今後の予定 ジャズスポット「映画館」 電話03-3811-8932 2006年10月20日(金)午後7時~午後10時 2006年11月17日(金)午後7時~午後10時 2006年12月15日(金)午後7時~午後10時

「JAZZ COUNTRY」 電話03-3572-7684 2006年10月28日(土)午後7時~午後10時 2006年11月25日 (土) 午後7時~午後10時 2006年12月23日(土)午後7時~午後10時 いずれも特集は未定。 特集は変更になる場合があります。ホームページで確認してください。

編集後記 ・お待たせいたしました。GROOVY第40号をお届けします。前号の「30周年記念号」から、かな り間が開いてしまいましたが、その分内容は充実していると思います。・次号は「30周年記念ライブ/遠藤律子 ピアノ・トリオ」を大々的に特集します。会員の皆様、どうかふるって原稿を書いてください。(紅) 一緒にジャズを楽しみませんか? KJFC会員募集中 KJFCは心からジャズを楽しむ人の集まりです。オタクはいません。むしろみんなで好きなジャズを勉強して、分 かち合っています。みんなジャズについての素人です。一度例会に遊びにきてください。あなたの好きなジャズが、 必ず見つかるでしょう。

《KJFCの主な活動》 ・ 毎月2回のレコードコンサートを主体にした例会(会費月額500円) ・ 年1,2回自主ライブの主催 ・ 会報GROOVYの発行 ・ ホームページの運営などです。 詳しくはホームページthttp://www.kjfc.infoか、下記まで 090-4178-1833(布田幸雄)