タクサ 日本動物分類学会誌 2020 48: 71–83 総説

真核生物の高次分類体系の改訂―Adl et al. (2019)について―

Revision of higher taxonomic classification of —As for classification in Adl et al. (2019)—

矢﨑裕規 1)・島野智之 2), *

Euki Yazaki1) and Satoshi Shimano2), *

A new revision of the higher taxonomic classification of eu- Eukaryotic Microbiology(JEM)に掲載され,著者 karyotes was published in 2019 in the journal of the Interna- のひとり(島野)も共著者として関わった.Adl et tional Society of Protistologists, Journal of Eukaryotic Mi- al. (2005)において新たな概念を用いた真核生物の crobiology. In the seven years since the last revision made in 2012, the large-scale multigene phylogenetic analyses in the 分類体系として提案されてから,2012年に続いて2 background of the recent advancement of sequencing tech- 度目の改訂である(Adl et al., 2012, 2019).これま nology have revealed the affiliation of many “orphan” lin- でに,Adl et al. (2005)およびAdl et al. (2012)の解説 eages and taxa. The major changes in this revision are the following four points: i) is not adopted to be a として,著者のひとり(島野)が本誌にも総説(島 clade, ii) CRuMs as an assembly of Collodictyonida, Rigifi- 野2010a, 2017)を発表してきた. lida, and Mantamonas is adopted to be a clade as the rela- Adl et al. (2005) はスーパーグループが内包する階 tives of , iii) consisted of Haptophyta and Centrohelida is adopted as a new clade, and iv) Crypista is 層を伝統的な分類階層である門や綱などの代わりに also adopted as a new clade. 「ラ ン ク(rank)」を用い,それぞれ“First rank”, Key Words: , Eukaryota, , Chinese name, “Second rank”等としてランクにおける階層は分類 phylogenomic analysis 学的な意味を持たないことを示した.Adl et al. (2005) がこのランクという概念を導入した理由は, 真核生物の高次分類体系の改訂について 近年,続々と発見される新奇種や分子系統解析の台 頭などにより,分類群は流動的に変わり,それに伴 真核生物の高次分類体系の改訂(Adl et al., 2019) い分類階級も動かす必要が頻繁に生じるためであ が,国際原生生物学会International Society of Protis- る.この分類学的問題を解消し,真核生物分類を理 tologists(ISOP)の見解として,同学会誌Journal of 解するうえで非常に有用であることから,Adl et al. (2005)は門や綱などの分類階級の代わりに階級を無 視して「まとまり」という形で捉える「ランク」を 1) 東京大学医学部・大学院医学系研究科 分子細胞生 物学専攻生化学・分子生物学講座 分子生物学分野 採用した.これについては,島野(2010a, b)で解 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1 説している. Department of Biochemistry and Molecular Biology, これに対し,Ruggiero et al. (2015)は,約160 万種 Graduate School and Faculty of Medicine, The University of Tokyo, 7–3–1, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo, 113–0033 を含む全生物のチェックリスト(Roskov et al., 2014, Japan 最新版はRoskov et al., 2019)とそのデータベース E-mail: [email protected] 2) Catalogue of Life(http://www.catalogueoflife.org/annu- 法政大学 自然科学センター 〒102–8160 東京都千代田区富士見2–17–1 al-checklist/2019/)の作成者とユーザーのために, Science Research Center, Hosei University, 2–17–1, Fuji- 全生物(真核生物および原核生物)の分類体系を整 mi, Chiyoda-ku, Tokyo, 102–8160 Japan 理した. は既に単系統である E-mail: [email protected] Ruggiero et al. (2015) * Author for Correspondence ことが否定されて分類群として解体しているクロミ

