Ver.06.10

Windows 上の Java on 風環境の構築

Java プログラミングの授業は教育学部の UNIX システム EDU システム上で、Java 2 SDK Standard Edition Ver.1.4.1 を用い(授業に間に合えば、最新版 JDK5.0 Update9 に更新す る予定)、エディタとして GNU ver.21.3.1 を用いて行なう。自宅で自習するために、 これと類似の環境を Windows 上に構築する方法について述べる。

1.Java 開発環境 JDK

Java SE Development Kit (JDK) は Java 言語処理系の一つであり、Sun Microsystems 社が無料配布している。2006 年 10 月現在の最新版は JDK5.0 Update9 であり、 http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/download.html からダウンロードできる(旧版の Java2SE(Java Platform, Standard Edition; 旧名 JDK1.2 →Java2SDK)は最早サポートされていない。

JDK 5.0 の入手とインストール方法: 以下に述べる方法でやったために利用している PC に不具合が生じても責任は持てないこ とを承知しておかれたい(インストール方法を各自が Sun Microsystems 社のサイトで調べ て、自分の責任でインストールすることが基本である)。

以下のステップに従う:

(1) Sun Microsystems 社のウェブサイトからダウンロードする:

J2SE and NetBeans IDE Bundle NB 5.0 / J2SE 5.0 Update 9(2006.10 時点で最新版) をダウンロードする。このバンドルには J2SE Development Kit 5.0 Update 9 J2SE Runtime Environment 5.0 Update 9 NetBeans IDE 5.0 が含まれている。J2SE Runtime Environment (JRE) は Java アプリケーションを実行 するための環境を提供し、NetBeans IDE は Java プラットフォームでアプリケーショ ンを開発するための強力な統合開発環境である。 詳細はここ:http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/README.html

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1.1) http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/download.html にアクセスする。

ダウンロード 1.2)「JDK 5.0 Update 9 with NetBeans 5.0」の をクリックする。 J2SE Development Kit 5.0 Update 9 および NetBeans IDE 5.0 のダウンロード

の をクリックする。

1.3) 「セキュリティに関する警告」ウィンドウが現れるので、「OK」をクリック。 1.4) Required: You must accept the license agreement to download the product. Accept License Agreement | Review License Agreement Decline License Agreement 契約内容をよく読んで、「Accept」にチェックを入れる。 1.5)

Windows Platform - J2SE and NetBeans IDE Bundle NB 5.0 / J2SE 5.0 Update 9

J2SE and NetBeans IDE Bundle (NB 5.0 / 139.40 jdk-1_5_0_09-nb-5_0-win-ml.exe J2SE 5.0 Update 9) MB を選んでクリックする。 1.6) ファイルの保存先を適当なところ(例えば、デスクトップ)に指定して、ファイルを ダウンロードして保存する。139MB あるので、利用回線の帯域幅や PC 機種や Windows 等 OS やそのバージョンにもよるが、かなり時間がかかり、また、かなり大きなハードディ スク容量が必要なので注意のこと。また、Windows XP 他では、管理者権限がないユーザ にはインストールができないので注意のこと。

(2) インストール 2.1) J2SE の他のバージョンがインストールされている場合は、それをアンインストー ルする。アンインストールには の「アプリケーションの追加と 削除」ユーティリティを使用する([スタート]→[設定]→[コントロールパネル] を 選択すればアクセスできる)。 2.2) ダウンロードしたファイル「jdk-1_5_0_09-nb-5_0_win-ml.exe」をクリックしてイ ンストーラーを起動し、画面の指示に従って操作する(ライセンスへの同意を含む)。 途中で J2SE のインストール先を聞かれるが、デフォールトで与えられる「:\Program Files\Java\jdk1.5.0_09」としておくとよい。そうしなかった場合、以下の 3)の設 定ではそれに対応してフォルダ名を変えること。 2.3) 「J2SE Development Kit 5.0 Update 9」「J2SE Runtime Environment 5.0 Update 9」 と「NetBeans IDE 5.0」も自動的にインストールされる。注意書きをよく読んで、

2 終了をクリックするとインストールは終わる。 2.4) ダウンロードしたファイル「jdk-1_5_0_09-nb-5_0_win-ml.exe」を削除する(任意)。

(3) 使い勝手を良くするための設定 3.1) DOS 窓(DOS コマンド入力用ウィンドウ)を開くためのショートカットの作成: ・ (Windows XP の場合)「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」 ・ 「コマンドプロンプト」を右クリックし「ショートカットの作成」をクリック ・ 作成されたショートカットをデスクトップにドロー&ドロップ 3.2) 環境変数 PATH の設定: ・ (Windows XP の場合)「スタート」→「コントロールパネル」→「パフォーマンス とメンテナンス」 ・ 「システム」のアイコンをクリックする。 ・ 「システムのプロパティ」が立ち上がるので、上部バーにある「詳細設定」を選ぶ。