タクサ No. 48 (2020) 71 矢﨑裕規・島野智之

スタ界を採用するなどしているが,リンネ式階層分 ら分岐したとして知られ(Woose et al., 1990),特に 類に慣れ親しんだユーザーにとっては理解しやすい 近年では分子系統解析などからアーキアの中でも膜 分類体系に立脚している.分子遺伝学的情報や細胞 輸送系など多くの真核生物ホモログを有していると 生物学的情報を基盤とした真核生物全体の真の体系 されるアズガルド(Asgard)クレードから分岐した を作ることを試みているAdl et al. (2005; 2012; 2019) と示唆されている(Zaremba-Niedzwiedzka et al., の分類体系とは異なる立場にある(p. 7, Adl et al., 2017).アズガルドクレードは,ロキ,ヘイムダル, 2019).これについては,島野(2017)が,Adl et オーディン,トール,ヘルの5系統で構成されるク al. (2012) による改訂された体系と,Ruggiero et al. レードである.アーキアから分岐後,長い歳月を経 (2015) によるリンネ式階層分類体系に基づく整理を て原核生物と一線を画するように,細胞サイズを巨 対比し,解説している. 大化し,細胞分裂方式を変え,真核生物特有の代謝 Adl et al. (2019) は,前改訂(Adl et al., 2012)か 系を獲得し,系統によっては多細胞化するなどし ら7年間において得られた新知見に基づき分類体系 て,現在のように多種多様な真核生物系統を構成す を改訂した.さらに,真核生物用のプライマーセッ るに至った(井上,2007).リンネ式階層分類体系 トの整理,同系統内で栄養摂取様式および食性ごと において,真核生物の分類は人間が肉眼で認識でき に生物をまとめた食性ギルドの記述(ギルドとは同 る身近な多細胞生物である動物界と植物界を基に設 一の栄養段階に属すもので,ここではある共通の資 立された[Linnaeus, 1753, 1758; その後の分類体系 源を利用している複数の種を示す),そして,世界 の変遷は島野(2010a)などを参照].一方で,真核 中の漢字ユーザーのための原生生物分類群名に対す 生物の約二十数億年の歴史からみれば(分岐年代に る「漢字名」の整理などが合わせて行われた. はいまだに諸説がある―約30億 年: Dacks et al., また,今回の改訂では,分類群名も命名法における 2016;約23億 年: Hedges et al., 2004;約16億 年: 先取権に則り,いくつかの分類群名が変更されてい Eme et al., 2014),単細胞生物からの多細胞化は比 る.例えば,Adl et al. (2012)が採用したクリプト 較的最近の出来事であり(約10億 年: Knoll et al., 植物の内部系統であるGoniomonadeaは,Corliss 2006など),その多細胞生物が後の動物界や植物界 (1994)で初出(GoniomonadalesとしてはNovarino を担っている.真核生物の多様な系統の中で動物界 and Lucas, 1993で初出) となるが,同様の分類群が, や植物界は限定的な系統に過ぎないため,真核生物 Pringsheim (1944)によって,Cyathomonadaceaとし の遺伝的多様性を担っているのは肉眼で認識するこ て記載されているため,Adl et al. (2019)は先取権に との困難な単細胞真核微生物(原生生物,protist: 則りCyathomonadaceaを採用している. 生物群の名称および所属する個々もプロティストと 本総説においては,Adl et al. (2019)における分類 いう)であるといえる.これこそ,リンネ式階層分 体系の改訂のこれらのポイントを中心に,以下,解 類体系に基づく動物界や植物界を用いた体系(Ruggie- 説をしたい. ro et al., 2015など)が,Adl et al.(2005, 2012, 2019) の提唱する分子遺伝学的情報に基づいた真核生物全 真核生物の分類体系―リンネ式階層分類体系は 体の分類体系と整合性がとれない理由である. 人為分類か ? 現在では,長足なシーケンス技術の進歩にとも なって簡便に分子遺伝学的情報が取得できるため, 本章では,Adl et al.(2005, 2012, 2019)が改訂を 難培養生物からでもデータが得られるようになっ 行ってきた真核生物の分類体系の理解を平易にする た.そこで,分子遺伝学的情報や細胞生物学的情報 ために,Adl et al.(2005, 2012, 2019)の分類体系の を基に,忠実に真核生物全体の体系を作ろうという 立場とこれまでのリンネ式階層分類体系について詳 立場がスーパーグループを用いた体系(Adl et al., しく触れておきたい. 2005, 2012, 2019)である. 真核生物(Eukarya, ユーカリア)は原核生物の一 群であるアーキア(Archaea, 古くは古細菌とも)か

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Adl et al. (2012) から Adl et al. (2019) への改訂 うか.この章ではAdl et al. (2019) における主な分 のポイントと分類群の変遷 類群の変遷とその根拠となった研究に関して解説し たい.Adl et al. (2012)とそれ以前(Adl et al., 2005) 前回の真核生物の分類体系の改訂(Adl et al., の比較は,島野(2017)を参照されたい. 2012)からAdl et al. (2019) の再改訂までの7年間に なお,Adl et al. (2019)には, 真核生物の体系を改 おいて,さらなるシーケンス技術の革新と大規模化 訂する根拠となった文献が附表(appendix S1)とし する分子データの計算に耐えられるコンピュータの て,各分類群にごとに示されているので参考になる 進歩によって,大規模な分子配列データに基づく真 だろう. 核生物全体の再解析,および系統的帰属が不明で あったプロティストや新奇プロティストを対象とし 1. 真核生物大系統における全体像 た系統解析の研究成果が続々と発表された.これら 真核生物は遊走細胞の鞭毛の本数によって,ユニ の成果によって,真核生物全体の系統関係は大きく コンツとバイコンツに大分されていたが(Cavalier- 再編された(図1).それでは,Adl et al. (2012) か Smith, 2002)[正式に分類群名としては提案されて らAdl et al. (2019) へと真核生物の分類体系の改訂 いない:島野(2017)を参照のこと],Adl et al. を促す,どのような研究成果の変遷があったのだろ (2005) 以降に分子遺伝学的情報を基盤とした分類体

図1. Adl et al. (2012)とAdl et al. (2019)の高次分類体系の比較(島野, 2017を改変). 斜字体は,真核生物を大きく2つに分けるグループを示す.*この名前は広く用いられているが,正式 な分類群名として提唱されてはいない.スーパーグループを[**]で示す.また,これまでの高次分類 における大まかな分類群の変遷が理解しやすいように,Cavalier-Smith (2002),Adl et al. (2005)で採用さ れた分類群も併記した.Adl et al. (2012)とそれ以前の比較は,島野(2017)を参照されたい.

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系へと変遷した.Adl et al. (2012)においては,人類 ンクレード(Orphan clade: Orphan孤児「どの分類群 が属するオピストコンタ(Opisthokonta)とアメー とも姉妹群にならない」の意)のいくつかがまとま バ生物群であるアメーボゾア()などか り,新たな真核生物系統として設定された.Adl et らなる(i)アモルフィア(Amorphea),細胞の鞭毛 al. (2019)において新たにクルムス(CRuMs),クリ 基部から伸びる腹溝によって定義される3つの系統 プチスタ(),ハプチスタ(Haptista)が主 (メタモナズ(注1): Metamonada,ディスコバ: Dis- 要分類群として採用したのは大きな改訂といえる. coba,マラウィモナズ: Malawimodadidae)からな る(ii)エクスカバータ(Excavata),そしてその他 2. オピストコンタ近縁生物群クルムスの設定 の生物群を一つにまとめた(iii)ディアフォレティ Adl et al. (2012) のようにアモルフィアは真核生物 ケス(Diaphoretickes)の3つ(i–iii)に真核生物は の確固たる主要系統として認識されているが,その 大分された[詳細は島野(2017)を参照のこと]. 近縁系統は議論がなされてきた(Zhao et al., 2012; Adl et al. (2019)において,アモルフィアおよび Cavalier-Smith et al., 2014; Katz et al., 2015). Brown ディアフォレティケスは変わらず,それぞれは一つ et al. (2018)が,そういったアモルフィアの近縁系 の分類群として配置された.さらに,Brown et al. 統とされながら系統的帰属がはっきりとしなかった (2013)の分子系統解析では,アモルフィア内でオピ コロディクティオニッズ(Collodictyonida),リジ ストコンタとアプソモナズ(), ブ フィリッズ(Rigifilida),マンタモナス(Mantamo- レビアーツ(Breviatea)が単系統となることが強く nas)から分子データを取得し,351遺伝子を用いた 支持されているので,Adl et al. (2019)はこれらをま 分子系統解析を行った結果,それらは高い統計的支 とめたオバゾア()を上位の分類群として 持のもとに単系統となった.この単系統群は構成す 配置した.一方で,これまでの大規模な分子系統解 るそれぞれの生物群の頭文字をとりクルムス 析によると3分類群からなるエクスカバータの単系 (CRuMs)と命名され,Adl et al. (2019)においても 統性は疑わしく(Yang et al., 2017; Brown et al., 新たに主要分類群として加えられている.クルムス 2018; Heiss et al., 2018),今回の改訂において,エク は,細胞に可塑性があることや仮足を持つ種が存在 スカバータとよばれた分類群は一旦解体された.し するなどの共有形質が存在する(Glücksman et al., たがって,Adl et al. (2019)はエクスカバータという 2011; Yabuki et al., 2013; Zhao et al., 2012).また, 分類群名を採用していない. Brown et al. (2018)ではエクスカバータとして認識 旧エクスカバータの3分類群の単系統性はそれぞ されていたマラウィモナズ,さらには系統的位置が れよく支持されている.また,いくつかの分子系統 議論されているアンキロモナズ() 解析からは,マラウィモナズがアモルフィアとの近 がクルムスの外群となることが推測されているもの 縁性を示し,多くの嫌気性生物からなるメタモナズ の,系統解析手法によっては姉妹群とならない およびミドリムシなどが含まれるディスコバの単系 (Strassert et al., 2019など).分子系統学的な根拠が 統性が再現される(Kamikawa et al., 2014; Yabuki et 乏しいことから,Adl et al. (2019)においてもマラ al., 2014).しかし,旧エクスカバータの各系統が ウィモナズとアンキロモナズは主要分類群に属して 真核生物全体においてどのような系統的位置となっ いない.我々はこれらのアモルフィア近傍における ているかは依然として不明瞭であり,分子系統解析 オーファンクレードの分類体系はまだ流動的であり, における進化モデルやタクソンサンプリングによっ 今後の分類体系の変遷の重要な点であると考える. ては必ずしもメタモナズとディスコバの単系統を復 元しない(Yang et al., 2017; Brown et al., 2018; Heiss 3. 旧ハクロビア生物群の系統的帰属 et al., 2018).そのため,旧エクスカバータ3分類群 これまでにオーファンクレードであるクリプト植 の系統的位置は今後の議論の焦点になるだろう. 物(CryptophytaもしくはCryptophyceae),ハプト植 また,系統関係が真核生物大系統の中で不定で 物(Haptophyta),有中心粒太陽虫(Centrohelida) あったクリプト植物やハプト植物といったオーファ は,テロネミッズ(Telonemida)とともにOkamoto