ここをクリックする

・ 画面下部にある「環境変数(N)」をクリックすると環境変数画面が立ち上がる。 ・ 環境変数画面において、「システム環境変数(S)」の中の「Path(大文字と小文字は

3 区別しない)」をクリックし反転させ、「編集」をクリックする。

これらをクリックする

・ 「システム環境変数(S)」の中の環境変数 Path を選択して、末尾に 「;C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_09\bin」 と入力して「OK」をクリックする(先頭の「;」を忘れず入力すること)。これ により、どのディレクトリからも Java 関係のコマンド(プログラム)が実行でき るようになる。

この部分を入力する。 C¥program・・・の前の「;」を忘れないように ・ 「システム変数の編集」画面で「OK」をクリックし、つづいて、「環境変数」画 でも「OK」をクリックして終了。

4 3.3) Java コンパイラ・インタプリタを実行してみて、正しくインストールされたかチェ ックする。3.2)の設定を行なっておけば、DOS のカレントディレクトリがどこにあっ ても Java の必要コマンドをフルパスの指定なしで実行できる。例えば Windows XP のユーザが ABC の場合、

C:\Documents and Settings\ABC>java

(java 以外にも、javac, javadoc など)と入力するだけでよい。 以下の表示(java コマンドの使い方)が出ればOK:

4) うまくいかないときは、次の文書を読んで調べる: http://java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/install.html

5 2.

Cygwin(シグウィン)は、RedHat 社によって開発された、Windows 上で動作する GNU 開 発環境(UNIX 環境)である(その開発の歴史等については http://cygwin.com/faq/faq_1.html を参照されたい)。GNU(「ヌー」と読む)とは「GNU's Not UNIX」の頭文字で、UNIX 上の良 いソフトウェアをフリーに提供しつづけるために始まったプロジェクトである。Emacs エデ ィタをはじめとして数多くの良質のソフトウェア(C コンパイラの gcc と g++、デバッガの gdb、コンパイラ・コンパイラの flex, bison、UNIX シェルの bash など)を提供しつづけ てきた。GNU については、次のウェブサイトを参照のこと: http://www.gnu.org/home.ja.html

1) 入手方法とインストール 1-1) http://sources.redhat.com/cygwin/ または http://cygwin.com/ からダウンロードするために、接続する。 1-2) 「Install Cygwin Now」をクリックして、「setup.exe」ファイルをダウンロードして 適当な場所(例えば、デスクトップ)に保存する。 1-3) ダウンロードした「setup.exe」をクリックして実行する。 ・ 「Install from Internet」を選択して「次へ」 ・ インストール先(デフォールトでは「C:\cygwin」になっている。そのままでよい)、 テキストファイルのタイプ(デフォールトでは「UNIX」になっているが、「DOS」に変 更する)、利用ユーザの指定(デフォールトでは「Install for All」になっている。 そのままでよい)を選んで「次へ」 ・ 「Local Package Directory」としてデスクトップを指定(「Browse」をクリックして 「デスクトップ」を選んで「OK」すると Windows XP の場合「C:\Documents and Settings\ユーザ名\デスクトップ」となる)して「次へ」 ・ 「Direct Connection」を選んで「次へ」 ・ 表示されるダウンロードサイトから適当なものを選んで(末尾が .jp となっている 日本のサイトを選ぶとよい)、「次へ」 ・ インストールするパッケージの一覧が表示されるので、そのまま「次へ」 ・ ダウンロードが始まる。ダウンロードが終わると、デスクトップにアイコンを作成す るかとスタートメニューに追加するかを聞いてくるので、両方ともチェックを入れて 「次へ」 ・ 「Installation Complete」で終了。 ・ デスクトップから用済みのファイル「setup.exe」とインストールしたパッケージが 入っているフォルダを削除する(しなくてもよい)。

6 2) 使い方

「Cygwin」アイコン をクリックして、UNIX コマンドを実行して動作を Cygwin.lnk

確認する。例えば、

$ pwd $ はCygwinのプロンプト

と入力する(入力するのはアンダーライン部分のみ)と、

$ /home/ユーザ名

と表示される。 この例では、ユーザ名は Administrator

現在、このユーザ(ユーザ名 Administrator) のホームディレクトリにいる

これ以後は、UNIX ユーザのごとく、UNIX のコマンドが自由に使える。 Emacsはインストールされていないので、Emacs の代替として次に述べる Meadow を使 うとよい。

7 3.Meadow (GNU Emacs)

Windows 上で使える Emacs には Meadow、Emacs 21、Mule for Win32、XEmacs などいろい ろある(違いについては、 http://www4.kcn.ne.jp/~boochang/emacs/emacsen-w32.html に解説があるが、かなり古い)が、ここでは Meadow(メドウ)のインストールについて述 べる。