74 タクサ No. 48 (2020) 真核生物の高次分類体系の改訂Adl et al. (2019)について

et al. (2009)が提唱した分類群であるハクロビア 統的位置は注視すべきである. (: ピコビリ藻を含む場合もある)として クリプト植物の「植物(phytaやphyceeに相当す まとめられることが多かった.ハクロビアはクロム る)」は紅藻由来二次葉緑体を持つ生物群としてま アルベオラータ仮説と同様に,その真偽が特に議論 とめられたクロムアルベオラータ仮説から端を発し されてきたが,200を超える遺伝子を用いた分子系 ており,光合成能を持つクリプトモナズの姉妹群で 統解析では単系統性が認められておらず(Burki et あるゴニオモナズは葉緑体を失ったクレードである al., 2016; Janouškovec et al., 2017; Lax et al., 2018), と考えられていた(Okamoto et al., 2009; Kim and 今回の改訂でハクロビアを採用していない.ここで Archibald, 2013).しかし,近年の研究から,葉緑体 は,ハクロビアに属していた分類群の再編を解説す を持たないカタブレファリッズの系統的位置がクリ る.なお,クロムアルベオラータ仮説はCavalier- プト植物の基部であること(Okamoto and Inoue, Smith (1999) が提案し,広く知られ様々な論文にも 2005; Okamoto et al., 2009),ゴニオモナズは葉緑体 用いられてきた一方で,近年の分子系統解析の多く を保持していた時期がないこと(Cenci et al., 2018) でクロムアルベオラータを構成する系統群が多系統 が現在のところ推測されているため,クリプト植物 であることが示されているため(Stiller et al., 2009; の共通祖先が葉緑体を獲得したわけではないと考え Baurain et al., 2010; Parfrey et al., 2011), Adl et al. られている.このようにクリプチスタ内における葉 (2012) 以降では採用されていない. 緑体獲得経緯は極めて複雑であり,さらに栄養摂取 クリプチスタ: 分類群としての歴史は比較的長いが 様式も光合成による独立栄養,捕食するものから吸 (Cavalier-Smith, 1989, 2018), Adl et al. (2012)では採用 収栄養まで多様であり,形態的特徴も多様であるこ されていなかった.一方で,Adl et al. (2012) では紅 とから,クリプチスタの共有派生形質は依然として 藻由来の葉緑体を持つクリプトモナズ(- 明らかになっていない(Yabuki et al., 2014; Cenci et ales),その姉妹群であり光合成能を持たないゴニオ al., 2018). モナズ[Goniomonas;Adl et al. (2019) ではHemiarma ハプチスタ: Adl et al. (2019) ではハプトネマと呼ば とまとめられCyathomonadaceaとされる],それら れる鞭毛様器官を保持することで定義されるハプト の基部から分岐する捕食性自由生活種であるカタブ 植物と微小管に支持され放射状に伸展する軸足を有 レファリッズ(Kathablepharidae)の3つのグループ する有中心粒太陽虫とが単系統となるハプチスタを をクリプト植物()の下位クレード 主要系統のひとつに認めている.Burki et al.(2016) として扱っている.Yabuki et al. (2010) が記載した では,培養が難しく今までにRhaphidiophrys ambigua 捕食性自由生活種のPalpitomonas bilixは,153遺伝 とPolyplacocystis (Rahidiophrys) contractilisを除いて 子を用いた分子系統解析によってクリプト植物の基 分子配列データがほとんど取られていなかった有中 部から分岐していることが示された(Yabuki et al., 心粒太陽虫から新たに4種の培養株が樹立され,培 2014).この知見にもとづき,Adl et al. (2019) はク 養株から抽出したトランスクリプトームデータを基 リプト植物とPalpitomonas bilixをまとめる上位の分 盤に250の遺伝子配列を用いた分子系統解析が行わ 類群としてクリプチスタ(Cavalier-Smith and Chao, れている.この分子系統解析で高い統計的支持のも 2012)を採用している.近年の200遺伝子を超える とハプト植物および有中心粒太陽虫が単系統となっ 分子系統解析からは,クリプチスタは光合成生物か たことから,これらの生物群の上位分類群としてハ らなるアーケプラスチダ()の特に紅 プチスタを定義することとなった(Burki et al., 2016). 藻(Rhodophyta)と近縁であることが推測されてい また,Burki et al.(2016)ではハプチスタは系統 るが(Cenci et al., 2018; Lax et al., 2018),クリプト 的所属が不明であったテロネミッズとともにSAR 植物およびクリプチスタの真核生物大系統の中では クレードと近縁であることが示されている.SAR 系統的位置が定まっておらず(Yabuki et al., 2014; クレードはストラメノパイル(), ア Burki et al., 2016; Janouškovec et al., 2017; Lax et al., ルベオラータ(Alveolata),リザリア()の 2018),今後もクリプチスタの真核生物における系 頭文字からとられた系統であり,Burki et al. (2008)

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において行われた135遺伝子配列を用いた分子系統 coracysta twistaがディアフォレティケスの新奇系統 解析によって単系統であることが示されている.テ と推測されたことや(Janouškovec et al., 2017), 351 ロネミッズの系統的帰属を推測するために行われた 遺伝子を用いた解析から土壌微生物のHemimastix Strassert et al. (2019) における248遺伝子を用いた解 などから構成されるオーファンクレードのヘミマス 析で,テロネミッズはSARクレードの姉妹群とし ティゴフォラ()の系統的位置が て強く支持されるものの,ハプチスタは単系統とな ディアフォレティケスの基部から分岐することが推 るが系統的位置はBurki et al. (2016) を再現しなかっ 測されるなど(Lax et al., 2018),既存の系統に内包 た.また,この解析においてクリプチスタはアーケ されない新奇系統が続々と認識されてきている.ア プラスチダとの近縁性を強く示している.これら複 ンキロモナズ,マイクロへリエラ(Microheliella), 数の大規模分子系統解析の結果から,ハプチスタお ピコビリ藻として報告されたピコモナス(Picomo- よび今回の改訂では帰属が不明なままであるテロネ nas),さらにはエクスカバータであった3分類群 ミッズはSARクレードに近縁な系統と考えられ, (ディスコバ,メタモナズ,マラウィモナズ)など, ハプチスタとクリプチスタは単系統であるとは言い いまだに多数の系統的位置が未解明な種やオーファ 難い.今回の分類体系の改訂では,ハプチスタ,ク ンクレードが存在している.これらの系統的帰属を リプチスタはそれぞれ主要分類群としてまとめられ 精度良く解明していくことで,今後も真核生物全体 たが,テロネミッズを含めハクロビアを構成してい において抜本的な分類群の改訂が必要となるだろう. た分類群の正確な系統的位置は依然として不明瞭で あるため,今後に大きな分類体系の改訂が必要にな プライマーと eDNA,そして栄養段階の理解の る可能性が残る. ためのギルドの記述

4. 内部系統の変遷と新奇真核生物系統 eDNAは(environmental DNA,環境DNA),海水 Adl et al. (2012) からAdl et al. (2019)の7年間で, や土壌などから直接抽出したDNAである.その 大規模分子系統解析によって内部系統に関してもい eDNAを網羅的にシーケンスすることで,そこにど くつかの問題が解かれている.たとえば,Kang et の様な生物が生息しているのかを解析することが可 al. (2017) の351の遺伝子配列を用いた系統解析から 能である(いわゆるメタゲノム解析,シーケンスさ 今まで詳細な内部系統関係が不明であったアメーボ れた配列のことを環境配列などと言う).前項で記 ゾアが,少なくともディスコシア(新称)(Disco- した通り近年の網羅的シーケンス技術の飛躍的な発 sea),ツブリネア(),エボシア(新称) 展と,eDNA抽出技術の漸進によって, 多くの環境 (Evosea)の3つの系統に分岐することが示された. サンプルから簡便にかつ精度のよいメタゲノム解析 また,Janouškovec et al. (2016) の101遺伝子を用い が行われるようになった(Sunagawa et al., 2015; た系統解析によって,今まで明確なコンセンサスの Bahram et al., 2018など). なかった渦鞭毛藻の内部系統分岐関係が明らかとな ただし,eDNAの環境における存在量は培養細胞 り,Adl et al. (2012) では系統として設定されていな と比べるまでもなく極めて少ないため,PCR法など かったシンディニアレス(Syndiniales)が配置され, によって増幅する必要がある.そのため,eDNAを ノクティルカレス(Noctilucales)とダイノファイ 解析する上で,精度の良いプライマーの作成が必須 シー(Dinophyceae)とともに3つの系統からなる となる.また,全生物種類の存在比を知りたいの ことが示された. か,特定の系統の種数を知りたいのかなど,解析の このようにシーケンス技術の漸進とそれを基盤と 対象によって,その生物系統に特化したプライマー した大規模分子系統解析の貢献によって,分類体系 を設計する必要がある.そこで,Adl et al. (2019) で の編成とオーファンクレードの帰属の解明がされて は,eDNA解析用のプライマーを設計する際に役立 きた.また,アメリカ合衆国のサンディアゴにある つように,それぞれの生物系統のSSU rDNA特異的 水族館のサンゴから単離された新奇真核微生物An- プライマーおよび真核生物全体を増幅可能なSSU

76 タクサ No. 48 (2020) 真核生物の高次分類体系の改訂Adl et al. (2019)について

rDNAプライマーを表(table 2, Adl et al., 2019)とし ことが多い.一方,中国では簡体字でないと読めな て紹介している. いため,両方の表記が必要になった.本稿では,繁 また,近年の原生生物の論文,特に生態のみなら 体字の原生生物分類群名を,日本で現在使われてい ず進化系統の論文にも,環境配列としてのみで知ら る新字体漢字名称に書き改めた(表1).なお,新 れている生物が含まれることが多い.特定のハビ しい体系を提案するというよりは,現在使われてい タットに出現する塩基配列としてのみ知られる分類 る名称を統一することが目的なので,体系の改訂か 群がたしかに存在することがある. Adl et al.(2019) らは既に除かれてある門も便宜的に表中に使ってい の附表(appendix S2)には各分類群の食性(何を食 る. べているか)について記され,特に渦鞭毛藻と繊毛 日本の原生生物分類群の和名に関しては,今回提 虫については属レベルでの食性が記載されている. 案された漢字名を「標準和名」として宛てるのか, これによって,栄養段階において,それぞれの分類 それとも現在のようにカタカナ表記との混在とする 群が,どのようなギルドを構成し,機能を持つのか のかについては,議論が分かれる事になるだろう. を理解できるようになった.このことによって,環 また,いわゆる門レベルの漢字名はまだ提案されて 境配列のみで認識されていた分類群が生態系の中で いないことも,今後の原生生物分類群の和名に関す どのようなニッチを占めるのか,その機能を予測す る議論の焦点となる.いずれにしても,このような ることが可能となった. スタンダードができたことで,今後は母語としての 漢字を使う文化圏の国々での原生生物分類群名の整 世界中の漢字ユーザーのための「漢字名」の整理 理が容易になることを期待したい.