Cygwin をインストールして Windows 上の UNIX-like な環境ができあがったら、今度は UNIX 上の標準エディタ(というよりも、開発環境と言った方がよいだろう)である GNU Emacs の Windows 版である Meadow をインストールする。Meadow は、GNU Emacs 20.x をベースに 宮下尚氏を中心とするチームによって開発された Windows 上で動作する GNU Emacs である (最新版は、Meadow 2.10 (ASAGAO) based on Emacs-21.4)。Meadow (Emacs)は単なるテ キストエディタではなく、メールやニュースの読み書き、Web ページのブラウズ、C, C++, Java などのプログラミング環境の提供、HTML, TeX などの文書作成支援、UNIX シェルコマ ンドの実行、などをサポートしている。 UNIX, Meadow および Emacs については、インストールの方法から使い方まで、以下のサ イトに解説があるので参照されたい: http://www.meadowy.org/meadow/ 以下に記述するのは、上記サイトに書いてあるのとは異なるインストール方法である。

(1) 入手方法とインストール 1-1) http://www.meadowy.org/meadow/netinstall から Meadow のアーカイブ(Meadow 用のソースファイル一式をディレクトリ構造も含め て圧縮したもの)「Meadow-1.15-i386.tar.gz」(約 14MB)を適当な場所(この例では、 D ドライブの D:\tmp フォルダを使う)にダウンロードする。 Meadow 3.00 用と Meadow 2.10 用があるが、以下では Meadow 2.10 用を基に記述する。

• setup.exeバイナリ ・・・setup.exe, setup-ja.exe (current version is 2.10.8)

の「setup-ja.exe」をクリックして、適当なフォルダ(例えば、デスクトップ)にファ イルを保存する。

1-2) ダウンロードしたファイルをクリックし、画面に表示される指示に従って各種の設 定を行なう。 ・「インストール方法」として「インターネットからインストール」を選択。 ・インストールの作業用のディレクトリを聞かれるので、例えば、デスクトップを指

8 定する。 ・「インストール先ディレクトリ」を聞かれるので、Cygwin と一緒に用いるのであれ ば Cygwin をインストールしたディレクトリ「C:\cygwin」を選択。 ・「接続方法」は「ダイレクトに接続する」 ・「ダウンロードサイト」を1つクリックして選んで「次へ」。 ・「インストールするパッケージ」はそのまま「次へ」 ・「今すぐ install.exe を実行しますか?」にチェックを入れて、「終了」 1-3) .emacs ファイル(Emacs のカスタマイズのために必要なファイル)を読込むディレ クトリを聞いてくるので、デフォールトで示される「C:\cygwin\home\ユーザ名」をそ のまま使う(リターンキーを押下する)とよい。 アイコン「Meadow」が作られるので、デスクトップに移す(移さなくてもよい)。 1-4) 不要となったダウンロード済みファイル(デスクトップ上)を削除(しなくてもよ い)。

2) Meadow の起動方法

「Meadow」のアイコン Meadow2.lnk をクリックするか、あるいは Cygwin の$プロン

プトで

$ Meadow ($ meadowでもよい)

と入力する。あるいは、ファイル名を指定して

$ Meadow abc.java

のように入力する。

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Meadow が立ち上がる。

以後、Emacs と同様に使えばよい。例えば、Java のソースコードを Meadow で書いてセーブ したら、javac コマンドによってコンパイルし、java コマンドで実行することができる(上 記2項に書いたように JDK5.0 をインストールして、環境変数の設定をしてある場合)。

10 4.Windows 上の Java 開発環境 Eclipse

ここでは、オープンソース(ソースコードが公開されていて自由に使える)Winodws 上の Java 開発環境の1つである Eclipse(エクリプス)についてごく簡単に説明する。 Cygwin(+Meadow)は Windows 上で UNIX-like な環境を提供するためのものであったが、 Eclipse を使うためには UNIX ユーザである(UNIX について知っている)必要はない。 Eclipse は Eclipse Foundation という団体によって開発と配布が行われており、予め決 められた規約さえ守れば誰でも自由に利用することができる。Eclipse については、 http://www.eclipse.org/ を参照のこと。 Eclipse を使うためには、まず、Eclipse を使うつもりのPCに JDK5.0 をインストール しておく必要がある(上記1の方法でインストールを済ませておくこと)。 Eclipse の本格的な最新版をインストールするためには、上記ウェブサイトからダウンロ ードしてインストールする必要があるが、ここではインストールが易しい All-In-One Eclipse (AIOEC)をインストールする方法についてだけ述べる。AIOEC は、いろいろなプラ グインが付いて日本語化された Eclipse でインストールが易しいし日本語化されていると いう長所がある代わりに、Eclipse の最新版よりも古いという欠点はあるものの、初心者に は十分であろう。 AINEC については次のサイトを参照のこと: http://aioec.sourceforge.jp/ AIOEC のダウンロードは次のサイトから: http://sourceforge.jp/projects/aioec/files/

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