今回の改訂では,世界中の漢字ユーザーのために おわりに 原生生物分類群の「漢字名」と,そのアルファベッ ト表記の一般名が持つ意味が整理された(appendix Adl et al. (2019) で,新しく得られた知見に基づく S3,Adl et al., 2019).中国国内では,以前に原生動 真核生物分類群の再改訂の詳細を見てきた.3章で 物と言われていた分類群(葉緑体を持たない単細胞 述べたように現在は,シーケンス技術の革新がもた 真核生物)や微小藻類などの分類群で伝統的な漢字 らした真核生物系統分類の検討の過渡期である.今 名称があり,各研究グループ間で整合性をとれずに 後も改訂は続くが,アモルフィアとディアフォレ 使用している事例が多い.もちろん,韓国,台湾, ティケスによって構成される真核生物の2元的な体 そして日本でも,同様に国内外で整合性が取れてい 系が解体される可能性は少ないだろう.ただし,旧 ない.ただ,日本は近年,和名は統一されてきた印 エクスカバータやオーファンクレードの帰属の如何 象がある[小島ほか(編),1995など].今回の漢 によっては,2大系統に続く新たな巨大系統として設 字名の提案は,母語としての漢字を使う文化圏の 置され,分類体系の編纂が必要となる可能性がある. 国々の原生生物分類群名の混乱を少しでも解消した また,環境配列の情報も多く蓄積されてきたことか いという目的である.附表は,「ランク」とスー ら,他の分類群についても栄養段階の理解のために パーグループ(Higher level ranks and supergroups), 食性ギルドを記述することによって,具体的に食物網 門(Phylum),原生生物分類群の一般名が持つ意味 を解明していこうという動きも出てくると思われる. (Common name translation),それに漢字を当てたも の(Important sub-divisions in Chinese characters), の 注 4項目からなっている.2通りの漢字名称のうち, カッコ内が主に台湾などで使用されている繁体字で (注1)例えば,和名「メタモナズ」は,Metamonada あり,カッコ外が現在の中国で使用されている簡体 を指しているが,分類群名の和訳の「メタモナー ダ門」は一般的ではない.そこで,metamonadsの 字である.韓国,台湾,そして日本では,辛うじて 和訳として「メタモナズ」を当て併記している. 繁体字は読めるが簡体字で書かれると全く読めない 以下,同様.

タクサ No. 48 (2020) 77 矢﨑裕規・島野智之

表1. 原生生物分類群名および漢字名.Adl et al. (2019)の附表(appendix S3)を改変.

Higher level ranks Important sub-divisions in Chinese Phylum 門 常用漢字での表記 Common name translation and supergroups characters

Amoebozoa Tubulinea ツブリネア Corycida( 皮殼葉状根足綱) 皮殼葉状根足綱 Leathery-shell amoebae 皮壳管状根足纲 Echinamoebida( 多針葉状根足綱) 多針葉状根足綱 Amoebae with spiny pseudopodia 多针管状根足纲 Elardia( 三組葉状根足綱) 三組葉状根足綱 Amoeboid group including three 三组管状根足纲 groups (Euamoebida, Leptomyxida, Arcellinida) Arcellinida( 有殼葉状變形綱) 有殼葉状變形綱* partially enclosed in 有壳管状根足纲 a simple shell Evosea エボシア Variosea( 多圓錐型根足綱) 多円錐型根足綱 Amoebae with many conical-shaped 多圆锥型根足纲 pseudopodia Eumycetozoa( 眞菌根足綱) 真菌根足綱 Genuine (mushroom) 真粘菌根足纲 amoebae Cutosea( 眞皮根足綱) 真皮根足綱 Amoebae with a discrete skin 真皮根足纲 Archamoebea( 原始根足綱) 原始根足綱 Ancient (first) amoebae 古变形纲 ディスコシア Stygamoebida( 細片根足綱) 細片根足綱 Amoebae with pseudopodia resembling 细片根足纲 tooth-pick or splinters Centramoebia( 中心體根足綱) 中心体根足綱 Centrosome-bearing amoebae 中心体根足纲 ( 星狀絲足綱) 星状糸足綱 Rounded amoebae with pseudopodia 星状丝足纲 like fingers Ichtyosporea( 孢子型魚病根足綱) 胞子型魚病根足綱 Fish pathogenic amoebae forming 孢子型鱼病根足纲 a spore Choanoflagellata( 立襟鞭毛綱) 立襟鞭毛綱 with a collar-like ring 领鞭毛纲 Porifera ポリフェラ Demospongiae( 普通海綿綱) 普通海綿綱 Common sponges 普通海绵纲 Homoslceromorpha( 同骨海綿綱) 同骨海綿綱 Sponge with undifferentiated 同骨海绵纲 cytoskeleton Calcarea( 石灰海綿綱) 石灰海綿綱 Chalk sponges 石灰海绵纲 Hexactinellida( 玻璃海綿綱) 玻璃海綿綱 Glass sponges 玻璃海绵纲 Nucletmycea オピストスポ Aphelidea( 藻寄生性根足綱) 藻寄生性根足綱 Amoeboid endobiotic parasitoids of リディア 藻寄生性根足纲 algae Microsporidia( 原始寄生性擬菌綱) 原始寄生性擬菌綱 Primitive -like parasite 原始寄生拟菌纲 Blastocladiales(厚壁囊菌綱) 厚壁囊菌綱 Fungi having a thick-walled resting 厚壁囊菌纲 spore Neocallimastigaceae( 新多鞭毛菌綱) 新多鞭毛菌綱 New fungi having many/pretty flagella 新美鞭菌纲 Chytridiomycota( 壺狀菌綱) 壺状菌綱 Fungi resembling a broken-cracked 壶菌纲 egg ( 粘液菌綱) 粘液菌綱 Mucoid or sugar fungi 粘液菌纲 Zoopagomycota( 動物生菌綱) 動物生菌綱 Fungi growing on , Fungi able 捕虫霉纲 to catch bugs Taphrinomycotina( 外囊菌綱) 外囊菌綱 Fungi having an outer ascus 外囊菌纲 Saccharomycetales( 酵母菌綱) 酵母菌綱 Fungi associated with fermentation 酵母菌纲 Pezizomycotina( 周鉢菌綱) 周鉢菌綱 (Bowl-shaped fungi), plate-shaped 盘菌纲 fungi Agaricomycotina( 擔子菌綱) 担子菌綱 Fungi forming a sterigma 担子菌纲 Pucciniomycotina( 銹菌綱) 銹菌綱 Fungi with stem and is associated with 柄锈菌纲 rust disease Ustilaginomycotina( 黑穗菌綱) 黒穂菌綱 Fungi associated with smut disease 黑穗菌纲 Wallemiomycotina( 無子實體菌綱) 無子実体菌綱 Fungi without palisade of basidia 无子实体菌纲

78 タクサ No. 48 (2020) 真核生物の高次分類体系の改訂Adl et al. (2019)について

表1. 続き.

Higher level ranks Important sub-divisions in Chinese Phylum 門 常用漢字での表記 Common name translation and supergroups characters

Rhodophyceae 紅藻 Proteorhodophytina( 原始紅藻綱) 原始紅藻綱 Primitive 原始红藻纲 Eurhodophytina( 眞正紅藻綱) 真正紅藻綱 Genuine red alage, which have two 真红藻纲 phases or three phases Chloroplastida 緑色植物 ( 綠藻綱) 緑藻綱 绿藻纲 Charophyta( 輪藻綱) 輪藻綱 Wheel-shaped green algae 轮藻纲 Nanomonadea( 矮小鞭毛綱) 矮小鞭毛綱 Tiny brown flagellates 微小鞭毛纲 Opalinata( 皮下共生鞭毛綱) 皮下共生鞭毛綱 endobionts; Flagellates mostly 蛙片虫纲 found in frog, with a flat shape like a slice Placidida( 小突起鞭毛綱) 小突起鞭毛綱 having a papilla 小突起鞭毛纲 ( 毫髮鞭毛綱) 毫髮鞭毛綱 Flagellates having tiny flagellar hairs 毫发鞭毛纲 ( 網形鞭毛綱) 網形鞭毛綱 Gliding flagellates producing a network 网丝鞭毛纲 of filaments Pseudophyllomitidae( 非附着鞭毛綱) 非附着鞭毛綱 Flagellates lacking the two adhering 无附着鞭毛纲 flagella Gyrista Developea( 後固着鞭毛綱) 後固着鞭毛綱 Flagellates with adhering posterior 后附鞭毛纲 flagellum Hyphochytriales( 菌絲體鞭毛綱) 菌糸体鞭毛綱 Flagellates having hypha-like 菌丝体鞭毛纲 structures Peronosporomycetes( 植物病原體擬菌綱) 植物病原体擬菌綱 Fungus-like pathogens 植病拟菌纲 Pirsoniales( 硅藻寄生綱) 珪藻寄生綱 parasites 硅藻寄生纲 Actinophryidae( 太陽綱) 太陽綱 Sunlight (or star light)-shaped 太阳纲 Chrysophyceae( 黃褐藻綱) 黃褐藻綱 Golden 金藻纲 Eustigmatales( 眞眼點褐藻綱) 真眼点褐藻綱 Brown algae with a big eye spot 真眼点褐藻纲 Phaeophyceae( 大褐藻綱) 大褐藻綱 The large brown algae 褐藻纲 ( 黃赤藻綱) 黃赤藻綱 Yellow-red algae with branches 褐枝藻纲 Raphidophyceae( 針鞭毛藻綱) 針鞭毛藻綱 Algae with needle shaped flagellum 针胞藻纲 Xanthophyceae( 黃綠藻綱) 黄緑藻綱 Yellow-green algae 黄绿藻纲 Bolidomonas( 迅游泳藻綱) 迅遊泳藻綱 Diatom-like algae with rapid 迅游藻纲 swimming Diatomeae 珪藻 Diatomeae( 硅褐藻綱) 珪褐藻綱 Brown algae like glass box with lid 硅褐藻纲 ( 硅質鞭毛藻綱) 珪質鞭毛藻綱 Algae producing a siliceous skeleton 硅鞭藻纲 ( 浮生褐藻綱) 浮生褐藻綱 Filamentous brown algae living in the 浮生褐藻纲 sea; brown algae living a planktonic habitat Pinguiophyceae( 脂褐藻綱) 脂褐藻綱 Brown algae containing (a high 脂褐藻纲 concentration of) fatty acids Incertae sedis ( 捕食性鞭毛綱) 捕食性鞭毛綱 Predatory flagellates Alveolata 捕食鞭毛纲 Dinoflagellata 渦鞭毛藻 Syndiniales( 共生性渦鞭毛藻綱) 共生性渦鞭毛藻綱 Parasitic dinoflagellates, symbiotic 共生涡鞭藻纲 dinoflagellates Noctilucales( 夜光藻綱) 夜光藻綱 Algae with bioluminescence 夜光藻纲 Dinophyceae( 渦鞭毛藻綱) 渦鞭毛藻綱 Algae with spiraling motility, algal 涡鞭藻纲 flagellates with a spiral or girdle groove

タクサ No. 48 (2020) 79 矢﨑裕規・島野智之

表1. 続き.

Higher level ranks Important sub-divisions in Chinese Phylum 門 常用漢字での表記 Common name translation and supergroups characters

Apicomplexa アピコンプレ Aconoidasida( 無圓錐頂端複合體綱) 無円錐頂端複合体綱 lacking a conoid クサ 无圆锥体顶复纲 Conoidasida( 圓錐頂端複合體綱) 円錐頂端複合体綱 Apicomplexa possessing a conoid 圆锥体顶复纲 Ciliophora 繊毛虫 Karyorelictea( 核殘跡纖毛綱) 核残跡繊毛綱 Ciliophores having relict of parents’ 核残迹纤毛纲 macronulei Heterotrichea( 異毛纖毛綱) 異毛繊毛綱 Ciliophores with different length of 异毛纤毛纲 flagella Spirotrichea( 型旋纖毛綱) 型旋繊毛綱 Ciliophores with spiraling adoral zone 旋唇纤毛纲 of membranelles Armophorea( 鬪帽纖毛綱) 闘帽繊毛綱 Ciliophores having the appearance of 盔帽纤毛纲 military helmets Litostomatea( 裂口纖毛綱) 裂口繊毛綱 Ciliophores with a cytostome with oral 裂口纤毛纲 dome Phyllopharyngea( 葉咽纖毛綱) 葉咽繊毛綱 Ciliophores with a leaf-shaped 叶咽纤毛纲 cytopharynx Colpodea( 腎形纖毛綱) 腎形繊毛綱 Ciliophores with a kidney shape 肾形纤毛纲 Prostomatea( 前口纖毛綱) 前口繊毛綱 Ciliophores with cytostome at the 前口纤毛纲 anterior pole Plagiopylea( 斜毛纖毛綱) 斜毛繊毛綱 Ciliophores with oblique slit flagella 斜毛纤毛纲 Oligohymenophorea( 貧膜纖毛綱) 貧膜繊毛綱 Ciliophores with a small paroral 寡膜纤毛纲 membrane Nassophorea( 篮口纖毛綱) 籃口繊毛綱 Ciliophores showing a basket-shaped 篮口纤毛纲 oral structure ケルコゾア Silicofilosea( 硅質絲狀根足綱) 珪質糸状根足綱 Filose amoebae covered by siliceous or 硅质丝足纲 glass scales, vase-shaped shell 有孔虫 Monothalamea( 單房室有孔綱) 単房室有孔綱 Foraminiferans with single chamber 单房室有孔纲 test ( 管狀有孔綱) 管状有孔綱 Foraminiferans with tubular chamber 管状有孔纲 test ( 單層有孔綱) 単層有孔綱 Foraminiferans with monolamellar test 瓶状有孔纲 放散虫 Acantharia( 放射棘綱) 放射棘綱 Protozoa with axopods and filopodia; 等辐骨纲 protist with radiated spicula of same length Polycystinea( 多孔囊綱) 多孔囊綱 Protozoa (with a sac) covered by many 多孔纲 pores Metamonada メタモナダ Fornicata( 拱門形纖維綱) 拱門形繊維綱 Protozoa with an arched B-fiber 拱形纤维纲 Parabasalia( 副基体綱) 副基体綱 Protozoa with one or more parabasal 副基体纲 apparatus Preaxostyla( 二重纖維綱) 二重繊維綱 Protozoa with I-fiber with double-cross 二重纤维纲 matrix Discoba ディスコバ Jakobida( 單背翼綱) 単背翼綱 Protozoa with a single dorsal vane in 单背翼纲 the posterior flagellum Heterolobosea( 噴出形根足綱) 噴出形根足綱 Amoebae with eruptive pseudopodia; 异叶足纲 amoebae with differentiated leaf-shaped pseudopodia ユーグレノゾ Kinetoplastid( 運動核質鞭毛類) 運動核質鞭毛類 Protozoa with kinetoplast ア 动质体纲 Euglenid( 軟豆鞭毛類) 軟豆鞭毛類 Yellow-green flagellates 软豆鞭毛类

Haptophyta ハプト藻 Prymnesiophyceae( 碳酸鑛物化藻綱) 炭酸鉱物化藻綱 Algae with CO2-mineralized scales 碳酸质鳞片藻纲 Coccolithophorid( 圓石藻類) 円石藻類 with calcareous (chalk) 颗石藻类 scales Centroplasthelida 有中心粒太陽 Pterocystida( 無外骨格鞭毛綱) 無外骨格鞭毛綱 Protozoa without any exoskeletal 虫 无外骨骼鞭毛纲 elements Panacanthocystida( 石鱗鞭毛綱) 石鱗鞭毛綱 Protozoa with siliceous scales or with 石鳞鞭毛纲 organic spicules Cryptista クリプチスタ Cryptophyceae( 隱鞭毛藻型) 隠鞭毛藻型 New algae with prominent ejectisomes; 隐藻纲 cryptic algae

80 タクサ No. 48 (2020) 真核生物の高次分類体系の改訂Adl et al. (2019)について

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タクサ No. 48 (2020) 81 矢﨑裕規・島野智之

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